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2020年11月17日、厚生労働委員会でコロナ禍の女性たちを取り巻く状況(非正規雇用、同一労働同一賃金、暴力、自殺など)について質問 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

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203-参-厚生労働委員会-002号 2020年11月17日(未定稿)

○福島みずほ君 立憲・社民共同会派の福島みずほです。
まず、このコロナ禍の中で弱い部分にやはりしわ寄せが来ている、非正規で働く人々、女性、若者、外国人、とりわけ非正規、女性、若者に絞って今日はお聞きをいたします。
冒頭、大臣、これそもそも論なんですが、派遣村が大変問題になった二〇〇八年十二月、非正規雇用は一千六百万人と言われていました。現在は二千百万人になっています。私も非正規雇用議員連盟などで頑張っているつもりなんですが、実は圧倒的に非正規雇用が増えてしまっている。この現状、これ、厚生労働大臣としてどう見ていらっしゃいますか。

○国務大臣(田村憲久君) 非正規雇用で働く方々は増えています。
中身を分析すると、ちょっと今手元ないんですが、たしか六〇数%が六十歳以上の方々が増えています。三〇数%が女性だったと思います。
女性がどういう形だったのか、その実際問題、一人親家庭で例えば生計を、主たる生計者が非正規という話になれば、これはやはり非常につらいお立場の中で生活されているという話になると思いますが、新たに増えているということからすれば、正規から非正規に移っているのならばそれはあるのかも分かりませんが、一方で正規も増えておりますので、今まで家庭内で働いておられなかった女性が働き出したというようなことが、これは推察ですけれどもされるわけで、そういう意味では、非正規が増えたというその増えた要因は高齢者と女性が新たに労働の場に参加をいただいたと。その分所得は、国全体の国民の所得は増えているというふうなことが言えるのではないかというふうに思っております。

○福島みずほ君 ただ、その非正規で働く人々の労働条件が正規社員に比べれば圧倒的に悪く、待遇が悪いわけですね。これを放置していいわけがない。もちろん、正社員だってたくさんの問題がありますが、非正規雇用をこれだけやっぱり増やしてしまった政策、法律というのは、これはやっぱり見直す必要があるというふうに思います。
非正規労働者の男女の割合を見ますと、女性の割合は昨年度約五六%、男性は二三%となっています。コロナ禍で、先ほども石橋委員が質問されましたが、非正規雇用議員連盟でたくさんの資料をもらい、説明をしていただきました。コロナ禍で、飲食業、宿泊業、サービス業など元々女性が多い業種で影響が大きく、再就職できずにいる人も多いです。雇用維持のための対策はどうなっているでしょうか。

○国務大臣(田村憲久君) 先ほど来お話を申し上げておりますが、その非正規、とりわけ飲食でありますとか観光に絡む非正規で働いている方々、このコロナ禍で需要がなくなって大変な状況になって、解雇された方々も多くおられるというふうに思います。
非正規を、もちろん非正規で次就職されるという方もおられると思いますが、できれば正規で就職していただけるというのが本当はいい、望まれればの話でありますけれども、いいわけであります。ハローワークで窓口を使っていろんな対応をしておりますし、求職者支援制度に職業訓練の六か月の十万円の給付の事業もあります。それから、女性の場合は、高等職業訓練促進事業、これが、四年間で資格を取って、たしか十万円給付が毎月あったというふうに思います、最終年はもうちょっと上増しだったと思いますけれども。
そういう事業もある中で、しっかりと職業能力も付けていただきながら、一方で生活するための資金等々もしっかり確保していただきながら、正規といいますか、より収入の多い職業に就いていただくべく、様々な施策を通じて応援をしてまいりたいというふうに考えております。

○福島みずほ君 JILPT、独立行政法人労働政策研究・研修機構のアンケートデータによりますと、女性休業者比率と非労働力化が高止まりであると、それから、子育て女性の雇用回復がやはり芳しくないという現状が明らかになっております。また、社会インフラを支えるのに必要不可欠なエッセンシャルワーカーには非正規雇用労働者も大変多いです。特に医療、介護の現場、小売販売の現場を支えているのは女性たちです。
国の就労支援、雇用維持の政策はどうなっているのか。ハローワークの体制拡充、給付金の拡充など行っていただいておりますが、男女平等の観点から女性に特化した支援は現在行ってないということですが、女性に特化した支援も必要ではないでしょうか。いかがでしょうか。

○政府参考人(田中誠二君) 現在、コロナ禍で宿泊業とかサービス業とかで女性の非正規労働者が非常に厳しい状況にあるということは御指摘のとおりです。
その中で、私どもも、今おっしゃいましたように、女性という形で特化した事業を行うということはいろいろな意味で問題がある部分もあります。ただ、現実に女性が厳しい状況にあるということもありますので、ハローワークの様々な事業の中では、現場現場の様々な工夫をしながら、厳しい状態にある女性にしっかりと支援をするような努力をしております。
また、実はここはまだ難しい、分析が難しいところなんですけど、今回、何といいますか、宿泊とか飲食とか、本当に非正規労働の中で女性が失業したり、あるいは先ほどございましたように非労働力化している部分がありますけれども、それが本当にその女性という性別の要因なのか、それともその非正規だという要因なのか、あるいは業種要因なのかといったところを少しよく分析しないといけないなというふうに思っておりまして、今のところちょっとまだ結論は出ていないんですけれども、よくそこも分析しながら、必要とあれば、先ほどの女性に特化という問題はあるんですけれども、現実的な政策選択をしながら対応していきたいというふうに思っております。

○福島みずほ君 今後、更にコロナ感染の第三波、第四波が続く可能性もあります。雇用維持が困難な場合を予想して、コロナ禍でも好調なデジタル関連業などに対応する職業訓練などの支援はいかがでしょうか。

○政府参考人(小林洋司君) 御指摘いただきましたように、デジタル関連などの求人ニーズの非常に高いところの訓練というのが今後更に重要になってくるというふうに考えております。
公共職業訓練の実施につきましては、地域の関係者によります地域訓練協議会等を通じまして、デジタル関連業などの成長分野、あるいは介護などの人手不足分野など、地域ニーズの高い訓練コースの設定に努めているところでございます。
また、非正規雇用労働者の離職という御指摘ございました。これに適切に対応していく必要があるということで、求職者支援訓練のコース設定に加えて、対象人員の枠の拡充ということも行っております。
引き続き、訓練コースの設定、改善を図っていくとともに、特に求職者支援訓練というのが活用可能であるということをきちんと周知していきたいというふうに思っております。

○福島みずほ君 現在、残念ながら採用内定の取消しなどが様々な形で起きています。
先日、あるお母さんに話しかけられました。娘さんが大学生で就職活動をしているけれども、就職が決まらない。こういう話はよく聞きます。就職が決まらない。だから、そのお母さんがおっしゃるには、要するにまたロスジェネ世代に娘たちがなっていくんじゃないか、来年また挑戦するというふうにおっしゃっていましたけれども、新卒求人倍率は前年から低下しており、第二の就職氷河期となるのではないかと学生や親から不安の声が上がっております。
厚労省の対策はどうなっているでしょうか。

○政府参考人(小林洋司君) 御指摘のように、新卒者の採用、非常に厳しい状況にあるというふうに認識をしております。
先般、厚生労働大臣を始めとする関係大臣から経済四団体に対して要請を行いました。一つは、中長期的な視点から新卒者等の採用維持、促進を図ってほしいということ、それから三年以内既卒者を新卒扱いしてほしいということであります。
具体的な取組でございますけれども、新卒応援ハローワーク等がございます。ここにおきまして、学生お一人お一人の状況に応じたきめ細かな就職支援を行っております。また、就職面接会等を積極的に開催し、マッチングの促進を図っていくということ、それから若者雇用促進法の指針に三年以内既卒者の新卒扱いの周知徹底ということが書かれております。これにつきましてもきちっと周知徹底を図っていきたいと思っております。
これから年度末まで最大限努力していきたいというふうに思います。

○福島みずほ君 先ほど石橋理事からもありました旧労働契約法二十条の判決、最高裁判所で十月十三、十五、大阪医科薬科大学事件、メトロコマース事件、日本郵便事件の判決が出されました。最高裁の前の集会や議員会館で開かれた集会などにも参加をしましたけれども、私としては非常にショックを受けています。
労働契約法二十条のときに、私たちは、何としてでも、非正規であれば、いろんな働き方であっても、同一労働同一賃金本当に保障したい、できるだけ労働条件を良くしたいと思って労働契約法二十条には大変期待をいたしました。個別ケースですが、メトロコマースは東京高裁が認めた退職金を認めなかった。そして大阪医科薬科大学事件では賞与を認めなかった。日本郵便事件では手当は認めましたけれども、これは勝訴だったんですが、本当に労働契約法二十条が機能していない。これは大変ショックなんですが、厚労省の受け止め、いかがでしょうか。

○政府参考人(坂口卓君) 今委員の方から御指摘ございましたとおり、今般、最高裁において、旧労働契約法二十条の関係で五つの事案の判決がなされました。内容については今委員の方から御紹介がございましたとおりでございます。
私どもとしましては、受け止めということでございますが、本件いずれも民事訴訟ということで民民間の争いということでございますので、個々のコメントということについては差し控えさせていただきますけれども、やはりいずれの判決も個別の事案に対する判断が下されたものということで理解をしております。
一方で、先ほど御紹介ありましたメトロコマースあるいは大阪医科薬科大学の事案についても、賞与や退職金の相違について、判決の中でも、旧労働契約法第二十条に言う不合理と認められるものに当たる場合はあり得るということも示されているということも承知しております。
私どもとしましては、今回の最高裁の判決の内容について、関係者に適切な理解がされるように丁寧な情報の提供に努めてまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 同一労働同一賃金ガイドラインでは、正規か非正規かという雇用形態に関わらない均等・均衡待遇を確保し、同一労働同一賃金の実現に向けて策定をされました。
厚生労働省のホームページ上を見てもこのガイドラインありますが、賞与は払わないと駄目ですよというかですね、というふうなことをきちっと書いていただいております。
今回の判決については、格差是正のためには賞与、退職金も均等、均衡を考慮すべきとの意見もあります。厚生労働省が今後、より積極的に同一労働同一賃金を実現するために取り得る対策、野党ではこの同一労働同一賃金を強化する法案というのを考えているわけですが、いかがでしょうか。

○政府参考人(坂口卓君) 私どもとしましては、まずもっては、今先ほど御答弁申し上げましたとおり、今般の最高裁の判決の内容についても、判決自体の丁寧な情報提供に努めるということが第一点でございます。また、パートタイム・有期労働法では、旧労働契約法二十条で規定されていた不合理な待遇差の禁止に加えて、御承知かと思いますけれども、事業主から労働者への待遇差の内容や理由の説明の義務付けであったり、労働局における相談、助言などの援助の実施、それから行政ADRの実施ということも新たに盛り込まれました。それで、あと、委員の方からも御指摘あったガイドラインというものも整備して周知に努めているということでございます。
今、この法案については、この四月から大企業は施行されましたけど、中小企業におきましては来年の四月からの適用ということになります。まずもって、やはりこういった不合理な正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の待遇差の解消ということに向けた取組が進みますように、まずこういった内容についてしっかり理解をしていただくべく、労働局あるいは働き方改革推進支援センターも設けておりますので、そういったところでの説明会、相談支援ということで理解をしっかり進めていただくということに尽力してまいりたいと考えます。

○福島みずほ君 条文の手直しが必要ではないかと私自身は思うこともありますが、現行法の下でも、ちゃんと賞与を払わなくちゃいけない、賃金差別は良くない、そして退職金も払うべきだと、同じ仕事をしていれば。同じ仕事といったときに、厳密ではなくて、本当に同じ仕事をしていれば保障するんだということを、今年三月から大企業、来年から中小企業ですが、厚生労働省の下でこれはきっちり徹底していただきたいということを強く申し上げます。
これちょっと質問通告をしてないんですが、男女の賃金格差をどうやってやっぱり解消していくのか。今年九月は、国連のグテーレス事務総長のいわゆる旗振りで、国連の中で、同一、国連平等賃金デーというのを初めて国連はつくりました。
日本では男女賃金差別もありますが、諸外国ではこの公表義務を立法化をどんどん進めています。フランスは三年以内に法令で定める基準に達しない場合、労働者への賃金総額と企業の利益の総額の合計一%を上限とする罰金を付けるとか、ドイツ、カナダ・オンタリオ州、イギリスなどあります。日本の男女賃金格差一〇〇対七三は、OECDでは下から三番目です。女性活躍推進法改正法でも賃金格差の公表は義務ではありません。日本は、有価証券報告書で男女の賃金差別、公表しなくてもいいことになっています。
これは通告していませんが、田村大臣、もっとこの女性、男性の賃金差別をなくすための、例えば見える化とか、やるべきではないでしょうか。いかがですか。

○国務大臣(田村憲久君) まず、男女の賃金格差、いろんな理由があるんですが、その前に正規と非正規の差というのが非常に大きい、これ今委員言われたとおりです。
正規と非正規がなぜ賃金が違うかって、いろいろと因数分解していくんですけれども、一つはやっぱり日本の国がメンバーシップ型で働く企業が比較的多いということ、ジョブ型じゃないということ。つまり、同一労働同一賃金というのは、職務の内容と、それから職務の内容、配置の変更の範囲ですね、さらにはその他の理由、こういうものを勘案しながら、同じ、これが同じなら、全く同じなら同一労働同一賃金じゃなきゃいけないという話になるわけで、職務の内容というのは業務の内容と責任に分かれると思います。
つまり、メンバーシップ型というのは人材活用の仕組みも違っていれば、ずっとそこで働き続けるという前提の下でいろんな使い方、自由に解釈、その代わり無制限で使うというような、実態は無制限じゃないんですけれども、そういう使い勝手のいい使い方で使うという正規と、それからもう、完全この仕事をやってください、これだけですよという非正規と、こういう違いがあるということは、どうしてもそこに同一労働同一賃金が成り立ちづらいという形があるわけで、そこは、ジョブ型に変えていけば、非正規であろうが正規であろうが、それは同じ全く働き方になるわけですから、そうなれば、そこは、責任は若干違うかも分かりませんが、変わってくるのではないかと思います。
で、そこに女性という問題がもう一つあって、そこは長時間労働の問題がずっとあるわけで、長時間労働だから、男性並みに働こうと、働いてキャリア形成していこうと思うと女性は何かを犠牲にしなきゃならないと。例えば、結婚、出産を犠牲にしなきゃいけないだとか、そういう社会の元々ある姿がありますから、もっと男女共同参画の中で両立支援もやりながら長時間労働を是正して、男性がこの時間で、この労働時間でキャリア形成できるのならば、女性もそれならば出産と両立しながらやれるよね、一方で、男性も育児に参画し、家事に参画するから、女性が特別その部分の負担が重くないから、同じ言うなればスタートラインで男性とキャリア形成できるよねと。
そういういろんなものが複雑に絡む中で、実は男女の賃金格差というものが生まれていると思います。一つ一つそこを、問題点を明確にしながら、そこが同じになるような、そういうような労働環境というのをつくっていくということが、私は個人的には必要ではないかと思っております。厚生労働省の中でよく分析をさせて、この男女の賃金格差というものをどう是正していくかということを考えてまいりたいというふうに思います。

○福島みずほ君 厚生労働省で分析して検討してくださるというのは、よろしくお願いします。
ただ、同一労働同一賃金、同一価値労働同一賃金、ほぼほぼ同じ仕事をしているにもかかわらず、職種が違うとか男女で賃金差別があって、日本はこの賃金差別があるからこそ百二十一位、世界で百二十一番目というすさまじい順位になっているわけで、日本の女性の低賃金問題は、本当にこれ厚生労働省挙げて、私たちの課題でもありますが、解決していかなければならないと思います。
一人親世帯への支援です。
これはやっぱり女性の低賃金とも実は関係しているわけですが、昨日、共同会派で、ひとり親世帯給付金年内支給法案を提出をいたしました。これは大臣にも共同会派で申入れに行きましたが、ひとり親世帯臨時特別給付金が支給されていますが、コロナ禍の影響で不安定な生活が継続している世帯が多いです。更に支給を検討すべきではないでしょうか。いかがですか。

○国務大臣(田村憲久君) 一人親家庭、非常に厳しい現状というのは、私も子どもの貧困対策推進議員連盟等々をやりながら、じかにお声をお聞かせをいただいています。やはり、母子家庭と父子家庭でも、これかなり平均年収が違っています。例えば、平均年間就労収入という意味からすると、母子家庭が二百万、父子家庭は三百九十八万と。だから、一人親家庭は厳しいんですが、よりやはり母子、母親の家庭の方が厳しいという現状がこの数字を見ると分かります。
JILPTで八月上旬に調査を行いましたが、これを見ると、雇用や収入に大いに又はある程度影響がある、一人親家庭四四・二%、それから一人親家庭以外四〇・六%と、そういう意味では余り差がないという結果が出てきます。ほかの項目も差が余りありません。ただ、なくても、元から収入が少ないですから、それは影響は全体的から見ればあるのは当たり前なので、そういう意味で、言われますとおり、臨時特別な給付金というものを実施をさせていただきました。
その後どうなっているかというのを今、私大臣になってから早急に調査してほしいということで、厚生労働省にSNSを使って調査をさせておりますので、もうやがてその結果が出てくると思いますから、それをしっかりと分析した上で、早急にどうするべきか判断してまいりたいというふうに思います。

○福島みずほ君 ありがとうございます。
これはもう第三次補正までやると年越せませんから、年内に、今うんうんと大臣が言ってくださいましたが、調査結果を見て、是非この予備費でもう二番目、年内に、一人親家庭、もう大変な状況ですから、御飯食べられないという声聞いていますから、是非ここに、五万円ですよね、ひとり親世帯臨時特別給付金を更に支給するということをよろしくお願いをいたします。
次に、住宅についてお聞きをいたします。
反貧困ネットワークの瀬戸大作さんや稲葉剛さんやたくさんの人たちから住まいが問題だという話を本当に聞いております。ですから、住宅確保給付金についてお聞きをいたします。
コロナ禍で家賃の支払が困難になっている人たちが増えています。住宅確保支援金が支給されていますが、市区町村ごとに定める額を上限に実際の家賃額を原則三か月間、延長は二回まで、最大九か月間支給の制限があります。春に支給を受けた者は年内に終了してしまう。支給期間の見直しをして一年間と延長し、公営住宅の転居を支援するなど、必要ではないでしょうか。

○政府参考人(橋本泰宏君) 住居確保給付金でございますが、この給付金は生活困窮者自立支援法に基づきまして、今委員御指摘のとおり、最長で九か月家賃相当額を支給するものでございます。
この支給期間につきまして、種々御要望をいただいておるところでございますが、今後の対応につきましては利用者の実態等も踏まえて適切に検討してまいりたいと考えております。
それから、今委員から公営住宅への転居の支援など、そういったこともお話しいただきました。
住まいに対する支援といたしましては、第二次補正予算におきまして、アパート等への入居支援ですとか、あるいは入居後の定着支援を行う事業を創設いたしまして、この住居確保給付金も組み合わせて活用しつつ、安定した住まいの確保を推進しているところでございます。
また、公営住宅ということでございますれば、これを所管する国交省とも連携をいたしまして、コロナの影響を受けて様々困難に陥っている方々に対しまして公営住宅の空き家等の情報が適切に提供されるよう、自治体の担当部局間で情報共有を行うようにしているところでございます。
私どもとしましては、こういった住居確保給付金のような支援策、あるいは国交省等関係省庁との連携を図ることによりまして、引き続き生活困窮者の方々の住まいの確保に努めてまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 積極的に検討していきたいとおっしゃったので、是非よろしくお願いします。
給付金の対象要件の条件を見直すことはできないでしょうか。収入要件は公営住宅入居基準の単身裁量階層額を参考にして引き上げるなど、検討できないでしょうか。

○政府参考人(橋本泰宏君) 住居確保給付金につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえて、これまで離職や廃業ということに限られておりました対象者の要件を休業等というものにも拡大をいたしました。
また、求職活動の要件に関しましては、一時的に求職等を余儀なくされている方を含めて支援が広く行き届くように、ハローワークへの求職申込みの要件を撤廃するなど支給要件の緩和などを進めてきたところでございます。
今、収入要件について御指摘をいただいたわけでございますが、この住居確保給付金というのは最初に申し上げましたように生活困窮者自立支援法に基づきますものでございます。離職等によりまして生活的に、経済的に困窮して住居を失うおそれがある、そういった生活保護の一歩手前にある、生活保護と本当に隣り合わせにある、そういった生活困窮されている方々に対して支給するものでございますので、一定の収入要件を課しているところでございます。
また、この収入額につきましての運用でございますが、年間の収入額の平均ということではなくて、申請日の属する月の収入額で判断するということにいたしておりまして、一時的に収入が落ち込んだ場合も対象になるようにしております。
また、毎月の収入額が変動する場合には直近三か月間の平均に基づいて推計するということもさせていただいておりまして、個々の状況に応じたきめ細かな対応ができるようにということでしておりますので、今後とも必要な方々に支援が行き届くように努めてまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 支給限度額は、東京都特別区の例でいえば生活保護の住宅扶助基準額と同額になっていますが、これでは現状の住宅を維持することは困難となります。特例措置を検討するなど、限度額を引き上げることはできないでしょうか。

○政府参考人(橋本泰宏君) この住居確保給付金でございますが、先ほどから繰り返し申し上げましたように、生活困窮者自立支援法に基づく給付金でございますので、生活保護に至る一歩手前の段階、生活保護と隣り合わせの方々に対するセーフティーネットとしてやっているものでございます。
したがいまして、こういった方々に対する安定した住居の確保と就労による自立を目指すものでございますので、支給上限額につきましては、生活保護の住宅扶助基準額とすることが制度的には適当ではないかというふうに考えております。

○福島みずほ君 是非検討し直す、見直すようによろしくお願いします。
自殺防止対策についてお聞きをいたします。
昨日、自殺対策を推進する議員の会で、大臣に対して十項目、コロナ禍における自殺総合対策の強化について緊急要望をいたしました。
七月以降、四か月で連続増加を自殺がしております。十月は二千百五十三人、三九・九%、四〇%増えてしまいました。そして、去年に比べて、男性は千三百二人で二一・三%増加ですが、女性は八百五十一人で八二・六%前年比に比べて増えております。これは本当に胸が痛いことでありまして、女性の自殺がとりわけ、まあ男性もですが、女性がこの前年の月に比べて八二・六%も増えていると。
この中で、コロナ禍の影響の厚労省の見解、あるいは原因究明や現在の自殺防止対策が有効かどうかの検証は行っていらっしゃるでしょうか。

○政府参考人(橋本泰宏君) 十月の自殺者数につきましては、今委員から御指摘いただいたとおりでございます。この自殺の実態の分析ですとかあるいは自殺対策の効果等につきまして、厚生労働大臣の方で指定しております指定調査研究等法人に調査研究を行わせております。
その分析によりますと、七月以降、様々な年代の女性の自殺の増加が見られ、女性の自殺の背景に潜む様々な問題、すなわち経済・生活問題ですとか、あるいはDV被害、あるいは育児の悩み等、様々あるわけでございますが、こういったものがコロナ禍において深刻化し、自殺者数の増加に影響を与えている可能性がある、政府の各種の支援策が自殺の増加を抑制している可能性があると、こういったことなどが指摘されているわけでございます。
コロナ禍の自殺への影響につきまして断定的な説明は困難でございますが、一つは、女性に多い非正規雇用の数が大きく減っていることから、仕事を失い生活に不安を抱えている女性が増加している可能性がある、またコロナ禍により生活環境の変化があって生活リズムを崩している可能性がある、こういったことなどが考えられるわけでございます。
昨日、委員も含めて自殺対策議連の方から緊急要望をいただいたわけでございますが、それを踏まえて、引き続き、自殺に追い込まれることがない社会の実現を目指して自殺対策を着実に推進してまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 コロナ禍で女性の暴力、DVが増加をしております。一時保護施設や相談所の体制強化、他省庁との連携など、厚労省の対策はどうなっているでしょうか。

○政府参考人(渡辺由美子君) 御指摘ございましたように、DV等につきましては、内閣府のデータでは例えば五、六月のデータで見ましても前年同月比約一・六倍というような相談件数の増加がございます。
こういう中で、厚生労働省としては、まずは内閣府と連携して、内閣府所管の二十四時間対応の新たな電話相談窓口、DV相談プラスですとか、あるいは相談から支援まで適切に実施していくための重要性について婦人相談所等に周知をしておりますし、また実際に、厚労省の所管でございます婦人相談所、一時保護所におきまして十分な感染対策を行いつつ、相談支援から保護に至るまでしっかりと継続的に実施できるように、様々な改修の費用ですとかあるいはテレビ電話、SNS等による相談のための環境整備を図る、こういった費用についての措置なども行っているところでございまして、引き続き内閣府を始めとする関係府省としっかり連携を図りながら対応を図っていきたいと思っております。

○福島みずほ君 本日は内閣府にも来ていただきました。
橋本男女共同参画担当大臣は十一月六日の記者会見で、全国のワンストップ支援センターに寄せられた相談件数が四月―九月に前年同期比一五・五%増の二万三千五十件に上ったと発表しました。
コロナ禍での女性が置かれている現状について、内閣府の見解を教えてください。

○政府参考人(伊藤信君) お答えいたします。
今御指摘ありましたとおり、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターへの令和二年度上半期の相談件数は二万三千五十件でございました。これは、前年同期を一五・五%、二割近く上回る件数でございます。
相談件数と新型コロナウイルスの感染拡大の関係につきましては、一部のセンターからでございますが、マッチングアプリ等インターネットで知り合った者から受けた被害の相談等が増加しているというふうに伺ってございます。
性犯罪、性暴力は、被害者にとって、身体面のみならず、多くの場合、精神面にも長期にわたって傷痕を残しまして、また人権を踏みにじる決して許すことのできないものでございます。被害を訴えることをちゅうちょしないで、必要な相談を受けられるような相談体制を整備することが重要でございます。
政府におきましては、本年六月に決定いたしました性犯罪・性暴力対策の強化の方針に基づきまして、令和四年度までの三年間を集中強化期間といたしまして性犯罪・性暴力対策の強化に取り組んでいるところでございます。
また、内閣府におきましては、被害者がより相談しやすい環境を整えるために、本年十月から全国どこからでも最寄りのワンストップ支援センターにつながる全国共通の短縮電話番号、シャープ八八九一、はやくワンストップの運用を開始いたしまして、また、若年層等が相談しやすくなるように、来年一月まで、まずは試行でございますけれども、SNS相談キュアタイムを実施してございます。
新型コロナウイルス問題により懸念されます性暴力被害者の増加に対応するため、相談支援体制の整備の更なる充実に努めてまいりたいと考えてございます。

○福島みずほ君 UNウイメンでは、コロナ禍で女性と女の子に対する暴力が世界的に増加したとして提言をしています。シェルター、ホットライン、オンラインカウンセリングに追加的に資源を投入すること、女性と女の子に対する心理社会的支援に取り組むこと、暴力は処罰の対象であるという法執行機関からの強いメッセージの発信が必要だとしています。
世界各国で取組が進む中で、今後の内閣府の取組、今の答弁ともちょっと重なりますが、ありましたら教えてください。

○政府参考人(伊藤信君) お答えいたします。
今、DVの話もございました。配偶者の暴力や性犯罪、性暴力など女性に対する暴力につきましては重大な人権侵害でございます。決して許されるものではないものでございます。
DVにつきましては、新型コロナウイルスによる、懸念されるDVの増加、深刻化に対応するため、先ほども厚労省からも御紹介いただきましたけれども、四月の二十日から新たな相談窓口としてDV相談プラスを開設をいたしてございます。このDV相談プラスは、被害者の多様なニーズに対応できるように、二十四時間対応の電話相談に加えまして、SNS、メール相談、外国語対応やウエブ面談での対応、さらには全国の民間支援団体のネットワークとも連携して、必要な場合には関係機関への同行支援や保護まで対応するということにしてございます。
また、民間シェルターへの支援につきましては、内閣府におきまして今年度予算において、民間シェルター等と連携して先進的な取組を進める都道府県等に交付金を交付するパイロット事業、予算額二・五億円でございますが、これを新規に実施してございます。メール、SNS等を活用した相談や心理専門職によるメンタル面のケア等の取組の促進を図ってございます。
性犯罪、性暴力につきましては、先ほど申し上げましたとおり、本年六月に関係省庁会議において取りまとめた強化の方針に基づいて取組を進めておるところでございます。
また、年内に策定いたします第五次男女共同参画基本計画におきましても、この分野、重要分野として位置付けまして、女性に対するあらゆる暴力の根絶に向けて取組を充実してまいります。

○福島みずほ君 NPO法人ピルコンによると、新型コロナウイルス感染症対策のため全国で休校措置がとられた三月以降、十代から妊娠に対する不安や性感染症の相談が増加したと聞いております。
望まない妊娠を防ぐために、緊急避妊薬を医師の処方箋なしに薬局で買うことができるようにするべきではないですか。

○政府参考人(鎌田光明君) 緊急避妊薬につきましては、予期せぬ妊娠の可能性が生じた女性の方のお気持ちに寄り添うという視点と医薬品を安全に使っていただくという視点とのバランスを取りながら対応していくことが重要と考えているところでございます。
御指摘の緊急避妊薬を処方箋なしに薬局で買う、いわゆるスイッチOTC化でございますけれども、二〇一七年、厚生労働省の評価検討会議というところにおきまして時期尚早とされたわけでございますが、そのときに課題とされました避妊も含めた性教育の状況、現在使われている緊急避妊薬の販売を行われている、緊急避妊薬の販売を行う薬剤師の資質向上のための研修の実施状況などを踏まえまして、今後改めて評価検討会議において検討していく予定としているところでございます。

○福島みずほ君 使用者、販売側の知識不足などが懸念されましたが、販売する薬剤師への研修等が進んでいると聞いております。どうなっているでしょうか。

○政府参考人(鎌田光明君) 御指摘の研修でございます。本年二月から各都道府県薬剤師会におきまして研修が実施されておりまして、十一月一日の時点では三十都道府県におきまして約三千八百七十名の薬剤師がこの研修を修了しております。その修了しました薬剤師の名簿につきましては、随時厚生労働省のホームページにおきまして公表しているところでございます。
引き続き、関係団体と協力いたしまして、薬剤師の緊急避妊薬に関する研修に取り組んでまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 販売できるようになった場合に、緊急避妊薬の使用方法だけでなく、妊娠、避妊に対する情報提供、相談先についての案内といった情報も一緒にパンフレット等にまとめて配付をし、女性たちに寄り添う、ちゃんと情報も提供するとすれば、これはクリアされるのではないでしょうか。いかがですか。

○政府参考人(鎌田光明君) 御指摘のとおりでございまして、先ほど申し上げましたとおり、緊急避妊薬を処方箋なしで販売することの課題につきましては性教育等を申し上げたところでございまして、その点検討していく予定だと申し上げましたが、御指摘のように、御指摘の点、相談ですとかということもやはり実施に際して必要な課題であるというふうに認識しておりまして、今後検討すべきものと考えておるところでございます。

○福島みずほ君 処方箋なしに緊急避妊薬を利用できるように検討するという文言が第五次男女共同参画基本計画の策定に当たっての基本的な考え方案の中で入っております。望まない妊娠を本当に防ぐ必要があると思います。日本は、これは問題だと思います。堕胎罪もありますし、それから望まない妊娠をやっぱり防ぐということはとても大事なことだというふうに思っております。
是非、これは女性たちは本当にこれを望んでいます。この緊急避妊薬をまさに薬局で買えるように、諸外国では安価でそれを手に入れることができるわけですから、是非検討を進めてくださるようによろしくお願いいたします。
次に、過労死対策について一言お聞きをいたします。
テレワーク中の労災事例が報道にもありますが出始めています。自宅での業務環境は認められにくいおそれもあるし、テレワーク中の労災事例についても負荷要因を積極的に考慮すべきではないでしょうか。今後、これは増えるんじゃないかと思います。テレワークの方が長時間労働を止める者がいないし、自宅の環境が様々で負荷要因が多いです。ハラスメントなども、オンライン飲み会の参加強制なども話題になっております。いかがでしょうか。

○政府参考人(吉永和生君) お答え申し上げます。
テレワークの場合でございましても、労災請求者からの聞き取りやパソコンのログイン、ログアウトの時間の収集などによりまして、労働基準監督署において労働時間や労働時間以外の負荷を的確に把握して労災の認定を行っているところでございます。何よりも、テレワークにおいても労働時間の管理を行うということは原則でございますので、その上で適切に認定を行うということが大事だと思ってございます。
現時点におきましても、テレワークにおきます労災の認定につきまして、今年の四月からの件数になりますが、九十二件程度につきまして認定を既に行っているところでございまして、こういったことにおきまして適切に認定を行っていくということが一つございます。
また、現行の脳・心臓疾患の労災認定基準におきましては業務により明らかな過重負荷を受けたことを認定要件としてございまして、過重負荷の評価に当たりましては、労働時間のほか、不規則な勤務などの勤務形態、作業環境、精神的緊張といった負荷要因も合わせて十分検討することとしてございますし、また、精神障害の労災認定基準におきましても業務による強い心理的負荷等が認められることを認定要件にしてございまして、御指摘のございましたようなパワーハラスメントに該当するようなもの、労働時間以外の様々な心理的負荷についても適切に評価することとしてございます。
こうしたものによりまして、テレワークにおきましても適切に労災の方の認定を行ってまいりたいと考えてございます。

○福島みずほ君 シャープ三重工場で派遣されて働いていたフィリピン人ら九十三人が十一月十五日付けで解雇されるなどしており、コロナ禍で外国人労働者が不安定な立場に置かれております。大量解雇に対して国が企業側への働きかけをするなど、何らかの対策を取るべきではないでしょうか。

○政府参考人(田中誠二君) 労働局、労働基準監督署及びハローワークでは、事業主等に対し、あらゆる機会を利用して外国人の雇用労働条件に係る取扱いや雇用調整助成金などに関する積極的な情報提供を行うとともに、外国人労働者が多い都道府県においては、安易な解雇等を行わないよう、事業所を訪問し、指導等に取り組んでおりまして、新型コロナウイルス感染症の状況も踏まえつつ、この取組を強化しているところでございます。
あわせて、新型コロナウイルス感染症の影響により一時的に事業活動を縮小するような事業所については、そういう外国人が雇用が不安定になる可能性が高いので、ハローワークでは外国人労働者の雇用維持等に関する周知、指導をそういった事業所に対して積極的に行うこととしております。
その上で、やむを得ず離職された外国人労働者の方に対しては、地域のハローワークにおいて通訳員の増員等によって相談支援体制を強化するとともに、外国人向けの求人確保をし、あっせんをしておりますし、雇用保険の手続の説明会でも外国語で実施をしたり、外国語のリーフレットによる説明をしたりするなど、きめ細かく再就職支援に取り組んでいるところでございます。

○福島みずほ君 しかし、このように外国人に対するというか、大量解雇が起きていて、何らかの対策が必要だと思います。
また、生活保護などの支援を受けるために自治体に相談に行くと、外国人には支援しないという、窓口で断られるケースなどもあります。これは誤っているので、何らかの支援を是非厚生労働省としてしてくださるよう、通知は出していただいていますが、更に徹底するよう要望いたしまして、私の質問を終わります。

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