QUESTIONS質問主意書

第183回国会 「原子力発電所の新安全基準骨子案に関する質問主意書」(2013年3月1日) | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

質問主意書

質問第四六号

原子力発電所の新安全基準骨子案に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十五年三月一日

福島 みずほ   

       参議院議長 平田 健二 殿

   原子力発電所の新安全基準骨子案に関する質問主意書

 現在、発電用軽水型原子炉施設に係る新安全基準骨子案(設計基準の強化、シビアアクシデント対策、耐震・耐津波性能強化等。以下「新安全基準骨子案」という。)が策定され、これに対し意見募集がなされ、今後、これらをもとに原子力規制委員会規則が定められようとしているが、旧原子炉等規制法及び電気事業法下では、安全に係る基準として安全審査指針類、省令第六十二号、学協会規格が存在した。現在のところ提示された新安全基準骨子案はこれら旧基準を全て網羅したものとなっていない。

 原子力規制委員会設置法附則第十七条による改正原子炉等規制法が施行された段階で、旧基準と対照して、どのような内容の新安全基準が作られるのかが不明である。改正原子炉等規制法の施行段階では、新安全基準は、必要な基準の一部しか作成されないことも考えられる。そこで、必要とされる新安全基準を策定する手順と、旧基準と新安全基準との関係、さらに、どのような手続と基準にもとづいて原発の安全性を審査しようとしているのかを明確にすることが極めて重要である。

 また、東京電力福島第一原子力発電所事故において、事故の結果に比べ、同原子力発電所の立地評価は過小評価となっていたことは明らかであり、立地評価の在り方を根本的に再検討する必要が生じている。そこで「発電用軽水型原子炉施設の安全評価に関する審査指針」(以下「安全評価指針」という。)の改訂がいつ頃、どのような手順で行われるのかを明らかにする必要がある。

 よって、以下のとおり質問する。

一 安全審査指針類、省令第六十二号、学協会規格の原子力規制委員会規則への取り込みの手順について

1 現在ある、安全審査指針類、省令第六十二号、学協会規格に係る基準のうち、平成二十五年七月十八日までに内容を改訂して原子力規制委員会規則に取り込もうとしているものはどれか。

2 前記一の1について、どのような検討手続を経て、原子力規制委員会規則に取り込むのか。安全審査指針類、省令第六十二号、学協会規格に係る基準ごとに具体的に検討する機関と検討のスケジュールを明確にされたい。

3 原子力規制委員会規則に取り込まれなかった安全審査指針類、省令第六十二号、学協会規格に係る基準はどのような扱いとされるのか。これらの安全審査指針類、省令第六十二号、学協会規格に係る基準については、原子力規制委員会規則に取り込まれるまで、無効となり、存在しないことになると考えてよいか。

4 平成二十五年七月十九日以降、原子力規制委員会規則に取り込まれなかった安全審査指針類、省令第六十二号、学協会規格を原子力規制委員会規則に取り込む予定があるか。

5 前記一の4で取り込む場合、それはどの安全審査指針類、省令第六十二号、学協会規格に係る基準か。また、その安全審査指針類、省令第六十二号、学協会規格に係る基準ごとに具体的な検討機関、手続、スケジュールを明らかにされたい。

二 立地評価の在り方の根本的再検討の手順について

1 立地評価は、安全評価指針における仮想事故の想定、解析、評価によって行われているということで正しいか。

2 東京電力福島第一原子力発電所事故の結果にもとづけば、安全評価指針における立地評価が過小評価であったということとなるが、政府の見解を明らかにされたい。

3 安全評価指針における立地評価の基準については、少なくとも東京電力福島第一原子力発電所事故と同様の事故を防ぐことができるよう厳格化する必要があると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

4 安全評価指針の改訂はいつ頃、どのような機関と手順で行われるか。

5 「原子炉立地審査指針及びその適用に関する判断のめやすについて」の目安線量を〇・二五シーベルトから〇・一シーベルトにする検討が以前なされていたが、これを新基準にする予定か。これを〇・一シーベルトより低くすることは考えないのか。

  右質問する。

答弁書

答弁書第四六号

内閣参質一八三第四六号

  平成二十五年三月十二日

内閣総理大臣 安倍 晋三   

       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員福島みずほ君提出原子力発電所の新安全基準骨子案に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

   参議院議員福島みずほ君提出原子力発電所の新安全基準骨子案に関する質問に対する答弁書

一及び二の4について

 実用発電用原子炉(以下「原子炉」という。)に係る新たな安全基準については、平成二十五年七月十八日までに、原子力規制委員会設置法(平成二十四年法律第四十七号)附則第十七条の規定により改正された核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)に関連する原子力規制委員会規則(以下「関連省令」という。)の施行等を行うこととしている。原子力規制委員会においては、現在、外部有識者を含めた検討会を開催し、発電用原子力設備に関する技術基準を定める省令(昭和四十年通商産業省令第六十二号)、御指摘の安全評価指針を含む各種指針類等を踏まえ、新たな安全基準の具体的な内容について、立地評価(原子炉の立地条件としての周辺公衆との離隔に関する評価をいう。)の在り方及び関連省令に規定することとする事項を含め、検討を行っているところである。

二の1から3まで及び5について

 立地評価については、御指摘の安全評価指針において、放射性物質の放出の拡大の可能性のある事故等を想定して行うことが必要であり当該指針に適合して行われた立地評価は妥当なものと判断されるとしているが、東京電力株式会社の福島第一原子力発電所の事故において、従来の想定を超えた事象により大量の放射性物質が環境中に放出されたことを踏まえ、現在、立地評価の在り方について、放射性物質の放出量の想定方法の見直しを含め、検討を行っているところである。

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