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186国会閉会中審査-参-厚生労働委員会-001号 2014年06月26日 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 まず、ノバルティス問題についてお聞きします。
 ノバルティス社はディオバンの臨床研究の奨学寄附金として、京都府立医大に三億八千百七十万円、名古屋大に二億五千二百万円、千葉大に二億四千六百万円、東京慈恵医大に一億八千七百七十万円、滋賀医大に六千五百五十万円を贈ったとされていますが、間違いないですね。

○政府参考人(原徳壽君) 昨年やっておりました第一回高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会でノバルティス社から提出された資料によりますと、御質問のとおりの奨学寄附金が提供されたと報告されております。

○福島みずほ君 この委員会でもずっと出ておりますが、巨額の寄附金、何億と寄附して、それを受けたら、その人たちのために論文書くじゃないですか。もうこんなのやめないと、誰も日本の臨床研究、信用しませんよ。
 臨床研究を法的規制の外に置いているのは日本だけです。臨床試験に関する法的規制を設けるべきだ、今日何人もの委員がおっしゃいました。私もそのとおり、秋を目途に法規制が出ますが、その場合、臨床試験への資金提供を目的とする奨学寄附金の禁止、後日の検証を可能にするためのデータ保管期間の設定、利益相反管理に関する具体的規制の法制化、企業から独立した臨床試験の実施を支援するための基金設立、とりわけ奨学寄附金の禁止、これをやるべきだと考えますが、田村大臣、短く答えてください。

○国務大臣(田村憲久君) 多く質問をいただきましたので、短くはなかなか難しいんですが、まず、法制化も含めて議論を、検討会で秋を目途に結論を出していただこうと考えております。
 その中において、基金に関しましては、国が強制的にやれという話になると、これは財産権の問題と絡んでくる話でございますので、やはり一定程度製薬メーカー等々に御理解をいただかなきゃならぬ、こういう問題だというふうに思います。
 あわせて、奨学寄附金に関しては、先ほども日本製薬工業協会の方で、奨学寄附金に関しては、これは行わないというふうな方向性をお決めをいただきました。当然、会員企業の方々がそれにのっとって対応いただけるというふうに我々は思っておりますので、それを見守らさせていただきたいと思っておりますし、全ての民間の研究費が全てが悪いというふうには思っておりません。そこに透明性というもの、一定のルールというもの、そういうものが必要であろうというふうに思うわけでございまして、全ての研究をまさか全て国がお金を出すというわけにはいかないわけでございますので、そういう意味からいたしまして、そこは透明性を担保して、国民の皆様方に臨床研究がこれは信頼があるというような形を我々としてもしっかりとつくっていただきたいというふうに考えております。
 あと、ちょっと何をお聞きになられたか分からないので、済みません。

○福島みずほ君 いや、大臣、違いますよ。京都府医大に三億八千百七十万円払って、そこでそういう論文が出てくるって、もう信頼性を失ってしまう。臨床試験への資金提供を目的とする奨学寄附金の禁止、法規制をきっちり打ち出すべきだ、日本はこれを踏み出すべきだということを申し上げます。
 以下に挙げる行為は、薬事法違反に当たりますか。
 一、降圧剤投与によって重篤な副作用が発生したにもかかわらず、国に報告しない。二、ライバル社の薬に比べて有利な結果が出るように研究者に対して評価項目の変更を働きかけたり、学会発表の際、有利な結果を示すよう原稿作成を肩代わりしたりして、その結果を広く宣伝する。三、長期服用によって、ある時点で突然ライバル社の薬に比べて効果が逆転するなど非科学的効果をうたい、ゴールデン・クロスなどと宣伝文句を使う。四、元々降圧剤であるにもかかわらず、糖尿病にも効くなど適応外の効用を宣伝する。
 いかがでしょうか。

○政府参考人(今別府敏雄君) 一般論としてお答えすれば、製造販売業者が重篤な副作用を国に報告をしないとか、虚偽又は誇大な記事の広告等を行うとか、あるいは承認を受けていない医薬品の効能、効果等について広告を行うということは薬事法違反に該当いたします。
 ただし、御指摘の武田薬品の事案が薬事法違反に該当するかどうかというのは、先週の報告書、あるいは今後発表予定の京都大学の調査結果を十分に精査をいたしまして、また我々も独自に事実関係の聴取を行って、その結果を踏まえて判断をしたいと考えております。

○福島みずほ君 今日は検察と警察に来ていただきました。
 ノバルティス社、武田薬品の問題、これは個別事案ですが、冤罪を生んでは絶対にいけません。しかし、厳正に対処する、そしてきちっと構造にまで踏み込んでメスを入れるということでよろしいでしょうか。

○政府参考人(上冨敏伸君) 捜査機関の活動内容に関わる事柄につきましては、お答えを差し控えさせていただきます。
 一般論として申し上げれば、検察当局におきましては、法と証拠に基づきまして、刑事事件として取り上げるべきものがあれば適切に対処するものと承知しております。

○政府参考人(宮城直樹君) お答え申し上げます。
 個別具体の事案につきまして警察が捜査をしておるかおらないか、あるいはするのかということにつきましては、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
 ただ、一般論として申し上げますれば、警察といたしましては、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づきまして厳正に対処すると、このように考えておるものでございます。

○福島みずほ君 冤罪を生んではいけませんが、個別の事案、個別の被疑者、被告人ではなく、構造的な問題にまで、法と証拠にのっとって必要であればしっかりそれにメスを入れてくださるよう要請をいたします。
 では次に、私も、今日、日比谷の野外音楽堂に行きまして、精神科病棟転換型居住系施設の問題についてお聞きをいたします。
 同じ精神病院の敷地内で暮らすというのは、これ精神病院からの転院ではないですよね。そして、精神病に関しては九七%が医療費、そして三%しか地域支援やっていないんですね。もっと公共事業でそういうところに補助金出して、新たに精神病院の中に施設を造るのではなく、地域で暮らすということを厚生労働省としてやっていただきたい。いかがでしょうか。

○国務大臣(田村憲久君) これ、検討会で多くの方々に御議論をいただいてきている案件で、まだ結論が出ているものではございません。
 先ほど来、小池委員からのお話もありましたが、そこでずっと暮らすというのは、これはなかなか、それが地域移行かと、それはなかなか言えないところがあるんだろうと思います。
 私が先ほど申し上げたのは、地域に移行する途上において、すぐに地域に移行できる方は、それは当然御本人の意思で移行をしていただければいいわけでありますけれども、なかなか、長く病院生活をされて地域に出るのにも御本人自身も不安があられると、こういう場合において、そういう方々が、一定期間です、一定期間、そこで言うなれば地域に出るためのいろんな慣らし期間みたいな形で地域社会とのいろんな関係を結んでいただくというような意味で、しかも、ちゃんと開かれた状況で、環境として、これは病院ではないというような環境等々をしっかり整備していただくことは重要だと思いますが、そういうことも含めて、そのようなお考え方というものは、今検討会でいろんな御議論をいただいておるわけでございますので、検討会の様々な方々の御意見というものをいただきながら、最終的にいただいた結論をもってして我々としては適切な対応をしてまいりたいと、このように考えております。

○福島みずほ君 せっかく障害者権利条約を日本は批准して地域で暮らすと打ち出したわけですから、精神病院の中で、そこに新たに補助金立ててそこで暮らすというのではなく、地域で暮らせるように厚生労働省はやっていただきたい。七月一日、また審議会があると聞いておりますが、ゆめゆめこんなへんてこりんなものを導入しないように強く申し上げます。
 次に、ホワイトカラーエグゼンプションは産業競争力会議が執拗に推進しておりますが、中でも有力な旗振り役が、長谷川閑史武田薬品工業代表取締役と竹中平蔵さんです。これこそ、安倍内閣が成長戦略と位置付けている中で、これは今大問題になっております。また、戦略人材派遣会社大手の取締役会長は、利益相反の観点から雇用規制に公平公正な立場とは到底言えません。この二人は産業競争力会議委員として不適格ではないですか。

○大臣政務官(小泉進次郎君) 先ほど足立先生からも御指摘をいただいた点と同じ論点だと思いますが、この産業競争力会議は一企業の利益を追求するための場ではありません。産業の競争力の強化をどうやって高めていけるのかと、そういった観点から、国際展開、そして成長戦略、そういったことを御議論をいただいている場でありますので、一議員の偏った意見、また思いで偏った結論に導かれることはないと、そういうふうに考えております。

○福島みずほ君 偏っていますよ。
 竹中さんは、二〇一三年三月十五日の第四回産業競争力会議において、雇用調整助成金を大幅に縮小して労働移動に助成金を出すことは大変重要、是非大規模にやってほしい、今は雇用調整助成金と労働移動への助成金の予算額が千対五ぐらいだが、これを一気に逆転するようなイメージでやっていただけると信じていると発言しています。
 この発言内容は現実となり、解雇回避のための雇用調整をした事業主を支援する雇用調整助成金は、二〇一三年度の千百七十五億円から半額になり、一方、転職する場合の費用などを助成する再就職を誘導する労働移動支援助成金は五億七千万円から三百一億円に増加をしています。竹中さんが言っているとおり、あるいは自分がやっているところに利益誘導しているではないですか。
 自衛隊員の再就職の支援におけるパソナなど人材派遣会社の役割、契約実績、平成二十四年度と平成二十七年度の四年間で、パソナがやっていて六億四千八百万円ということで、防衛省、よろしいでしょうか。

○政府参考人(豊田硬君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、防衛省におきましては、任期制自衛官の再就職支援の一部を民間委託しているところでございますけれども、平成十九年度から平成二十三年度までは別の会社でございましたが、平成二十四年度以降は株式会社パソナに委託し、契約額は約六億四千八百万円でございます。これは四年間分を一括して契約したものとなっております。

○福島みずほ君 国家公務員の早期退職募集制度に伴い、パソナが一社独占で再就職支援民間企業に選ばれております。これは、二〇一四年予算は五千百八十四万円に膨らんでいるということでよろしいですね。

○政府参考人(小河俊夫君) お答え申し上げます。
 内閣府官民人材交流センターにおいて実施しております再就職支援でございますが、早期退職募集の希望者に対しまして、そのうち再就職支援を希望する者に対して行っているものでございまして、昨年十月から実施しておるものでございます。これにつきましては民間の再就職支援会社を活用したものでございまして、この会社につきましては、二十五年度及び二十六年度、それぞれ入札を行いまして決定したものでございまして、いずれも株式会社パソナに委託し、実施しておるものでございます。

○福島みずほ君 パソナはすごい食い込んでいるじゃないですか。国家公務員の早期退職募集制度、それから自衛隊員の再就職の支援、やっているんですよ、こういうのを。しかも、自分たちが言って、ビジネスチャンスが広がるような方向で産業競争力会議でやっている、これは全く不適格だと思います。
 大臣、これ衆議院でも聞かれておりますが、大臣は、大臣として、大臣のときに、去年二月、パソナの迎賓館、仁風林に行って講演をされていますね。南部社長と面識があるので講演をしたということなんですが、講演は、タイトルは何なんですか。

○国務大臣(田村憲久君) 社会保障に関してだったというふうに認識いたしております。ゲストスピーカーとして講演をさせていただいた記憶があります。
 誤解を招かないように申し上げておきますが、一切、私、パソナから政治献金、パーティー券購入していただいておりません。南部さんとは顔なじみではありますけれども、それほど深いお付き合いということでもございませんし、そのとき来られた方々は、マスコミ関係者でありますとか、大使館の方々もおられました。他党の元国会議員の方々もおられました。そういう意味では、決して、何かいかがわしく思っておられるとすれば、そういうことはない会でございますので、御理解いただければ有り難いというふうに思います。

○福島みずほ君 でも、李下に冠を正さずとあるじゃないですか。派遣の問題は去年二月、委員会でもすごく論争がありました。派遣法を、しかも通常国会に出して廃案になりましたけれど、またパソナが産業競争力会議で、しかもいろんな業界に食い込んでいると。
 私は、今日、小泉政務官が答弁されたけれど、武田薬品の長谷川さんも竹中平蔵さんも不適格だと思いますよ。少なくとも、不適格だと思われているにもかかわらず、こういう人たちに旗振り役をさせて雇用を壊したら駄目ですよ。ホワイトカラーエグゼンプションは年収千万以上というけれど、彼ら、年収千万以上の人は結構残業をたくさん……

○委員長(石井みどり君) 時間を過ぎておりますので、質疑をおまとめください。

○福島みずほ君 はい。
 残業をしております。この間、過労死防止推進法が成立しましたが、代表の寺西さんの夫は飲食店チェーン店の店長さんですよね、そして中原さんの夫は小児科医、そしてある方の息子さんはIT、ホワイトカラーでみんな亡くなっているんですよ、過労死で。ホワイトカラーエグゼンプション、産業競争力会議、この人選はしっかり、国民から支持得ませんよ、こんなことやっていたら。ということを申し上げ、私の質問を終わります。

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