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予算委員会2015年2月3日 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

予算委員会201523

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。

 まず、沖縄についてお聞きをいたします。

 総理、なぜ翁長県知事と会わないのですか。

 

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨年、内閣改造、そしてまた、その後の総選挙等々がございまして、現在そういう機会がないわけでございますが、今までもしっかりと政府としては対応しておりますが、今後、翁長新知事あるいはそのスタッフと信頼関係が生まれていく中において対応していきたいと、このように考えております。

 

○福島みずほ君 翁長知事が上京したときの総理日程を調べました。会おうと思えば会える日程だと思います。仲井眞知事に対する対応と余りに違い過ぎるんじゃないですか。

 

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府としては、基本的にしかるべき対応を取っているところでございます。

 

○福島みずほ君 自分の見解と違う人とは会わないんですか。

 

○国務大臣(菅義偉君) 今回の面談要請については、日程の都合もありますけれども、沖縄関係について従前より担当する杉田内閣官房副長官が翁長知事には面談をいたしております。

 

○福島みずほ君 仲井眞知事のときと余りに違います。

 沖縄の新たな民意が示され、辺野古ノーの民意が示されました。なぜ、今、辺野古の海を埋め立てる工事を強行しているんでしょうか。いや、総理にお願いします。

 

○国務大臣(菅義偉君) これは、十九年前に日本と米国との間で、最も危険と言われる普天間の辺野古への移転が決定をしたわけであります。そして、それから三年後、十六年前に沖縄の県知事、そして名護の市長の合意を得た上で閣議決定をし、仲井眞知事によって一昨年の暮れに埋立ての許可をいただきました。

 一番この問題の原点というのは、住宅や学校に囲まれて市街地の真ん中にある普天間基地の固定化は絶対避けなきゃならない。危険除去が、これが大前提でありますので、このことについては政府も沖縄県民の皆さんとの共通の認識であります。米軍の抑止力の維持と普天間の危険性除去を考えたとき、唯一の解決策であり、法律に基づいて粛々と埋立てを今行っているということであります。

 

○福島みずほ君 名護市長選、名護市議選、そして統一地方選挙、沖縄県知事選挙、衆議院選挙、沖縄の民意は新基地建設ノーです。ノーの声がはっきり出ているのに、なぜそれを踏みにじるのか。新しい民意をなぜ受け入れないんでしょうか。総理。

 

○国務大臣(菅義偉君) 日本は法治国家でありますから、法律に基づいて許可をいただいたものでありますから、粛々とそこは埋め立てているということであります。

 

○福島みずほ君 法治国家ですが、民主主義国家でもあります。民意が示された。サンゴ礁の海を埋め立てて新基地造ることに沖縄の民意は明確にノーです。

 総理、なぜその民意を聞こうとしないんですか。

 

○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそも、先ほど菅官房長官からお答えをさせていただいたように、日本の要請によって、当時、橋本龍太郎総理大臣とモンデール駐日大使の間で普天間の移設が決まり、そしてこの移設先として辺野古が決定したところでございます。

 御承知のように、その後、二〇〇九年の総選挙において、当時の鳩山さんが最低でも県外と、こうおっしゃったわけでございますが、最終的に辺野古しかないという結論に至ったのでございます。

 我々は、一日も早い普天間からの移設、住宅、学校、病院等々、近接地にあるこの辺野古へ、普天間基地から辺野古への移設を実行したいと、こう考えているところでございます。

 

○福島みずほ君 今の総理の説明に沖縄の人たちは納得していないんですよ。それに明確にノーと言っているんですよ。

 私は、やっぱり地元の意見がこれだけはっきり示されているのに、なぜ民意がこれほどまでに踏みにじられるのか理解ができません。総理、どうですか。

 

○内閣総理大臣(安倍晋三君) つまり、辺野古への移設を取りやめれば普天間がそのまま続いていくということになるわけでございまして、そこでやはり米側と交渉した結果、辺野古ということが決まった。

 辺野古について言えば、まさに今普天間が持っている三つの機能があるわけでありますが、辺野古に移るのはオスプレイだけでございまして、空中給油機については全機、長い間の課題でございましたが、岩国基地に移ったわけでございます。また、緊急時の使用につきましても、県外への使用ということが決まっているわけでございます。

 面積においても、返還される面積の約三分の一になるわけでございますし、騒音に対する対応をしなければいけない世帯については、今一万世帯がその対象に普天間ではなるわけでございますが、辺野古に移る結果、それはゼロになるわけでございます。

 そういう意味におきましては、沖縄全体の負担は大きく減少すると、このように考えているところでございます。

 

○福島みずほ君 沖縄の人たちはそのことに納得していないですよ。だからこの選挙結果であり、ノーじゃないですか。ちゅら海に基地は要らない、新基地ですよ、移設なんかではありません。沖縄の民意をなぜ聞かないのか。

 今、けが人が続出しています海上保安庁の過剰警備、これ問題だと思いますが、総理、報告聞いていますか。

 

○国務大臣(菅義偉君) 辺野古への移設工事については、安全を確保しつつ粛々と今進めております。

 現場の警備については、安全確保と法令遵守の観点から、看過できない行為に対しては、海上保安庁、警察庁において法令に基づいて必要な範囲内で適切な対応を取るケースもあると聞いております。

 

○福島みずほ君 けが人が出ていることは聞いていらっしゃいますか。

 

○国務大臣(菅義偉君) そこについては、丁寧に警備をしているということでありますので、直接けが人がこのことによって出ているということは報告は受けておりません。

 

○福島みずほ君 けが人が出ています。こんな強行することでますますみんなの怒りは強まっています。日本は民主主義の国じゃないですか。なぜ地元の声を聞かない、なぜ踏みにじられる。しかも、新たな民意が示されたわけだから、それを聞くべきですよ。

 沖縄県は、仲井眞前知事による辺野古埋立承認について、有識者が検証を行う第三者委員会を一月二十六日に発足させました。検証委員会と沖縄県の結論が出るまで少なくとも工事を中断すべきではないですか、総理、総理。

 

○国務大臣(中谷元君) 本件につきましては、一月二十六日に安慶田副知事が沖縄防衛局を訪れまして、検証の間、この調査を見合わせる旨の要請がございました。

 しかし、この事業に係る公有水面の埋立申請につきましては、公有水面埋立法に基づく審査を経て沖縄知事から承認をされておりまして、これらの手続は既に関係法令にわたって適正に行われております。

 また、これまでの間、私たちは非常に丁寧に手続をいたしまして、例えば平成十九年方法書、平成二十年に環境現状調査、平成二十一年準備書、二十三年に評価書、これを手続を行いまして、沖縄県知事から計六度の意見を受けて適切に環境影響評価の内容に反映をいたしております。

 また、二十五年三月にこの埋立承認願書を知事に送付して十二月に承認を受けるまで、沖縄県知事から防衛局へ四度の質問がありました。これに対しても適切に回答を行いまして、このように手続には十分時間を掛けて沖縄からの意見を聴取するなどの手順を踏んでまいりました。

 

○福島みずほ君 県外と言った仲井眞知事が沖縄を裏切ったので、沖縄は新たに知事を選びました。そして、第三者委員会が立ち上がっているわけです。県がきちっと第三者委員会を立ち上げて、環境評価も含めて手続の瑕疵があるのではないかということも含めて調査をすると言っていることをなぜ聞かないんですか。その間も、今、がんがんがんがん毎日工事を強行している。嫌だと言っているのに、嫌だと言っているのに、力で、権力で強行する。これは本当に許せない、そう思います。

 防衛大臣、これ見直すべきじゃないですか。第三者委員会進行しているのに、まだやるんですか。

 

○国務大臣(中谷元君) これは先ほど総理も言われましたが、もう十九年間掛けまして国と沖縄県が話合いをしてきたものでございます。そして、やはり沖縄県の米軍基地の負担軽減、これも政府は誠実に取り組んでおります。片や一方、日本の安全保障、防衛、在日米軍のプレゼンス、抑止、これは非常に我が国にとって大事なことでございまして、その話合いの末、県知事から御了解をいただいたわけでございまして、防衛省といたしましては、この手続をすることによって、一日でも早く普天間飛行場の返還とキャンプ・シュワブへの移設に向けて引き続き全力で取り組んでまいりたいと思いますが、ここでまた混乱すると、またいたずらに日にちが過ぎてしまいます。一日も早く普天間飛行場を移設する、それが唯一の解決の手段であると私は思っております。

 

○福島みずほ君 新しい民意を全く受け入れない、民意を全く考えない、そのことに強く抗議をし、そしてこの工事を少なくとも第三者委員会をやっている間中断するように、改めて強く申し上げます。

 五月に安全保障法制についての法案、私は戦争法案と言っておりますが、出てくると言われております。総理、中身はどのようなものでしょうか。

 

○内閣総理大臣(安倍晋三君) さきの閣議決定の上に、国民の生命と財産、そして幸せな暮らしを守るための切れ目のない法案を現在検討中でございます。

 

○福島みずほ君 集団的自衛権の行使に関する新三要件、これは過不足なく条文に書き込むのでしょうか。

 

○内閣総理大臣(安倍晋三君) どのような条文になるかも含めて現在検討中でございます。

 

○福島みずほ君 去年七月十四日、衆議院の予算委員会で北側委員の質問に対して横畠内閣法制局長官は、これは、この中で、「過不足なく規定すべきものと考えております。」と答弁しております。これでよろしいんですね。過不足なく入れるんですね。

 

○国務大臣(中谷元君) 現在、私の下で法案の検討を行っておりますけれども、先般の閣議決定において、この新三要件、これを自衛隊法等の中にどのように規定するかにつきましては今検討中でございますが、この新三要件は憲法上許容される武力の行使の要件そのものであるので、実際の自衛隊の行動の法的根拠となる自衛隊法の中にその趣旨を過不足なく規定してまいりたいと考えております。

 

○福島みずほ君 集団的自衛権の行使は違憲です。違憲だと自民党も七十年近く言ってきました。違憲の法律は認められません。新三要件であろうがなかろうが、これは認められない、そのことを強く申し上げます。

 新たな立法なくして自衛隊を派遣できる恒久法を出すんですか。

 

○国務大臣(中谷元君) あくまでも七月一日の閣議決定に基づきまして法律を準備をいたしておりますが、あらゆる事態に対応し得る切れ目のない対応がこの中身でございまして、そういった部分で検討を進めてまいりたいと思っております。

 

○福島みずほ君 十九日の記者会見で、官房長官は恒久法に関して、恒久法は必要であると答弁をしていらっしゃいます。恒久法は必要で、出すということでよろしいですか。

 

○国務大臣(中谷元君) あらゆる事態に切れ目のない対応ができる法律になるように検討いたしております。

 

○福島みずほ君 官房長官の記者会見もあります。中谷さん、あらゆる場面に対応できるということは、新たな立法なくして自衛隊を派遣するということですか。

 

○国務大臣(中谷元君) 法律がないと自衛隊は行動できません。

 この閣議決定に基づいて法律を作るわけでございますが、与党間の協議、また、こういった国会での御議論を踏まえまして、しっかりとした内容にしてまいりたいと思っております。

 

○福島みずほ君 官房長官にお聞きします。

 十九日の記者会見で、特別措置法で対応するという考え方は考えていないと言って、要するに恒久法が必要だというふうに記者会見されていますが、それでよろしいですね。

 

○国務大臣(菅義偉君) 切れ目なく対応するということでありますから、そういうことであります。

 

○福島みずほ君 官房長官からは恒久法を作るという明言がありました。

 とすると、恒久法作るんですね。それでよろしいですね。恒久法を作るということは、国会の中で新たな法律が必要でない、大変なことですよ。

 では次に、その……(発言する者あり)いや、そうですよ。だって恒久法があるわけだから。

 そうしたら、その恒久法に関して、国会の原則として事前承認、場合によっては事後承認ということになるんでしょうか、中谷さん。

 

○国務大臣(中谷元君) その点につきましては、閣議決定の中に国会の関与という項目がございます。そういったことも踏まえて検討してまいります。

 

○福島みずほ君 国会の関与も様々です。

 恒久法を作る、これは明言ありました。恒久法を作る。新たな立法、特別措置法は要らない。とすると、国会の関与とは何ですか。

 

○国務大臣(中谷元君) 今回の法案は、そのような一般法、恒久法も含めまして、武力攻撃に至る前の対応、そして海外における自衛隊の活動、そしていわゆる集団的自衛権に関する内容等、幅広くございます。そういうのを一括して法案をいたしまして、その中で国会の在り方などは当然総合的に検討されることになるわけでございます。

 

○福島みずほ君 イスラム国への空爆など有志連合による軍事行動について、自衛隊による後方支援はしないというふうに総理は答弁をされました。

 またお聞きをいたします。

 後方支援、つまり今回しないということは分かりました。しかし、例えばこのイスラム国への空爆など、国連決議を伴わない有志連合による軍事行動について、自衛隊による後方支援は憲法上可能なのでしょうか。

 

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 後方支援は武力行使ではありません。その意味においては、かつて我々はインド洋における給油活動等々も行ってきたところでございます。

 

○福島みずほ君 ということは、後方支援、私は反対ですが、後方支援に関する自衛隊派遣恒久法みたいなのを作り後方支援するとする、米軍等に対する戦争の支援、後方支援だから武力行使じゃないという法律を作るとして、もし、今回はやらないとして、総理、イスラム国への空爆など有志連合による軍事行動について、自衛隊による後方支援、これは憲法上可能ですか。

 

○国務大臣(中谷元君) 個別の議論をされていますけれども、法律は一般的な原則をつくるものでございまして、この自衛隊の後方支援の活動については今検討しておりますが、大本は七月一日の閣議決定でありまして、我が国の支援活動は現に戦闘行為を行っている現場では実施しないということ、そして武力行使との一体化の問題が生じないことが担保された法律の支援活動であれば、場所のいかんにかかわらず憲法上の問題はないと。そして、いかなる場所で活動する場合であっても、これと同様に自衛隊の安全確保を行いつつ実施をするということでございます。

 

○福島みずほ君 後方支援という名の下に、実際は一体化、そして戦争することになるのではないか、大変心配をしています。

 総理、改めてお聞きします。総理はNHKのインタビューの中で、今回のイスラム国への空爆など有志連合による軍事行動への後方支援、それはあり得るというようなことを発言されているので、さっき後方支援は武力行使でないからできると答弁されました。とすると、総理の理解では、この有志連合に対する空爆への後方支援は、憲法上許されるんですか。

 

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 憲法上許されるかどうかについては、先ほど中谷大臣から答弁したとおりでございます。政策的には我々はこの有志連合への後方支援はやらないということは、明確に申し上げているとおりでございます。

 

○福島みずほ君 とすると、有志連合に対する空爆への後方支援も、一体化でなく戦場でなければできるということですか。

 

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど中谷大臣が述べたとおりでありまして、それが閣議決定でございます。言わば、戦闘の現場ではない、一体化していないということが条件でございます。

 そもそも、我々の考えている後方支援という定義については、これは武力行使ではないということでありまして、武力行使ではないという意味において、それは現場ではない、戦闘現場ではないということでございます。

 

○福島みずほ君 では、総理、イスラム国への有志連合による軍事行動についての後方支援、これが総理の理解で、自衛隊が戦場ではない、一体化ではないとすれば後方支援が可能だということでよろしいですか。

 

○国務大臣(中谷元君) まず、現在は法律がございませんのでそういうことはできません。仮に法律ができましたら、今の憲法で禁止されているのは武力行使でございまして、その武力行使に認められるようなこと以外の中においていかなる対応ができるかということを考えてまいりたいと思いますし、また、先ほど福島委員が言われました国会との関係、これも大変重要でございますので、それも検討してまいりたいと思います。

 

○福島みずほ君 総理は今回の空爆の後方支援はしないとおっしゃったわけですが、それは、憲法上できないからしないのか、政策上しないのか、どちらですか。

 

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 何回も申し上げておりますとおり、憲法上はまず、これは先ほど中谷大臣から申し上げたとおりでございます。そして、そもそも有志連合に対して自衛隊が後方支援するための法律もございませんからできないのは当然のことであろうと思います。

 その上において、今回、これから法改正を検討しているところでございますが、我々は戦闘現場ではない場所で後方支援することは、これは武力行使と一体化しない、つまり憲法違反ではないという考え方でございます。

 と同時に、また、政策的に、そういう法律が、もし可能となる法律ができたとしても、政策的にはそれは行わないということは申し上げているとおりでございます。

 

○福島みずほ君 大問題で、集団的自衛権の行使をする法律を出す、それから後方支援という名の下にそれができるようにする。しかし、イラク特措法における名古屋高裁判決は、大森四原則にのっとって、自衛隊がやった行為、航空自衛隊の空輸活動のうち、少なくとも多国籍軍の武装兵員をバグダッドへ空輸するものについては、これは他国による武力行使と一体化した行動であって、自らも武力の行使を行ったと評価を受けざるを得ない、仮にイラク特措法が合憲だとしても、イラク特措法と九条一項に違反すると言っています。

 これをぶち壊すのが今回の後方支援における、後方支援できるという立法になるんではないか、そう思っています。今までの日本の戦後の積み上げを壊すのか、そう思います。

 次に、イスラム国が活動するイラクやシリアなどの領域国が同意をすれば自衛隊の邦人救出が認められるが、法律を変えれば可能となると。法律を変えるというのは、法律を、そのことを考えているというのが答弁です。というのは、これは、自衛隊は邦人救出をするときに武力行使をするんですか、しないんですか。

 

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 武力行使は、これは、海外における武力行使は、これは一般にできないということは、これは明らかでございまして、その考え方には変わりがございません。

 

○福島みずほ君 どういう形で邦人救出するのか、それが自衛隊であってというのはちょっとリアリティーがないようにも思いますが、またこれについては続けて質問させてください。

 五月以降にこんなたくさんの法律が、しかも憲法に関わる重要な法案が出てくる、それに関して、やはりこういう違憲の立法は許されないというふうに思います。

 社民党は、テロに対し断固抗議をいたします。お二人の冥福を心から祈ります。

 イラク戦争は間違っていました。大量破壊兵器はありませんでした。市民が十万人以上殺され、そして憎悪と報復は拡大をしました。後藤健二さんは、戦争で犠牲になる、とりわけ子供たちのために活動をしてきた人です。後藤さんのお母さんは、憎悪と報復の連鎖を断ち切るべきだと言っています。

 日本はこの七十年間、海外で人を殺していません。これは日本の誇りであり、宝です。海外での武力行使や武力行使と一体化となりかねない後方支援をするのではなく、平和的手段でこそ日本は貢献すべきだと考えます。

 憎悪と報復の連鎖を断ち切るような活動をすべきだ。総理、いかがですか。

 

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 憎悪と報復の連鎖、これこそ断ち切らなければならないと、このように思うわけであります。我々は、中東地域において過激主義の台頭をこれは抑える。そしてまた、イスラムの人々こそこの過激主義と闘っている。彼らをしっかりと支援をしていくことによって、そうした報復、憎悪の連鎖を断ち切っていきたいと、このように考えております。

 

○福島みずほ君 イラク戦争を支持し、またこれから武力行使が海外でできる、あるいは後方支援ができる、そんな法律を出そうとすることは、憎悪と報復、むしろ武力によるのではなく平和的解決で、日本は海外で人を殺す国ではあってはならない、そう思います。

 ピケティさんの不平等社会についての講演を聞きに行きました。日本の安倍内閣の政策はこれと真逆ではないか。なぜか。非正規雇用が過去最高二千万人になっています。非正規雇用を減らす政策を取らなければならないのに、むしろ増やす政策です。派遣法の改悪法案、まあ改正法案、まあ改悪法案ですね、三度目に出てくると言われています。この法案の中には、一生派遣で可能とする、正社員の道を権利として保障していません。

 さっきから少子化についての議論がずっと続いていますが、雇用を壊して、ホワイトカラーエグゼンプションなどを入れて労働時間の規制を撤廃して、何で誰が子供を産むのか。年収が下がれば、誰も子供を産みません。

 非正規雇用を増やすこの労働者派遣法、真逆であると、不平等社会を打破することと真逆の政策であると思いますが、いかがですか。

 

○国務大臣(塩崎恭久君) 福島先生、お言葉でございますけれども、真逆という言葉は合っていないというふうに思います。

 今回、引き続いて派遣法の提案をしようというふうに考えておりますけれども、そもそも、これは他の労働法制と相通ずるわけでありますけれども、やはり多様な働き方の一つとして提案をしたいと思っていますし、そもそも正社員、正規の雇用と非正規と分けると六三%と三七%なんですね。非正規が三七%。全体の中で派遣というのが二%の働き方です。

 これに対して我々は、今回やろうとしていることは、今まで届出制が四分の三以上だった派遣業の人たちを今度は一〇〇%許可制にするということにして、二四%しか許可制じゃなかったものを今度は一〇〇%許可制にして、派遣の健全化、それから実効性、そして何よりも正社員化、処遇改善のための改正をやるわけで、言ってみれば。

 そしてもう一つは、大体同じぐらいの方々が派遣でいい、あるいは、派遣じゃなくてやっぱり正規になりたいという方々が派遣で働いていらっしゃる。したがって、正社員になりたい方には正社員になるような今までにない規制を入れ、そして処遇改善のために、派遣でもいいという方には処遇改善が進むようにそのための規制を入れて、許可制の下でしっかりと監督していくという法律でございます。

 

○福島みずほ君 塩崎さん、これ、法律の中に派遣社員が正社員になる道は書かれていないんですよ。一生派遣のままの法律作って、非正規雇用の数を増やして派遣会社を喜ばせて、何が不平等社会の打破かと思います。

 不平等社会の打破のためには雇用の安定が必要です。それに対して安倍内閣が出そうとしているのが派遣法の改悪、派遣を一生のまま可能とする、ホワイトカラーエグゼンプション、労働時間規制をなくせば労働時間は生きていけません。年収は下がります。少子化は進みます。法人税を下げ、消費税を上げる、こんな社会はまさに格差を拡大する社会で、不平等社会の打破とは全く一致しないと思います。この政策を変えるべく社民党は頑張ると申し上げ、私の質問を終わります。

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