QUESTIONS質問主意書

第165回国会 「タウンミーティング調査委員会調査報告書に関する質問主意書」(2006年12月15日) | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

質問主意書

質問第四八号

タウンミーティング調査委員会調査報告書に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十八年十二月十五日

福島 みずほ   

       参議院議長 扇 千景 殿

   タウンミーティング調査委員会調査報告書に関する質問主意書

 今国会における最重要法案である教育基本法改正案を審査する教育基本法に関する特別委員会における質疑により、国民の意見を聴く場であったタウンミーティングにおいて様々な問題があったことが判明した。特にタウンミーティング参加者への、いわゆる「やらせ発言」の実態が明らかにされた。また、国会会期末の十二月十三日にタウンミーティング調査委員会調査報告書が提出されたことは、十分な情報を得られないままでの審査を強いられたこととなり、極めて遺憾である。さらには、十二月十四日の同特別委員会の審査では、「やらせ発言」が百五回行われたことが確認された(百十回のうち重複分五回を除く)。このタウンミーティングでの不正な質問及び運営が、教育基本法の改正議論を誤ったものにした可能性は大きい。

 そこで、この「やらせ発言」の実情をつまびらかにし、政府の責任を追及することこそが国民に対する大きな責任であると考え、以下質問する。

一 百五回の「やらせ発言」が確認されたすべてのタウンミーティングにおいて、どの会場で、誰に対して(職業も含む)、どのような質問を依頼し、結果としてどのような質問が会場でなされたのか、すべてを明らかにされたい。

二 これら百五回の「やらせ発言」それぞれについて、文部科学省及び内閣府の担当部署はどこであるのか、担当者の氏名も含めて明らかにされたい。

三 これら百五回の「やらせ発言」をタウンミーティングの会場で実施するに際し、文部科学省及び内閣府は、どの幹部までが事前に把握して、指示を出し、又は了承をしていたのか、百五回の「やらせ発言」それぞれについて明らかにされたい。

四 タウンミーティング調査委員会調査報告書及び前記一から三に対する答弁を踏まえ、今後、政府として国民に対してどのような責任を取るのか、見解を示されたい。

  右質問する。

答弁書

答弁書第四八号

内閣参質一六五第四八号

  平成十八年十二月二十五日

内閣総理大臣 安倍 晋三   

       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員福島みずほ君提出タウンミーティング調査委員会調査報告書に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

   参議院議員福島みずほ君提出タウンミーティング調査委員会調査報告書に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の「やらせ発言」がどのようなものを指すのか明らかでないが、内閣府のタウンミーティング調査委員会が本年十二月十三日に公表した調査報告書(以下「報告書」という。)では、百七十四回のタウンミーティングのうち百五回のタウンミーティング(以下「対象タウンミーティング」という。)において、発言内容の依頼を伴わない発言の依頼を行った事実が確認されたとしている。

 対象タウンミーティングのうち、発言内容の依頼を受けることなく発言の依頼を受けた者が司会者から氏名、肩書等を紹介された上での発言を行ったのは、計八十一回の計二百八十二人であり、その会場は、第一回(鹿児島県鹿児島市)、第二回(青森県青森市)、第三回(岩手県滝沢村)、第四回(熊本県熊本市)、第五回(北海道虻田町)、第六回(神奈川県横浜市)、第七回(北海道札幌市)、第八回(埼玉県与野市)、第九回(高知県土佐山田町)、第十回(徳島県徳島市)、第十一回(愛知県名古屋市)、第十二回(奈良県橿原市)、第十五回(三重県津市)、第十六回(岐阜県大垣市)、第十七回(群馬県前橋市)、第十八回(栃木県宇都宮市)、第十九回(石川県金沢市)、第二十回(岡山県岡山市)、第二十一回(福井県福井市)、第二十二回(兵庫県神戸市)、第二十三回(宮城県仙台市)、第二十四回(長崎県福江市)、第二十五回(福島県会津若松市)、第二十六回(佐賀県東予賀町)、第二十七回(山口県山口市)、第二十八回(広島県広島市)、第二十九回(山梨県甲府市)、第三十回(滋賀県栗東市)、第三十一回(長野県長野市)、第三十二回(京都府京都市)、第三十三回(秋田県秋田市)、第三十四回(鳥取県国府町)、第三十五回(島根県松江市)、第三十六回(山形県山形市)、第三十七回(福岡県福岡市)、第三十八回(富山県富山市)、第三十九回(大分県別府市)、第四十回(新潟県長岡市)、第四十一回(宮崎県清武町)、第四十二回(香川県琴平町)、第四十三回(和歌山県和歌山市)、第四十四回(愛媛県松山市)、第四十五回(大阪府大阪市)、第四十六回(千葉県千葉市)、第四十七回(沖縄県那覇市)、第四十八回(茨城県水戸市)、第四十九回(静岡県静岡市)、第五十回(東京都千代田区)、第五十一回(東京都港区)、第五十二回(東京都葛飾区)、第五十三回(大阪府守口市)、第五十四回(福岡県北九州市)、第五十五回(兵庫県南淡町)、第五十六回(愛知県名古屋市)、第五十七回(山口県宇部市)、第五十八回(東京都千代田区)、第五十九回(栃木県足利市)、第六十回(北海道札幌市)、第六十一回(長野県松本市)、第六十二回(青森県弘前市)、第六十四回(新潟県新潟市)、第六十六回(兵庫県尼崎市)、第七十三回(京都府京都市)、第七十五回(神奈川県横須賀市)、第七十六回(静岡県静岡市)、第七十七回(宮城県仙台市)、第八十四回(富山県黒部市)、第九十七回(群馬県前橋市)、第九十八回(兵庫県柏原町)、第百一回(東京都千代田区)、第百二回(岩手県遠野市)、第百三回(静岡県浜松市)、第百四回(栃木県宇都宮市)、第百五回(香川県土庄町)、第百六回(北海道函館市)、第百八回(三重県津市)、第百九回(岡山県倉敷市)、第百十回(長崎県長崎市)、第百二十一回(京都府京丹後市)、第百四十三回(東京都八王子市)及び第百六十七回(東京都千代田区)である。

 また、発言内容の依頼を受けることなく発言の依頼を受けた者が司会者からの紹介のない一般の参加者と同じ取扱いによる発言を行ったのは、計二十七回の計八十三人であり、その会場及び人数の内訳は、第六十七回(京都府京都市)で二人、第七十四回(岡山県岡山市)で五人、第八十二回(大阪府堺市)で四人、第九十三回(東京都豊島区)で三人、第九十九回(東京都千代田区)で三人、第百二回で四人、第百五回で一人、第百九回で三人、第百十回で一人、第百二十一回で四人、第百三十回(東京都千代田区)で一人、第百四十一回(鹿児島県鹿児島市)で五人、第百四十四回(埼玉県秩父市)で一人、第百四十七回(京都府京都市)で四人、第百四十九回(大分県別府市)で一人、第百五十三回(大阪府東大阪市)で四人、第百五十五回(宮崎県宮崎市)で一人、第百五十六回(東京都江東区)で四人、第百六十二回(北海道札幌市)で四人、第百六十三回(宮城県仙台市)で四人、第百六十四回(福岡県福岡市)で二人、第百六十五回(北海道札幌市)で五人、第百六十六回(滋賀県大津市)で三人、第百六十九回(大阪府大阪市)で二人、第百七十一回(愛知県名古屋市)で三人、第百七十二回(北海道稚内市)で五人及び第百七十三回(青森県八戸市)で四人である。このほか、第百十一回(愛媛県松山市)及び第百十四回(青森県青森市)では、発言の依頼を行ったが実際に発言を行った者はいなかった。

 発言の依頼を受けた者の氏名、職業及び実際に発言した内容については、当該者の個人情報の保護の観点等から、お答えすることは適当ではないと考える。

二及び三について

 一についてで述べた発言の依頼に関与した部署は、発言内容の依頼を受けることなく発言の依頼を受けた者が司会者からの紹介のない一般の参加者と同じ取扱いによる発言を行った場合では、文部科学省においては、第六十七回が研究振興局研究環境・産業連携課(内閣府大臣官房タウンミーティング担当室(以下「担当室」という。)と打合せ等を行った上で、発言の依頼に関与したもの)、第百十一回が大臣官房教育改革官室であり、内閣府においては、第九十三回、第百九回、第百十回、第百十四回、第百二十一回、第百三十回、第百四十四回、第百四十七回、第百四十九回、第百五十三回、第百六十二回、第百六十三回、第百六十四回、第百六十五回、第百六十六回、第百六十九回、第百七十一回、第百七十二回及び第百七十三回が担当室、第六十七回及び第百四十四回が政策統括官(経済社会システム担当)(担当室と打合せ等を行った上で、又は同室からの依頼を受けて、発言の依頼に関与したもの)、第百五十六回が政策統括官(科学技術政策担当)(担当室と打合せ等を行った上で、発言の依頼に関与したもの)、第百六十三回が政策統括官(防災担当)(担当室からの依頼を受けて、発言の依頼に関与したもの)である。また、発言内容の依頼を受けることなく発言の依頼を受けた者が司会者から氏名、肩書等を紹介された上での発言を行った場合では、内閣府においては第五十五回及び第七十七回が担当室であるが、この外については、事実関係について十分把握しておらず、お答えすることは困難である。

 これらの発言の依頼については、担当者個人としてではなく、それぞれの部署として判断し、実施し、又は関与したものであることから、担当者の氏名を明らかにすることは、適当ではないと考える。また、個別の発言の依頼についてそれぞれの部署においてどの幹部までが事前に把握し、指示し、又は了承していたのかについては、事実関係について十分把握しておらず、お答えすることは困難である。

四について

 報告書においては、発言内容の依頼を伴わない発言の依頼について、司会者による紹介の後に発言をする場合には、事前に発言を依頼した事実は聴衆の目からも明らかであるものの、運営の透明性及び適正性を確保するよう留意することが必要であること、一般の参加者と同じ取扱いで発言をする場合には、呼び水として口火を切る者を選定しておく必要があるときのやり方としても、取り分け発言の機会を得たいと望んでいた参加者にとっては、不公平かつ不透明な運営であるとの批判を免れないことを指摘しているところである。

 既に内閣総理大臣等が大臣等給与を自主的に国庫に返納することとしたほか、内閣府、文部科学省等においては関係職員の処分等を行ったところであるが、今後、政府としては、報告書の指摘を真摯に受け止め、国民から信頼される真の対話の場として、新たな運営手法を早急に確立し、再スタートを期してまいりたい。

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