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「派遣法」について質問 採決はありえない 9/8厚労委 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
派遣労働者の当事者の声をどう聞いていらっしゃるのか、まずお聞きをいたします。
塩崎大臣は、本法案提出前後に二回、派遣労働者からのヒアリングを行ったとされています。どういう中身だったんでしょうか。それをどう受け止められたか教えてください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今お話しいただいたように、この法案提出前後に二回、ヒアリングを大臣室で行いました。
それぞれ派遣で働いていらっしゃる方々について、どういうことでお困りになっているのかということを中心にお話を聞こうということでお話を聞かせていただいたわけでありますので、まず派遣で働く方に、積極的に派遣を選んでいらっしゃる方、それから正社員になりたいがやむを得ず派遣で従事をしておられる方、両方の方々がおられました。年齢を理由に派遣元から紹介を受けられなくなったなどのお話も伺ったわけでございますし、それから、このヒアリングは非公開で行ったので、細かいことはともかく、あくまで派遣労働者の実情を把握するために行ったものでございます。
違法派遣の根絶に力を尽くすことは、当然のことながら私ども厚生労働行政の重要な使命であるというふうに考えましたし、具体的な違法事案を把握した場合には、都道府県労働局が派遣元や派遣先に対して指導監督等を実施し、行政処分等の厳しい対応を行っているわけでありまして、これらを通じて今後とも違法派遣の根絶に尽力してまいりたいと思っております。
いずれにしても、ヒアリングをさせていただいて、お話を実態を聞かせていただいた中で、いろいろ問題があるという御指摘と、今の自分のライフステージでは派遣という働き方でいくのが今の働き方としては選択をすべき道だという方と、それから、あとは、自分の能力を生かしながら派遣で十分活躍をされているということを感じさせるお話も頂戴をしたところでございます。
○福島みずほ君 この反対であるという二名の方の、私は書面でいただきましたが、これは、例えば産休正社員の一時的穴埋めのために紹介予定派遣を悪用した事例や、年齢差別の報告や、ひどい実態ですよね。
大臣、短く答えていただきたいんですが、衆参で当事者の方が、衆議院では廣瀬明美さん、参議院ではウヤマヨウコさんが切実な訴えをされました。これをどう受け止められましたか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 私もそういう報告はもちろん聞いているわけでございますが、それは直接お会いをしてお話を聞いた方の抱えておられた問題とも共通するところがあって、今回、私ども、この教育訓練、キャリアアップを義務化するということでありますけれども、全くそういうことを受けていないというお話も聞きましたし、かなり働いている方の立場を無視した派遣の実態というものもあるということを参考人のお話の中からも感じ取ったところでございます。
○福島みずほ君 当事者、参考人二人は大反対なんですよ。
派遣労働者の声を聞いてくださいというので陳情を昨日受けられたと思いますが、当事者有志、日本労働弁護団有志、女性と若者が多く働く派遣就労の環境をますます悪化させる法案を廃案にすることを求めます、この法案が首切り合法化法案、若年定年制法案、マタハラ合法化法案、細切れ雇用強制法案、労働組合解体法案であるために即時廃案を要請します、一、十月一日施行の労働契約申込みみなし制度を形骸化しないでください、二、産休、育休がますます取得しづらくなる改正はやめてください、三、派遣労働者のみならず国民に対しての法改正の周知期間がないため混乱を来します。
この声を、当事者の声をどう聞いていらっしゃいますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、福島先生から御指摘をいただいた派遣労働者の声を聞いてくださいという御要望を私の事務所の方に、議員会館の方にいただきました。それとともに、この当事者の皆様方の手記というのも頂戴をいたしました。まだいただいたばかりなので中は全部は読めておりませんけれども、現場で御苦労をされている方々のお声を聞かせていただいているというふうに理解をしているわけでございまして、この三点の要望を今お読み上げをいただきましたけれども、それぞれ重要な論点で、この委員会でも議論が重ねられている論点でもございますので、これらの問題点を指摘をしていただいて、しっかりと審議をせいということだというふうに思います。
みなし制度の形骸化の問題、今日もかなりお話をいただいて、御議論をさせていただきました。産休、育休の問題については、これも何度か御議論をこの場でいただいて、実際不十分さを私どもも十分認識をしているわけでございますので、どこまで改善をできるか、これを考えていかなきゃいけないということだと思いますし、それから、周知期間の問題については、先ほど来私ども答弁しているように、できる限りのことをさせていただいて、今までの派遣法に比べて格段にこれは義務を増やし、直接雇用する派遣元の義務を中心に、派遣先にも義務を今まで以上に課すことによって、働く方々の保護が図られるように、ステップアップができるようにしようということでございますので、御理解を賜れれば有り難いなというふうに思うところでございます。
○福島みずほ君 当事者は、よくこの法案のことを分かっていて反対なんですよ。歓迎されていない法案です。声をこれから精査して読むということであれば、十分時間を取ってくださいよ。
今日は九月八日です。この法案の施行日は九月一日です。私たちは、今の時点で修正案も改正案も一切受け取っていません。九月一日施行の法案を九月八日議論するなんてあり得ないですよ。こんな法案、廃案にするしかありません。
そして、みなし雇用制度ですが、厚生労働省の役人に九月三十日施行はやめてください、十月越えてもいいじゃないかと言ったら、大変なことになるというふうに私は言われました。
大臣、みなし雇用制度は労働者の権利じゃないですか。労働者のためになることをやることがなぜ大変なんですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは何度もお答え申し上げ、また今日も何度か申し上げましたけれども、この平成二十四年の法改正によって設けられた労働契約申込みみなし制度というのは、派遣受入れ期間の制限に反するなどの一定の違反行為に対して、労働者の保護を図りつつ、派遣先に民事的なペナルティーを科すという効果を持っているわけでございまして、違法行為を抑止することを目的としている仕組みでございます。本年十月からの施行が予定をされているわけであります。
他方で、現行制度では、いわゆる二十六業務について派遣受入れ期間の対象から除外をしているわけでありますけれども、もうこれは何度も言っていますけれども、専門性が時代とともに変化する、あるいは対象業務に該当するかどうか分かりにくい、これは二十四年の附帯決議にも入っているわけでありますけれども、こういう課題があって、このために私どもは、改正案では、現行の期間制限を廃止をして、全ての業務に適用される分かりやすい仕組みを設けるということにしているわけでございます。
これは、今回の改正案では、平成二十四年の法改正により設けられたみなし制度について、期間制限違反に適用するという仕組みを変更しておりませんで、また、予定どおり十月一日から施行をするということになっています。何らそこは変更がないわけであります。
それから、派遣労働者の権利を剥奪するといった御指摘は当たらないと思いますけれども、みなし制度については、労働者の保護を図りつつ、違法派遣の是正を図る上で必要な仕組みだということを今日も繰り返し申し上げてきているところでございます。
○福島みずほ君 とんでもない答弁ですよ。派遣労働者が期待したみなし雇用制度を適用させないために九月三十日にやるんですよ。邪道中の邪道じゃないですか。
質問したい。
厚生労働省は労働者の味方ですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 当然、働く人たちの権利保護をし、できる限り働きやすい環境を整えていくということが厚生労働省の使命であることは間違いないというふうに思います。
○福島みずほ君 派遣労働者が歓迎をしていない、みなし雇用制度をとにかく一件でも適用させないために死に物狂いで九月三十日やろうとしている、見苦しいですよ。誰の立場に立っているのか。労働者の立場に立っていないことだけは明確ですよ。
一体誰が九月三十日とやっているんですか。厚労省ですか。与党ですか。自民党ですか。派遣会社ですか。誰が首謀者なんですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは福岡議員が最初に指摘したとおり、いろいろな考え方が私はあって、だからこそ、審議が必要なわけでありまして審議をしているわけでありますが。
何度も申し上げますけれども、直接雇用をする結果となるこのみなし制度は、結果としてもちろん直接雇用になるという意味において、働く人たちにとって有効な手であるわけではありますけれども、問題は、違法行為があって直接雇用、正社員になる、まあ正社員になるかどうかは別にして、今までの条件と同じであれば、すぐ正社員というわけには多分いかないんでしょう。
いずれにしても、しかし直接雇用になるというのが、原因が、違法行為が起きたということでその派遣先で直接雇用をされることは、もちろん結果としていいですけれども、本当にそれが働く人の将来を考えた上でやっていることかどうかということを考えてみると、私たちは、何度も申し上げているように、今回初めて法定をした義務として教育訓練あるいはキャリアアップのためのキャリア形成支援制度を許可基準に入れ込んで、そういうことをやらない、私がヒアリングでいろいろ聞かせていただいた、派遣で働く方々が何の研修も受けていないという話を聞きましたが、まさにそういうことは許されないというものを派遣元にこれは義務として求めていくわけでありますので、そうすれば、私は、正社員雇用の可能性をどうやって高めていくのかと。これはやはり採用する方がちゃんと採用してもらわなきゃいけないので、違法だから採用するよりは、採用したいから採用してもらった方が全然働く方にとってはプラスになるわけでありますので、長い目で見て働く人のことを考えるということが大事だというふうに思います。
○福島みずほ君 信じられないですよ。とんでもない答弁ですよ。みなし雇用制度よりは、長いキャリアアップをしていつかやるかもしれない方がまともだという、とんでもない答弁ですよ。塩崎さん、とんでもない答弁ですよ。みなし雇用制度は、当事者が正社員になる唯一のというか、権利なんですよ。
この派遣法の改悪法案は、正社員の道を権利として保障していません。均等待遇、均衡待遇についても、これはきちっと保障されていないですよ。何もないんですよ、待遇改善。一生派遣のまま働かせることができる、しかも更新を拒絶すれば若年定年制的に働くんですよ。七五%の派遣労働者の女性たち、本当に反対していますよ。働き続けられなくなるかもしれない、それで女性の活躍なんてちゃんちゃらおかしいですよ。非正規雇用を増やすことが問題であって、非正規雇用をいかに減らして正社員を増やしていくかというふうに政治は努力すべきなのに、全く逆行しているじゃないですか。
今日、朝、私は理事会で今日採決はありますかと聞いたら、誰も何も答えませんでした。議論しなくちゃいけないし、三十日施行なんてあり得ないですよね。ないですよね、ないですよね、ないですよね。採決やれるような状況ではありません。こんな労働者に背を向けた派遣法の改悪法案、採決はあり得ないですよ。
厚生労働省が労働者の味方をしなくてどうする。さっき、労働者の味方と言ったけれども、そんなのうそですよ。労働者を踏みにじる法案を絶対に成立させてはなりません。採決などあり得ない。審議を尽くし、しかしもうこれは廃案、廃案しかないということを申し上げ、私の質問を終わります。採決はあり得ません。