QUESTIONS質問主意書

第180回国会 「大牟田労災病院廃止に伴う確認書に関する質問主意書」(2012年8月29日)

質問主意書

質問第二四一号

大牟田労災病院廃止に伴う確認書に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年八月二十九日

福島 みずほ   

       参議院議長 平田 健二 殿

   大牟田労災病院廃止に伴う確認書に関する質問主意書

 大牟田労災病院は、昭和三十八年に三池炭鉱炭塵爆発事故が発生し、多数の死傷者を出したことを契機として設立された病院であったが、労災病院の再編計画に伴い、平成十八年三月に廃止された。そして、独立行政法人労働者健康福祉機構から新たな受入先として財団法人福岡県社会保険医療協会に同年四月一日付けで移譲され、CO中毒患者らは大牟田労災病院から同財団法人が経営する社会保険大牟田吉野病院に引き継がれた。この廃止に伴って、厚生労働省と大牟田労災病院廃止反対連絡会議との間には平成十八年三月九日付けで確認書が取り交わされている。

 ところが、確認書の約束が実行されていないとの訴えが続発し、現地からは確認書の履行を求める声がますます高まってきている。国会においても、例えば第百六十八回国会、第百六十九回国会では、「一酸化炭素中毒患者に係る特別対策事業を委託する新病院に関する確認書早期履行に関する請願」が参議院で全会一致をもって採択され、内閣に送付されている。それにもかかわらず、いまだに履行がなされていないのが現状であり、極めて憂慮すべき事態となっている。

 そこで、本確認書に関して、以下のとおり質問をする。

一 確認書では、新病院について「病床は一〇〇床体制とする」、「神経内科、内科、精神科、リハビリテーション科は最低確保し、各診療科に常勤医師を配置する」、「CO中毒患者のみの診療・療養に特化せず広く一般に開放し、地域医療に貢献するため高次脳機能障害の中核的医療機関を目指す運営を行う」とされている。しかし、実際には確認書締結から六年以上が経過したにもかかわらず、そのほとんどが実現されていないことは極めて遺憾である。政府も同様な認識であるか示されたい。

二 大牟田吉野病院では外来診療をほとんど行っておらず、また、入院しているCO中毒患者でも症状によっては他の病院での受診を余儀なくされることがある。かかる事態は確認書の「新病院は、CO中毒患者および一般患者に対して安心して診療・リハビリが行える環境を整備する」に違反していないか、政府の見解を示されたい。

三 政府は、確認書に基づき、その内容及び同財団法人が病院移譲に伴って平成十七年十二月に策定した「新病院基本構想」の内容を同財団法人に守らせる責任があるのではないか。

四 政府は、確認書の内容が実現されていない原因は何であると認識しているか。政府の取組が不十分なためか、それとも同財団法人の意欲や誠意がないためか、政府の見解を示されたい。

五 確認書締結から六年以上が経過し、患者やその家族のみならず、国会、国会議員をはじめとする多くの関係者から度重なる指摘がなされていることを、政府はどのように受け止めているか。

六 政府は、今後、確認書の内容の実現をどのように図っていくつもりか。これまでは文書ないしは口頭による要請を同財団法人に対して行ってきたと思われるが、より強力な指導や一定の制裁を伴った履行要求を行うなど、これまで以上の強い措置を講じる方針があるか。

七 同財団法人が確認書の内容を実現せず、また、同財団法人が「新病院基本構想」の内容を実現しない状況下において、政府はいつまでこのような現状を容認し続けるつもりか。改善を求めるための一定の期限を設定すべきではないかと考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。

答弁書

答弁書第二四一号

内閣参質一八〇第二四一号

  平成二十四年九月七日

内閣総理大臣 野田 佳彦   

       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員福島みずほ君提出大牟田労災病院廃止に伴う確認書に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

   参議院議員福島みずほ君提出大牟田労災病院廃止に伴う確認書に関する質問に対する答弁書

一及び五について

 政府としては、これまで、御指摘の「確認書」(以下「確認書」という。)の内容の実現に向けた取組を行い、一酸化炭素中毒患者に係る特別対策事業の予算の確保や大牟田労災病院廃止反対連絡会議との現地での協議等については実現したが、社会保険大牟田吉野病院(以下「吉野病院」という。)の病床を百床体制とすることや各診療科への常勤医師の配置等については、医師の確保が困難である等の事情により現時点で実現できていないことから、引き続き、確認書の内容の実現に向けて努力していきたい。

二について

 吉野病院に入院している一酸化炭素中毒患者については、症状によっては、担当医師の判断に基づき、専門的な治療を受けるため、他の医療機関を受診していただくこともあるが、基本的には吉野病院で治療を行っており、また、吉野病院では、神経内科、内科、精神科及びリハビリテーション科を設置し、外来診療を実施していることから、政府としては、吉野病院の現状が確認書の「新病院は、CO中毒患者および一般患者に対して安心して診療・リハビリが行える環境を整備する。」に違反しているとは考えていない。

三及び四について

 政府としては、御指摘の「新病院基本構想」(以下「新病院基本構想」という。)の内容は、一義的には、財団法人福岡県社会保険医療協会(以下「医療協会」という。)が実現すべきものと認識している。

 また、吉野病院の病床を百床体制とすること等の確認書の内容の一部が実施できていない原因としては、医師の確保が困難である等の事情があると考えており、医療関係者に対する要請や一酸化炭素中毒患者に係る特別対策事業により、医師の確保を支援する等の取組を行うとともに、医療協会に対して、医師の確保等を促してきた。

六及び七について

 政府としては、確認書の内容の実現には医師の確保等が必要であり、御指摘の医療協会に対する「一定の制裁を伴った履行要求」や「一定の期限」の設定による確認書の内容の実現は困難と考えていることから、引き続き、一酸化炭素中毒患者に係る特別対策事業により、医師の確保を支援する等の取組を行うことにより、確認書の内容の実現に向けて努力していくとともに、医療協会に対して、新病院基本構想の内容の実現を促していきたい。

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