QUESTIONS質問主意書

第166回国会 「兵庫県南あわじ市諭鶴羽山中小型航空機墜落事故及び同事故についての航空事故調査報告書に 関する質問主意書」(2007年2月19日) | 社民党 福島みずほ 参議院議員(比例区)

質問主意書

質問第八号

兵庫県南あわじ市諭鶴羽山中小型航空機墜落事故及び同事故についての航空事故調査報告書に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十九年二月十九日

福島 みずほ   

       参議院議長 扇 千景 殿

   兵庫県南あわじ市諭鶴羽山中小型航空機墜落事故及び同事故についての航空事故調査報告書に関する質問主意書

 平成十六年九月二十日十六時二十三分ごろ、兵庫県南あわじ市(当時三原郡南淡町)において、航空歴九年の操縦士が運航する小型航空機が諭鶴羽(ゆづるは)山に衝突し、乗員二名が死亡する惨事となった。この事故の原因は、南紀白浜空港から高松空港に向かって有視界航法で飛行していた自家用航空機が、標高六百七メートル(千九百九十五フィート)の諭鶴羽山中腹四百六十五メートルのところに、雲に巻かれ視界を失って衝突したものと考えられているが、この航空機は事故直前まで徳島飛行場の管制員のレーダーモニターを要請し、モニターされていたものである。この事故について、航空・鉄道事故調査委員会(以下「調査委員会」という。)の調査が開始され、その調査結果に基づいて、平成十七年三月二十五日には、航空事故調査報告書(以下「調査報告書」という。)が公表された。

 これらの調査結果を踏まえ、本事故の原因を究明し、同種事故の再発防止のための万全の方策を考える観点から、以下質問する。

一 調査の主体及び方法について

1 調査報告書1.2.1では、調査委員会が、本事故の調査を担当する「主管調査官ほか一名の航空事故調査官」を指名したとあるが、この調査官の所属する部署、経歴、立場及び専門分野を明らかにされたい。

2 調査報告書1.2.3では、平成十六年九月二十一日から二十三日及び十月七日、八日に口述聴取を行ったとしているが、この口述聴取の対象、場所及び方法(面接か電話によるものかなど)を明らかにされたい。

3 調査報告書1.2.4では、事故の原因関係者として機長及び同乗者からの意見聴取は、両名が本事故で死亡したため行わなかったとあるが、遺族からの意見聴取を行わなかった理由を明らかにされたい。特に、遺族が自家用操縦士の有資格者であり、機長の操縦する事故機に同乗した経験がある場合には、意見聴取は必要ではなかったのか、政府の見解を示されたい。また、従前の取扱いについても明らかにされたい。

二 「事実の認定」の資料及び根拠について

1 調査報告書2.1.1では、事故日の十五時四十八分ごろ、機長が南紀白浜空港で高松空港、関西国際空港、高知空港及び岡南飛行場の定時航空気象実況及び指定特別航空気象実況情報を入手し、また、十六時十六分から十九分ごろ、徳島飛行場の管制員は、機長から高松空港の気象を求められ、それを伝えたとある。

(一) 機長が入手した定時航空気象実況及び指定特別航空気象実況の内容を明らかにされたい。

(二) 求められた気象情報及び伝えられた気象情報が、高松空港の気象情報であったことは、何に基づいて認定されたのか、また、客観的な記録が残っているのか明らかにされたい。

2 調査報告書の付図2「推定飛行経路と雲の動き」に添付されているレーダーエコー図は、十六時十五分ごろのものから始まっているが、機長が南紀白浜空港で定時航空気象実況及び指定特別航空気象実況情報を入手した十五時四十八分ごろに取得できる徳島飛行場及び飛行経路上のレーダーエコー図を示されたい。また、調査委員会はこのレーダーエコー図を入手したか明らかにされたい。もし入手しているとすれば、当然開示すべきであると思われるが、政府の見解を示されたい。

3 調査委員会は、事故のあった時間帯に通常、徳島レーダーに設置してあるレーダーモニターの数及び種類、管制業務に従事している管制官の人数、管制の体制について調査したのか明らかにするとともに、調査したのであればそれを示されたい。また、事故当時のレーダーモニターの数及び種類、事故機のレーダーエコーをモニターしていた管制官の人数等についても同様に示されたい。

4 調査報告書2.1.2では、レーダー・スコープ画面には、MTIビデオ(航空機を確実に掴むため、移動目標の反射波のみ取り出したビデオで、山や雲は映らない。)を出力しているので、雲の動きは分からなかった旨記載されている。

(一) 調査報告書3.9では、「レーダー・スコープ画面には、航空機を確実に掴むためにMTIビデオが出力されていたものと推定される」と記載されているが、これは確認されていないことなのか。「推定される」と記載した理由を明らかにするとともに、どのような調査結果に基づいて推定されたのか示されたい。

(二) 事故当時のMTIビデオの記録は存在するのか明らかにされたい。交信記録やビデオの記録があれば開示すべきと思われるが、政府の見解を明らかにされたい。

5 調査報告書2.1.2では、徳島飛行場の管制員は「十六時十四分…当時は、徳島の南西に強いエコーがあった。」と口述している。

(一) この口述では、当時の雲の状況が判明していたように理解できる。「レーダー・スコープ画面には、MTIビデオを出力しているので、雲の動きは分からなかった」との発言との関係を明らかにされたい。

(二) そもそも徳島飛行場には、雲の動きや地形が映し出されるレーダーが存在しており、事故当時モニターされていたのではないかと考えるが、事実関係を明確に示されたい。

(三) 航空機の運航に必要な基本的情報等が記載された国土交通省監修の『AIM-J(二〇〇五年版)』二百九十項には、「管制官は、ウエザーエコーをレーダーで観察した場合は情報を提供し、…協力すべきである」とあり、管制官の責任の分担も定めている。徳島飛行場の管制員は、徳島の南西に強いエコーがあったことを機長に伝えたのか。

6 調査報告書2.1.2では、徳島飛行場の管制員は「日頃より事故現場付近の海岸線を有視界飛行方式で低空で飛行する航空機が多いので、同機の高度は、気にならなかった。」とあるが、事故の発生した同時刻ごろ、他に徳島管制内に有視界飛行方式で低空飛行していた航空機は存在していたか。また、日頃、低空で飛行する航空機の高度は、千九百九十五フィートの諭鶴羽山より低い高度で飛行しているのか明らかにされたい。

7 調査報告書2.6.2では、徳島飛行場の定時航空気象実況の観測値によると、十六時及び十六時三十分における卓越視程(観測者が全方向の水平視程を観測したとき、百八十度以上の範囲に共通した、最大水平視程をいう。)が共に十キロメートル以上となっており、さらに雲底の高さがそれぞれ二千フィート、千五百フィートとある。この事実と、高度千四百フィートで飛んでいた事故機が、調査報告書4「原因」に記載されているように「雲のため有視界気象状態を維持することができなくなり」との結論がどのように結びつくのか明らかにされたい。気象状況は、事故機がいまだ雲に巻かれていないことを意味すると考えるが、政府の見解を示されたい。

8 調査報告書2.15では、「レーダー・モニターを要求する機長から特別の要求がない限り、管制官から提供されるサービスは、通常レーダー交通情報であるとされている。」と記載されている。

(一) 「通常」でない場合とはどのような場合が想定されるのか明らかにするとともに、通常でない場合に管制官に期待されている業務を明らかにされたい。また、有視界航法機が明らかに有視界飛行を維持できない状態になったと判断された場合や、航空機が地形や障害物との関係で危険と判断できる場合に、航空機の高度や位置情報を伝える必要はあるのか。管制官に期待されている業務を明らかにされたい。

(二) 管制官のレーダー交通情報「サービス」と、『AIM-J(二〇〇五年版)』二百九十頁に記載されている「ウエザーエコーをレーダーで観察した場合は情報を提供し、…協力」との関係を明らかにされたい。

(三) 徳島飛行場は、国土交通大臣が防衛省に委託する形で管制業務を行っている飛行場である。国土交通省の管轄の他の飛行場が通常行うレーダーサービスの内容と、同質で均一的なレーダーサービスが事故機に対して行われていたか、報告書では明記されていないが、徳島飛行場の管制員にも同様に気象に関する情報提供・協力義務はあるのか。

9 調査報告書2.16では、有視界気象状態の条件を記載しているが、調査報告書2.6.2に記載される徳島飛行場の定時航空気象実況の観測値は、有視界気象状態に適合するか明らかにされたい。

10 事故現場である諭鶴羽山は霧や雲が発生しやすい場所であり、事故現場の空域には関西国際空港、高松空港、徳島空港のほか、二〇〇六年二月には神戸空港が開港され、管制圏や管制区が入り乱れている地区でもある。このように事故のあった現場は、地域的な危険性があったと考えるが、諭鶴羽山付近での過去の事故例は調査されたか。本事故と同内容の事故があったのか明らかにされたい。

三 「事実認定」の判断について

1 調査報告書3.4.2では、レーダーエコー図によって沼島周辺の十六時十分から三十分までの雲の動きを推定しているが、この雲の雲底の高さを明らかにされたい。

2 調査報告書3.5.1では、南紀白浜空港出発前の十五時四十八分ごろに、徳島飛行場や、飛行経路上のレーダーエコー図等の気象情報を確認していれば、飛行予定経路上に、雲のエコーがかかってくることが予想できたものと判断している。調査委員会は、これらの気象情報を入手した上で、そのような判断をしているのか明らかにされたい。仮に入手した上での判断であれば、その資料が添付されていない理由を明らかにされたい。また、調査委員会の判断に客観性を持たせるために、資料を開示すべきと思われるが、政府の見解を示されたい。

3 調査報告書3.5.2では、機長が、事故現場より南東約十九ノーティカルマイルの位置で高松空港の定時航空気象実況を要求した事実は、経路上の気象状態が悪化したと機長が考えていたことになると判断している。仮に、機長がそのように気象条件の悪化をつかんでいたとすれば、飛行経路前方にある徳島飛行場の定時航空気象実況を当然求めるはずと考えられるが、その点について調査されたのか明らかにするとともに、機長が徳島飛行場の気象情報を求めなかった理由を示されたい。また、経路上沼島付近に雲のエコーがかかり気象条件が悪化しているとすれば、徳島飛行場の管制員が、その気象情報を高松空港の情報とともに事故機に伝えなかった理由を明らかにされたい。

4 調査報告書3.5.2では、事故機は南風により、予定していた飛行航路から北東に約二ノーティカルマイル流されたと考えられるとしているが、この事実はレーダー航跡記録により確認できるのか。確認できるとすれば、事故当時、徳島の管制においてもレーダーモニターにより、この事実を把握できていたのか。

5 調査報告書3.8では、機長が自機の流されている位置の認識を誤り、沼島の位置を確認できないまま淡路島の山腹に衝突したと推定されるとしているが、レーダーモニターをしていた徳島飛行場の管制員は、事故機の飛行航路を進めばそのまま諭鶴羽山に衝突する航路であることを認識できたのか明らかにされたい。

6 調査報告書3.9では、事故機は「自機との間隔確保を目的としてレーダー・モニターを要請していた」とあるが、そのように判断した根拠を明らかにされたい。そのような機長と徳島飛行場の管制員との会話が交信されているのか明らかにされたい。

7 調査報告書3.9では、徳島飛行場の管制員は、同機は高度千四百フィートで飛行しており、有視界気象状態を維持できているとの前提でモニターを継続していたものと推定されると判断している。しかし、調査報告書の気象状況の悪化についての記載や雲のレーダーエコー図からすれば、徳島飛行場の管制員は、事故機が有視界気象状態を維持できなくなると考えるのが合理的だと考えるが、有視界気象状態を維持できていると推定した理由を明らかにされたい。

8 本事件は、レーダーモニターを受けている航空機操縦士の管制官に対する信頼が、逆に自機の針路への自信となり衝突事故を起こしてしまったという、管制官と航空機操縦士との信頼関係の内容・程度が不明なゆえに生じたのではないかとの疑いをはらんでいると考える。調査委員会が、本事件において、機長が徳島管制にレーダーモニターを要請しており、さらに、自らの進路の安全についてもモニターされていると思っていた、とは認定しなかった理由を明らかにされたい。

9 他のモニターにおいて地形や雲が映るエコー図などが表示されていたにもかかわらず、徳島飛行場の管制員がそれを見過ごしていた可能性について調査は行われたのか。また、調査報告書に、徳島飛行場の管制員の監視行動についての判断に対する記載がない理由を明らかにされたい。

四 司法解剖について

 操縦者である機長が事故原因の調査の一環として司法解剖を受けたことは当然のことと理解しているが、一乗客として搭乗していた操縦士の妻までが解剖を受けねばならなかった理由を明らかにされたい。操縦士免許も持っておらず、操縦には関わりのない人にまでも遺族の同意もなく解剖するものではないと考えるが、司法解剖を行う根拠及び基準を明らかにされたい。

  右質問する。

答弁書

答弁書第八号

内閣参質一六六第八号

  平成十九年二月二十七日

内閣総理大臣 安倍 晋三   

       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員福島みずほ君提出兵庫県南あわじ市諭鶴羽山中小型航空機墜落事故及び同事故についての航空事故調査報告書に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

   参議院議員福島みずほ君提出兵庫県南あわじ市諭鶴羽山中小型航空機墜落事故及び同事故についての航空事故調査報告書に関する質問に対する答弁書

一の1について

 お尋ねの主管調査官及び航空事故調査官の所属する部署は国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(以下「委員会」という。)事務局である。委員会は航空・鉄道事故調査委員会設置法(昭和四十八年法律第百十三号。以下「設置法」という。)に基づく合議制の機関であり、報告書の議決、国土交通大臣への提出及び公表等は委員会の責任で行われているため、特定の事案を担当した事務局の職員たる主管調査官及び航空事故調査官の経歴、立場及び専門分野を明らかにすることは差し控えたい。

一の2について

 お尋ねの口述聴取の場所及び方法については、口述聴取の対象者の勤務地、居所等における面接又は電話によるものである。

 また、お尋ねの口述聴取の対象については、委員会は設置法第十五条第一項の規定に基づき、国際民間航空条約(昭和二十八年条約第二十一号)の規定並びに同条約の附属書として採択された標準、方式及び手続(以下「国際民間航空条約の規定等」という。)に準拠して調査を行っているところであり、口述については事故調査の目的以外では原則として開示してはならない旨国際民間航空条約の規定等に規定されており、また、事故調査に支障を来すおそれがあることから、御指摘の航空事故報告書(以下「報告書」という。)に記載しているもの以外についての答弁は差し控えたい。

一の3について

 意見聴取については、設置法第十九条第一項の規定に基づき当該事故等の原因に関係があると認められる者(以下「原因関係者」という。)に対して行っている。御指摘の遺族は原因関係者に当たらないことから、当該遺族からの意見聴取は行っていない。

二の1の(一)について

 お尋ねの定時航空気象実況及び指定特別航空気象実況の内容は、御指摘の事故日の十五時四十八分ごろに入手が可能であった気象実況である。

二の1の(二)について

 機長から求められた気象情報及び徳島飛行場の管制員が伝えた気象情報が高松空港の気象情報であったことは、徳島飛行場の管制交信記録に基づき認定されたものである。

二の2について

 お尋ねの「機長が南紀白浜空港で定時航空気象実況及び指定特別航空気象実況情報を入手した十五時四十八分ごろに取得できる徳島飛行場及び飛行経路上のレーダーエコー図」とは、報告書2.1.1で言及されている和歌山地方気象台南紀白浜空港出張所で入手可能であった気象情報に含まれるレーダーエコー図のうち十五時のものと考えられる。委員会は、この資料については入手している。

 委員会は調査の過程で数多くの資料を入手するが、報告書には事故の直接の原因を説明するために必要と委員会が判断したもののみを添付し、公表しているところである。

二の3について

 お尋ねについては、事故原因の究明に直接関係がないことから調査を行っていない。

二の4の(一)について

 御指摘のMTIビデオがレーダー・スコープ画面に出力されていたか否かについては記録が残らないため、確認することは不可能であり、報告書には管制員の口述聴取の結果から、「レーダー・スコープ画面には、航空機を確実に掴むためにMTIビデオが出力されていたものと推定される」と記載したものである。

二の4の(二)について

 お尋ねの事故当時のMTIビデオの記録は存在しない。また委員会は設置法第十五条第一項の規定に基づき国際民間航空条約の規定等に準拠して調査を行っているところであり、交信記録は事故調査の目的以外では原則として開示してはならない旨国際民間航空条約の規定等に規定されているため、答弁は差し控えたい。

二の5の(一)について

 報告書の中で管制員が「当時は、徳島の南西に強いエコーがあった」と口述したと記載されているが、その理由は承知していない。

二の5の(二)について

 御指摘のような事実関係は承知していない。

二の5の(三)について

 交信記録によれば、管制員が機長に対して徳島の南西に強いエコーがあったことを伝えた事実は確認されていない。

二の6について

 お尋ねの「事故の発生した同時刻ごろ、他に徳島管制内に有視界飛行方式で低空飛行していた航空機」が存在していたか否かについては、記録がないため確認することができない。また、日ごろ、低空で飛行する航空機の高度が、諭鶴羽山より低いか否かについては承知していない。

二の7について

 徳島飛行場の定時航空気象実況の観測値は徳島飛行場におけるものであり、異なる場所では気象が異なることはあり得るため、御指摘の観測値と報告書に記載されている「雲のため有視界気象状態を維持することができなくなり」という推定とは矛盾しない。

二の8の(一)について

 お尋ねの有視界航法機とは、有視界飛行方式で飛行する航空機(以下「VFR機」という。)のことを指すと考えられるが、VFR機は有視界気象状態を維持し、地表及び障害物からの間隔を維持して飛行しなければならないものとされている。機長からの要求によりレーダーモニターが実施されているVFR機が、明らかに有視界気象状態を維持できない状態であるのかどうか、また、地表及び障害物からの間隔を維持することが困難かどうかについては、VFR機からの通報がなければ管制官は把握できない。VFR機から管制官に対して、そのような状況について通報があった場合には、情報提供等の支援を行うことが管制官に期待される。

 お尋ねの「通常」でない場合とは、天候が急変して有視界気象状態を維持できなくなった等の場合を想定している。その場合、機長が緊急状態を宣言すれば、レーダー誘導等の支援が行われることが管制官に期待される。

二の8の(二)について

 お尋ねの「レーダー交通情報「サービス」」とは、航空機に対して周辺を飛行する航空機に関する情報を通報することである。他方、「AIM-J(二〇〇五年後期版)」の第二百九十項に記載されている「ウェザーエコーをレーダーで観察した場合は情報を提供し、・・・協力」とは、航空機に対して気象情報を通報すること及び当該情報に基づき航空機から悪天候回避の要求があった場合に当該要求に対応することである。

二の8の(三)について

 VFR機に対するレーダーサービスは、あくまでも管制官の業務上支障のない範囲でのみ行われることが期待される業務であり、徳島飛行場の管制員についても気象に関する情報提供・協力の義務はない。

二の9について

 報告書2.6.2に記載されている徳島飛行場の十六時及び十六時三十分の定時航空気象実況の観測値はいずれも、航空機が有視界気象状態を維持して飛行できる気象状態であると考えられる。

二の10について

 お尋ねの過去の事故例については、調査を行っていない。

三の1について

 レーダーエコー図からは、雲底の高さを知ることはできないため、お尋ねについてお答えすることは不可能である。

三の2について

 御指摘の「南紀白浜空港出発前の十五時四十八分ごろに、徳島飛行場や、飛行経路上のレーダーエコー図等の気象情報」のうち、委員会は必要なものを入手している。

 委員会は調査の過程で数多くの資料を入手するが、報告書には事故の直接の原因を説明するために必要と委員会が判断したもののみを添付し、公表しているところである。

三の3について

 機長が徳島飛行場の定時航空気象実況を求めた事実は確認されていない。お尋ねの「機長が徳島飛行場の気象情報を求めなかった理由」については承知していない。徳島飛行場の管制員が、沼島付近の気象状況を把握していたとは承知していない。

三の4について

 御指摘の事実については、レーダー航跡記録により確認できるが、徳島飛行場の管制員が、この事実を把握していたかどうかについては承知していない。

三の5について

 報告書の中で管制員は「日頃より事故現場付近の海岸線を有視界飛行方式で低空で飛行する航空機が多い」と口述したと記載されていることから、事故機の飛行航路を進めばそのまま諭鶴羽山に衝突するとは認識していなかったものと考えられる。

三の6について

 管制員の交信記録に、機長がレーダーモニターを要請したことが記録されていること及び報告書の中で管制員が「日頃より事故現場付近の海岸線を有視界飛行方式で低空で飛行する航空機が多い」と口述したと記載されていることから、事故機は自機との間隔確保を目的としてレーダーモニターを要請していたと考えられる。

三の7について

 航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第九十四条の規定から、VFR機は有視界気象状態を維持して飛行しなければならないため、機長から有視界気象状態が維持できない旨の連絡がなければ、管制員は当該VFR機は有視界気象状態を維持していると推定するものと考えられる。

三の8について

 機長が徳島飛行場の管制員にレーダーモニターを要請したことは確認しているが、機長が自らの進路の安全についてもモニターされていると思っていたか否かは承知していない。

三の9について

 御指摘の「他のモニターにおいて地形や雲が映るエコー図などが表示されていた」という事実については承知しておらず、お尋ねの調査は行っていない。報告書には、「管制員は同機は高度千四百フィートで飛行しており、VMCを維持できているとの前提でモニターを継続していたものと推定される。」と記載している。

四について

 お尋ねの解剖は、その解剖に係る死体についてその死亡が犯罪によるものである疑いがあったことから死因等を解明するために行ったものと承知している。

 司法解剖は、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第二百二十三条第一項の規定に基づき関係当局から鑑定の嘱託を受けた鑑定人において、同法第二百二十五条第一項の裁判官の許可を受けて行うものである。また、司法解剖は、その司法解剖に係る死体について、その死亡が犯罪によることが明らかな場合又はその死亡が犯罪による疑いがあり、死因等を明らかにするため必要である場合に行うものである。

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