QUESTIONS質問主意書

第180回国会 「災害廃棄物及び放射能除染の処理に係る各検討会での議事録不作成に関する質問主意書」(2012年3月8日)

質問主意書

質問第五七号

災害廃棄物及び放射能除染の処理に係る各検討会での議事録不作成に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年三月八日

福島 みずほ   

       参議院議長 平田 健二 殿

   災害廃棄物及び放射能除染の処理に係る各検討会での議事録不作成に関する質問主意書

 東日本大震災により発生した大量の災害廃棄物及び放射能除染について、その処理を早急に進めるために、昨年、環境省内にその処理方法の検討を行うことを目的とした「災害廃棄物安全評価検討会」及び「環境回復検討会」が設置された。

 これらの会議の内容には、災害廃棄物の処理や放射能除染をどのようにすれば安心・安全が確保されるかという重要な問題を含んでおり、それぞれの会議でどのような議論が交わされ、何が検討されたかについて、国民に広く共有されるべきとの考えから、以下質問する。

一 「災害廃棄物安全評価検討会」の議事録について

1 第一回から第十一回まで開催されたすべての検討会のうち、議事録は第一回から第四回までしか存在しないとのことであるが、これは事実か。

2 第一回から第十一回まで開催されたすべての検討会について議事要旨を作成したとのことであるが、前記1が事実の場合、なぜ第一回から第四回まで議事録を作成しながら、途中から議事要旨のみとする取扱いに変更し議事録の作成を止めたのか、その理由を説明されたい。本件について、私が環境省から説明を受けた際には、風評被害を防ぐためや予算節約のためなどの理由によるとのことであったが、なぜ検討過程を非公開とすることが風評被害を防ぐことにつながるのか。検討過程を非公開とした結果、全国の自治体から災害廃棄物が受け入れられず、受入れを表明した自治体でも強い反対の声が出ている現状を踏まえ、検討過程を非公開とする具体的な理由について明確に説明されたい。

3 第一回から第四回までの議事録は存在するにもかかわらず、なぜ会議資料や議事要旨とともにホームページ上で公開されなかったのか、具体的な理由について明確に説明されたい。

4 第五回から第十一回まで開催された検討会において、メモや録音データは記録のために保存されているのか。

5 第五回検討会以降、議事録から議事要旨のみとする取扱いに変更する際に、当該判断について政務三役の了解を取っていたのか。了解を取っていた場合、政務三役のうち誰の了解か。また、政務三役の了解を取っていない場合、環境省内の誰の判断に基づき変更したのか。

二 「環境回復検討会」の議事録について

1 この検討会は全部で何回開催されたのか。また、そのうち議事録が存在する回数及び議事要旨の作成で対応した回数をそれぞれ示されたい。

2 前記1のうち、議事録を作成せずに議事要旨の作成で対応した場合において、その理由を前記一の2と同様に明確に説明されたい。

3 この検討会において、メモや録音データは記録のために保存されているのか。

4 この検討会の議事の記録を議事要旨の作成で対応した際、当該判断について政務三役の了解を取っていたのか。了解を取っていた場合、政務三役のうち誰の了解か。また、政務三役の了解を取っていない場合、環境省内の誰の判断に基づき議事要旨の作成で対応したのか。

三 災害廃棄物の処理の受入れや放射能除染に係る問題点の検討及びその判断を行うためには、簡単な議事要旨ではなく、すべての議論の経過を正確に確認できる議事録を作成し、それを広く公開することが必要であり、行政機関は公正な情報提供を行うべきと考える。

 公文書等の管理に関する法律は、「国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすることを目的」とし、行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程及び実績が把握できる文書の作成等を義務づけている。これらの点に照らして、各検討会において議事録を作成しなかったことをどのように説明するのか、政府の見解を明確に示されたい。また、今後、各検討会のすべての議事録を作成・公表する予定があるのか、政府の方針を明確に示されたい。

四 検討過程が非公開であり、かつ、当事者となる自治体等の参加・関与もない中での議論の下で災害廃棄物の広域処理が決定されたことにより、災害廃棄物の処理の受入れに反対する市民はあたかも復興を願っていないかのような風潮につながっている。ICRPの勧告(Publ.111)でも、現存被ばく状況における放射線防護においては、正確な記録、透明性及び利害関係者の関与が重要と指摘しており、当該勧告は日本での復興に役立つよう例外的にホームページ上で英語版及び日本語版が共に無償提供されている。それにもかかわらず、検討過程が非公開であり、かつ、当事者となる自治体等の参加・関与もない中での議論の下で、政府が災害廃棄物の広域処理を決定する理由はどこにあるのか、明確に説明されたい。

五 各検討会の委員の選任はどのように行ったのか。その経過及び理由について、委員別に具体的に説明されたい。

  右質問する。

答弁書

答弁書第五七号

内閣参質一八〇第五七号

  平成二十四年三月十六日

内閣総理大臣 野田 佳彦   

       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員福島みずほ君提出災害廃棄物及び放射能除染の処理に係る各検討会での議事録不作成に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

   参議院議員福島みずほ君提出災害廃棄物及び放射能除染の処理に係る各検討会での議事録不作成に関する質問に対する答弁書

一の1について

 お尋ねについては事実である。

一の2、3及び5について

 お尋ねの災害廃棄物安全評価検討会の検討過程については、議事要旨及び会議資料を公表することにより、公開しているものである。また、同検討会終了後に、毎回報道機関に対し議事内容について説明を行っている。

 第一回から第四回までの同検討会の議事録は、速記録を基に作成したものである。当該速記録は、議事要旨を作成する際の参考とするため、外注して作成していたが、結果的に当該速記録を参考としなくても議事要旨の作成は可能であったこと、また、速記録の作成には費用を要したことから、第五回以降の同検討会においては速記録の作成をやめたものであり、これに伴い、議事録の作成もやめたものである。これらの方針は、環境省行政文書管理規則(平成二十三年環境省訓令第三号。以下「規則」という。)第十条に基づき、担当部局において判断したものである。

一の4及び二の3について

 御指摘の「メモ」については、議事要旨を作成する際の参考とした「メモ」は保存されていない。御指摘の「録音データ」については、第五回から第七回までの災害廃棄物安全評価検討会、第一回及び第二回環境回復検討会並びに第一回災害廃棄物安全評価検討会・環境回復検討会合同検討会における「録音データ」が保存されている。

二の1について

 お尋ねについては、環境回復検討会(災害廃棄物安全評価検討会との合同検討会を含む。以下同じ。)は、これまでに四回開催しており、いずれにおいても議事録は作成せず、議事要旨のみを作成した。

二の2について

 お尋ねの環境回復検討会の検討過程については、議事要旨及び会議資料を公表することにより、公開しているものである。また、同検討会終了後に、毎回報道機関に対し議事内容について説明を行っている。

二の4について

 お尋ねについては、規則第十条に基づき、担当部局において判断したものである。

三について

 公文書等の管理に関する法律(平成二十一年法律第六十六号)においては、行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程及び実績が把握できる文書の作成が求められているものの、議事録の作成までは求められておらず、災害廃棄物安全評価検討会及び環境回復検討会においては、規則第十条に基づき議事要旨を作成している。環境省においては、両検討会の検討過程については、議事要旨及び会議資料を公表することにより、公開しているものであり、今後とも、これらを公表することとしている。

四について

 お尋ねについては、東日本大震災において発生した膨大な量の災害廃棄物の処理を迅速に行うためには、広域的な処理を実施する必要があるとの認識の下、各地方公共団体に対し広域的な処理の実施について協力を求めてきたところであるが、広域的な処理については関係地方公共団体の合意によって実施されるものである。

五について

 災害廃棄物安全評価検討会及び環境回復検討会の委員については、環境省において、それぞれの検討会の目的に応じて、環境、廃棄物処理、土壌、放射能等の分野の専門家の中から、実績等を総合的に勘案し、選定したところである。

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