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入管法について | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

入管法改悪法案が、参議院の本会議で成立をしました。

本当に悔しいです。

とりわけ参議院の法務委員会で、問題点が毎日噴出しました。

25年前、手紙をもらい、牛久の収容施設に行きます。そこで会った青年はミャンマーから来た人、収容されて8ヶ月ほどでした、ミャンマーに帰ったら、迫害される、難民認定がされない、収容所にずっーといることは耐えられない、涙を流していました。彼は、ロヒンギャです。渡辺彰悟弁護士などが代理人となった裁判の途中で彼は難民認定をされます。彼は、日本で働き、家族がいて、日本や日本の友人たちに感謝しながら生きています。と同時にミャンマーにおけるロヒンギャの人たちへの虐殺や弾圧などをなんとかしたいと長期に渡り、日本政府に対して、一緒に交渉してきました。

 

日本で難民認定されず第三国に出国した人を見送ったりしてきました。

難民と言えるかどうかわかりませんが、世界のチェス王、ボビー・フィッシャーさんも長期に渡り牛久に収容されていました。オーバーステイです。ブッシュ政権を痛烈に批判をしていて、米国への送還は危険であると言われていました。裁判もなかなかうまくいきません。

彼は、アイスランドの世界大会で、当時ソ連の選手を破って、世界一になります。アイスランドではとても有名でした。

アイスランド大使館と掛け合いました。法務省は、市民権を持っている国が引き受けてくれればそこに送ると言っていました。アイスランド国営放送に出て訴えました。アイスランドの国会は、ボビー・フィッシャーさんに市民権を緊急に付与してくれました。アイスランドに心から感謝です。

それで、彼は、牛久から、成田空港経由で、アイスランドに行きました。数年して、彼がアイスランドで亡くなったと言うことを知りました。アイスランドの国の人々には、心から感謝をしています。

 

ゲイをカミングアウトしていたイラン人のシェイダ(仮名)さんもみんなの力で第三国へ。でもここ日本でなぜ難民認定されないのか。裁判で争っても難民認定されませんでした。

 

クルドの人たちは難民認定されません。トルコ政府との関係でしょうか。20年位前に政府に質問をしました。政府の答えは、トルコの国会にクルド人がいるので、トルコにクルド人差別はないと言うひどいものでした。この論理で言えば、日本の国会に女性の国会議員がいるので、日本に女性差別はないと言うことになります。とんでもありません。諸外国では、クルド人を難民として受け入れているのに、日本では去年政府が裁判で敗訴して認められた1人だけです。

 

日本で難民認定制度が機能していない、入管の裁量があまりに大きくブラックボックスであるということは痛感をしていました。

 

今回、法務委員会で質問するにつれ、問題がどんどん明らかになっていきました。

 

参議院の法務委員会で、この法案に反対なのは、立憲民主党の牧山ひろえさん、石川大我さん、社民党の私、福島みずほ、共産党の仁比聡平さんの4人だけでした。

 

難民認定制度は全く機能していません。

 

そもそも、難民の認定を難民調査官が判断するわけですが、これは入管の職員で、難民認定調査官からまた配転をしたりします。つまり、入管の中で判断をするので、難民認定については、本省、入管庁の枠の中でしかやることができません。トルコにクルド人差別は存在しないと考える法務省のもとで、ここでクルド人難民などを認めるでしょうか。

 

次に、難民審査参与員の制度があります。これは1次審査に対する不服申し立てを扱うところで、3人1組です。どんなに難民認定をこの人についてすべきだと考えても、あとの2人が難民認定しないと言う立場の人であれば、評議で通すことができません。そういう組ませ方をしているのではないかとも聞きました。参議院の参考人として発言をした阿部浩己さんも10年間で500人ほど審査をし、40人ほど難民認定の意見を出したけれども、通らなかったと語っています。

 

今回常設班の他に臨時班が存在し、臨時班だけでてベルトコンベアのように、1人4分6分といったスピードで処理する臨時班の存在が明らかになりました。ここに属する人たちは13人。ほとんどの参与員はこの臨時班の所在を知りませんでした。柳瀬房子さんは、1人で全体の20%から25%を処理していました。

柳瀬房子さんは、審議会等で、また、衆議院の法務委員会の参考人質疑で、難民申請している人たちの中で、難民はほとんどいないと発言をしています。そして、その言葉を法務省は何度も何度も引用し、今回参議院の法務委員会でも、法務省は、難民申請してる人たちの中に難民はほとんどいないと言明していきました。

 

それが、2回難民申請をして認められていなければ、3回目申請中でも本国に送還すると言う根拠になっています。

 

立法事実は崩壊をしています。立法事実が無茶苦茶なのです。

 

がんばっている難民審査参与員の人もいるのです。しかし、記者会見などで明らかになったように、その人の所には全く事件が来ないか年に数件と言ったり状況です。

そして、難民認定参与員が3人で評議し、この人は不認定ではなく認定すべきだと意見を言った13人の人たちに対して法務大臣は難民不認定にしました。政治的介入ではないでしょうか。そして、難民審査参与員が不認定にすべきだといった意見を認定に切り替えた例はゼロなのです。13人の内訳は、ミャンマー、トルコ、スリランカ、中国です。

 

日本は、あらゆる手段を使って難民認定しない方向にしています。難民認定制度を時間をかけて骨抜きにしてしまったと思います。

 

いつから起算するによりますが、60件ほど、原告が勝訴している判決があります。トルコ人やカメルーン人の人たちの判決では、捜査書類があるにもかかわらず、難民認定をされていなかったケースです。ウガンダでレズビアンとして迫害を受けた女性は、日本に来てすぐ難民申請をしますが、難民の審査が、書面審査だけで、不認定になります。判決で、ウガンダの法律の状況が詳しく検討され、迫害、虐待を受ける可能性があるとして難民認定がされました。最近、ウガンダは同性愛について死刑としました。

何人もの弁護士さんから判決を送ってもらい読みました。なぜこのケースで難民認定されなかったのか。裁判までしなければ、難民認定されなかったのか、痛感をしました。弁護士につながり、裁判を提訴できた人は、本当に一握りの人たちです。

 

このことがわかった以上、まともな難民認定制度を作るしかありません。立憲民主党、社民党、日本共産党、れいわ新撰組、沖縄の風で、議員立法で、難民保護法案と入管法改正法案を提出をして、参議院では政府提案立法と両方審議をしました。私たちの難民認定制度案は、難民認定制度について、独立した第三者機関を作り、ここでしっかり難民認定していくというものです。その制度を作ることがなんとしても必要です。そのことにかけていきます。

 

また、収容について、司法チェックがなく、無期限収容です。

これも改めなければなりません。

入管法改正はまさに必要です。

 

難民認定制度が機能しておらず、収容し、仮放免を認めず、いつまで収容され続けるか分からないと言う恐怖心の中で、未来が描けず、やむなく本国に帰ることを選択するように仕向けているようにも思います。長期収容は、いじめか罰のように機能しているのではないでしょうか。

 

医療の問題も深刻です。大阪入管で明らかになったのは、呼気検査でアルコール濃度が検出され、1月20日以降全く医療業務に従事していないにもかかわらず、4月1日常勤医師として医療の改善の説明の中で掲載されていると言うことです。本省も大阪入管も、常勤医師としての勤務実績が一切ないことがわかっていながら、常勤医師1名と掲載し、説明をし、医療の改善を説明してきました。これは虚偽記載ではないでしょうか。

 

刑務所も入管も医療の問題を抱えています。医者がなかなか来てくれないなどの問題も正直あります。イギリスやフランスのように、総合病院などが、責任を持って医者をローテンションを組んで、送り込む、つまり、総合病院の1部の機能として、刑務所などの医療を機能させると言う改革が必要だと考えます。医者は、総合病院の医者で、キャリアアップに支障が生じるのではなく、まさにキャリアアップに資すると言う仕組みを作るわけです。

 

入管法改悪法案が施行されるのはあと1年後です。このまま施行させてはなりません。まず入管法改悪法の廃止法案を出す必要があると考えます。施行前だととりわけ簡単で、入管法改正法を廃止すると言う1行で可能なのです。そしてまともな難民認定制度を作ること、入管制度を改革することをたくさんの人と力を合わせてやっていきます。既に議員立法はあるのです。

 

どうやって人々の命を守っていくのか、それをやらなければならない1年でもあります。

 

私は政権交代をして、なんとしてもまともな法案を成立させたいです。

 

2年前に、政府提案の入管法改悪法案は廃案になります。骨格がほぼ同じものを今回提出してきたことに激しい怒りを感じています。

困難な中、当事者の思いを語ってくれたたくさんの皆さん、たくさんの友人の皆さん、ウシュマさんの妹さんたち、ジャーナリストのみなさん、そして、長年にわたり難民や入管制度にかかわってきたたくさんの市民やユニオンのみなさん、弁護士の皆さん、命を守るために、稀代の悪法入管法改悪法案をなんとしても廃案にしようと、国会の前で、全国で街頭演説をし、スタンディングをし、また様々な形で力や知恵を与えてくれたたくさんの皆さんに心から感謝をいたします。また一緒に闘い続けている同僚の議員の皆さんにも心から感謝をいたします。

 

これからです。

がんばりますし、力を合わせていきましょう。

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