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解雇の金銭解決は解雇し放題 ワークルール教育を 2017年6月6日参厚労委 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

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 福島みずほ君
 社民党の福島みずほです。
 まず初めに、解雇の金銭解決についてお聞きをいたします。
 先ほども石橋委員から質問がありました。裁判で解雇無効の判決勝ち取るのってやっぱり結構難しいわけですよね。解雇が無効だという判決を勝ち取ったとしても、職場復帰の判決を勝ち取ったとしても、金銭解決制度があるということであれば、これは労働者にとって、金銭提示によってこれを受け入れざるを得ない、受け入れてしまうという力が大変働いてしまうのではないか。実際、解雇が無効だといった後に和解のような形で終わることや、裁判の途中で和解があることはもちろんあります。労働審判の後で和解的な話合いがあることはもちろんあります。
 ただ、制度として、解雇が無効だったとしても、金銭解決できるという制度をつくるとどんなことが起きるか。それは、労働者側からの提示であれ使用者からであれ、解雇やったって、解雇が仮に無効になったとしても金銭解決でオーケーなんだとなれば、解雇やり放題になるじゃないですか。
 使用者側というのはリスクがあって、解雇ってすれば解雇無効確認訴訟を提訴されるかもしれないというリスクがあるから、やっぱり解雇に少し慎重になるとかということはあるわけですよね。しかし、それを全部無にしてしまう。
 解雇が仮に無効だとしても金銭解決でオーケーなんだという社会はつくってはいけない。なぜならば、解雇やり放題になっちゃうからなんですよ。
 やり放題。お金払えばいいんでしょうという社会になってしまったら、労働者って、解雇ってやっぱり死刑判決のようなものですから、これを許してしまうととっても弱くなってしまう。
 大臣、いかがですか。
 国務大臣(塩崎恭久君)
 恐らく、今のお触れになっている労働者という方は、組織された労働組合の下での労働者ということをおっしゃっていることも多いのではないかと思います。今、つまり、金銭の問題解決すら何もなしに解雇されている人たちもたくさんいるわけで、私たちはそういうことを含めていろいろ考えていかなきゃいけないと。働く人たちはいろんな方々がおられますので、特に中小企業の方々はかなりつらい思いをされている方が多いというふうに思います。
 解雇無効時の金銭救済制度を含む労働紛争解決システムの在り方、こう申しているわけでありますけど、労使を含めた有識者の検討会において検討を行って報告書が取りまとめられたところでございます。この報告書で、使用者申立て制度については現状では容易ではない課題があって、今後の検討課題だと、そうすることが適当だということにされておりますし、これを踏まえると、今後の労働政策審議会における議論においては、労働者申立て制度について検討を深めていくことが適当であるというふうに考えております。
 また、この労働者申立て制度は、解雇された方が職場復帰を希望せずに金銭による救済を求める場合に利用することを想定した仕組みであって、あくまで働く方の選択により利用するものでありまして、金銭さえ支払えば解雇のやり放題というものでは決してないというふうに考えております。
 また、報告書におきまして、金銭救済制度は企業のリストラの手段としても使われかねないと、こういう御意見もあったわけでありますので、今後、この労働政策審議会で議論するに当たっては、そういった慎重論にも十分考慮をいたして議論を深めていかなければならないというふうに思っております。
 福島みずほ君
 いや、違うんですよ。解雇が無効だったら職場復帰させなくちゃいけないんですよ。解雇が無効だったら、解雇が駄目なわけですから、職場復帰させなくちゃいけないんですよ。
 だけど、そこで金銭解決というのは、例えば労働者側に預貯金がないとか、本当に生活が困っているとか、何とかしたいというところに付け込んじゃうわけじゃないですか。解雇無効だったら職場復帰させなくちゃいけないんですよ。
 だけど、解雇が無効でも金銭解決ができますというルールを厚生労働省がつくったら、解雇やり放題になりますよ。だって、使用者側はこう思いますよね。解雇、これは解雇無効確認訴訟で訴えられるかもしれない、しかし解雇が仮に裁判で無効になっても、金銭解決に追い込めばいいんだと、幾ばくかの金を払えばこれで追っ払えるんだと思うから、これはやり放題になりますよ。
 私、塩崎大臣は、非常に開明的な、リベラルな、多元的価値とかいうことが大変よく分かっている人だと思います。でも、労働法制についてはちょっと現場が分かっていないんですよ、悪いけれど。
 労働法制については、だからやっぱりお坊ちゃまだなというか、現場が分かっていないなと思っちゃうんですよ。
 これ、解雇やり放題になりますよ、どうですか。
 国務大臣(塩崎恭久君)
 いや、分かっていないとおっしゃいますけど、私も人を雇って事務所を運営しているわけでありますから、使用者の一人でもあります。もちろんサラリーマンもやってまいりましたが、これは組織化された組合もある組織でありましたから。
 世の中にはいろんな働き方をされている方々がおられて、力関係も労使の間では全く弱い立場で働いている方々もおられるわけでありますので、私どもとしては、もちろん今お話があったように、解雇無効になれば戻るというのが一番いいことですが、戻るに戻れないというケースもあるということが今回の検討の言ってみればスタートラインのような認識だったというふうに思います。
 したがって、いろいろなケースに合った法制度があって、労働者を、働く人を守るということが目的でやるべきだろうというのがこの制度の検討ではないかというふうに私は思っております。
 福島みずほ君
 職場復帰が原則になるんですよ。
 でも、使用者側は職場復帰してほしくないと思うから、解雇無効の判決が出たら、それから実は弁護士的に言えば金銭解決も可能かどうかという話合いに入るわけですよ。それはある意味、取引というか、両方どうですかという交渉に入るわけですよね。だから、それは違いますよ。解雇の無効判決が出て職場復帰をさせなくちゃいけないという使用者がそれどうしても嫌だと思った場合に何かあり得るかということなんです。
 労働者はやっぱり弱い立場ですよ。組織されていようが組織されていまいが、解雇が無効になるわけですから。解雇が無効になるって極めて例外的な場合に金銭解決できるという制度をつくったら、これ使用者は怖いものないじゃないですか。
 解雇無効確認訴訟で断罪されないというか、断罪されたとしても職場復帰させなくていいわけですから、こういう制度を絶対につくってはいけないというふうに思います。
 そのためにも厚労省、これはちょっと踏ん張ってくださいよ。何で労働者側が絶対これに承諾しないかという意味をちょっと一晩考えて、考えてみてください。お願いいたします。
 次に、ワークルール教育についてお聞きをいたします。
 ワークルール教育法を作ろうというのが非正規雇用議員連盟、これは尾辻会長で、本当に超党派でやっているんですが、若者というか全ての人にワークルールぐらい教えたらいいじゃないかと、裸ん坊で社会に出て傷つくんじゃなくて、せめて産着ぐらい着せてあげようよと。ワークルールというのがあって、君、あしたから首だよと言われても、いや、三十日間それこそ解雇ルールがありますよ、いや、労基法に実は生理休暇って規定あるんですよ、実は均等法という法律があってこういうことを規定されているんですよ、育休という制度があって今こういうのがあるんですよとかですね、それはやっぱり全く知らないのと少しは知っているので全然違うんですね。
 ですから、厚労省政策統括官が二〇〇九年二月にまとめた今後の労働関係法制度をめぐる教育の在り方に関する研究会報告書によると、労働者自身が自らの権利を守っていく必要性の認識が高まっている状況にもかかわらず、必要な者に必要な労働関係法制度に関する知識が十分に行き渡っていないという現状分析が述べられています。
 ワークルール教育の重要性について、大臣はどのように認識されていらっしゃいますでしょうか。
 国務大臣(塩崎恭久君)
 社会保障の制度を知らないで社会に出てしまうのと同じように、働くことのルールを知らないで社会に出るというのは、やはりこれは自分の身を守るためにも、ハッピーに働くためにも、やはりルールをちゃんと若い頃から、学生時代からしっかり習得していくということは大事なことだというふうに思っています。
 厚生労働省は、これまで高校生などに理解を深めてもらうために、高校等の指導者用の、先生方ですね、のモデル授業案を作成をして知ってもらうということをやってまいりました。主に若い世代の働く方をまた対象にして、労働法制についての分かりやすいハンドブックを作成をいたしまして、これも周知をさせているところでございます。
 さらに、企業向けに、これはウエブ上で労働管理とか安全衛生管理上のポイントについて診断を受けられるスタートアップ労働条件、新しい企業を起こすときのチェックポイントですね、労働上の、これを開設するなどの取組を進めておりまして、学生さんや働く方、あるいは新規に起こす、企業を経営しようという、そういった方々に対して労働法に関する知識の更なる周知啓発に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 福島みずほ君
 今日は文科省にも来ていただきました。学校現場で、まあ小学校はどうか分かりません、中学、中学でも研修を仕事場に行きますから、中学、それから高校生はアルバイトもしますし、大学生もアルバイトをする。ですから、様々なところで、社会人教育もあります、文科省としてそのワークルール教育法、あるいはワークルール教育に関して頑張ってやっていただきたい。いかがでしょうか。
 政府参考人(白間竜一郎君)
 お答え申し上げます。
 委員御指摘の、子供、若者が労働基準法などを理解して雇用、労働について考えるというようにすることが重要であると考えております。
 一つには、学校教育におきまして、中学校、高等学校の社会科あるいは公民科におきまして労働問題について考えさせるといった指導を行うということが一つ。そして、本年三月に公示をしました中学校の学習指導要領におきまして労働法立法について触れるということを新たに規定をするということなどの内容の充実を図っているところでございます。
 もう一つ、今大臣からも御紹介がございましたように、厚生労働省と連携をいたしまして、働くときのルールなどを取り上げたハンドブックやリーフレット、これを学校における活用を進めるということ。また、学生、大学生も含めますけれども、学生や生徒、教員に対しまして労働関係法規等の講義を行ってくださる都道府県の労働局、この労働局から講師を派遣していただける、こういったことを学校現場等に周知をすること。また、これも御紹介ございましたように、厚生労働省で労働法、ワークルールの指導のためのモデル授業案、そしてこれを記載した教員用の資料を作っていただいております。
 こういったものへの協力をするということと、その活用について、これは本年四月に教育委員会に周知をしたところでございますので、引き続き厚生労働省と連携を密にしながらこういった周知に努めてまいりたいと考えております。
 福島みずほ君
 ワークルール教育を推進するための体制づくりとして、国レベルでワークルール教育推進会議を、また都道府県及び市町村レベルでワークルール教育地域協議会を置き、ワークルール教育に関する重要事項の調査、審議や推進状況確認、課題検討、情報交換などを行うことが考えられるが、いかがでしょうか。
 副大臣(橋本岳君)
 今文科省からも答弁がありましたけれども、厚生労働省は文部科学省と連携をして、学校や大学等において労働関係法規等の講義や労働条件セミナーを実施しているところでございます。
 また、地方公共団体においては、NPO法人や大学、弁護士等との連携の下、労働者向けの労働法や労働問題等に関するセミナー、企業向けの労働関係法令改正の内容や各種ハラスメント等に関するセミナーを実施している例があると承知をしております。
 ワークルール教育推進会議という御提案を今いただいたわけでございますけれども、その労働関係法に関する知識の普及に当たって様々な関係者がしっかり連携をすることというのは大変大事なことなんだろうというふうに思っておりますし、現在でも、国レベルでは文部科学省と、また地方レベルでは各都道府県労働局が関係者と連携を取りながら各種施策を進めているところではございますが、議員の今御意見をいただきました、そうした御提案もあるということで受け止めて考えていきたいと思っております
 福島みずほ君
 是非よろしくお願いします。ワークルール教育法などを作り、根拠法を作り、文科省も厚労省も、まあ厚労省は今ホームページなどでもすごい頑張っていただいているんですが、是非頑張っていただきたいと思います。
 次に、国家戦略特区における地域限定保育士についてお聞きをいたします。
 これ、地域限定保育士の資格取得ができる、二〇一五年の法律で成立し、資格取得後三年間、自治体内のみで保育士として働くことができ、四年目以降は全国で働くことができる。ただ、保育士、今回内閣委員会にかけられている法律の中で、更に規制緩和をして、一般社団、一般財団法人以外の株式会社などもこの地域保育士試験の実施事務を行うことができるという法案がかかっています。
 これおかしいんじゃないでしょうか。保育士さんって国家試験でしょう。何で地域限定で、しかもそこで三年働いたら全国どこでもオーケーなんですか。これ、とってもおかしいと思いますが、厚労省、いかがですか。
 政府参考人(吉田学君)
 お答えいたします。
 今御指摘いただきました地域限定保育士試験、これは流れの中で申し上げますと、都道府県における最低一回の通常の保育士試験の実施を担保した上で、まさに地域における地元の受皿を整備に当たって保育士の確保を行いたいという自治体からの御要望を踏まえて、今お話ございましたように、平成二十七年度、都道府県等の意向で実施するという形で、国家戦略特区という形で制度化させていただいております。
 結果、その後ではありますけれども、このときから、この地域限定保育士試験が起爆剤となりまして、翌年二十八年では地域限定保育士試験も含めた全ての都道府県で、それ以前、年一回だった試験が年二回の実施が実現することになったという経緯もございます。
 また、今回提案させていただいております更なる緩和につきましても、三回目の保育士試験についてのその試験主体、指定試験機関を緩和する形にしてございますけれども、それに当たりましても、公正、適正かつ確実な試験の実施ができるということが保育士の質の担保という意味では重要だということを私どもも考えておりまして、今の指定試験機関についての条件でありますとか、あるいは、実際には試験問題を作成していただきます試験委員の選任について一定の条件をきちっと課した上で行うということでございますとか、この結果につきましても、当該都道府県において総合的かつ定量的な評価を行っていただいて、その結果を公表して検証するという形で、質の担保をきちっと図りながら進めさせていただきたいという形で提案させていただいているところでございます。
 福島みずほ君
 国家試験を地域限定でやって、その後全国どこでもオーケーというのはおかしいと思います。
 同じように、獣医学部について、大学の規制緩和についてお聞きをいたします。
 大学で、つくるのに、特区って正しいんでしょうか。全国から来るし、全国に散らばる。これ、国家戦略特区に合致するんでしょうか。これ、まさに加計学園が特区でやるわけですが、これについておかしいと思いますが、いかがですか。
 政府参考人(川上尚貴君)
 お答え申し上げます。
 今回の獣医学部の新設につきましても、私も国家戦略特区の目的にかなうものと承知をしてございます。同様に、過去、最近の例といたしましては、例えば千葉における医学部の新設についても同様でございます
 福島みずほ君
 地域の特区とかいうのにも本当に合わないと思います。
 それで、今治市の今治市議会国家戦略特区特別委員会記録、平成二十八年九月二十六日にあるのは例えばこういうものです。私、今治で今治市の市の職員にも会いましたけれども、こういう記述があります。ただ、私ども、それで、内閣府としましては、何とか三十年四月を目指して努力をするという姿勢をこの分科会を通じて見せさせていただいておりますので、それに向けて国の方は動いていくんだろうというふうに思っております。
 何で今治市がこんなことをこの特別委員会、今治市で言うことができるんでしょうか。内閣府が三十年四月を目指して頑張っているということを伝えている。この委員会でその姿勢を示していたからではないですか
 政府参考人(川上尚貴君)
 お答え申し上げます。
 お尋ねの今治市議会におきまして、最速で平成三十年四月の開学といった説明がされていることにつきまして、内閣府としては関知する立場にございません。また、内閣府から何かお教えしたという事実も一切ないところでございます。
 内閣府といたしましては、今治市からできるだけ早く開設したいとの御意向は常々お聞きをしてございましたけれども、平成三十年四月開設との意向をお聞きしたことはないということでございます。
 福島みずほ君
 しかし、これ、九月二十六日で、特区は十一月九日じゃないですか。今治市の市議会の議事録ではっきりと、内閣府が三十年四月を目指して努力するという姿勢をこの分科会を通じて見せさせていただいております、それに向けて国の方は動いていくんだろうというふうに思っておりますというのを、まさに企画課長が述べているんですよ。
 もう加計学園ありきで突っ走っているし、内閣府は三十年四月に開設するというのを今治市に見せているじゃないですか。
 それで、たくさん質問したいことはありますが、時間ですので、また是非この委員会にもお出ましいただいて、また教えていただきたいと思います。
 以上で終わります。

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