QUESTIONS質問主意書

第183回国会 「島根県西部地域における米軍による低空飛行訓練に関する質問主意書」(2013年3月1日)

質問主意書

質問第四五号

島根県西部地域における米軍による低空飛行訓練に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十五年三月一日

福島 みずほ   

       参議院議長 平田 健二 殿

   島根県西部地域における米軍による低空飛行訓練に関する質問主意書

 島根県西部地域は田畑や森林が広がる、のどかな地域である。しかし、昨今、この地域で、米軍による低空飛行訓練が行われ、轟音を轟かせている。米軍機の動きを確認すれば、島根県浜田市旭町に設置されている「島根あさひ社会復帰促進センター」が攻撃目標となっているように思われる。同センター周辺には、「あさひ子ども園」があり、子どもたちは、米軍機の轟音におののき、悲鳴を上げ、又は凍りついたように怯えている。子どもたちは、米軍の存在について、自分たちを守ってくれる存在ではなく、「自分たちを攻撃してくる存在」として認識していくように思われる。社民党は、昨年十月十七日、浜田市旭町を視察するとともに、十月二十二日、米国大使館に対して抗議を行っている。人々が生活する場所での低空飛行訓練及び対地攻撃(空爆)訓練が行われるのは、危険であり、断じてあってはならない。

 そこで、以下のとおり質問する。

一 島根県西部地域における航空自衛隊の訓練について

1 島根県西部地域及び広島県に広がる空域が航空自衛隊の訓練空域(JDA-7)として設定されていることは事実か。

2 前記1の訓練空域を米軍が「エリア567」と呼んでいることを政府は承知しているか。

二 エリア567における米軍による訓練について

1 エリア567で米軍が低空飛行訓練を実施することについて、米軍から政府に通告はあったのか。あったとすれば、いつ、誰に対して、どのような内容が通告されたのか。

2 エリア567において、米軍が低空飛行訓練を実施していることを政府は承知しているか。

3 米軍は、政府に対して、対地攻撃(空爆)訓練の実施について事前に通告しているのか。通告しているのであれば、いつ、誰に対して、どのような内容の通告をしているのか、明らかにされたい。

4 米軍がエリア567で、対地攻撃(空爆)訓練を行っていることを政府は承知しているか。

5 対地攻撃(空爆)訓練において、上空から目立つ施設を対地攻撃の目標にし、低空で接近し、爆撃するような訓練を実施していることを政府は承知しているか。

6 浜田市旭町の「島根あさひ社会復帰促進センター」を対地攻撃目標としていると思われる件数が特に増えていることを政府は承知しているか。

7 米軍の訓練の衝撃音のため、「島根あさひ社会復帰促進センター」の受刑者逃亡防止用の振動探知センサーが反応したことを政府は承知しているか。

8 本年一月十五日には、浜田市旭町において、超音速飛行により発生した衝撃波が大音響を生む、所謂「ソニックブーム」現象を引き起こし、納屋の窓ガラスが破損する事態が発生していることについて、政府は承知しているか。

9 前記二の8の窓ガラス破損の損害補償は誰が、どのように行うのか。

10 「島根あさひ社会復帰促進センター」周辺地域に設置されている「あさひ子ども園」の園児たち、先生たちに体が動かなくなるような恐怖を与えているという現状を政府は承知しているか。

11 米軍の訓練によって引き起こされている問題について、政府は、米国又は米軍とどのような協議を行っているか。

12 米軍の訓練によって引き起こされた前記二の7から10の現状について、政府はどのような対策をとったのか、明らかにされたい。

13 政府は、米軍に対して、エリア567における訓練を行わないよう求めたか。政府の求めに対し、米軍はどのような回答であったのか、明らかにされたい。

14 政府が、米軍に対して、エリア567における訓練を行わないよう求めていないのであれば、今後、米軍に対してどのような対応をとる予定か、明らかにされたい。

三 エリア567に該当する自治体の取組について

1 米軍によって実施された低空飛行訓練による被害の発生を受け、当該地域の自治体である、浜田市は騒音測定機を設置し、島根県も県の予算で騒音測定器を設置したことを政府は承知しているか。

2 前記三の1について承知しているのであれば、必要となった予算に対して、国から何らかの支援があってしかるべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

3 「島根あさひ社会復帰促進センター」周辺の公共施設の防音工事を政府の責任ですべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

四 エリア567における今後の訓練実施について

1 エリア567を含む中国山地付近は、米軍の、いわゆる「ブラウン・ルート」となっていることにつ

 いて、政府は承知しているか。

2 エリア567において、通称「オスプレイ」が飛行又は訓練をすることについて、政府は承知しているか。

3 日米合同委員会が、一九九九年一月十四日に公表した「在日米軍による低空飛行訓練について」という協議事項については、その後、どのように協議されたか、明らかにされたい。

五 二〇一七年の岩国基地へのF35戦闘機の配備について

1 二〇一七年に岩国基地へF35戦闘機が十六機配備される計画については、岩国市以外のどの自治体にどのような説明がなされているか、明らかにされたい。

2 F35戦闘機の配備によって、訓練内容や騒音がどのように変化するのか、政府の見解を明らかにされたい。

3 配備計画の提示について、政府はどのような要請を米軍に対して行ったか、明らかにされたい。

  右質問する。

答弁書

答弁書第四五号

内閣参質一八三第四五号

  平成二十五年三月十二日

内閣総理大臣 安倍 晋三   

       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員福島みずほ君提出島根県西部地域における米軍による低空飛行訓練に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

   参議院議員福島みずほ君提出島根県西部地域における米軍による低空飛行訓練に関する質問に対する答弁書

一の1について

 自衛隊の訓練/試験空域である第七空域は、島根県西部、広島県西部及び山口県東部の上空にまたがって設定されている。

一の2について

 米軍が「エリア五六七」と呼称している空域は、自衛隊の訓練/試験空域であるQ空域と同一の空域であると承知している。これは、島根県西部、広島県西部及び山口県東部の上空を含むが、第七空域とは異なる高度に設定された別の空域である。

二の1から6まで及び四の2について

 米軍がQ空域を含む自衛隊の訓練/試験空域において訓練を行う場合、当該訓練を行うことは事前に承知しているが、いかなる種類の航空機を使用するかを含め、当該訓練の内容は承知していない。

二の7について

 防衛省中国四国防衛局において、島根あさひ社会復帰促進センター等から、米軍機の飛行時に振動探知センサーが反応したとの苦情を受けた事実はある。

二の8及び9について

 平成二十五年一月十五日、米軍機一機が島根県浜田市旭町上空を飛行した後、同町内に所在する納屋の窓ガラス一枚が破損したとする損害賠償請求書を防衛省中国四国防衛局長が受理した事実はある。

 お尋ねの「損害補償は誰が、どのように行うのか」については、現時点においては、当該窓ガラスの破損の原因が確定していないため、お答えすることは困難である。

二の10について

 防衛省中国四国防衛局において、認定こども園あさひ子ども園から、米軍機の飛行に伴う騒音等により園児等が恐怖心を抱いているとの苦情を受けた事実はある。

二の11から14まで及び四の3について

 米国政府とのやり取りの詳細について明らかにすることは、同国との関係もあり、差し控えたいが、政府としては、低空飛行訓練を含む米軍の飛行訓練について、従来から、米側に対し、関連する日米合同委員会合意を遵守し、安全確保に万全を期するよう申入れを行ってきているほか、地方公共団体等から米軍機の飛行について苦情を受けた場合には、米軍に対しその内容を通知するとともに、当該飛行の有無等について、事実関係を把握し、当該地方公共団体等に情報提供している。米軍も、安全面に最大限の配慮を払うとともに、地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう努めている旨明らかにしている。政府としては、今後とも、米側との間で必要な協議を行っていく考えである。

三について

 島根県及び浜田市において、米軍機の飛行に伴う騒音等の現状を把握するため、騒音測定器を設置していることは、政府として承知している。

 政府としては、地域の状況を踏まえつつ、どのような対応ができるか検討を行ってまいりたい。

四の1について

 米軍は、飛行訓練の目的達成、飛行の安全確保、住民への影響抑制等の必要性を安定的に満たすとの観点から、一定の飛行経路を念頭において飛行することがあること、及び最大限の安全を確保するため飛行訓練を実施する区域を継続的に見直していることは承知しているが、具体的にどのような経路を飛行しているのか等の詳細については、政府として承知していない。

五について

 政府としては、米海兵隊が公表している「MARINE AVIATION PLAN」において、二千十七米国会計年度に十六機のF―三五を岩国飛行場に配備するとの計画が記述されていることは承知している。米国政府とのやり取りの詳細について明らかにすることは、同国との関係もあり、差し控えたいが、当該計画の内容については、同国政府から説明を受けておらず、地方公共団体に対してもその旨説明しており、また、お尋ねの「訓練内容や騒音がどのように変化するのか」については、お答えすることは困難である。

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