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2024.4.4 法務委員会での質疑 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

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○福島みずほ君
立憲・社民の福島みずほです。
先ほどもありましたが、裁判所事務官を四十四人増員すると、そのうち、共育てのための、国家公務員の子供の共育て推進等図るために五人増員という説明がありました。
子供の共育て推進の五名というのはどういう意味でしょうか。

○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君)
お答えいたします。
今回、増員をお願いしております裁判所事務官の増員四十四人のうち五人につきましては、国家公務員の子供の共育て推進等を図ることを増員の理由としていることは委員御指摘のとおりでございます。
裁判所におきましては、仕事と育児の両立支援制度の利用促進や育児休業からの復帰後の支援等を行うことにより、職員の多様な働き方と子育ての両立支援、いわゆるワーク・ライフ・バランスの推進を図っていく必要があることから、平成二十七年度以降、国家公務員のワーク・ライフ・バランス推進のための増員を認めていただき、その取組を行っているものでございます。令和六年度につきましても、引き続きこの取組を継続していく必要があるため、事務官五人の増員をお願いしているところでございます。
なお、今年度お願いしております五人の増員につきまして、これまで増員を認めていただいた分と合わせて必要な部署に適切に配置することで、制度の趣旨に従った支援等が図られるものと認識しているところでございます。
今後とも職員の多様な働き方と子育ての両立支援が図られるよう努めてまいりたいと考えております。

○福島みずほ君
全国津々浦々にではないですか、裁判所があると。その中で五名の増員というのは足りるんでしょうか。
質問です。
全司法の方から、もし仮に民法で共同親権も認められ、そうすると裁判所の中の役割がすごく大きくなります。そうすると、それに的確に対応するだけの人的資源、ヒューマンパワーが足りないという意見書が出ております。足りないんじゃないですか、どうですか。

○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君)
お答えいたします。
裁判所の職員、裁判官を含めた職員の人的体制ということにつきましては、事件動向その他を総合的に考慮して定めていると、検討しているというところでございます。
現状、事件動向を見ますと、事件数はおおむね落ち着いた状態にあるということもございます。現時点において裁判官について今年度増員をお願いする必要はないというふうに考えたところでございますし、一般職員についても今回お願いしているような増員で足りるというふうに考えたところでございます。
今後の民法の改正等を踏まえまして、また引き続き必要な人員体制については考えてまいりたいというふうに考えております。

 

○福島みずほ君
司法試験の合格者は非常に増えていまして、弁護士の数はとても増えています。しかし、裁判官って余り増えていない。
それは、先ほども、事件数が横ばいというか安定している、あるいは減っているからだというんですが、私は、ある意味悪循環じゃないか、つまり、裁判所に持っていってもある種どこか機能不全、うまく解決付かなかったり時間が掛かる、だから裁判所に持っていかない、だから裁判所の件数は減っているしという悪循環もあるんじゃないか、三権分立の一翼を担う司法が大きな役割を果たすことはとっても重要だというふうに思っております。
むしろ、裁判官はやっぱり忙しいという話はもうずっと聞いていますので、裁判官あるいは様々な裁判所で働く職員の数を増やして、むしろ裁判所の機能強化に大きく踏み込むべきではないですか。

○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君)
お答えいたします。
裁判所に対する期待というものが大きいということについては、私どもも認識しているところでございます。
繰り返しになりますが、裁判所といたしましては、裁判官その他の職員に関する人的体制を検討するに当たっては、事件動向あるいは事件の性質等を総合的に考慮しながら検討してまいるということでございます。
事件数だけではなくて、そういったいろいろな考慮ももちろん、事件の内容等も踏まえまして検討していくことになりますので、今後の状況を見ながら必要な体制について検討してまいりたいと考えております。

○福島みずほ君
弁護士の数はとても増えているのに、裁判所、裁判官の数が増えないことでいびつになっているのではないかというふうに思っております。
訟務検事と裁判官の交流についてお聞きをいたします。
これは、この五年間において現職の裁判官で訟務検事、つまり国の代理人をやった人のリストを出してくださいと頼み、三十八名、この五年間で訟務検事をやり、今現在裁判官をやっている人のリストを出していただきました。今後、この人たちがどこで働いているのかということも含めてしっかり調査をしたいと思います。
訟務検事をやった人で行政部あるいは行政集中部に行った人のリストを出してくださいというのはちょっと出していただけなかったんですが、この問題についてお聞きをいたします。
弁護士は、倫理研修で、利益相反かどうかというのは厳しい倫理研修を受けます。利益相反しちゃいけないとか、同じ法律事務所でほかの人が受けているのでどうかとか、この例はどうか、この例はどうかという倫理研修などを受けます。
訟務検事なんですが、やはり国の代理人を長く務めてきて、じゃ、今後は行政部の裁判官で、じゃ、同じような事件を担当する、あり得ますよね。原発の裁判の代理人やっていて、原発の裁判のまさに裁判長をやるとか、いろんな例がある、同じような種類のがある。生活保護しかり、あらゆることでこれは指摘をされています。
ですから、やっぱりこれは問題ではないか。つまり、利益相反、弁護士倫理も利益相反したから問題じゃないんですよ。利益相反と思われることが問題なわけで、かつて判検交流がありましたが、なくなりました。検察官と裁判官、交流していたのをやめました。これは、いや、立場でちゃんと交流するから問題ないと言ってきたけれど、判検交流はなくなったわけです。
しかし、国の代理人を長く務めていて向こう側の被告席にいた人間が、同じような事件、同種の事件とかも特にそうですが、裁判長で座ったら、それはもう本当に原告は、いや、これはもうちょっと利益相反というか、公平性が客観的に担保できるかというふうに思います。
私は、訟務検事、それから、として裁判官を使うことはやめたらいいと、この三十八人というか、優秀な裁判官引っ張ってきて国の代理人をやらせるのはやめさせるべきだと思います。
でも、一万歩譲って、第一歩として、行政部に行く、行政集中部に行く、何が行政部かというのは、例えば東京地裁では二部、二民、三民、三十八民、五十一民とか全部分かっていますから、行政裁判は担当させない、これをやるべきだと思いますが、いかがですか。

○最高裁判所長官代理者(徳岡治君)
お答え申し上げます。
各裁判所における裁判官の配置につきましては、下級裁判所事務処理規則に基づきまして各裁判所において決定をしております。国の指定代理人として活動していた者が裁判官に復帰した後の各裁判所における配置につきましても同様に、各裁判所において個々の裁判官の経験や能力、当該裁判所の事件状況など個別具体的な事情に応じて決定するものですから、裁判官の配置につきまして御指摘のような一律の基準を設けることはなかなか難しいと考えております。
なお、一般論として申し上げますと、事件が分配された裁判体においては、個別具体的な事情を踏まえて裁判の公正を妨げるべき事情がある場合には、当該事件の回避をしたり、あるいは当該事件の分配を変更するなどして、公正な裁判が行われるよう適切に対応しているものと承知をしております。

○福島みずほ君
いや、同種事件やそういうのがあるじゃないですか。長く国の代理人やっていて、じゃ、国を負かす判断が出るのかどうか。これは、いろいろな弁護士が分析をして、やっぱりあるときからある種の裁判が負けるようになったと。これやっぱり訟務検事を担当した人間が裁判官になっていることが大きいんじゃないかという意見を聞いたりしております。
判検交流なくしたんですよ、裁判官と検察官が交流することはやめた、入れ違いになることはやめた。だとしたら、ここもやめるべきではないかというふうに思っております。せめて行政部に行くことはやめてほしい。訟務検事という制度そのものを、訟務検事制度そのものをやめてほしいと思いますが、少なくとも行政部に行って、今まで、昨日まで国の代理人やっていて、今日から裁判官という、これから裁判官というのは、それはやめていただきたいと思います。
今後もこれについては何度も質問しますが、是非判検交流をやめた英断をここにも適用していただきたいと思います。
次に、大川原化工機事件についてお聞きをいたします。なぜ起訴を取り消したんですか。

○政府参考人(松下裕子君)
お答えいたします。
お尋ねの事案につきまして、東京地方検察庁におきましては、令和三年七月三十日に公訴を取り消しましたが、その理由についてもその当時公表しておりまして、公訴事実記載の噴霧乾燥機が軍用の細菌製剤の開発、製造若しくは散布に用いられる装置又はその部分品であるもののうち省令で定める仕様の噴霧乾燥機に該当するということについて、公訴提起後、弁護人の主張等を踏まえて再捜査を実施した結果、その該当性に疑義が生じたことなどの事情を考慮したという理由を公表しているものと承知しております。

○福島みずほ君
つまり、噴霧機で完全に温度が高くならず、完全に殺菌できない。つまり、これを兵器として転用することはできないことが証拠から、実験から明らかになったわけですが、このことは捜査のときの供述などでもはっきり出てきています。あるいは、そういう実験を警察はやっておりますが、それが極めて不十分だった、ちゃんと当該の人や、その大川原化工機の人たちの意見を聞いてちゃんとやっていたら、こんな冤罪、冤罪ですよね、起こさなかったわけですよね。それについてはいかがですか。

○政府参考人(松下裕子君)
先ほど申し上げましたとおり、御指摘の事件につきまして、検察当局においては、公訴提起後の弁護人の主張等を踏まえて再捜査を実施した結果、要件該当性に疑義が生じたので公訴を取り消したということを公表しているものと承知しておりますけれども、それ以上の個別の事件における証拠の内容や評価に関わる事柄につきましては、法務当局としてお答えすることは差し控えさせていただきたいと存じます。

○福島みずほ君
明確に弁護人が主張している、被告人たちが主張しているような、だから、実験やれば、それは無理だと、これは該当をしないということが明らかになったので起訴を取り消したわけですよね。無罪判決でもないですよ。起訴した検察官が、公判、これは検事がやったわけですが、起訴を取り消したわけですよね。
これ、明らかに問題があったということじゃないんですか、捜査に。警察そして検察、いかがですか。

○政府参考人(千代延晃平君)
お答えいたします。
お尋ねの件につきましては、公訴が取消しとなったということは、結果として立証が尽くせていなかったということであると認識をしており、真摯に受け止めております。
捜査は、法と証拠に基づき緻密かつ適正に行われるべきものであり、その旨徹底してまいりたいと考えております。

○政府参考人(松下裕子君)
お答えいたします。
東京地方検察庁におきましては、公訴を取り消した際、起訴時点ではその時点での証拠関係を前提に起訴相当と判断したものであるが、結果的に後に要件該当性に疑義が生じたことは反省すべき点と考えている旨をコメントしておりまして、また、一般論として申し上げれば、検察当局においては、公訴取消し等を行った場合には、当該事件における捜査、公判活動の問題点を検討し、必要に応じて検察官の間で問題意識を共有して、今後の捜査、公判の教訓としているものと承知をしております。

○福島みずほ君
何を共有しているんですか。

○政府参考人(松下裕子君)
一般論としてということで先ほど申し上げたところですけれども、若干繰り返しになりますが、公訴取消し等を行った場合におけるその事件の捜査、公判活動の問題点を検討し、その内容に応じて検察官の間で問題意識を共有しているというところでございますが、本件に関してということで申しますと、現在、国家賠償請求訴訟が係属中でもありますし、個別事件における検察当局の活動に関わる事柄でもございますので、お答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。

○福島みずほ君
国家賠償請求訴訟で詳細に論じられていますよね。検察、まあ警察も問題だが、検察も問題だった、あるいは、今現在、証拠の捏造があったんじゃないか、取調べにも問題があったんじゃないか、いろんなことも指摘されています。でも、決定的なのは、法令の適用と、それから、これで細菌を完全に殺菌できないということが明確であるにもかかわらず、にもかかわらず突っ走って起訴をして長期間勾留し、こういう被害を与えたということだと思います。
先日、古庄議員と、それから鈴木宗男議員も質問された人質司法についてお聞きをいたします。
自白した場合と否認した場合の保釈率の違いです。自白した場合は約七一%の人は一か月以内に保釈が認められ、否認の場合は六か月でようやく七四%。
通常第一審における終局人員のうち保釈された人員の保釈の時期、地裁、令和三年ですが、自白の場合は三分の一が保釈されるが、否認の場合は四分の一しか保釈をされない、しかもその割合が、自白をしている場合は、保釈をされている三分の一のうち八割が釈放の日が第一回公判期日の前であると。しかし、否認している場合は、四分の一しか保釈されないが、そのうちの四五・九%にしかすぎないと。第一回公判期日の後、否認しているケースはようやく五三・七%ということで、極めて、自白している場合と否認している場合と違います。
そもそも、被疑者、被告人は無罪の推定があり、本来なら被疑者の段階で起訴前保釈が認められるべきだと思います。トランプ大統領は、逮捕をされましたけれど、次の日に釈放され、無罪を主張しています。これが通常の姿だと思います。無罪を主張して無罪で争うときに、攻撃、防御を尽くさなくちゃいけなくて、それが罪証隠滅の可能性がある、おそれがあるとされたら、本当に被疑者、被告人、闘えないですよ。無罪の立証が本当にできないですよ。
捕まえて勾留をして、そして自白をしなければずうっと勾留し続けるというのは、まさに被疑者、被告人の無罪の推定、拘束は極めて例外的でなくちゃいけないということに明白に反するんじゃないですか。

○政府参考人(松下裕子君)
お答えいたします。
被告人の保釈は、個々の事案ごとに保釈の要件に照らして裁判所又は裁判官において判断される事柄でございまして、法務当局としてはお答えを差し控えざるを得ないということを御理解いただきたいと思います。
その上で、あくまで一般論として申し上げれば、被告人の供述態度は、罪証隠滅行為や逃亡することについての被告人の主観的意図を判断する資料として重要な意味を持つとの指摘があるものと承知をしております。(発言する者あり)

○福島みずほ君
時間を止めてください。(発言する者あり)

○委員長(佐々木さやか君)
御質問は。福島みずほさん、質問を。

○福島みずほ君
ちょっと、済みません、ちょっと質問時間があるので、どちらかにしてください。止めてくださっても結構です。(発言する者あり)じゃ、済みません、じゃ、質問は続けさせてください。そして、このことはまた大いにみんなで議論をしたいと思います。
ところが、今、それはやっぱり違いますよ。データからいっても明確に、否認している場合と自白している場合と明確に違うじゃないですか。ここまで明らかなんですよ。とりわけ、執行停止中にがんで亡くなった相嶋さんのことについてお話をします。
二〇二〇年九月、貧血を発症し、黒い便が出る。十月一日、検査で胃に大きながんを発見、弁護人が外部病院での診療を拘置所に申し入れたが、聞き入れなかった。十月十六日、八時間だけの勾留執行停止、大学病院で進行性がんと診断、保釈請求したが、検察は罪証隠滅のおそれがあると主張し、東京地裁も却下した。十一月五日、勾留執行停止中に病院で、ただもう手遅れで、車椅子状態、抗がん剤も使用できないという状況で、二〇二一年二月に被告人のまま勾留執行停止中に亡くなるということです。
保釈請求は八回です。自白しないから拘束し続けて、保釈認めない問題もあります。でも、とりわけこの人はがんの告知まで受けているんですよ。大学病院で進行性がんとされていて、にもかかわらず、保釈請求が却下ですよ。これ、裁判所、そして検察官、保釈不相当とした検察官、妥当ですか。

○政府参考人(松下裕子君)
お答えいたします。
お尋ねは、個別事件における検察当局の活動や裁判官あるいは裁判所の判断に関わる事柄でございますし、また、現在、国家賠償請求訴訟が係属中でございまして、その中で検察官の公訴提起や勾留請求の国家賠償法上の違法性等についても審理の対象となっておりますことから、お答えすることは差し控えますが、なお、一般論として、検察官においては、個々の事案ごとに保釈……(発言する者あり)

○委員長(佐々木さやか君)
発言者の声が聞こえませんので、御静粛にお願いいたします。

○政府参考人(松下裕子君)
一般論として、検察官においては、個々の事案ごとに保釈の除外事由の有無を検討して保釈請求に対する意見を述べるなど、適切に対応しているものと承知をしております。

○福島みずほ君
誰が考えても不相当じゃないですか。何で、がんにかかっていて、がんとちゃんと、がんとちゃんとって変ですが、進行性がんだと認定されて、八回、何で保釈却下なんですか。これで保釈却下ですよ。がんだと分かっても保釈却下ですよ。外に出してもらえない。専門家に診てもらいたいと言っているのに、本当にこの人は気の毒だと思いますよ。
裁判所、たくさんの裁判官がこのケースに関わっています。大川原化工機事件の保釈の請求却下、二十三人とも言われていますが、これ問題はなかったんですか。問題だと思いますよ、余りにひどいと思いますよ。裁判所、どうですか。

○最高裁判所長官代理者(吉崎佳弥君)
お答え申し上げます。
保釈の判断につきまして、個々の事件における各裁判体の判断事項につきまして、最高裁判所の事務総局としてお答えすることは困難でございます。

○福島みずほ君
いや、おかしいですよ。
平成二十八年改正による刑事訴訟法なんですが、その判断に当たっての考慮事情として、保釈された場合に被告人が逃亡し又は罪証を隠滅するおそれの程度のほか、身体の拘束の継続により被告人が受ける健康上、経済上、社会生活上又は防御の準備上の不利益の程度その他の事情が明記されています。
無罪を主張しているんだったら、防御の準備が必要じゃないですか。無罪を主張している人間が、じゃ、罪証隠滅のおそれがあると言われたら防御できないですよ。
それから、この大川原化工機事件の場合は、明確にがんだと認定されているのに釈放しないんですよ。裁判所、おかしくないですか。何でここで見殺しにするんですか。何で検察官は保釈不相当って言うんですか。でも、これが実態だとしたら、変えなきゃ駄目じゃないですか。人質司法を変えなければならないですよ。誰だってこんな目に遭うかもしれない。こんな裁判、こんな裁判所の判断、検察官の判断、勾留ないですよ。勾留は例外的なのに、何でこの人、死ななくちゃいけなかったんですか。
そして、今日は、お手元に資料出ていますよね、ありますね。ヨーロッパ評議会が作成した、ヨーロッパ人権条約についてのヨーロッパ人権裁判所の判例についてのガイドというのがあります。
これは、拘禁継続の理由なんですが、保釈を拒否する四つの基本的な容認できる理由。被告人が公判に出頭しない危険性、被告人が釈放された場合、司法の運営を害する行動を取る危険性、更なる犯罪を犯す危険性、公の秩序を乱す危険性、これらのリスクは正当に立証されなければならず、これらの点に関する当局の推論は抽象的、一般的、固定的であってはならない、ステレオタイプであってはならないというふうに書かれています。こうあるべきじゃないですか。
罪証隠滅の相当な理由がなければならない、相当な理由や具体的なことがないといけない、証拠を破壊するといったようなことがはっきり認められない限り保釈認めるべきじゃないですか。裁判所、どうですか。

○最高裁判所長官代理者(吉崎佳弥君)
お答え申し上げます。
現在の刑事訴訟法の枠組みの中で、個々の事件における各裁判体の判断事項でございます。一般論として申し上げれば、被告人が無罪を主張している、あるいは否認していることのみによって罪証隠滅を、罪証隠滅する相当な理由が認められることではなく、それを含めた事案ごとの事情を勘案して判断されているものと承知しております。

○福島みずほ君
だからそれが問題でしょうと言っているんです。
自白している場合と、それからそうでない場合とで、全くデータが違う。争っていたら出れないんですよ、出さないんですよ。病気になっても、がんと認定されても、保釈認めないんですよ。こんなのおかしいじゃないですか。せめて、日本の条文、いや、日本の条文の運用に当たっても、せめてヨーロッパ人権裁判所の判例ガイドに沿って、具体性とかこういうことがあるということで認定してくださいよ。
法務大臣、検察官とか、今日聞かれていかがですか。
それから、これ、医療の問題もあります。
先ほども言いましたが、相嶋さん、十分な医療受けていないですよ。病気で大変な状況で、そして執行停止ですよ。この中で、がんの可能性がある、がんと認定ようやくされて、もうそのとき手遅れなんですよ。これ、拘置所の失態じゃないですか。

○国務大臣(小泉龍司君)
御指摘の点、また御指摘の事案、これは現在係争中でありますので、その点に直接お答えすることは差し控えたいと思いますが、まず一般論として、被収容者の健康の保持、これは拘置所を含む刑事施設の重要な責務であります。そして、この点を踏まえて、刑事施設においては、被収容者の健康状態に注意を払い、医師による診療や治療薬の処方等の必要な医療措置を講じているものと承知しておりますが、引き続き、先生御指摘の点も含めて、今後とも、改善を要する点がないかどうか、常に医療体制の見直しを図りながら、被収容者の健康管理にしっかりと努めていきたいと思います。

○福島みずほ君
大臣が、改善する点があればと言って、今後も検討すると言っていただいて、ありがとうございます。
この件は、明確に医療が問題だったんです。何でこの人はがんの治療を受けられなかったか。本人は望んでいますよ、専門医の診断が欲しいって。そんな診断受けられなくて、結局手遅れで亡くなっている。これは明らかに拘置所、収容施設の中の医療の欠陥ですよ。こんな形で死ななくちゃいけないというのは欠陥があると思います。
大臣におかれましては、被拘禁者の医療の問題について本当に取り組んでくださるよう強く求めて、質問を終わります。

※本議事録は未定稿です。

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