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改憲で総理追及 2016年1月19日参予算委 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
憲法改正についてお聞きをいたします。
総理は、憲法改正の発議ができるように参議院選挙で改憲勢力の三分の二以上の獲得を目指すとおっしゃっています。自民党は既に日本国憲法改正草案を発表しています。どれも極めて問題ですが、この中の一つ、緊急事態宣言条項についてお聞きをします。(資料提示)
まず、緊急事態宣言からやるのではないかと私は思っておりますが、この新しく自民党が設けている第九章緊急事態、これはまさに効果のところがとりわけ問題です。これは、内閣で、九十九条一項、「内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができる」、「内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。」となっています。
総理、国会は唯一の立法機関です。しかし、内閣が法律と同じ効力を持つことができる政令を出すのであれば、立法権を国会から奪うことになる。国会の死ではないでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この草案につきましては、我々野党時代、谷垣総裁の下で作られた草案でございます。
これ、大規模な災害が発生したようなこれは緊急時のことを言っているのでございまして、平時に行政府がこれは権限を持ってやるということではないわけであります。大規模な災害が発生したような緊急時において、国民の安全を守るため、国家そして国民自らがどのような役割を果たしていくべきかを憲法にどのように位置付けるかについては、極めて重く大切な課題と考えております。
そして、他方、自民党の憲法改正草案の個々の内容について、政府としてお答えすることは差し控えたいと思います。
いずれにせよ、憲法改正には国民の理解が必要不可欠であり、具体的な改正の内容についても、国会や国民的な議論と理解の深まりの中でおのずと定まってくるのではないかと、こう思っておりまして、引き続き新しい時代にふさわしい憲法の在り方について、国民的な議論と理解が深まるよう努めてまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 総理が改憲勢力の三分の二以上の獲得を目指すと既に言っていて、しかも日本国憲法改正草案が出ていますので聞いております。
この中の自民党の草案の中で、事後に国会が不承認をする、国会の承認を求めるとなっておりますが、国会が承認しなかった場合、その政令の処分によって行われたことはどうなるんでしょうか、政令の効力はどうなるんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今申し上げましたように、私が今ここに座っているのは内閣総理大臣として座っているわけでございまして、憲法の改正案の中身については、まさにこれから憲法審査会において御議論をいただきたいと、このように思うわけでございまして、こうした議論が深まっていく中において、おのずとどの項目から改正をしていこうかということが定まっていくわけでありまして、それ以上個々の条文について私はここで述べることは差し控えさせていただきたいと思います。
○福島みずほ君 極めて問題ですよ。なぜならば、総理は、今度の参議院選挙で憲法の改正の発議ができるように三分の二以上の獲得を目指すと言い、既に自民党は発表しているわけで、自民党総裁としてどういうふうになるのか議論をすべきではないですか。
参議院選挙の一つの争点は、戦争法廃止法案、これに賛成か反対か、そして憲法改正についてどう考えるか、もちろん新自由主義か社会民主主義か、一%のための政治か九九%のための政治かはありますが、憲法改正は極めて重要なテーマです。
先ほど申し上げましたが、これ、国会が不承認にした場合、承認が得られなかった場合の効力について規定がありません。これは極めて問題です。憲法審査会でも学者はこのことを指摘をしております。
この緊急事態宣言条項ですが、総理、五年前の東日本震災、原発震災は、憲法に緊急事態条項がなかったために問題があったというふうにお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、例えばこの緊急事態について自民党の中で議論があったのは、あのときも地方選挙についてはこれは延期をするという措置がなされたのでございますが、国会議員についてはそういう対応ができない中においてどうしていくかということも議論になったと、こういうふうに承知をしております。
いずれにせよ、憲法につきましては、三分の二以上の賛成が衆参それぞれあり、そして発議ができるわけでありますが、その上において国民投票を行い、まさに国民が決めるわけでございます。その意味におきましては、国民的な議論の広がりがなければこの憲法改正はなし得ない。
自民党は立党以来、党是として憲法改正に取り組んでいくということでございまして、当然、私も自民党総裁でありますから、その観点から我々が、今御紹介いただいたように、自民党の憲法改正草案をお示しをしながら憲法改正に取り組んでいきたいと、こう考えておりますが、しかし、これは逐条的に投票していくわけでありますから、どこからということについては、そしてどういうふうに改正するかということにつきましては、言わば三分の二の多数派を形成する上においても、国会、憲法審査会において議論を進めていく中においてだんだん収れんされていくだろうと、このように考えているところでございます。
○福島みずほ君 逐条的にですから議論して、これはどうなのかを聞いているんです。総理は、今日の天気は曇りでしょうかと聞くと、おととい晴れだったような気がするみたいな答弁じゃないですか。ひきょうですよ。憲法改正について三分の二取るんだと言いながら、どうなのかと言ったら、答えない。ひきょうじゃないですか。一つ一つ、憲法、重要ですよ。
これは憲法審査会において、この緊急事態宣言条項、必要だ、必要ないという両方の学者が、呼んで憲法審査会で参議院やりました。入れることが必要だという西先生も、今の憲法がなかったからといって対応ができなかったということには直接ならないと言っています。そのとおりだと思います。まさに内閣限りで法律と同じ効力を持つことができるのであれば、これはナチス・ドイツの国家授権法と全く一緒です。これは許すわけにはいきません。
もう一つ、自民党は、基本的人権についても問題であり、常に公益及び公の秩序に国民は反してはならないとしています。公益って何でしょうか。公の秩序って何でしょうか。
総理、お聞きします。今、宜野湾市長選が行われておりますが、辺野古の新基地建設は公益ですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどナチスの授権法という、いささかちょっとこれ限度を超えた批判がございました。我々が出している緊急事態に関する憲法改正のこの草案につきましては、これ諸外国に多くの例があるわけでございまして、まさに国際的に多数の国が採用している憲法の条文であろうと、こう考えているところでございますから、是非そうした批判は慎んでいただきたいと、このように思うところでございます。
そして、もう時間が参りましたから簡潔に申し上げますが、憲法改正の草案について個々にお答えすることは差し控えたいと思います。その上で、誤解を与えないように申し上げますが、個人が人権を主張する場合には他人に迷惑を掛けてはいけないという当然のことを明確にしたものでございます。
○福島みずほ君 時間ですので、終わります。国家授権法と一緒じゃないですか。
終わります。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
まず初めに、消費者庁の徳島への移転問題についてお聞きをします。
各省庁の監査役の消費者庁が移転すれば、消費者問題の地盤沈下を招くと考えますが、いかがですか。
○国務大臣(河野太郎君) 消費者庁、国民生活センター並びに消費者委員会につきましては、徳島県から移転の申出がございましたので、これから先、例えば消費者庁や消費者委員会の中でテレビ会議を行っていただいたり、あるいは三月に消費者庁長官に徳島県に短期間行っていただいたり、あるいはこの夏には少し長期間消費者庁の職員に徳島県で勤務をしていただいたり、様々なテストを繰り返し課題を抽出し、その課題が解決できれば移転をしてまいりたいと思っております。
○福島みずほ君 一番初めの消費者基本計画では、消費者庁は司令塔でありエンジン役だというふうにしました。私も消費者担当大臣やりましたが、経済産業省に来てもらったり企業に来てもらったり、ライターの構造の転換では消防庁も含めたくさんのいろんな役所やチームをつくるとか、やる必要があります。
消費者庁は、どこよりも役所を監視しなければならない。全員移転するならいいんですが、消費者庁だけ移転する。最も移転してはならないところを移転させるということではないですか。
○国務大臣(河野太郎君) 司令塔が移転すると司令塔の役割を果たすことができないというのは、頭の中で考えればそういうことがあるかもしれませんが、実際にテストをしてみて、本当にそうかどうか確認し、司令塔が移転しても司令塔の役割が果たせるならば、何の問題もないと思います。
○福島みずほ君 消費者庁は、企業や各役所に食い込んでいったり、説得したりしなければなりません。テレビ会議でそれができるとは思いませんし、また、様々な役所が集まって知恵を出し合うということで成果を出したこともあります。
消費者庁、これやっぱりつくるときに、消費者問題というのでみんなの思いがありましたので、是非消費者庁を移転することには考え直していただきたいというふうに思います。
○国務大臣(河野太郎君) 私も、当選して最初にやった仕事が遺伝子組換え食品の表示問題でございましたし、今の消費者基本法を議員立法で作るときには、岸田外務大臣と一緒にその提案者の一人でもございました。この消費者庁の創設にも多少なりとも関わってまいりました。消費者庁が非常に大事だと思っておりますし、司令塔であると思っております。
しかし、だからといって、何のテストもせずに、それが移転をするとその力を発揮することができないというのはただ頭の中で考えているだけのことであって、実際にやってみたらどうなるかというのは、きちんとテストを繰り返して課題を抽出し、その課題を解決してまいりたいと思っております。
○福島みずほ君 テストの結果を待ちますが、経産省やいろんな役所を呼び付ける、あるいは行く、乗り込んでいく、企業に乗り込んでいくということが果たしてできるでしょうか。やっぱり、これは消費者庁の地盤沈下を招くと反対をしております。
次に、夫婦別姓選択制、再婚禁止期間について最高裁の判決が出て、ボールは国会に投げられました。今国会、民法改正案、出していただくように要請したいと思います。
○国務大臣(岩城光英君) 二問のおただしであります。
まず、再婚禁止期間を定める民法の規定についてでありますが、違憲立法審査権を有する最高裁判所において憲法に違反する旨の判断が示されました。したがいまして、速やかに違憲状態を解消する措置を講ずる必要があるものと認識をしております。
そこで、法務省におきましては、最高裁判所の判決の趣旨を十分に踏まえ、必要な法案を今国会へ提出することを目指して検討を行っております。
それから、選択的夫婦別氏制度の導入につきましてですが、これは平成八年に法務大臣の諮問機関であります法制審議会から答申を得ています。法務省は、平成八年及び平成二十二年に、法案の提出に向け、法制審議会の答申を踏まえた改正法案を準備いたしました。しかしながら、この問題につきましては、国民の間に様々な御意見があり、また与党内においても異論があったことなどから、改正法案の提出にまでは至らなかったものであります。
他方、最高裁の判決におきまして、選択的夫婦別氏制度の導入の是非については国会で論ぜられ判断されるべき事柄であるとの指摘がなされております。
私としましては、最高裁判決における指摘を踏まえ、まずは国会における議論の動向、そういったものを注視しながら、慎重に対応を検討してまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 多くの女性たちが待ち望んでいます。是非よろしくお願いします。
指定廃棄物の処理について、現在どうお考えでしょうか。
○国務大臣(丸川珠代君) 環境省といたしましては、指定廃棄物の保管状況が逼迫している五つの県については、災害等に備えた長期にわたる管理を確実なものとするため、各県一か所に集約して管理するとの方針に変わりはありません。地元の御理解が得られるように、引き続き丁寧な説明に努めていく所存です。
○福島みずほ君 現地では反対運動が起きています。やり方も含め、問題であるということを申し上げます。
いわゆる慰安婦問題の日韓合意についてお聞きをいたします。
河野談話は、「われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する。」としております。岸田外務大臣は、軍の関与の下に多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題と表明をしております。教科書を始め、教育や啓発で繰り返し共有していく必要があると考えますが、いかがですか。
○国務大臣(馳浩君) お答えいたします。
学校教育においては、小中高等学校を通じ、学習指導要領に基づき児童生徒の発達の段階に応じて指導することとしており、例えば中学校の社会科では、大戦が人類全体に惨禍を及ぼしたことを理解させたり、世界平和を確立するための熱意と協力の態度を育てることとしております。
文部科学省としては、今後とも我が国の歴史について子供たちがしっかりと理解を深めていくことができるように取り組んでまいりたいと思います。
○福島みずほ君 時間ですので終わります。ありがとうございました。
○福島みずほ君 福島みずほです。
社民党を代表し、二〇一五年度補正予算二案に対し、反対の立場から討論を行います。
二〇一五年度補正予算案は、二〇一六年度当初予算案と合わせ、事実上、四年連続の十五か月予算として編成されました。安倍政権下における補正予算は財政法二十九条の定める緊要性に反し、政府・与党の便利な財布としてばらまきの温床となっております。
年金生活者等支援臨時福祉給付金については、参議院選挙目当てのばらまきであると批判せざるを得ません。他方、来年度から子育て世帯臨時特例給付金を廃止することも問題です。
TPP関連政策大綱実現に向けた施策も盛り込まれましたが、TPPの全体像はいまだに不透明です。条約承認案の国会審議もなされていません。TPP対策を先行実施することは断じて容認できず、これまた選挙対策のばらまきであると言わざるを得ません。
この間、安倍政権下での補正予算は当初予算からの前倒し計上も問題視されてきました。災害対処能力の向上を理由に戦争法による新たな任務を見据えた装備の前倒し計上も、当初予算で防衛費の増額を小さく見せる粉飾的手法です。
また、安倍政権下で基金の新設、積み増しが実施されてきましたが、今回も、補正予算の緊要性や予算の単年度主義の観点から、問題の多い基金の積み増しが実施されたことも看過できません。
以上、二〇一五年度補正予算案は、アベノミクスの失敗を隠すための選挙目当てのばらまき予算にほかなりません。社民党は、アベノミクスを抜本的に転換し、トリクルダウンではなくボトムアップの予算を求める立場から反対であると申し上げ、討論を終わります。