QUESTIONS質問主意書

第151回国会 「厚木基地デモフライト中止に関する質問主意書」 (2001年5月25日) | 社民党 福島みずほ 参議院議員(比例区)

質問主意書

質問第二九号

厚木基地デモフライト中止に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十三年五月二十五日

福島 瑞穂   

       参議院議長 井上 裕 殿

   厚木基地デモフライト中止に関する質問主意書

 在日米軍厚木基地周辺住民は長年にわたって、航空機の離発着訓練の爆音に苦しめられてきた。厚木基地における爆音被害は、一九五八年、大型ジェット戦闘機が乗り入れられた頃から拡大し始め、最近でも年間四万回近い離発着訓練が繰り返されている。周辺住民は、離発着訓練の中止を求めて、四〇年にわたり反対の意志を表明し続けているが、昼夜間を通じた離発着訓練回数は一向に減らされず、住民は今も激しい騒音にさらされている。周辺住民の反対の声は年を追うごとに高まっており、大和市、綾瀬市などの周辺自治体も米軍に厚木基地での離発着訓練の中止を繰り返し申し入れるに至っている。中止されないNLP(夜間離発着訓練)、デモフライトに抗議して、大和市は今年に入り、米軍との友好関係の中断を宣言した。

 このような背景の中で、住民の苦しみの一つであったデモフライトが、今年初めて中止となった。デモフライトは年に一度行われる航空ショーの際に実施されてきたもので、すさまじい爆音とともに、住宅の屋根をかすめるように飛ぶ航空機の墜落の危険性に周辺住民をさらすものである。特に、昨年(二〇〇〇年)のデモフライトは周辺自治体の小中学校の期末試験を妨害し、周辺住民の激しい憤激を買った。今回の中止はそのことを受けた特例措置であるが、そもそもデモフライトは、今後継続的に中止されるべきものである。NLPも含め、厚木基地での離発着訓練を原則的に中止し、デモフライトのような危険な飛行も原則中止とするためには、政府の外交的措置が不可欠である。よって以下質問する。

一 政府は厚木基地周辺住民が航空機騒音にも墜落の危険性にもさらされない文化的で快適な生活を確保できるようにする義務があると考えるが、政府の見解を示されたい。

二 大和市や綾瀬市など、厚木基地周辺の自治体さえ、NLPやデモフライトに反対し、中止を要請している。政府はこれら周辺自治体の声を尊重し、しっかりと対応する義務があると考えるが、政府の見解を示されたい。

三 一九六三年に日米合同委員会で承認された「厚木飛行場周辺の航空機の騒音軽減措置」(以下「厚木基地航空協定」という。)では、四のd飛行活動の規制の(3)で「航空機は、厚木海軍飛行場周辺の空域において、曲技飛行及び空中戦闘訓練を実施しない。ただし、年間定期行事として計画された曲技飛行のデモンストレーションはその限りではない。」と書かれ、曲技飛行は基本的に実施しないこととされていながら、ただし書きによって、なし崩し的にデモフライトが実施されている。厚木基地航空協定のこのただし書きを削除すべきではないか。

四 この厚木基地航空協定のただし書きの改訂について、外務省は二〇〇〇年四月「米軍が絶対にのまない」と答え、防衛施設庁は二〇〇〇年五月「日米合同委員会の議題にしてはいない」と答えている。これは、政府がこの問題を積極的に米軍に対し働きかけていないことを示している。やむなく周辺自治体が行った友好関係の中断の措置ですら米側を動かし、今回の中止措置に結びついている。政府による、より積極的努力として、せめて厚木基地航空協定のただし書きの削除を日米合同委員会の議題にするべきだと考えるが、政府の見解を示されたい。

五 米軍側にこの問題の重要性を知らせ、NLPを含む離発着訓練の原則中止などを実現するため、米軍と神奈川県知事、周辺自治体市長などで構成される騒音対策委員会の設置が必要ではないか。

  右質問する。

答弁書

答弁書第二九号

内閣参質一五一第二九号

  平成十三年六月十九日

内閣総理大臣 小泉 純一郎   

       参議院議長 井上 裕 殿

参議院議員福島瑞穂君提出厚木基地デモフライト中止に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

   参議院議員福島瑞穂君提出厚木基地デモフライト中止に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 政府としては、米空母艦載機夜間着陸訓練(以下「NLP」という。)を含め、アメリカ合衆国軍隊(以下「米軍」という。)による飛行訓練は、パイロットの練度の維持及び向上、ひいては日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三十五年条約第六号。以下「日米安保条約」という。)の目的達成のために重要なものと理解している。

 一方、政府としては、厚木飛行場の周辺住民に対する航空機騒音の影響及び航空機事故に対する周辺住民の懸念については十分承知しており、航空機騒音対策を講ずるとともに、航空機の飛行の安全確保について、米側に対し、万全を期すよう申し入れているところである。

 航空機騒音対策については、具体的には、アメリカ合衆国政府との間で、日米安保条約の目的達成を図りつつ、同飛行場における米軍の航空機の運用による騒音の影響をできる限り軽減するために、厚木飛行場における騒音規制措置に関する日米合同委員会合意(以下「厚木騒音規制合意」という。)を取りまとめるとともに、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律(昭和四十九年法律第百一号)等に基づく住宅の防音工事等の推進を図っているところである。

 NLPについては、できる限り多くのNLPを硫黄島において実施するよう米側に対し申し入れているところであるが、硫黄島が本土から遠距離にあることによる即応態勢への影響、硫黄島における悪天候等の理由からNLPの一部を同飛行場等の本土の各飛行場で実施せざるを得ない場合もあると承知している。

 厚木飛行場の航空祭におけるデモンストレーション飛行(以下「デモ飛行」という。)については、これまで、地元の地方公共団体の要請等を受け、日米合同委員会等の場を通じ、中止するよう米側に対し申し入れてきたところ、本年四月、我が国に駐留するアメリカ合衆国海軍司令部が、本年のデモ飛行を実施しない旨発表した。政府としては、米側に対し、来年以降のデモ飛行も中止するよう申し入れてまいりたい。

三及び四について

 厚木騒音規制合意における御指摘のただし書の取扱いについては、地元の地方公共団体等及び米側の意向を聴取しつつ適切に対応してまいりたいと考えており、米側に対し、来年以降のデモ飛行も中止するよう申し入れてまいりたい。

五について

 一及び二についてで述べたように、政府としては、厚木飛行場の周辺住民に対する航空機騒音の影響をできる限り軽減するための措置を採っており、また、地元の地方公共団体等からNLPの中止等を求める要請があった場合には、米側に対し、かかる要請の内容を伝え、米側としても地元の地方公共団体等の意向を十分理解しているものと承知しており、御指摘のような委員会を設置するまでの必要はないと考えている。

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