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憲法調査会 平成13年11月07日 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)
153-参-憲法調査会-2号 平成13年11月07日
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。
視察の間は大変お世話になりました。私は、ドイツだけ参加することができまして、全部に参加できなかったことは申しわけありませんし、どうも済みませんでした。ただ、ドイツの視察も大変有意義なものでして、四点ほど所感を述べさせていただきます。
第一点は、やはり憲法改正の問題です。
今、小泉親司委員の方からもありましたが、日本側から、ドイツは基本法を四十八回も改正しているがどうしてか、必要性があったのかという問いかけをしたところ、ドイツの側からは、技術的なことばかりで基本的なことは何も改正していないというのが、御存じのとおり回答でした。つまり、何回改正をしているのか、何十回改正をしているのかということが重要ではなく、基本的なことは何も改正をしていない、技術的なことであるということが強調されたことは、私にとっては非常に意義深いものでした。
ですから、憲法改正が行われているか行われていないか、何回行われたかということではなく、基本的なことが改正されたのかどうかということにやはり着目すべきだと考えます。
二点目ですが、ドイツで非常に印象的だったのは、地方分権の考え方と憲法裁判所のあり方です。
御存じ、ドイツは連邦制ですから、連邦参議院は、先ほど野沢委員からの説明にも丁寧にありましたとおり、州政府の閣僚は自動的にすべて参議院議員となるという、そういう成り立ちをしている、そんな二院制をとっていることが、私は非常に新鮮というか、非常に興味深かったです。
ドイツ自身が連邦制で、地方分権、外国人の参政権の問題についても非常に進んでいるということもありますし、一方、ドイツを訪れて極めて印象的だったのは、将来アメリカ合衆国のようにEU自身が連邦制になるようなことをやっていきたいという極めて強い自負があったということです。
そういう意味では、ヨーロッパは非常に各国さまざまな文化を持っておりますが、分権の中でドイツが今後ヨーロッパの中でも非常に中心的な国として果たそうとしていることの自負をさまざまな政治家から聞くことができたと思います。
また、憲法裁判所については、日本とまた裁判所の役割が違いますので、具体的に聞けて印象深かったです。
第三番目、環境NGO、ドイツ環境保護リングと話を持ちました。
今、御存じ、ドイツは社民党と緑の党の連立政権で、原子力発電所の新規建設は認めず、原子力発電所の寿命を最高三十二年として脱原発を進めております。ドイツ環境保護リングは、三十二年でも非常に長いのではないかと言ったことが印象深かったです。
エネルギー供給の地方、地域への分散、コージェネレーションの推進ということとエネルギーの消費量を抑えることの重要性、エネルギー利用の効率化などの話がありました。
また、ドイツ自身がごみの問題などについて、町を歩いたり表示を見ますと非常に進めていることなども、環境の先進国としてはいろんな意味で参考になると思います。
第四番目、国会、連邦議会を訪れて非常に印象的でした。国会の部屋の中にナチス・ドイツによって弾圧された議員の人たちを悼む場所が置かれてありました。
御存じ、ナチス・ドイツは、共産党が国会を放火したというフレームアップを行って弾圧を行ったわけです。共産党員の人たち、社会民主主義者の人たちが弾圧されて、その人たちの多くのリストが国会の中に置かれて、そのことを悼むという場所が国会の中に置かれて、私たちもそこで非常に感慨にふけるという、弾圧された歴史が国会の中にきちっとあることは非常に重要だと思いました。
また、連邦議会が、傍聴席が非常に議員の場所と隔離された場所ではなく、非常に明るく、見ただけで非常に民主的な形での連邦議会だったことも印象的です。
以上、四点申し上げました。ありがとうございます。