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厚生労働委員会 2014年10月21日 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
有期雇用に入る前に、どうしても聞きたいことがあるので質問いたします。
前回、ビキニ水爆実験の被曝の問題についてお聞きをいたしました。尊敬する塩崎大臣は持ち帰ると言ってくださったので、その後どうなりましたでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 長いお付き合いの福島先生でありますので、しっかり持ち帰ってきました。
前回の委員会で先生から御指摘を受けまして、また、本件に関して長年調査をされている方々がおられますが、そういう方々の御意見もお聞きをしているところでございまして、一方で、前回の委員会で政務官等が答弁したとおり、第五福竜丸以外の船員の方々に対しましては、その当時、適切な医療的対応が行われていた、あるいは当時把握されていた被曝量は国際基準と比べ低い水準であったと考えておりますが、いずれにしても、様々な御指摘について整理をさせていただいているところでございまして、引き続きその作業を今させているところでございます。
○福島みずほ君 昭和二十九年五月二十七日の厚生の書面が、岩手県の衛生部長から出ているものがありますが、この厚労省医務局の総合所見でこうあります。これは神通丸についての検査なんですが、「これ等は今後長期に亘る観察が必要と思われる。」。前回質問したとおり、長期の観察が必要であるにもかかわらず、福竜丸以外は観察をしておりません。これも大問題だと思います。
今日お配りいたしましたが、去年十一月に行われた情報公開請求で出された書面が真っ黒なんですね。これは血液や尿について出していただきたい。個人のプライバシーを消すのは全然構わないんです。でも、当時どのような検査結果だったか、こちらも検討したいと思っております。この真っ黒を変えてください。いかがですか。
○政府参考人(新村和哉君) お答え申し上げます。
御指摘の文書につきましては、昨年、外務省に情報公開請求があり、それに対して開示がなされたものでございます。その過程において、外務省から厚生労働省の二つの部局に開示内容の協議があったと聞いております。
協議を受けた部局におきましては、文書の内容につき問題はなく、開示して構わないと整理したものでございますが、協議された文書は、一部を除き現在手元に残されておりません。しかし、これらはビキニ水爆実験関係の重要な書類でございまして、より慎重に対応すべきであったと考えております。
当該文書は、元来、厚生労働省が作成したものでありますので、外務省から改めて入手して、開示することを含め、またその開示の内容も含めて検討してまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 外務省からこの書面を取り戻して、この真っ黒黒の部分を情報公開するということをやっていただきたい。いかがですか。つまり、これは、個人情報の部分は結構です。しかし、尿や血液やいろんな検査が当時どうだったのか、公表すべきだと思います。
六十年たってここまで隠すというのも問題でしょう。もう六十年たっているから、それは六十年前に公開すべきだと思いますが、これを今更、六十年たってまだ隠すというのはあり得ないので、情報公開して出してください。お願いします。
○政府参考人(新村和哉君) 御指摘を踏まえまして、情報公開請求に対する情報公開のルールに基づきまして、個人情報等には当然留意しつつ、公開できるものはしっかり公開していきたいと考えております。
○福島みずほ君 しっかり公開していきたいということなので、私の事務所に対してもこれは公開してください。よろしいですね。
○政府参考人(新村和哉君) はい、承知いたしました。
○福島みずほ君 今、ごめんなさい、よく聞こえなかったんですが、承知しましたとおっしゃったんですか。済みません。
○政府参考人(新村和哉君) 失礼いたしました。
御指摘に対しましてはしっかり対応したいと考えております。
○福島みずほ君 しっかり対応したいというのは、もう公開する方向で検討を、よろしいですね。
○政府参考人(新村和哉君) 繰り返しになりますが、外務省から情報公開されたものですけれども、元々厚生労働省の文書でございますので、それにつきましては再度外務省からも入手いたしまして、内容を精査した上で、情報公開できるものはきちんと公開していきたいと考えております。
○福島みずほ君 これ、血液型や尿やいろんな検査結果、六十年前に公表すべきものでしたが、これを今更厚労省が隠すなんというのはあり得ませんから、今対応するとおっしゃったので、しかも、何か、うんと今うなずいたような気もしますが、公開されるものと確信をしております。よろしくお願いします。
大臣、この問題で、確かに六十年前のことですが、今福島の低線量被曝の問題もある。これは、今外務省から資料を引き寄せるとおっしゃいましたが、一度資料を全部厚労省に一元化してフォローアップして、きちっとチームつくって検討していただきたい。いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今局長から申し上げたように、この厚生労働省分について、これはもう過去に厚生労働省が作ったわけですから、これは外務省から改めて入手をして、開示をすることを含めてしっかり対応していくということであります。
今先生から、他の省庁にある、例えば国土交通省とか、そういうようなところにも恐らくあり得るわけでありまして、各省庁がその所管行政を実施するために、その権限に基づいて取得されたというふうに考えるべきものであって、それらの文書はですね、他省庁が作成し保管している文書については、これを保管する各省庁において適切に判断をされるべきものと考えておりまして、独り厚生労働省がそれを指示をするとかいうことはなかなかできないんではないかなというふうに思います。
○福島みずほ君 でも、最も資料を持っているのは厚生労働省なんですよ。ですから、せめて厚労省の中でも、このビキニ環礁における大量被曝問題のフォローアップのプロジェクトチームをつくっていただきたい。これはいかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今お話しのように、厚生労働省にあるものについては、今まであることを認識していなかった部分があったわけでありますから、これについてはやはり徹底的に調べないといかぬということで、今それをやらせておりまして、先生の今のお話でありますけれども、もう今実際にそういうことをやっている人たちがたくさんおりますので、まあ気持ちはよく分かったところでございますので、しっかり対応していきます。
○福島みずほ君 ありがとうございます。気持ちも分かった上で対応していきたいという答弁だったので、有り難く思います。
次に、特定秘密保護法に基づく基準の閣議決定が十月十四日に行われ、運用基準が発表になりました。そのうち、厚生労働委員会に特別に重要だと思われる点が一点あります。精神疾患の部分なんですが、適性評価の中で治療又はカウンセリングを受けたことがあるか等を記載をしなければならない。過去十年以内に、統合失調症、躁うつ病、薬物依存症、アルコール依存症その他の精神疾患に関し、治療又はカウンセリングを受けたことがありますか、あると言うと、受診先とか医師やカウンセラーの氏名も全部書かなくちゃいけない。で、必要な場合には医療機関等に照会するというふうになっております。
でも、今本当に統合失調症や躁うつ病でカウンセリングなどを受ける人が多い。こういうことを書かなくちゃいけないとなると、もう受診すら抑制してしまうんではないか。極めて、むしろ病気が悪化すると思っています。日本精神神経学会は反対の見解を、この適性評価の議論の後しておりますが、厚生労働省として、こんなことをやったら医師とカウンセラーと患者さんとの信頼関係すらつくれないということで、是非反対をしていただきたい。いかがでしょうか。
○政府参考人(北村博文君) まず、制度について御理解いただきたく、御説明差し上げたいと存じます。
特定秘密保護法におきましては、行政機関の長が、御指摘いただきました……
○福島みずほ君 ごめん、そんなことはもう分かっているので結構です。
○政府参考人(北村博文君) それでは、調査の結果でございますけれども、何らかの精神疾患があるということだけをもって直ちに適性がないと判断するわけではございません。また、適性の有無につきましては、他の調査事項、全部で七つございますけれども、こちらの調査結果、また評価対象者の個別具体的な事情というものも十分に考慮して総合的に行うこととしているところでございます。
また、この前提となりますところでございますけれども、適性評価につきましては、評価される対象者本人が明示の同意、要するに適性評価を受けることにつきまして同意がなければ調査は行われないということになってございます。もちろん、その心の不調に悩む職員という者が専門医の診療をためらうことのないようにすべきということは当然でございまして、職員のメンタルヘルスの向上ということにつきましては、各府省におきましても様々な取組というものは積極的にされているというふうには承知いたしております。
○福島みずほ君 同意があっても、結局この書面を国家公務員が書くということを考えれば、まあ民間だって書かされるわけですよね。だったら、もう病院へ行かないですよ。カウンセリングも受けないですよ、だって自分の出世に響きますから。そもそも、これだともう行くなということですよ。しかも、ここまでいいんですか。しかも、医療機関は守秘義務があります。医者は秘密を漏えいすれば、刑法の秘密漏えい罪で処罰されるという対象であるにもかかわらず、何で医療機関に照合して、この人の通院歴、病気、聞けるんですか。
これは、厚生労働省として、実は患者の権利という観点からも、医療機関という観点からも極めて重要な点です。厚生労働省、これ認められない、いかがですか。
○政府参考人(藤井康弘君) お答えいたします。
先ほどの審議官の答弁とダブる部分がございますが、内閣官房において作成されましたこの精神疾患に関する質問票につきましては、精神疾患に関する治療等を受けたことがあるとの事実だけでもって特定秘密を漏らすおそれがあると直ちに判断されるということではございませんし、また必要な場合には、医療機関等に照会した上で具体的な症状、再発の可能性等を踏まえまして、特定秘密を漏らすおそれがないかどうか判断されるものとなってございますので、特定秘密を漏らすおそれにつきまして、単に治療の事実だけでなくて、個別の状況によって評価されるものというふうに考えております。
また、これ当然のことではございますが、精神疾患がある方には適切に治療を受けていただくことが重要でございますので、厚生労働省といたしましては、今後とも精神保健医療対策の充実に努めてまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 いや、問題ですよ。現に日本精神神経学会が反対の見解を出しているじゃないですか。医療機関に聞いていいんですか、個人の病歴やいろんなことを。こんなことをやっていたら、もう本当に精神疾患を抱えている人たちがより悪化しますし、こういうことを書かせることそのものが極めて問題だと思います。これは厚生労働省として、むしろ、はっきりノーと言っていただきたい、この委員会でも更に取り上げていきたいと思っています。
カジノの法案が他委員会で議論されるかどうかという危機的な状況なので、ギャンブル依存症の報告書を厚生労働省が出されたことについて一言お聞きします。
二〇一三年の調査で男性八・八%、女性一・八%がギャンブル依存症とされていて、外国と比較しても高い数値だというのが厚生労働省の見解です。カジノ解禁がギャンブル依存症患者増大にどう影響するか、厚労省、いかがでしょうか。
○政府参考人(藤井康弘君) お答えをいたします。
委員御指摘の調査結果につきましては、これは平成二十五年度の厚生労働科学研究におきまして、成人男女約四千人に面接調査を行った結果といたしまして、ギャンブル依存の疑いのある方が成人全体の四・八%、人数にして五百三十六万人と推計されると報告をされております。この数値につきましては、調査対象にパチンコですとかスロットなども含んだ調査に基づく結果でございまして、私ども、あくまで研究結果の一つとして承知をしておるところでございます。
また、日本におけるカジノ解禁の影響につきましては、カジノに関する制度設計がまだ行われていない現状ではなかなかお答えすることが困難だというふうに考えてございますけれども、厚生労働省といたしましては、このIR推進法案の動向を踏まえまして、所管でございますギャンブル依存症対策につきまして適切に協力をしてまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 カジノを解禁すれば、ギャンブル依存症が増えることは火を見るよりも明らかです。外国人のみにするのか、でも日本人にも解禁するとも言われていますし、ギャンブル依存症が増えれば、医療機関の費用も負担しますし、家庭も崩壊しますし、多重債務になり自殺も増えるし、いいことは何もないというふうに思っています。厚生労働省の立場から是非反対というか、ギャンブル依存症増大には反対という論陣を是非張ってください。
先ほどから専門的知識を有する有期雇用労働者の件で、そもそも、このやり方そのものが問題だというふうに指摘がされていて、私もそのとおりだと思います。特区でやるべき問題ではありませんし、労働法制は強行法規ですから、特区やあるいは例外規定を設けるということそのものが根本的に間違っているというふうに思います。無期雇用転換忌避を先取りした雇い止めが起きているのではないか。現在の個別労働紛争相談の内訳や雇い止めの比率を言ってください。
○政府参考人(岡崎淳一君) 無期転換ルールの導入後に企業の状況を調査いたしております。まだ効果が生じるのが五年後ということで対応を決めていないという企業もありますが、一部、五年未満での雇い止めも考えているという企業が一五%であったということであります。一方で、今回の法律を契機にしまして、むしろ無期契約にしていくというところが四割ということでございます。
ただ、一方では、一五%という企業がそういうお答えをしているということでございますが、これにつきましては、いろんな形で企業に対しまして無期雇用の、いろんな形での多様な正社員とか無期雇用の効果につきまして周知をする中で、できるだけそういう方向に持っていくように努力していきたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 せっかくこの委員会で無期雇用転換を決めたのに、それが実効性が出る前にもう雇い止めが起きていると。平成二十五年のあっせん申請内容の内訳、雇い止めは五百四十八件、全体の九・〇%。九・〇%は雇い止めの占める比率としては過去最高です。個別労働紛争相談の内訳、平成二十五年度で雇い止めは一万二千七百八十件、全体の四・三%。
つまり、法律がせっかく作ったにもかかわらずというか、作る前に、五年前にもう雇い止めを行うということが今頻発をしています。そういう状況の中で、今度はこれに風穴を開けるというか例外規定を設けることはやっぱり納得がいかないというか、どうしてこういう人たちがこの例外として認められるのか全く分かりません。
毎年、年収要件の設定を幾らにするのか、厚生労働省令を変えることによって幾らでも引き下げられる仕組みになっているのは問題ではないですか。
○政府参考人(岡崎淳一君) 法律上、年収要件につきましても設けるということになっておりますし、建議の段階で一定の審議会での共通認識もございます。そういう中で、今後、省令、告示等を定めていくことにしておりますし、先ほど来答弁しておりますように、労政審の中で現場の実態を踏まえたしっかりとした議論の中でやっていくということで、これをすぐに引き下げるというようなことは全く考えていないということでございます。
○福島みずほ君 引き下げるじゃなくて、年収要件そのものが法律に書いていないので、幾らでもなるじゃないですか。
これってホワイトカラーエグゼンプションと一緒で、年収一千万、いや、今一千七十五とか言われていますが、八百万、七百万、六百万、五百万、どんどんダンピングされていくことだってあり得るわけで、じゃ、何で年収要件が高い人はこの有期雇用契約の例外になり得るんですか。
○政府参考人(岡崎淳一君) 今回の、五年を超えるプロジェクトに従事する方で、かつ高度の専門性と年収要件と、そういう方々につきましては、そういうプロジェクトの中で技術、技能を磨く中で次の職場を求めていくと。一方で、企業の方ではそういう人材を確保できる。そういう全体の判断の中で今回の制度ができているわけでございまして、そういう中で濫用に当たらないための要件として年収要件が定められているということでございます。
○福島みずほ君 ホワイトカラーエグゼンプションのときもさっぱり分からないけれども、年収要件が高いと何で例外規定になるのか分からないんですね。しかも、労基法十四条の特例一だと農水業などの技術者、システムエンジニアなど入っていますが、何でこれ、こういう人たちも入るわけですか。
つまり、何が問題かといえば、法案見る限り専門的知識とか何も分からないわけですよ。そうすると、何で農水業で何なのとか、どうしてそういう人たちは有期雇用の例外規定になるのか。何でなんですか。
○政府参考人(岡崎淳一君) 具体的には、今回法案が成立した後に審議会で再度議論するということでございますが、法案を出す前の建議の段階で、労使の議論の中では労働基準法の第十四条にある方々をある程度参考にしてと。その中に先生が今おっしゃったような方々も入っているということでございますが、今回は今回で、労働基準法十四条とはまた違う規定でございますので、それを参考にしつつも労政審の中で再度議論していただくと。そういう中で必要な方々を対象にしていくということを考えているということでございます。
○福島みずほ君 こういう例外規定は認められませんし、さらに、年収と専門職についてよく分からないまま法案を成立させることは大問題だと思います。
以上で質問を終わります。