QUESTIONS質問主意書

第187回国会 「「従軍慰安婦」問題に関する質問主意書」(2014年11月17日) | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

質問主意書

質問第七八号

「従軍慰安婦」問題に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十六年十一月十七日

福島 みずほ   

       参議院議長 山崎 正昭 殿

   「従軍慰安婦」問題に関する質問主意書

一 政府は慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話(以下「河野内閣官房長官談話」という。)を踏襲するとの理解でよいか。

二 いわゆる従軍慰安婦問題の本質について、政府の見解を明らかにされたい。

 河野内閣官房長官談話は「慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった」、「その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた」、「多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である」としている。

 いわゆる従軍慰安婦問題の本質は、戦争下における性暴力の問題だと考えるが、いかがか。

三 河野内閣官房長官談話は「慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった」としている。甘言によるものであれ、強圧によるものであれ、それらは手段であり、彼女たちが送り込まれた状況は「強制的な状況の下での痛ましいものであった」のである。これは、女性への人権侵害であるという認識でよいか。

四 河野内閣官房長官談話は「当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあり、その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた」としている。これも女性への人権侵害であるという認識でよいか。

五 自由権規約委員会が二〇一四年七月二十四日に出した日本の第六回定期報告に関する最終見解に基づいて質問する。

1 第十四パラグラフは「委員会は、被害者の意思に反して実行されたこうした行為は、それらの行為が締約国の直接的な法的責任を伴う人権侵害と見なすに十分であると考える」と勧告している。この勧告をどう受け止めるか、政府の見解を明らかにされたい。また、政府は勧告を履行するためにどのような具体的施策を講じるつもりか。

2 第十四パラグラフは「委員会は、元「慰安婦」が、公人や締約国の曖昧な立場により促された者による非難を含め、名誉を貶められることにより、再び被害者となることについても懸念する。委員会は、日本の裁判所への被害者による補償のための全ての申立てが棄却されたとの情報や、加害者に対する犯罪捜査や訴追を求める全ての告発が時効を理由に却下されたとの情報を考慮する。委員会は、こうした状況は、過去の人権侵害の被害者として、被害者が活用し得る効果的救済措置が欠如していることを示すばかりでなく、被害者の人権侵害が継続していることをも示すと考える。(第二条、第七条及び第八条)」としたうえで、「締約国は、次のことを確保するために迅速で効果的な立法府及び行政府による措置をとるべきである。

 (a) 戦時中日本軍により行われた性奴隷制もしくは他の人権侵害に対する全ての申立てが、効果的、独立的かつ公平に調査され、加害者を訴追し、有罪であれば処罰すること

 (b) 司法へのアクセス及び被害者やその家族への十分な補償

 (c) 入手可能な全ての証拠の開示

 (d) 本問題についての教科書での十分な言及を含めた生徒及び一般公衆への教育

 (e) 公的な謝罪表明及び締約国の責任の公認

 (f) 被害者を中傷しあるいは当該案件を否定するあらゆる企てへの反論」

 と勧告している。

 この勧告をどう受け止めるか、政府の見解を明らかにされたい。また、政府は勧告を履行するためどのような施策を講じるつもりか、(a)から(f)のそれぞれについて、具体的に示されたい。加えて政府は、被害者の声を聞くために取組を始めるべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。

答弁書

答弁書第七八号

内閣参質一八七第七八号

  平成二十六年十一月二十五日

内閣総理大臣 安倍 晋三   

       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員福島みずほ君提出「従軍慰安婦」問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

   参議院議員福島みずほ君提出「従軍慰安婦」問題に関する質問に対する答弁書

一について

 政府の基本的立場は、衆議院議員辻元清美君提出安倍首相の「慰安婦」問題への認識に関する質問に対する答弁書(平成十九年三月十六日内閣衆質一六六第一一〇号。以下「平成十九年答弁書」という。)三の2についてでお答えしたものと同じである。

二から四までについて

 お尋ねの「いわゆる従軍慰安婦問題の本質」の意味するところが必ずしも明らかではないが、慰安婦問題に関する政府の見解は、平成十九年答弁書一の1から3までについてでお答えしたものと同じである。

五について

 自由権規約委員会により採択された日本の第六回定期報告に関する最終見解は法的拘束力を有するものではないが、当該最終見解の御指摘に係る部分については、その内容の当否等を十分に検討の上、政府として適切に対処していきたいと考えている。

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