QUESTIONS質問主意書

第169回国会 「外国人学校等に関する質問主意書」(2008年6月3日) | 社民党 福島みずほ 参議院議員(比例区)

質問主意書

質問第一三九号

外国人学校等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年六月三日

福島 みずほ   

       参議院議長 江田 五月 殿

   外国人学校等に関する質問主意書

 人的交流と労働の国際化が進み、日本に暮らす外国人は、外国人登録者数によれば二百万人を超えている。その結果、外国人の児童生徒は年々増加し、全国の小中高校には、文部科学省の把握している範囲でも、七万八千人あまりが在籍している。

 二〇〇七年九月現在、日本には、外国人学校として七十三の朝鮮人学校、九十四のブラジル人学校、他にも、インターナショナルスクール、また、中華学校や韓国学園といった数十のナショナル・スクールがある。

 しかしながら、これら外国人学校は、学校教育法第一条に定める学校ではなく、かろうじて「各種学校」としてしか認可されていない。私立学校振興助成法の対象にもならず、一部の地方自治体から補助金が出されているだけである。

 しかも、ブラジル人、ペルー人学校に関しては、八十校あまりあるうち、「各種学校」の認可を受けているのは、四校のみである。外国人には子どもの就学義務は課されないとされてきたが、日本の批准している「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」十三条及び「子どもの権利条約」二十八条では、初等教育は義務的なものとし、すべての者に対して無償のものとする、と定めており、「すべての者」について義務的なものとされている。このことからも、外国人学校も正規の学校に準ずるものとすべきであり、日本にいる外国人の子女も学ぶ権利をしっかりと保障されるべきと考える。

 以上のような問題意識に基づき、以下質問する。

一 政府統計資料である「学校基本調査報告書」(初等中等級教育機関、専修学校、各種学校編)について

1 外国人児童生徒に関する統計であるが、現在は、小中高別、国公私立別の全国統計のみである。かつては、もっと詳しい時期もあった。たとえば、一九五三年には、都道府県別、一九七〇年には国籍別に集計している。帰国子女については、都道府県別、学年別でも集計している事に鑑みれば、外国人子女への施策を行うためには、詳細な統計を集計すべきであると思うがいかがか。

2 「不就学学齢児童生徒調査」に関し、調査票には、わざわざ「外国人は調査から除外する」とある。外国人には子どもの就学義務は課されないとされてきたが、日本も批准している「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」では、前述の通り、「初等教育は義務的なものとし、すべての者に対して無償のものとする」とあり、国・都道府県・市区町村がそれぞれ役割を果たし、日本における外国人の子どもに対する教育を保障していく必要がある。外国人の子どもについても調査が必要であると考えるが、なぜ除外するのか。

3 「外国人学校」に関しては、「各種学校」統計の区分「その他」の中に、「外国人学校」の項目がある。平成十九年度(二〇〇七年)統計では、学校数は百十四校、生徒数二万五千五百十八人(うち男一万二千八百五人、女一万二千七百十三人)と記載があるのみである。

 税法上に「初等教育又は中等教育を外国語によって施すことを目的」とする各種学校を設置する法人が特定公益増進法人に指定される制度が発足した事もあり、外国人学校に関する統計の一層の拡充が必要と考えるがいかがか。

二 小中学校の「学習指導要領」について

 小中学校の「学習指導要領」に関し、「障害のある児童生徒」及び「海外から帰国した児童生徒」の項目はあるが、「外国人児童生徒」に関する項目がない。「外国人児童生徒」に関しても記述が必要であると考えるがいかがか。

三 法務省「在留外国人統計」について

 法務省「在留外国人統計」について、以前は「出生地別」の統計を載せていたが、現在はない。日本に暮らす外国人のうち、「日本生まれ」を把握することは、様々な施策を進める上で、必要なものであると考えるがいかがか。

  右質問する。

答弁書

答弁書第一三九号

内閣参質一六九第一三九号

  平成二十年六月十三日

内閣総理大臣 福田 康夫   

       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員福島みずほ君提出外国人学校等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

   参議院議員福島みずほ君提出外国人学校等に関する質問に対する答弁書

一の1から3までについて

 文部科学省としては、学校基本調査において、外国人児童生徒、外国人学校等について、どのような調査項目を設定し、どのような集計を行うかなどについては、我が国の教育施策の企画及び立案に必要な基本的な範囲で、調査対象である学校現場の負担も勘案しつつ、決定しているところである。外国人児童生徒に係る施策を行う上で必要が生じた場合には、その都度、日本語指導が必要な外国人児童生徒数や一部の地方公共団体における学齢相当の外国人の就学状況等について調査を行うなど、学校基本調査以外の方法による外国人児童生徒等の実態把握にも努めているところである。なお、我が国の公立の義務教育諸学校においては、就学を希望する外国人児童生徒を日本人児童生徒と同様に無償で受け入れることとしている。

二について

 小学校学習指導要領(平成十年文部省告示第百七十五号)においては、「海外から帰国した児童などについては、学校生活への適応を図るとともに、外国における生活経験を生かすなど適切な指導を行うこと」とされ、また、中学校学習指導要領(平成十一年文部省告示第百七十六号)においては、「海外から帰国した生徒などについては、学校生活への適応を図るとともに、外国における生活経験を生かすなど適切な指導を行うこと」とされているが、当該記述にある「海外から帰国した児童など」及び「海外から帰国した生徒など」には、外国人の児童及び生徒も含まれている。

三について

 在留外国人統計については、昭和五十九年に出入国・在留管理に係る事務の合理化を図る観点から外国人登録に関する記録のうち必要最小限の事項を電算機処理化した上でこれを作成することとしたが、この際、在留外国人の出生地については電算入力項目とならなかったことから、昭和六十年版以後の在留外国人統計では出生地別の在留外国人の数が集計されていない。

 法務省としては、御指摘の「日本生まれ」の在留外国人数の集計については、システムの改修が必要となるため、直ちにこれを行うことは困難であると考えているが、御指摘も踏まえ、今後の検討課題としたいと考えている。

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