QUESTIONS質問主意書

第176回国会 「防衛計画の大綱に関する質問主意書」(2010年11月29日) | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

質問主意書

質問第一三五号

防衛計画の大綱に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年十一月二十九日

福島 みずほ   

       参議院議長 西岡 武夫 殿

   防衛計画の大綱に関する質問主意書

 菅内閣は、本年十二月末までに、防衛計画の大綱(以下「防衛大綱」という。)を策定することを決定している。我が国は、日本国憲法の下、平和国家としての歩みを続けており、その日本国憲法の下にある防衛大綱のあり方は、我が国の平和国家としての歩みに、重大な影響を与えることから、極めて重要な計画と位置づけられる。また、今回の防衛大綱の改訂は、政権交代後初めてとなるものであり、より一層、注目される。よって、防衛大綱の変更は、平和国家として歩む日本国民にとっても、また周辺国にとっても極めて重大な影響を与えることを鑑み、以下質問する。

一 防衛大綱の作成過程について

1 防衛大綱は、現在、どのような部署で、どのようなメンバーが議論し、作成しているのか、明らかにされたい。氏名が出せないというのであれば、役職名でもかまわない。

2 防衛大綱の作成においては、どのように「政治主導」が発揮されているのか。国会議員が、どのように作成に関与しているのか、明らかにされたい。

3 二〇〇四年に策定された一六大綱の策定にあたっては、「安全保障と防衛力に関する懇談会」が設けられ、防衛大綱策定にむけた議論が行なわれた。その際に、当時の自民党政権は、同懇談会の第一回会合(二〇〇四年四月)において、「わが国の防衛政策の枠組み」として、専守防衛、非核三原則堅持、文民統制の確保、武器輸出三原則等を示し、その枠組み内での議論を求めた。法治国家であれば、当然、憲法をはじめとした枠組みが存在すると思われる。今回、菅内閣が設けた「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」に対して、菅内閣は、どのような枠組みを示したのか、明らかにされたい。

二 防衛大綱の方針について

1 新しい防衛大綱では、「専守防衛」という方針に変更はないということでよいか。

2 現行の中期防衛力整備計画において示されている「他国に脅威を与えるような軍事大国とならないとの基本理念に従い」という考え方に変更はないということでよいか。

3 菅総理は、本年十一月十六日の衆議院本会議において、「動的な防衛力というものに変えていかなければならない時代にやってきている」と答弁している。この「動的な防衛力」とは何か。具体的に示されたい。

  右質問する。

答弁書

答弁書第一三五号

内閣参質一七六第一三五号

  平成二十二年十二月七日

内閣総理大臣 菅 直人   

       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員福島みずほ君提出防衛計画の大綱に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

   参議院議員福島みずほ君提出防衛計画の大綱に関する質問に対する答弁書

一の1及び2について

 「平成十七年度以降に係る防衛計画の大綱について」(平成十六年十二月十日閣議決定。以下「現大綱」という。)の見直しについては、現在、内閣官房が中心となって検討を進めるとともに、安全保障会議において、議長である内閣総理大臣の下、外務大臣、防衛大臣、内閣官房長官その他の関係閣僚が精力的に審議を行っている。

一の3について

 「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」(以下「懇談会」という。)は、現大綱の見直しに係る検討に資するため、鳩山内閣総理大臣(当時)が、有識者に参集を求め、御意見をいただくことを目的として開催したものであるが、懇談会の開催に当たっては、自由闊達に議論していただく観点から、議論の内容に制約を課すような「枠組み」は示していない。

二の1及び2について

 政府としては、日本国憲法の下、専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とならないとの基本理念を堅持している。

二の3について

 御指摘の衆議院本会議において、菅内閣総理大臣は、「ある事態がこの地域で起きるなら、そこにウェートを移していく、動的な防衛力というものに変えていかなければならない時代にやってきている」と答弁しているところであるが、その具体的な内容も含め、我が国の防衛力の在り方については、現大綱の見直しの中で検討を進めているところであり、現時点でお答えすることは困難である。

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