QUESTIONS質問主意書

第165回国会 「第二次世界大戦についての歴史認識及び戦争責任に関する質問主意書」(2006年9月27日) | 社民党 福島みずほ 参議院議員(比例区)

質問主意書

質問第二号

第二次世界大戦についての歴史認識及び戦争責任に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十八年九月二十七日

福島 みずほ   

       参議院議長 扇 千景 殿

   第二次世界大戦についての歴史認識及び戦争責任に関する質問主意書

 第二次世界大戦によって、日本国内での二百万人を超える兵士と八十万人を超える民間人の死者に加え、アジア全体での死者は一千万人を超える事態となり、悲惨な戦争の様相を呈した。この事実を踏まえた痛恨なる反省こそが、現在の日本の原点となったと言えよう。それゆえ、さきの大戦にどのように向き合うのかは、我が国が、世界なかんずくアジアの中で共存する際に、曖昧にできない極めて重要な課題である。

 そこで、新内閣の発足に当たり、政府の第二次世界大戦の位置付けについて改めて確認する観点から、以下のとおり質問する。

一 第二次世界大戦の歴史認識について

1 侵略戦争の定義について、政府の見解を示されたい。

2 第二次世界大戦は日本の侵略戦争であったのか。侵略戦争であったか否かの理由も含めて、政府の見解を明らかにされたい。

3 安倍内閣は、平成七年八月十五日に発表された「戦後五十周年の終戦記念日にあたって」(いわゆる村山談話)の歴史認識の基本を踏襲するのか明らかにされたい。

二 第二次世界大戦の戦争責任について

1 戦争責任の定義について、政府の見解を示されたい。

2 第二次世界大戦における日本の戦争責任は誰にあるか。政府の見解を明らかにされたい。

3 現在においても2に該当する者は、戦争責任を有するのか。政府の見解を示されたい。

4 安倍晋三内閣総理大臣は、その著書「美しい国へ」の中で、「国内法で、かれら(A級戦犯)を犯罪者とは扱わない、と国民の総意で決めた」と記述している。しかしながら、本来、A級戦犯は国際法廷によって裁かれたもので、例えば、アメリカが「仮釈放」「減刑」は認めたものの「大赦」や「恩赦」は認めないなど、国際的にはA級戦犯の犯罪自体をないものとすることは決してなかった。この事実を踏まえれば、A級戦犯は「赦免」されたわけではないと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

三 日中戦争について

 一九七二年の日中国交正常化に際して、周恩来首相(当時)が「日本の中国侵略は一部の軍国主義者によるもので、一般の日本人も戦争の被害者だった」と中国国内に説明し、この考えを前提に日中の国交正常化が実現したとされている。中国の日中国交正常化に関するこのような認識について、政府の見解を示されたい。

  右質問する。

答弁書

答弁書第二号

内閣参質一六五第二号

  平成十八年十月六日

内閣総理大臣 安倍 晋三

       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員福島みずほ君提出第二次世界大戦についての歴史認識及び戦争責任に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

   参議院議員福島みずほ君提出第二次世界大戦についての歴史認識及び戦争責任に関する質問に対する答弁書

一の1から3まで及び二の1について

 「侵略戦争」及び「戦争責任」という概念について、国際法上確立されたものとして定義されているとは承知していない。

 先の大戦に関する政府としての認識については、平成七年八月十五日及び平成十七年八月十五日の内閣総理大臣談話等において示されてきているとおりである。

二の2及び3について

 お尋ねの点については、様々な議論があることもあり、政府として、具体的に断定することは適当でないと考える。

二の4について

 日本国との平和条約(昭和二十七年条約第五号)第十一条に規定する「赦免」及び「減刑」並びに平和条約第十一条による刑の執行及び赦免等に関する法律(昭和二十七年法律第百三号)に規定する「赦免」及び「刑の軽減」とは、いずれも刑の執行からの解放を意味すると解される。いわゆるA級戦争犯罪人として極東国際軍事裁判所において有罪判決を受けた者のうち赦免された者はいないが、減刑された者は十名(いずれも終身禁錮の判決を受けた者である。)であり、いずれも昭和三十三年四月七日付けで、同日までにそれぞれ服役した期間を刑期とする刑に減刑された。なお、この法律に基づく「赦免」及び「刑の軽減」が判決の効力に及ぼす影響について定めた法令等は存在しない。

三について

 政府としては、御指摘のような中国側の認識については承知しているが、昭和四十七年の日中国交正常化に当たっては、日中間の交渉の結果日中共同声明に合意し、これを発出したものである。

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