QUESTIONS質問主意書

第177回国会 「法務省による東京拘置所の刑場公開に関する再質問主意書」(2011年5月26日) | 社民党 福島みずほ 参議院議員(比例区)

質問主意書

質問第一六三号

法務省による東京拘置所の刑場公開に関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十三年五月二十六日

福島 みずほ   

       参議院議長 西岡 武夫 殿

   法務省による東京拘置所の刑場公開に関する再質問主意書

 二〇一〇年十月二十五日提出の「法務省による東京拘置所の刑場公開に関する質問主意書」について、同年十一月二日に答弁書(内閣参質一七六第六一号)が閣議決定された。

 同答弁書によると、「各刑場の刑具は、開落式踏板上の被執行者の身体の自重によって絞首する機構であり、絞首された被執行者と床面との間に距離をおく運用について絞罪器械図式と変わるところはない。ただし、絞首された被執行者と床面との間の距離については、個々の死刑執行により異なる。」、「絞縄については、個々の死刑執行ごとに、被執行者の身長、体重等を考慮し、死刑執行を確実に行うために必要な長さに固定している。」とある。

 これを受けて、本年一月二十四日、「法務省による東京拘置所の刑場公開に関する質問主意書」を提出し、同年二月一日、答弁書(内閣参質一七七第一六号)が閣議決定されている。

 しかし、公開された刑場において、現在死刑がどのように執行されているのかについてなお不明な点があるので、改めて質問する。

一 答弁書(内閣参質一七六第六一号)では、「絞首された被執行者と床面との間の距離については、個々の死刑執行により異なる。」との答弁であった。例として東京拘置所の刑場における死刑執行について、絞首された被執行者と床面との間の距離は、約三十センチメートルのこともあれば、約一メートル、約二メートル、約三メートル、あるいは約四メートルいずれの場合もあり得るのか。絞首された被執行者と床面との間の距離について、現在の運用においてあり得る最小の距離と最大の距離を具体的な数値をもって示されたい。

二 答弁書(内閣参質一七六第六一号)の「絞縄については、個々の死刑執行ごとに、被執行者の身長、体重等を考慮し、死刑執行を確実に行うために必要な長さに固定している。」との記述だけでは、現在、絞縄を必要な長さに固定する際に、その長さを、具体的に、いつ誰がどのように決定しているのか判然としない。個々の死刑執行において、絞縄を固定する長さを具体的に決定する手続き、及び、その長さを具体的に算出する方法を示されたい。刑事施設ごとに違いがあるならば、その旨を述べた上で、東京拘置所の例を具体的に示されたい。

三 個々の死刑執行において、絞縄を固定する長さを具体的に決定する手続き、及び、その長さを具体的に算出する方法を規定した法律、行政規則(命令・訓令・通達・内部規則等)は存在するか。存在するのであれば、その内容を全て示されたい。刑事施設ごとに違いがあるならば、その旨を述べた上で、東京拘置所の例を具体的に示されたい。

四 死刑の執行にあたって、絞縄の長さを固定する際に考慮するという被執行者の身長や体重はいつ測定するのか。死刑執行の直前か、数日前か、数週間前か、数か月前か、あるいは特に測定を行わないのか。刑事施設ごとに違いがあるならば、その旨を述べた上で、東京拘置所の例を具体的に説明されたい。

五 二〇〇七年一月にイラクのバグダッドで、サダム・フセイン元イラク大統領の異父弟(バルザン・イブラヒム・アル=ティクリティ)に対する絞首刑が執行された際、絞縄によって同人の首が完全に切断され、頭と胴体が分離して落下する事故が発生した。この事故は、内外の報道機関によって報道されたが、政府は把握しているか。

六 絞首刑の執行において、五のイラクの事例のごとく、被執行者が踏板から落下して絞首された直後に、同人の首が絞縄によって切断されることがあり得るが、この事実を政府は把握しているか。

七 わが国の死刑執行において、被執行者の首が切断され、頭と胴体が分離して床面に落下するような事態を防ぐために、何か対策を講じているか否か。対策を講じているのであれば、それを具体的に示されたい。刑事施設ごとに違いがあるならば、その旨を述べた上で、東京拘置所の例を具体的に示されたい。

八 東京拘置所以外の六か所の刑事施設の刑場は、形状、寸法等について、明治六年太政官布告第六十五号と全く同一か否か。答弁書(内閣参質一七七第一六号)によると「現時点で刑場の公開を行う予定はない」とのことであるが、仮に同一でないとするならば、東京拘置所以外の六か所の刑事施設の刑場を公開する意義があると考える。政府の見解を示されたい。

  右質問する。

答弁書

答弁書第一六三号

内閣参質一七七第一六三号

  平成二十三年六月三日

内閣総理大臣 菅 直人   

       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員福島みずほ君提出法務省による東京拘置所の刑場公開に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。

   参議院議員福島みずほ君提出法務省による東京拘置所の刑場公開に関する再質問に対する答弁書

一について

 先の答弁書(平成二十二年十一月二日内閣参質一七六第六一号)三及び四についてで述べたとおり、絞首された被執行者と床面との間の距離については、個々の死刑執行により異なり、お尋ねの「現在の運用においてあり得る最小の距離と最大の距離」については、一概にお答えできない。

二及び三について

 前回答弁書(平成二十三年二月一日内閣参質一七七第一六号)二から四までについてで述べたとおり、死刑執行を確実に行うためには、絞首された被執行者と床面との間に距離をおく必要があるので、個々の死刑執行ごとに、被執行者の身長、体重等を考慮し、死刑を執行する刑事施設において絞縄を必要な長さに固定しているものである。

 お尋ねの法律や行政規則は存在しない。

四について

 死刑確定者の身長や体重については、刑事施設への収容の開始時や健康診断の機会などに、必要に応じ測定している。

五から七までについて

 お尋ねのような報道がなされたことは承知しているが、我が国においては、二及び三についてで述べたとおり、個々の死刑執行ごとに、被執行者の身長、体重等を考慮し、死刑を執行する刑事施設において絞縄を必要な長さに固定しているところであり、死刑執行において、被執行者の首が切断されるような事態は想定していない。

八について

 各刑場の刑具は、開落式踏板上の被執行者の身体の自重によって絞首する機構であるが、その形状、寸法等については、絞罪器械図式(明治六年太政官布告第六十五号)と異なる点もある。

 なお、現時点で刑場の公開を行う予定はない。

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