QUESTIONS質問主意書

第194回国会 「加計学園の獣医学部新設ならびに森友学園に関する質問主意書」(2017年10月6日) | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

質問主意書

質問第一二号

加計学園の獣医学部新設ならびに森友学園に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

平成二十九年九月二十八日

福島 みずほ

参議院議長 伊達 忠一 殿

加計学園の獣医学部新設ならびに森友学園に関する質問主意書

  学校法人加計学園が今治市に新設しようとしている獣医学部について、これまで参議院予算委員会において安倍総理に質疑を行ってきたところであるが、その答弁に整合性があるとは言えない。そこで、学校法人森友学園との交渉記録に係る問題と併せて、以下質問する。

一 二〇一七年六月十六日の参議院予算委員会における「加計学園の加計孝太郎さんが今治市に獣医学部をつくりたいというのは、いつから知っていましたか。」との私の質疑に対し、総理は、「当時は国家戦略特区ではなくて構造改革特区であったわけでありますが、そこで申請されたということについては私は承知をしていたところでございますが、その後に当然、私は議長を務めておりますから、国家戦略特区に申請をすれば私の知り得るところになるということでございます。」と答弁している。また、私が二〇一七年四月十八日に提出した「加計学園の獣医学部新設に関する質問主意書」(第百九十三回国会質問第八二号)に対する答弁書(内閣参質一九三第八二号)では、具体的な日付とともに、二〇一五年には加計学園の獣医学部新設計画を知っていた旨述べている。
しかし、総理は、二〇一七年七月二十五日の参議院予算委員会における青山繁晴委員からの質疑に対しては、「(二〇一七年)一月二十日に諮問会議で認定することになりますが、その際、私は初めて加計学園の計画について承知をしたところであります。」と答弁している。
今年の一月二十日に初めて、今治市に獣医学部を新設するという加計学園の計画を知ったというのは、私への答弁と真っ向から対立するものであり、虚偽答弁であると考えるが、いかがか。

二 さらに、安倍総理は、二〇一七年三月十三日の参議院予算委員会における私の質疑に対し、「大体、まず特区というのは、そんなに長い、国家戦略特区ですから、その前にこれをやるということは大体決まっていて、多くの人たちが知っているんですよ。関係者はみんな知っているんですよ。知っている中において、もうこれはそういう方向で進んでいるということは多くの人たちが知っているんですよ。その中で八日間。それで、ほかと比べて特別短ければ別ですよ。これ、大体ほかと同じですから。その後、六日間の追加申出の手続を行いましたが、他の事業者から応募はなかったわけでありまして、応募の内容については、分科会や区域会議、諮問会議において新設に必要な要件を十分に満たしていることを適切に確認をしております。なお、獣医学部の新設に関心を持つ事業者や自治体に対しては、特区で取り上げられるに至る前段階から内閣府が随時提案や相談を受け付ける体制を整えています。急にたった八日間でやったのではない。(中略)しかしながら、この数年間、熟度の高い具体的提案は平成十九年から出されているこの今治市の事業のみだったと承知をしているわけでございます。」と、多くの人が国家戦略特区における獣医学部新設計画を知っていて、その中でも熟度の高い提案が、平成十九年から出されている今治市の事業のみだったと承知をしている旨答弁している。
ここでいう今治市の事業とは、加計学園の獣医学部新設計画しかない。前記三月十三日の総理答弁を踏まえれば、構造改革特別区域推進本部長や国家戦略特別区域諮問会議議長である総理が今年の一月二十日に初めて加計学園の獣医学部新設計画を知ったというのはあり得ないと考えるが、いかがか。

三 森友学園への国有地売却問題に関し、財務省は、森友学園側との交渉記録について、電子データを削除したなどと国会で答弁をしてきた。また、交渉記録が残っている可能性があるハードディスクなどを復元できないよう物理的に破壊するとしていたが、七月末としていた期限を延長するとしている。この期限延長は事実なのか。事実であるならば、交渉記録に係るデータの復元は現時点では可能と考えるが、いかがか。当該データの復元が可能であれば、ただちにその内容を国民に開示するべきと考えるが、いかがか。

右質問する。

答弁書

答弁書第一二号

内閣参質一九四第一二号
平成二十九年十月六日

内閣総理大臣 安倍 晋三

参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員福島みずほ君提出加計学園の獣医学部新設ならびに森友学園に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

参議院議員福島みずほ君提出加計学園の獣医学部新設ならびに森友学園に関する質問に対する答弁書

 一及び二について

安倍内閣総理大臣(以下「安倍総理」という。)が学校法人加計学園の獣医学部の新設に係る計画を知った経緯等は、平成二十九年七月二十五日の参議院予算委員会において、安倍総理が「まず、大前提として、獣医学部新設の提案者は、構造改革特区でも、その後の国家戦略特区においても、自治体である今治市であり、加計学園ではありません。今治市からの提案は、平成十九年の福田政権のとき以来、構造改革特区として申請が行われてきました。第二次安倍政権になってからも四度にわたって申請がございました。その対応方針は私が本部長を務める構造改革特区本部で決定しており、今治市からの提案については私は知り得る立場にありました。しかし、数十件あるこの案件の一つにすぎないわけでありまして、結果も・・・第二次安倍政権においては四度とも提案を・・・事実上認めないものでありましたので、実際には今治市の提案については全く認識をしていなかったわけであります。その後、国家戦略特区制度が誕生し、二年前の十一月から私が議長を務める国家戦略特区諮問会議において今治市の特区指定に向けた議論が進む中、私は今治市が獣医学部新設を提案していることを知りました。しかし、その時点においても、またその後のプロセスにおいても・・・加計学園の計画は承知をしておりませんでした。最終的には本年一月に事業者の公募を行い・・・加計学園から応募があったわけであります。その後、分科会でのオープンな議論を経て一月二十日に諮問会議で認定することになりますが、その際、私は初めて加計学園の計画について承知をしたところであります。」と答弁しているとおりであり、「今年の一月二十日に初めて、今治市に獣医学部を新設するという加計学園の計画を知ったというのは、私への答弁と真っ向から対立するものであり、虚偽答弁である」及び「前記三月十三日の総理答弁を踏まえれば、構造改革特別区域推進本部長や国家戦略特別区域諮問会議議長である総理が今年の一月二十日に初めて加計学園の獣医学部新設計画を知ったというのはあり得ない」との御指摘は当たらない。

三について

平成二十九年五月三十一日まで財務省において運用していた財務省行政情報化LANシステムについて、同年七月三十一日としていた賃貸借機器撤去・データ消去作業期間の期限を延長したことは事実であるが、財務省から同システムの運営業務を委託している専門業者(以下「委託専門業者」という。)に確認したところによれば、同システムにおいて削除されたデータは、十四日間のバックアップ期間を過ぎれば、委託専門業者であっても復元できないとのことである。

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