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2020年12月2日、地方・消費者問題に関する特別委にて、エシカル消費、ビジネスと人権、動物実験、香害について質問 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

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203-参-地方創生及び消費者問題に関する特別委員会-003号 2020年12月02日(未定稿)

○福島みずほ君 立憲民主・社民共同会派、社民党の福島みずほです。
エシカル消費、倫理的消費についてお聞きをいたします。
二〇一七年に「倫理的消費」調査研究会が取りまとめを発表し、エシカル消費の推進方策の方向性の提言が出されました。この研究会設立の経緯と今後の予定について説明をしてください。また、取りまとめ報告を受けて、消費者庁が取り組んできたことや更に発展させるため、今後の取組などについて、担当大臣の見解はいかがでしょうか。

○国務大臣(井上信治君) 消費者庁では、人や社会、環境に配慮した消費行動であるエシカル消費の内容やその必要性について国民の理解を広め、日常生活での浸透を深めるためにどのような取組が必要なのかについて調査研究を行うため、平成二十七年五月から約二年間、調査研究会を開催し、平成二十九年四月に報告書を取りまとめました。
その取りまとめを受けて、消費者庁では、エシカル消費について国民全体による幅広い議論を喚起するため、地方公共団体との共催による啓発イベント、エシカルラボや体験型ワークショップの実施、先進的な事例の収集、紹介などに取り組んでまいりました。
私自身も先日徳島を訪問した際、徳島商業高等学校において、カンボジアの学校と共同開発したフェアトレード商品、ヤシ砂糖の普及に向けた高校生のエシカル消費の取組についてお話を伺い、大変感銘を受けました。
これらの取組を更に発展させ、エシカル消費の考え方と行動が、安さや便利さにとどまらない消費生活の選択肢の一つとしてより一層浸透するよう、新たに作成した啓発用のパンフレット、ポスター、動画等を活用した地域等での取組のほか、学校でも活用いただける教材の作成などを進めてまいります。

○福島みずほ君 二〇二〇年八月に発表されたエシカル消費に関する消費者意識調査報告書によれば、エシカル消費の認知度は一二・二%、上がっております。二〇一六年と比較すると倍とはいえ、まだ認知度は低いです。消費者庁のこれまでの啓発等の取組が効果的であったかなど、どう分析をされているでしょうか。
エシカル商品であることの認証ラベルの認知状況を見ると、エコマークは八〇・五%に対して、フェアトレードは一四・四%です。環境分野の関心が高いのは良いことですが、人権擁護の部分も関心を高める必要があるのではないでしょうか。

○政府参考人(片岡進君) お答え申し上げます。
御指摘の調査は、消費者の意識や消費行動の変化を分析することにより、現状把握を行うとともに、今後の政策立案に資することを目的として、三年に一度実施しているものでございます。
本年七月に決定されました第四期消費者基本計画工程表においては、令和四年度実施予定の同調査において、エシカル消費の認知度を三〇%にする目標を掲げているところでございます。委員御指摘のように、二〇一六年度の調査に比較して今回認知度は倍以上に上昇しておりますが、目標達成に向けて更に取組を進めてまいりたいというふうに考えております。
なお、今回の調査では、エシカル消費をどのように知ったのかについての調査も行っておりまして、それによれば、ネット、SNSで知ったという比率が最も高く、四三・九%に上昇してございます。
そこで、SNSも有効に活用すべく、今年五月の消費者月間に合わせて、エシカル消費等の具体的な行動を起こすきっかけとしていただくために、一言メッセージ動画のSNSへの投稿キャンペーンを八月末まで実施したところでございます。こうした取組も通じて、更なるエシカル消費の普及促進に努めてまいりたいというふうに思います。
それから、フェアトレードにつきましては、引き続き、こうした概念も含むエシカル消費の考え方と行動が更に広がるように、関係省庁、関係団体を始めとする多様な主体と連携をして取り組んでまいりたいというふうに思います。

○福島みずほ君 二〇一七年の「倫理的消費」調査研究会が取りまとめた報告書によると、イギリスやノルウェーにおいてテレビや学校教育での取組がエシカル消費の促進につながっているという報告があります。
四国大学の研究、若い世代の倫理的消費に対する認知が購買行動に及ぼす影響によれば、日本とドイツの若者の商品選択の基準は、ドイツは労働者、生産者や自然環境への配慮や製品の原材料は環境に配慮しているかということを選択基準に入れている若者が多いという結果が出ております。他方、日本の若い世代は、流行や口コミ、商品などのデザインを選択基準に入れている。この流行や口コミ、デザインなどにエシカル消費の観点を取り入れることで変わっていく可能性は十分にあるというふうに思っております。
環境も大事だけれど人権も大事ということで、労働者が搾取されない、児童労働がない労働環境で作られたエシカル商品であるということを、もっともっと権利意識を変化させていくための努力についてどうお考えでしょうか。

○政府参考人(片岡進君) 消費者庁におきましては、これまでもエシカル消費に係るイベント開催、それからホームページの情報発信等に取り組んでおるところでございますけれども、委員御指摘のように情報発信を更に強化する観点から、本年十月から十二月にかけまして、エシカル消費、食品ロス削減、こうしたテーマを始めとしたライブシンポジウムを全国九か所で開催をいたしてインターネットで配信をしているほか、今年の十月にはエシカル消費特設サイトを消費者庁のホームページに開設したところでございます。
この特設サイトでは、身近なことからエシカル消費に取り組んでもらえるよう、エシカル消費の概念などの説明に加えまして、地方公共団体、消費者団体、事業者など、各主体におけるエシカル消費の取組を積極的に紹介していく予定であり、フェアトレード、それからエコロジー、それからビジネス、人権に関する取組におきまして充実させてまいりたいというふうに考えてございます。

○福島みずほ君 ビジネスと人権に関する行動計画に係る関係府省庁連絡会議が今年の十月、ビジネスと人権に関する行動計画を発表をいたしました。その横断的事項に消費者の権利、役割が含まれております。
消費者庁はエシカル消費の普及啓発に関して、イベントでの普及啓発、ホームページでの情報発信等実施していくと今もおっしゃっておりますが、これまでと違う新たな取組を予定していることはありますか。

○政府参考人(片岡進君) 先ほども御答弁をさせていただきましたけれども、今年の十月にエシカル消費特設サイトというのを消費者庁のホームページに公開したところでございまして、こうした中で様々な地方公共団体、事業者、それから国の取組を紹介していくということで、内容の充実をこれから図っていくということをやってまいりたいというふうに考えております。

○福島みずほ君 行動計画の中には、人権を尊重する企業の責任を促すための取組として、国内外のサプライチェーンにおける取組及び指導原理に基づく人権デューデリジェンスの促進が含まれております。デューデリジェンス、企業の説明義務あるいは監視、調査というふうに訳したらいいんでしょうか。このデューデリジェンスの促進が重要です。
サプライチェーンの労働者の地域住民の人権を守ることが世界的に求められておりますが、消費者庁としてサプライチェーンにおける人権問題について、どのように取り組むことを考えていますか。

○国務大臣(井上信治君) 外務省が中心となり、消費者庁も参加した関係省庁連絡会議において、ビジネスと人権に関する行動計画が策定されたことは承知しております。今後、企業活動のみならず、消費生活にも生産者の生活や人権といった視点を盛り込むことが重要となってくるものと考えます。
消費者庁が普及啓発を進めるエシカル消費においても、児童労働等の社会的課題を説明しながら、その課題解決につながる消費行動、具体的にはフェアトレード商品の購入等を紹介しています。
今後も、国内外のサプライチェーンにおける生産者の生活や人権問題への配慮も含め、エシカル消費の考え方と行動を更に広げ、消費者一人一人が社会に配慮した消費行動を行うことができるよう、積極的にエシカル消費の普及啓発を進めてまいります。

○福島みずほ君 サプライチェーンにおける人権問題について企業がどういった方針を持っているか、消費者にも知る権利があると思います。消費者の知る権利を保障するためにも、企業に対し積極的な情報公開を求めていくべきではないでしょうか。
お手元に資料をお配りしております。各国におけるデューデリジェンス法制化の動きです。
イギリスは、現代奴隷法、二〇一五年、イギリスで事業活動を行う営利団体・企業のうち年間の売上高が三千六百万ポンド以上の企業は、毎年、奴隷と人身取引声明を開示する義務がある。フランスも、ビジランス法、二〇一七年、フランスに五千人以上の従業員又は合計で一万人以上の子会社社員を持つ企業に、デューデリジェンスを計画し実行する義務。オランダ、児童労働デューデリジェンス法、二〇一九年、国内に製品、サービスを二回以上提供する企業に、児童労働に関して全てのサプライチェーンのデューデリジェンスを行った旨の声明を担当当局に報告する義務、罰金、最大年間売上高の一〇%。ドイツでは、行動計画、二〇一六年、全ての企業が人権デューデリジェンスを導入することを期待、在ドイツ企業、五百人の事業の、五〇%が二〇二〇年までに導入することを目標、まあコロナ禍でちょっと遅れていると聞いておりますが、未導入企業はその理由を要説明、目標が未達成であれば法制化を検討、将来的には五百人以下の企業への適用も検討。
このように、デューデリジェンス法制化の動きがあり、日本企業も海外に輸出をしております。この知る権利に関してもっと日本でも踏み込むべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(片岡進君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、人権問題への対応などを含めまして事業者が適切に情報を公開して、消費者が知ることができることは大変重要であるというふうに考えてございます。
ビジネスと人権に関する行動計画におきましては、サプライチェーンにおける人権問題の必要性あるいはデューデリジェンスについて企業に周知するということになっておりまして、まずは、関係省庁とも連携をしながら企業の取組についての情報公開を促進してまいりたいというふうに考えてございます。
また、消費者庁といたしましては、例えば、事業者が消費者と十分なコミュニケーションを取りながら連携をし、社会課題の解決に取り組む消費者志向経営の推進を行っているところでおりますけれども、消費者志向経営の自主宣言を行う企業の中には人権への取組を明記しているところもございます。
こうした取組なども通じまして、引き続き、消費者への適切な情報提供が行われるよう取組を行ってまいりたいというふうに考えてございます。

○福島みずほ君 エシカル消費に関する消費者意識調査報告書によれば、用品、サービス購入時に消費者が重視している点は、安心、安全、四九・七%です。特に、食の安全性を確認したいという消費者は多いと考えられます。
しかし、食料の六割を輸入に頼る今、サプライチェーンにおける人権問題と同様に、その調達において人権問題にも注視するよう消費者庁から農水省へ働きかけるなど、検討すべきではないでしょうか。

○政府参考人(片岡進君) お答え申し上げます。
委員御指摘の点も含めまして、エシカル消費の考え方と行動が更に広がりますよう、エシカル消費特設サイトなども活用しながら取組事例の収集、発信等を充実するとともに、農水省を含めまして、関係省庁、関係団体等を始めとする多様な主体と連携をして取り組んでまいりたいというふうに思います。

○福島みずほ君 外国の産地で労働者、生産者に対して搾取がないのかということなど、もっと消費者庁は取り上げていただきたいと思います。
そして、せっかく、ビジネスと人権に関する行動計画に係る関係府省庁連絡会議が十月、ビジネスと人権に関する行動計画まで作りました。これ、とても重要なことは、消費者庁の役割ももちろんあるわけですが、経済産業省、厚生労働省、農水省、内閣府、もちろん官房、消費者庁も含め、教育でいえば文科省もそうですが、各関係省庁が極めて連携をしながら、ビジネスと人権、エシカル消費に関してもっと進めていくということが必要だと思います。
私は、アイラブ消費者庁という気もしますし、消費者庁が是非その要役、旗振り役として、これは消費者の問題、エシカル消費の問題でもありますから、是非そういう旗を振って、各省庁をまとめてプロジェクトチームなどをつくって、こういうのをもっと推進していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(片岡進君) お答え申し上げます。
委員御指摘の点、真摯に受け止めまして、関係省庁とともにやってまいりたいと思います。

○福島みずほ君 頑張れ消費者庁ということで、真摯に受け止めと言ってくだすったので、大臣、やっぱり消費者庁は、霞が関の中で大きな役所ではないけれども、みんなの期待、消費者運動をやっている人、国会のもう本当に超党派の、物すごく期待の下におぎゃあと誕生した、十年以上前に誕生したすばらしい役所で、だからこそ、消費者の立場でやるぞという役所、消費者庁しかないわけですから、是非、もう出っ張って、もう大きな顔して、いろんな役所を集めて成果を本当に出してほしい。大臣の決意、今、真摯にと、こう言ってくだすったので、いかがでしょうか。

○国務大臣(井上信治君) 福島委員からは我々消費者庁に対する応援をいただいて、大変ありがとうございます。
是非、委員の先生方の御支援いただいた中で我々もしっかり頑張っていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

○福島みずほ君 やっぱり、消費者庁ができてこんなこともできたし、動いている、すばらしいというように是非頑張ってください。
この消費者特別委員会は、多分そういう立場でみんなが応援する場所、応援というか、応援かつ活を入れ、調査する、メスも入れるという場所だと思いますので、是非、このエシカル消費やビジネスと人権というテーマでも是非存在を、存在感を出していただくよう、よろしくお願いいたします。
エシカル消費といったときに、その動物実験などのことについてもちょっとお聞きをしたいというふうに思っております。
エシカル消費を消費者庁は推進しておりますが、あっ、ごめんなさいね、ちょっと言い直します、ごめんなさい。消費者庁の「倫理的消費」調査研究会が二〇一七年四月十九日に公表した取りまとめ、あなたの消費が世界の未来を変えるの第二章には、人間が動物に対して与える痛みやストレスといった苦痛を最小限に抑えることによって動物の福祉、アニマルウエルフェアを実現するといった動物への配慮の観点が示されたことからも、倫理的消費の範疇の広がりをうかがうことができると書かれております。
最近では、動物実験を行っていない商品などはエシカルな商品として消費者から支持されております。御存じのとおり、EUは化粧品などに動物実験しないことという要件がありますから、日本の名立たるたくさんの化粧品会社はEUなどに化粧品輸出しているわけですから、一大ビジネスですよね。実は、実はというか、動物実験をやっておりません。動物実験やったら買ってもらえないので動物実験やらない、エシカルな商品だということで支持されるというふうになっております。そういうのはとても、消費者の行動としてとても大事なことだというふうに思っております。
犬猫殺処分ゼロを目指す動物愛護議員連盟の中で動物愛護管理法の改正法案を超党派で作って昨年改正され、今年六月一日から施行になっております。この動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針が策定をされております。この基本的指針の第二の二の六には、動物実験の適正な取扱いの推進の講ずべき施策の中には、関係省庁、団体等と連携しながら、実験動物を取り扱う関係機関及び関係者に対し、3Rの原則、実験動物の飼養保管等基準の周知の推進や遵守の徹底を進めるとともに、当該基準の遵守状況について、定期的な実態把握を行い、適切な方法により公表するとあります。
3R、まさに、できる限り動物実験に代わるものを利用する代替、それから削減、できる限り動物実験に供される動物の数を少なくする、改善、できる限り動物に苦痛を与えないということなどが重要視をされております。
そこで、消費者庁は特保や機能性表示食品といった動物試験と関連しておりますが、環境省や他省庁と連携しながら、実験動物の適正な取扱いや3Rの原則の推進に積極的に関わっていくべきだと考えますが、消費者庁にその考えはあるでしょうか。環境省は是非消費者も一緒にやりたい、消費者庁もやりたいと言っているんですが、今後の方針はいかがでしょうか。

○国務大臣(井上信治君) 委員御指摘のように、環境省において、動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針が策定されており、御指摘の実験動物の適正な取扱いの推進については、一義的には環境省が中心となって関係省庁とともに取り組んでおります。
消費者庁におきましては、事業者に向けた取組として、事業者が消費者の声をよく聞きながら様々な社会課題の解決に取り組む消費者志向経営を推進しております。また、消費者に向けた取組として、動物福祉の概念も含む、人や社会、環境に配慮した消費行動であるエシカル消費の取組を進めております。
エシカル消費の考え方と行動が、安さや便利さにとどまらない消費生活の選択肢の一つとして更に広がるよう、関係省庁、関係団体等を始めとする多様な主体とも連携して取り組んでまいります。

○福島みずほ君 日本がEUに輸出する化粧品というと、もう非常に名立たる化粧品会社のほとんどですが、動物実験やっていないわけで、ほかのもので代替できる、コンピューターとかいろんなものでできるのであれば、日本でも化粧品に関する動物実験やめるということは是非やっていただきたいと思っているんですね。そういうことも含めて、これからもよろしくお願いいたします。
特保の許可申請と機能性表示食品の届出における動物実験についてお聞きをいたします。
特保の許可申請と機能性表示食品の届出の際に動物試験を行っている企業があります。それは、消費者庁に提出する資料に記載する情報の中に動物試験が記されているからであります。
一方で、3Rの原則に基づき、国際的に動物実験を削減していこうという動きは加速しており、動物実験を廃止した食品会社でも特保や機能性表示食品の商品を出しております。
そこで、特定保健用食品申請に係る申請書作成上の留意事項と機能性表示食品の届出等に関するガイドラインには動物試験が記されておりますが、特保の許可申請と機能性表示食品の届出において、動物試験を実施してその情報を提供することが義務付けられているのでしょうか。それとも、動物試験を実施せずに、別の代替手段やいろんなものがあれば許可申請や届出を行うことが可能なんでしょうか。いかがでしょうか。

○政府参考人(津垣修一君) お答え申し上げます。
特定保健用食品の許可申請及び機能性表示食品の届出に際しまして、それぞれ、特定保健用食品の表示許可等について及び機能性表示食品の届出等に関するガイドラインに基づきまして、表示しようとする保健の用途等や安全性に係る科学的根拠を説明する資料を提出する必要がございます。これらの資料は、必ずしも動物実験の実施を義務付けているわけではなく、人において問題がないと認められる根拠を示すことができれば、動物実験を実施せず、許可申請や届出を行うことは可能であります。

○福島みずほ君 ありがとうございます。
動物試験を実施せずに特保の許可申請を行った際に、審査の過程で動物試験を求められるケースはあるのでしょうか。

○政府参考人(津垣修一君) お答え申し上げます。
消費者庁が特定保健用食品の表示許可をするに当たりまして、その安全性や表示しようとする保健の用途等について、食品安全委員会及び消費者委員会の意見を聴くものとされております。
食品安全委員会や消費者委員会において科学的根拠が十分でないと判断された場合、申請者は追加の科学的根拠を求められることになります。その申請者がどのような資料で説明するかは求められた科学的根拠の内容やその時点で得られている科学的知見の状況によるものでありまして、動物試験の実施を必須とするものではなく、科学的根拠として十分な内容があればいいと考えております。

○福島みずほ君 この分野はどんどん変わっていっている分野でもこれあり、3R、つまり代替、削減、それから改善、できる限り動物に苦痛を与えないことなどの3Rの原則はこれからもっと進めるべきだと思っておりますので、消費者庁は、まさに実施施設を有していないけれども、特保やこの機能性表示食品の届出における動物実験などのように関係しているところもありますので、是非、今後とも、少なくしていくとか、改善していくとか、なくしていくような努力を是非よろしくお願いいたします。
何かうなずいていただいたので、ありがとうございます。よろしいですよね。はい、ありがとうございます。
じゃ、でも、うなずいたとか言ってもあれですね。大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(井上信治君) 委員の御指摘も受け止めてしっかり努力してまいりたいと思います。

○福島みずほ君 どうもありがとうございます。よろしくお願いいたします。
次に、香害、香りの害についてお聞きをいたします。
これはこの委員会でも質問しておりますが、私の知人、友人にも、この香りの害に苦しんでいる人がいて、やはり重要な問題だと思うので、お聞きをいたします。これもまた倫理的消費の問題にもつながるというふうに思っております。
柔軟仕上げ剤、合成洗剤、芳香剤、消臭除菌スプレーなどの香料で化学物質過敏症など健康被害が生じていると言われています。日本消費者連盟などが立ち上げた香害をなくす連絡会は、九千三百三十二件収集し、アンケートを集計し、強い香りによって体調を崩したという人が多いことを発表をしております。例えば、分析可能な九千三十件のうち七九%が香害で体調が悪くなったことがあると回答、そのうち、香りによって仕事を休んだり職を失ったことがある、学校に行けなくなったことがあるなど、休職や退職、欠席や休学を経験している人は一八・六%に上っています。
国民生活センターも柔軟仕上げ剤のにおいに関する情報提供を行っています。二〇一九年五月二十二日の本委員会で、ここで質問いたしましたが、消費者庁は、柔軟仕上げ剤又は洗剤の香りに関連して健康被害を訴えた相談が毎年一定程度寄せられている状況であり、引き続き、PIO―NETを通じまして全国の消費生活センターから寄せられる相談情報や情報提供を注視し、必要に応じて対応を検討してまいりたいと答弁していらっしゃいます。その後の対応についてどうなっているでしょうか。

○政府参考人(片岡進君) お答え申し上げます。
お尋ねの香害につきましては、消費者生活センター等に消費生活相談が寄せられておりまして、また、当時の消費者庁政府参考人から御指摘のような答弁を行ったものと承知してございます。
消費者庁におきましては、相談件数の共有など関係省庁との情報共有を定期的に行ってございます。また、本年四月には、委員御指摘の国民生活センターから消費者へのアドバイスを含めた情報提供を行っているところでございます。
引き続き、関係省庁とよく連携をしつつ、相談の傾向等を踏まえて対応してまいりたいというふうに思います。

○福島みずほ君 柔軟仕上げ剤を家庭用品品質表示法の指定項目に追加し、香料を含めた成分表示を義務付けることによって、その必要性の是非、いろいろな事情を踏まえて、家庭用品品質表示法の指定品目に追加することにつきまして、その必要性の是非を検討してまいりたいと答弁をしていらっしゃいます。
日本石鹸洗剤工業会の指針では、製品に意図的に配合された〇・〇一%以上の香料成分を自主的に開示するとしています。でも、これは自主的なので、自主開示では不十分だと考えます。
消費者庁の家庭用品品質表示法の指定品目に加えるべきではないでしょうか。

○政府参考人(片桐一幸君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、令和元年五月の通常国会におきまして、柔軟剤を家庭用品品質表示法の対象にすることの是非を検討する旨をお答えしたところでございます。
その後、日本石鹸洗剤工業会におきまして、詳しい情報を求める消費者の要望に応えることや、海外においても自主的な成分情報開示が進められてきたということを踏まえまして、会員社の香料成分の自主的な開示の際の指針を策定し、各事業者が自主的に開示を進めている状況であるというふうに承知をしております。
こうした動きは、商品の詳しい情報を求める消費者に向けた情報提供になるものと受け止めておりまして、消費者庁としては、この取組の効果を注視してまいりたいというふうに考えております。
自主的な開示では不十分ではないかということでございますけれども、現在、事業者の方は、御指摘のとおり、柔軟剤等に〇・〇一%以上含まれている香料の成分を開示しているということでございまして、これ、海外における開示指針と同じ基準ということでございまして、詳しい成分を知りたい消費者の希望に応えているのではないかというふうに承知しております。

○福島みずほ君 皆さんもその合成洗剤などを買うときに表示を見られると思うんですが、合成洗剤は指定品目になっていて、界面活性剤の区分なども詳細に表示名が決められております。また、使用量の目安も具体的に分かりやすく表示されています。それが柔軟剤にはなくて、表示に香料とのみ表記したり、使用量は、香りを強くする場合には倍の量をと書いているものもあります。
ですから、もちろん良心的な企業は開示するかもしれないんですが、やはり表示法の規制を掛けていただきたい。いかがでしょうか。

○政府参考人(片桐一幸君) 御指摘の点につきましては、家庭用品品質表示法の規制では製品に表示をするということになるわけでございますけれども、表示スペースの問題等もございまして、そういった点も含めて、業界の方で自主的な取組が進められるということを期待をしているところでございます。

○福島みずほ君 質問がちょっとダブりますが、国民生活センターは、業界団体への要望として、香りの強さの目安に関する表示方法の指針等を設けるよう要望してくださっています。頑張って言ってくれているんですね。
日本石鹸洗剤工業会は自主的な開示についての指針のみ示しているため、各社が星や点で強さを表示しており、統一した表示がありません。私もインターネットで、ウエブサイトで見ましたけれども、香りの強さ表示があるものないもの、サイトに商品の詳細があるものないもの、実に区々でした。よく分からないんですね。点数の上限も、上限の表記がないものや、最高点が星五つなど、消費者側にとって混乱を生じさせるものもあります。
消費者庁が、何らかの基準、指針を設定するよう求めるべきではないでしょうか。

○政府参考人(片桐一幸君) 委員御指摘の香りの強さの目安といったようなものでございますけれども、この強さの目安、こういった消費者の選択に資するようなですね、そういうその目安でございますけれども、この目安のその表示の指針等につきましても、本年四月の国民生活センターからの要望も踏まえまして、この業界団体であります日本石鹸洗剤工業会におきまして議論がされているというふうに承知をしております。
消費者庁といたしましても、この業界、工業界におけるその目安についての議論が進むことを期待しているところでございます。

○福島みずほ君 是非、業界での自主的な取組ということなんですが、是非これは進むようにというふうに思っています。
というのは、花粉症などもそうなんですが、自分はかからないと思っていると実はあるときかかってしまうという経験をされている方もとても多いと思うんですね。
独立行政法人国立病院機構盛岡医療センターのお医者さんがこういうふうに、事態は深刻になってきているということで書いていらっしゃるので、ちょっと聞いてください。
二〇〇二年の専門外来開設当時に受診される患者さんの発症のきっかけは建物関係が多く、シックハウス症候群が半数を占めていました。その数年後の二〇〇八年以後より、香り付き柔軟仕上げ剤や制汗剤などの香りが原因となって専門外来を受診する患者さんが増えてきたのに気付きました。ちょうど二〇〇八年に、いろいろ消臭除菌スプレーとか文房具まで香り成分を配合というか、香りブームがあって、その後、一般の方々の香り製品使用が増加し、一方、香害の増加と重症化という二極分化の状況となっていると。ですから、香害についても、今回のアンケート調査で、隣家からの柔軟剤の影響、乗り物、学校、病院など公共の場での暴露が多いことを考えると、今は症状が出ていない人々も含めて社会全体で認識、理解して、香りの自粛や柔軟剤の使用自粛、安全性の高い製品の開発などの検討が必要になってきていると思いますとお医者さんが書いていらっしゃるんですね。
香害は特定の人だけの問題ではありません。誰でも突然症状が出てくることがありますし、小さい子供への影響は更に深刻ですと、過敏な人が安心して生活できる環境は全ての人にとっても良い環境ですと、そのとおりだと思います。
花粉症なんて人ごとだと思っていると、ある日やっぱりかかっちゃう、かかったりするわけですね。香害なんて一部の人の話だと思っていると、やっぱりそれが社会に充満していけば、ある閾値を超えれば自分もやっぱりその化学物質症候群にかかってしまうと。一旦かかってしまうと物すごく大変な状況なんですね。
消費者庁、この件についての取組について、再度いかがでしょうか。

○政府参考人(片桐一幸君) 委員御指摘の点も踏まえまして、業界における取組も含めて必要な取組が進められるよう、消費者庁としてもしっかりと対応してまいりたいというふうに考えております。

○福島みずほ君 マイクロカプセルについても、このアンケートの中では、香りを長続きさせるために使用されるマイクロカプセルについて、是非この使用中止、家庭用品へのマイクロカプセルの使用中止をしてほしいという人は八七・一%にも及んでいます。
是非、化学物質症候群がやっぱり広がらないように、私たちは化学物質に囲まれて生きていますので、是非、消費者庁もこの点について強く取り組んでくださるようお願いをいたします。
今日は、エシカル消費、倫理的消費、それからビジネスと人権、それに伴う動物実験や香害のことなど聞いてまいりました。政府自身が行動計画を作ったり、消費者庁自身が報告書を作ったり、極めて意欲的にやっていらっしゃることは理解しております。
ただ、諸外国に比べてはやはりまだまだ、労働環境、人権問題、サプライチェーンにおけるそういうことに対する踏み込みはまだまだ実は日本は弱いと、諸外国がデューデリジェンスの法制化までいっているのに比べてやはり弱いというふうに思っております。
また、この消費者庁のエシカル消費に関する報告書を見ますと、やっぱり表示をちゃんとやるべきだとかいろんなことを書いていらっしゃいます。そうだとすると、私は、ゲノム商品についてもちゃんと表示をすべきだとか、いろんなところで改革、改善していくことはたくさんあるというふうに思っております。
是非、安心、安全な給食や安心、安全な食べ物や環境に負荷を与えないことやフェアトレードやいろんなこと、エシカル消費、ビジネスと人権という点で消費者庁が他省庁を巻き込んで頑張ってくださることを切にお願いし、私の質問を終わります。

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