QUESTIONS質問主意書

第189回国会 「「積極的平和主義」の認識に関する質問主意書」(2015年9月10日)

質問主意書

質問第二八一号

「積極的平和主義」の認識に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年九月十日

福島 みずほ   

       参議院議長 山崎 正昭 殿

   「積極的平和主義」の認識に関する質問主意書

 平和学の第一人者と言われる、ノルウェーのヨハン・ガルトゥング博士は、「積極的平和」を唱えている。単に戦争のない状態を平和と考える「消極的平和」に対して、貧困・抑圧・差別などの構造的暴力がない状態を平和ととらえ、「積極的平和」と定義している。右の点を踏まえ、以下質問する。

一 積極的平和の定義について、日本政府もガルトゥング博士と同じ考え方か。

二 前記一に関して、もし異なる部分があるとすれば、どの部分がどのように異なるのか。

三 前記一に関して、ガルトゥング博士の考え方と異なる部分がある場合、なぜ、ガルトゥング博士によって確立された定義と異なる考え方を持つのか。

四 岸田外務大臣は二〇一五年三月十七日の参議院予算委員会において私の質問に対して「積極的平和主義ですが、今やテロ、サイバー、宇宙など、脅威が容易に国境を越える時代となりました。もはや一国のみでは自らの平和や安定を守ることはできません。自国の平和と安全を守るためには地域や国際社会の平和や安定を確保しなければならない、こういった考え方に基づいて積極的に貢献していく、こうした取組を積極的平和主義と呼んでおります。」と答弁した。

 これはガルトゥング博士と同じ定義か。違うとすれば、どの部分がどのように違うのか。また、違うとすれば、その理由は何か。

五 ガルトゥング博士は二〇一五年八月に来日した際、「参院で審議中の安全保障関連法案は、平和の逆をいくものです。成立すれば、日本は米国と一致協力して世界中で武力を行使していくことになるでしょう。そうなれば、必ず報復を招きます。日本の安全を高めるどころか、安全が脅かされるようになります。」(二〇一五年八月二十六日付け朝日新聞)と厳しく批判している。同博士の批判について、日本政府の見解如何。

  右質問する。

答弁書

答弁書第二八一号

内閣参質一八九第二八一号

  平成二十七年九月十八日

内閣総理大臣 安倍 晋三   

       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員福島みずほ君提出「積極的平和主義」の認識に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

   参議院議員福島みずほ君提出「積極的平和主義」の認識に関する質問に対する答弁書

一から四までについて

 御指摘の平成二十七年三月十七日の参議院予算委員会における岸田文雄外務大臣の答弁における「積極的平和主義」は、国家安全保障戦略(平成二十五年十二月十七日閣議決定)において、我が国の国家安全保障の基本理念として掲げているものであり、同戦略においては、「国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、我が国の安全及びアジア太平洋地域の平和と安定を実現しつつ、国際社会の平和と安定及び繁栄の確保にこれまで以上に積極的に寄与していく」としているところである。政府としては、御指摘のような「積極的平和」という概念を使用しているものではないが、「積極的平和主義」の下での具体的な取組としては、国際社会における人権擁護の潮流の拡大への貢献や、貧困削減、国際保健、教育、水等の分野における取組の強化などが含まれており、御指摘の「積極的平和」の考え方と重なる部分も多いと考えている。

五について

 私人の個人的見解の一々について、政府として論評することは差し控えたい。なお、「日本は米国と一致協力して世界中で武力を行使していくことになる」などということはない。

MENU