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「ミサイルは武器でなく弾薬」8/4参平安特委 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)
8月4日(火)の参議院特別委員会(我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会)で安倍総理に質問しました。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
法的安定性は関係ないと言った礒崎補佐官は更迭すべきではないですか。なぜ更迭しないのか。実は法的安定性を最も破壊をしているのが安倍総理だからではないですか。
自民党は、今まで集団的自衛権の行使は違憲だとしてきました。初めて合憲とした総理大臣です。法的安定性を最も破壊しているのが安倍総理だから、関係ないと言う礒崎補佐官を更迭できないんじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 礒崎補佐官は当委員会において昨日答弁をしたところでございますが、法的安定性について講演会で述べた自分の発言を取消し、撤回をしたと承知をしているところでございます。
その上において、我々は、政府としては法的安定性は重視していると、まさに四十七年の基本的な考え方、原理はそのまま、論理はそのまま、これを踏襲をする中において当てはめを変えたという説明はるる行ってきたところでございます。よって、礒崎補佐官も十分そのことは理解をしていると、このように思うわけでございますが、今後、誤解を受ける発言をしないということは当然のことでございますが、その上において職務を続けていくということだと思います。
○福島みずほ君 更迭すべきですよ。
そして、今まで違憲と言い続けた自民党と今の安倍政権違うじゃないですか。これも問題です。誰よりも法の支配を破壊する安倍総理は、これはもう退陣するしかないと思います。
次に、集団的自衛権の行使、初めて集団的自衛権の行使を合憲とした内閣だからお聞きします。(資料提示)
政府は、この十四事例が、戦後、集団的自衛権の行使だと認定をしています。この中に正しい戦争はありますか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘いただいた十四事例につきましては、国連憲章に基づいて集団的自衛権を行使したということで、国連安保理に報告をした事例であると承知をしております。
正しい戦争という意味がちょっと十分理解できませんが、十四事例につきましては、今申し上げた形で国連安保理に報告された事例であると認識をしております。
○福島みずほ君 だから危険なんですよ。
ベトナム戦争は、まさにトンキン湾事件、アメリカの自作自演で始まったことをアメリカ自身が国務省報告書で認めています。どこに正しい戦争があるんですか。ソビエトのハンガリー侵攻、チェコ侵攻、アフガン侵攻、アメリカのベトナム戦争、イラク戦争、どこに正しい戦争があるんですか。
瀬戸内寂聴さん、九十三歳、議員会館前に来られてこうおっしゃいました。正しい戦争なんかない、戦争は人を殺すことだ。
総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 既に法制局長官が述べておりますように、国際法上戦争は違法でございまして、個別的自衛権、集団的自衛権の行使、そして国連決議がある場合ということにおいて自衛の措置がとれると、こういうことでございます。
その上で申し上げますと、我々が行使する集団的自衛権の行使については、これはまさに三要件に当てはまるものについて行使するわけでございますから、今、福島委員が様々な例を挙げておられますが、フルに使える他国とは明確に違うということは申し上げておきたいと思います。
○福島みずほ君 フルだろうが何だろうが違法なんですよ。限定的だろうが違法なんですよ。
そして、これ、ベトナム戦争しかり。それで、これ間違った戦争と言わないから、これらの集団的自衛権の行使に日本が将来コミットするんじゃないかと誰でも思う。そのとおりなんです。だから反対です。
国会の関与についてお聞きをいたします。
恒久法として、国際平和支援法、国際戦争支援法案が出されております。今までは、自衛隊を海外に出すのに、テロ特措法、イラク特措法など新たな立法が必要でした。これを恒久法として出すということは、国会の中で法案の審議がありません。国会の関与が極めて薄くなります。
そして、国会の関与、国際平和支援法案、国際戦争支援法案と言っていますが、例外なき事前承認、国会の。しかし、集団的自衛権の行使をする場合、存立事態、それから重要影響事態確保法に基づいていわゆる後方支援する場合、事後承認も可能です。
一切国会の法律もなく、一切の国会の事前承認なく、集団的自衛権の行使、戦争をする、あるいは後方支援という名の下に弾薬を提供する、これができる。国会の関与が本当にないじゃないですか。
○国務大臣(中谷元君) 今回の平和安全法制の策定に当たりましては、自衛隊の活動において民主的統制を確保するため、国会の関与について適切に規定をいたしております。例えば、国際平和支援法、これにおきましては、具体的な事態が発生した際の自衛隊の活動の実施について例外なく国会の事前承認を必要としております。
また、国際平和支援法以外では、原則事前承認でありますが、例えば存立危機事態とか重要影響事態というのは、これは我が国の平和と安全の確保に支障を来す可能性がありますので、これは緊急時、事後承認を認めておりますけれども、原則的には国会承認は必要になるわけでございますので、国会承認の手続はしっかり必要性があって取られるということでございます。(発言する者あり)
○福島みずほ君 違憲ではありますが、でも、今日議論しているのは、事後承認も可能だということです。集団的自衛権の行使、まさに例えば、米軍とともに世界で戦争をする、あるいは重要影響事態安全確保法で戦争を支援していく、そういう場合に、国会の事前承認、法律上必ずしもマストじゃないんですよ。事後承認も可能です。こんな状況で集団的自衛権の行使するんですか。
○国務大臣(中谷元君) やはり国家の存立を脅かす事態というのは、事前に十分察知されずに突発的に発生をするわけでございます。ですから、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃、これが十分に察知されずに突発的に発生する場合もありますし、また、これによって間を置かずして我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、国民の幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある状況に至るということは否定できないわけでありますので、極めて短時間のうちにそういった事態に立ち入った場合には、国会の承認の前にあっても、並行して自衛隊に行動を命じ、まず何よりも国民の命と平和な暮らしを守ることが必要ではないかと考えております。
また、PKO法に基づく活動の実施についても、国会閉会中や衆議院解散中に活動の必要性が生じた場合に、次期国会の開催を待っていては国際社会の期待にタイムリーに応えることができないということも想定をされまして、このようにやむを得ない場合には事後承認となり得ることもありますが、原則はあくまで事前承認でございまして、政府としては可能な限り国会の事前承認を追求していく考えでありますし、また、事後承認になった場合でも、不承認、これの議決があった場合には活動を終了させなければならないと規定されておりまして、事前承認の例外は国会の関与を弱めるというような御指摘は当たらないものだと考えております。
○福島みずほ君 極めて問題です。
今までテロ特措法、イラク特措法など、長い間議論して、ようやく自衛隊を出すかどうかしてきました。今の話で、集団的自衛権の行使、さっきの十四事例ですよね。ベトナム戦争であったりアフガン侵攻であったり、泥沼の侵略戦争ですよ。泥沼の侵略戦争、それをやるのに国会の事後承認でも可能なんです。
つまり、国会が一切関与しなくて、集団的自衛権の行使も、それから重要影響事態確保法に基づく後方支援もできる。これは問題ですよ。実際、集団的自衛権の行使してドンパチやって、戻ってこいよみたいなことが本当にできるんでしょうか。国会の関与なく戦争をすることになる、国会の一切の関与なく戦争をすることになる。これは大問題です。
そして次に、後方支援というときに、弾薬は提供できるが武器は提供できない。それで、劣化ウラン弾やそれからクラスター爆弾は弾薬であって武器でない。本当ですか。クラスター爆弾、劣化ウラン弾は武器でしょう。
○国務大臣(中谷元君) 劣化ウラン弾もクラスター弾も、これは弾薬でございます。
○福島みずほ君 冗談じゃないですよ。
じゃ、消耗品は弾薬であるという変な定義、この間おっしゃいましたね。だったら、ミサイルそれから大砲弾、これ弾薬ですか。
○国務大臣(中谷元君) ミサイルにつきましては、これは日米のACSAに基づく手続の取決めにおきまして、米国の国内の理由によりまして協議をいたしているわけでございますが、あえて当てはめるとすれば、弾薬に当たると整理することができるわけでございます。
○福島みずほ君 ミサイル、人工衛星も全部、ミサイルも弾薬だとおっしゃった。全部弾薬とおっしゃって、これすごいことですよ。こんなインチキを許してはならないですよ。
つまり、今までは弾薬(武器)も含んで提供できなかったんですよ。後方支援できなかった。それを、弾薬はできる、ニーズがあるからとやって、クラスター爆弾も劣化ウラン弾もミサイルも全部弾薬だなんて、定義がおかしいですよ。こんなインチキ、僕ちゃんのための僕ちゃんによる僕ちゃんのための定義を、うそついちゃ駄目ですよ。こんなあり得ない定義を言って、ミサイルも弾薬だなんて言っちゃ駄目ですよ。
総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 弾薬と武器の定義についてはもう既に防衛大臣から答弁したとおりでございますが、クラスターについては、これはもう禁止条約に日本は加盟をしておりますから、クラスター爆弾については日本は所有をしておりませんから、そもそも所有をしておりませんから、このクラスター爆弾を提供するということはあり得ないわけでありまして、劣化ウラン弾もそうであります。これは、先ほど福島議員が、まるで日本がそれを提供するかのごとくおっしゃったから、今、ないということを申し上げているところでございます。
消耗品については、これは弾薬という範囲に入っているということでございます。
○福島みずほ君 ミサイルは弾薬ですか。
○国務大臣(中谷元君) 先ほど御説明しましたけれども、まず、ミサイルにつきましては、日米のACSA、これの手続において物品の相互提供の対象としておりません。また、重要影響事態等におきましても他国の軍隊に対する提供の対象としては想定はしていないということでありますが、先ほどお話をいたしましたように、弾薬と武器の定義にあえて当てはめるとすれば、弾薬に当たるという整理をすることができるということでございます。
○福島みずほ君 私も法律家ですから、ミサイルも劣化ウラン弾もクラスター爆弾も弾薬だというのは驚きです。日本はクラスター禁止条約に批准をしておりますが、これまでも運び、これまでも提供できるって、こんなふうに言っていたら何だってできますよ。ミサイルは武器じゃないんですか。クラスター爆弾とそして劣化ウラン弾は武器じゃないんですか。武器と弾薬をこんなふうにやって、何でもできるとしたら駄目ですよ。まさに本当に言葉遊びをやって、何でもできるってするのは駄目ですよ。
サイバー攻撃について一言お聞きします。
アメリカは、サイバー攻撃を受けた場合、これは相手国に対して武力行使をし得ると言っています。日本は集団的自衛権の行使をするかどうかは議論中ということですが、ということは、日本もこれで集団的自衛権の行使をすることもあり得るということでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 高度化また巧妙化するサイバー攻撃の態様を踏まえれば、今後、サイバー攻撃によって極めて深刻な被害、これが発生する可能性も否定はできませんが、サイバー攻撃への対応は我が国の安全保障に関わる重要な課題でございます。
今日、弾道ミサイルや航空機等によって武力攻撃が行われる場合には、その一環としてサイバー攻撃も同時に行われることを想定しておくべきものと考えておりますが、その上で、他国に対して武力攻撃が行われ、新三要件を満たす場合に、その武力攻撃の一環として行われたサイバー攻撃に対して武力を行使して対応することも法理としては考えられますけれども、これまでサイバー攻撃に対して自衛権が行使をされた事例、これはございません。
サイバー攻撃に対する自衛権行使の在り方についても、国際的にも様々な議論が行われている段階でございまして、現実の問題といたしましては、サイバー攻撃に対する自衛権行使の在り方について、国際的な議論も見据えつつ、更に検討を要するものと考えております。
○福島みずほ君 サイバー攻撃について集団的自衛権の行使もあり得る、これは考えられないです。兵隊が一度も動いていない、武力の行使がどこもされていない、サイバー攻撃、インターネットの上で混乱したかもしれない。それはどこに武力行使するんですか。それで、日本が武力行使するんですよ。そんなことも今答えている。武力行使、新三要件も集団的自衛権の行使も無限定ですよ。サイバー攻撃に対して集団的自衛権の行使をすることもあり得るというぐらい、全く無限定です。
総理、総理は、専守防衛に変更はないとか、戦争に巻き込まれることはないとおっしゃっています。これは明確にうそです。明確にうそです。総理は、「この国を守る決意」という本の中で、アメリカの若者は日本のために血を流す、しかし日本の自衛隊はアメリカのために血を流さない、日米同盟の双務性を高めるために集団的自衛権の行使を認めなければならないというふうに言っています。二〇〇四年ですよね。
日米同盟の双務性を高めるために、おじいちゃんの頃からの、双務性を高める。日本は双務性持っていると思いますよ、思いやり予算があり、基地を提供しているわけですから。でも、おじいちゃんからの宿題、自分の思いのためだけに日本の若者に血を流させる、集団的自衛権の行使が必要だと言っているじゃないですか。
そして、もう一つ。同じ頃、集団的自衛権の行使が日本国憲法下でできるかと聞いて、内閣法制局長官に、できませんと言われているじゃないですか。
今、あなたは、総理は、国際環境の変化、安全保障環境の変化と言っていますが、そんなの後付けですよ。利用しているにすぎません。元々、集団的自衛権の行使をやりたかったんですよ。だから、後付けで言っている。だから、専守防衛が変わらないとか、戦争に巻き込まれないというのはうそです。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 合憲の範囲内であります。
○福島みずほ君 きちっと答えてくださいよ。総理が言っているのはうそじゃないですか。国民に対してうそを言うことは許されません。こんな内閣、退陣すべきだということを申し上げ、質問を終わります。