QUESTIONS質問主意書

第187回国会 「辺野古問題に関する質問主意書」(2014年10月31日) | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

質問主意書

質問第五三号

辺野古問題に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十六年十月三十一日

福島 みずほ   

       参議院議長 山崎 正昭 殿

   辺野古問題に関する質問主意書

一 辺野古沿岸部では、二〇一二年から今年にかけ三年連続で、絶滅危惧種であるジュゴンが海草を食べたとみられる「食み跡」が見つかっている。特に今年は多く見つかっており、ジュゴンが頻繁にこの海域を餌場としていると言える。この際、ジュゴンの生息について本格調査を行うべきだと考えるが、いかがか。

二 辺野古沖の基地建設のためにこれまでに執行した予算について、その額と内訳を明らかにされたい。

三 前記二に関して、同じく予備費についてその額と内訳を明らかにされたい。

四 キャンプ・シュワブのゲート前では、警察の前方で民間の警備員が警備をしているが、その目的は何か。また、当該警備に要する費用はいくらか示されたい。警察の警備ないし防衛省の警備では不十分と考えているのか、政府の見解を明らかにされたい。

五 政府は沖縄の漁民の船を何隻も借り上げていると言われているが、これは事実か。事実だとすればその目的は何か。また、何隻借り上げているのか。加えて、一日いくらで借り上げているのか。

六 辺野古におけるカヌーなどに対する規制の適用法令と条文を明らかにされたい。

七 前記六の規制の適用法令について海上保安庁は、八月二十九日及び九月五日に行われた行政交渉(以下「行政交渉」という。)において海上保安庁法第十八条第一項である旨回答しているが、それで間違いないか。

八 海上保安庁法第十八条第一項は「海上保安官は、海上における犯罪が正に行われようとするのを認めた場合又は天災事変、海難、工作物の損壊、危険物の爆発等危険な事態がある場合であつて、人の生命若しくは身体に危険が及び、又は財産に重大な損害が及ぶおそれがあり、かつ、急を要するときは、他の法令に定めのあるもののほか、次に掲げる措置を講ずることができる。」として六項目の措置事項を定めているが、カヌーなどに対する規制は条文中の何を根拠としているのか。

九 海上保安庁は行政交渉の際、カヌーなどに対する規制の要件として「犯罪が正に行われようとするのを認めた場合」と答弁した。この場合における「犯罪」とは何か。キャンプ・シュワブの水域に設けられた臨時制限区域外でどのような「犯罪」に該当するのか。

十 海上保安庁は行政交渉の際、カヌーなどに対する規制を行う理由として、現場海域が「危険物の爆発等危険な事態」に該当するという認識を示したうえで、「等」の中に工事が入る、と答弁した。この解釈でよいか、政府の見解を明らかにされたい。

十一 海上保安庁法第十八条の「危険」とは、取締りの対象者が原因となっているような危険行為を規定していると解すべきではないのか。また、現在行われているのはボーリング調査にすぎず、本体工事がまだ始まっていないにもかかわらず、「危険」と言うのはおかしいのではないか、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。

答弁書

答弁書第五三号

内閣参質一八七第五三号

  平成二十六年十一月十一日

内閣総理大臣臨時代理           

国務大臣 麻生 太郎   

       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員福島みずほ君提出辺野古問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

   参議院議員福島みずほ君提出辺野古問題に関する質問に対する答弁書

一について

 環境省においては、平成十三年度から、ジュゴンの生息状況及び餌となる海草藻場に関する本格的な調査を実施してきたところである。

 平成二十年度からはジュゴンが餌場として利用している頻度が高い三つの海域を対象に、ジュゴンの食み跡のモニタリング調査を実施しており、沖縄本島周辺海域におけるジュゴンの生息状況の把握に努めている。

二及び三について

 御指摘の「辺野古沖の基地建設」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、平成十八年五月一日の日米安全保障協議委員会の際に「再編の実施のための日米ロードマップ」を発表した後、平成二十六年十一月五日までに、普天間飛行場の移設に係る経費として執行した予算は、当初契約金額で合計約四百八億六千万円であり、その内訳は、平成十八年度約三十億三千万円、平成十九年度約五十一億二千万円、平成二十年度約八十六億五千万円、平成二十一年度約十一億九千万円、平成二十二年度約十一億千万円、平成二十三年度約五十億千万円、平成二十四年度約五十四億二千万円、平成二十五年度約四十二億円及び平成二十六年度約七十一億二千万円である。

 また、平成二十六年度予備費については、平成二十六年十一月五日現在、当初契約金額で約一億八千万円を執行したところである。

四について

 お尋ねの「民間の警備員」による警備については、普天間飛行場代替施設建設事業(以下「事業」という。)に係る工事等の実施に当たり、不測の事故等を防止し、現地の安全を確保する目的で、事業者である防衛省が必要な自主警備を行っているものであるが、当該警備の詳細については、事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあることから、その費用については、お答えを差し控えたい。

五について

 お尋ねの「沖縄の漁民の船」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、事業に係る工事等の実施に当たり、政府が沖縄県内の漁業者等の保有する船舶を借り上げているという事実はない。

 なお、沖縄防衛局発注の工事等の実施に当たっては、工事等の受注者が安全確保等の観点から船舶を傭船等しているところであるが、現地の状況に応じて臨機に対応していること等から、政府としてその詳細についてお答えすることは困難である。

六及び七について

 御指摘の「カヌーなどに対する規制」の意味するところが必ずしも明らかではないが、海上保安庁においては、海上保安庁法(昭和二十三年法律第二十八号)第二条第一項の規定に基づき、海上の安全及び治安を確保するための業務を行っているとともに、同法第十八条第一項の規定に基づく措置を行う場合がある。

八及び九について

 御指摘の「カヌーなどに対する規制」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お尋ねについて一概にお答えすることは困難である。

十について

 御指摘の「カヌーなどに対する規制」の意味するところが必ずしも明らかではないが、一般的に申し上げれば、工事についても、作業船が不規則に往来するなど、その態様によっては、海上保安庁法第十八条第一項に規定する「危険な事態」に該当する場合がある。

十一について

 御指摘の「取締りの対象者が原因となっているような危険行為」、「ボーリング調査」及び「本体工事」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。

 なお、海上保安庁法第十八条第一項に規定する「危険な事態」とは、自然的又は人為的な要因による危険な事態が客観的に発生している、又はその事態に及ぶ可能性が高い状態を意味する。

MENU