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2026.3.9 東京高裁での陳述書(安保法制違憲訴訟・女の会) | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

陳述書(6)

東京高等裁判所 第22民事部 御中
2026年2月25日
控訴人番号87 福島みずほ
(参議院議員)

第1 はじめに

私は、弁護士であり、1998年参議院議員になり、憲法調査会、憲法審査会のメンバーを続け、参議院の法務委員会などを経て、現在参議院の外交防衛委員会に所属しています。
2015年安保関連法が国会で審議をされたときに、参議院の特別委員会の委員であり、質疑を行いました。
安保関連法は、集団的自衛権の行使を認めるもので、明確に憲法違反であり、また安保関連法が強行成立した後、今日に至るまで戦争のできる国から、戦争する国へ大きく変貌し、国会は、まさに憲法がないかのような状況になっています。 立憲主義の立場からこのことを変える必要があり、国会と司法の役割は極めて重大であり、立憲主義の最後の砦である司法の果たすべき役割は極めて大きなものです。 国会議員のひとりとして、裁判所がその役割を正しく果たすよう強く要望します。

第2 憲法破壊の動き

国会の中で憲法違反の法律が成立し、憲法が破壊されていっています。
1.2013年 秘密保護法成立
2.2015年9月19日 安保関連法が強行成立 集団的自衛権の行使を認める
3.2017年 共謀罪成立、施行
4.2021年 重要土地規制法成立
5.2022年 経済安保法成立
6.2022年 安保三文書閣議決定
7.2023年 防衛財源確保法、軍需産業強化法
8.2024年 ①経済秘密保護法・身辺調査法 ②自衛隊統合指令部の設置 ③次期戦闘機の輸出の閣議決定、次期戦闘機開発・輸出のための調整機関設置条約の批准 ④地方自治法改悪法 ⑤食料供給困難事態対策法 ⑥育成就労法・入管法改悪法
9.2025年 ①能動的サイバー攻撃防御法 ②学術会議改悪法

第3 国会無視の閣議決定など

憲法9条や憲法前文の平和的生存権を侵害し、憲法13条の幸福追求権と個人の尊重、憲法21条の表現の自由、報道の自由、知る権利、憲法23条の学問の自由、憲法24条の家族の中の個人の尊厳と両性の本質的平等、憲法25条の生存権、財政民主主義、自衛隊へのシビリアンコントロールなどを侵害することを閣議決定のみでやっています。

1 そもそも 安保法制の定めた内容は2014年7月1日にほぼ同様の内容で、まず閣議決定をされています。ここでは 「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」ということで、集団的自衛権の行使を容認しました。存立危機事態として、「わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から脅かされる明白な危険がある場合」とされました。
また、戦闘現場以外での支援を可能とし、弾薬の提供等も可能とし、後方支援活動の拡大をしました。また、米軍等の武器等防護もできるとしました。
先に閣議決定をして、そして2015年5月15日安保関連法を国会に提出し、9月19日参議院本会議で可決成立をしました。
平和安全法制整備法による10本の法律の改正(自衛隊法、武力攻撃事態法、重要影響事態法法、PKO法等)と国際平和支援法の新規制定です。
集団的自衛権については、上記「存立危機事態」に限る限定的なものと説明されました。政府による国会答弁では、いわゆる海外派兵は安保法制の下でも一般に許されないと言いつつ、法律上は他国の領域でも武力行使が可能な場合があるが、現在念頭にあるのは、ホルムズ海峡における機雷掃海のみなどと答弁をしました。
このように、まず、閣議決定をし、その中身を法律として強行成立しているのです。

2 閣議決定で、何でも決められると言うやり方は、安保三文書の制定でも顕著でした。
2022年12月16日、国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画の3つが閣議決定をされました。
安保法制で作った入れ物に、戦争のための体制・装備を具体的に盛り込んだのが安保三文書です。安保三文書の戦略に基づく指針と施策は、平和安全保障法制の制定等により整えた枠組みに基づいて、戦後のわが国の安全保障政策を実践面から大きく転換するものであると自から認めています(国家安全保障戦略)。
安保三文書は、戦争ができる国から、まさに戦争する国への戦争準備マニュアルであると言わざるを得ません。
最も重要な点は外国の領域で武力行使をすることと戦力の保持を認めたことです。
このように重要なことを閣議決定だけで決定しています。国会の関与はなかったのです。

3 安保三文書は、5年間で防衛予算を43兆円にすることにしていました。つまり、2027年にGDP 2%にすることを宣言していました。
ところで、防衛関連費をGDP 2%にすることを2027年度に達成するとしていたことを、高市首相は2025年10月24日の所信表明演説で2025年度中に2%水準の前倒し措置を発表しました。そして、臨時国会の補正予算で、実際合計11兆円の予算を実現をして2%水準を前倒しして達成させました。 補正予算案を提出する前から宣言をし、2年の前倒しを実現したのです。
ここでも、国会での議論は存在せずに、閣議決定や一方的な意思表明の後に後付けで国会へ提出されるだけでした。

第4 憲法がないかのような国会になっている

国会は憲法41条に基づく、国権の最高機関です。唯一の立法機関です。主権者である国民によって選ばれた国会だからこそ、最高機関であり、国会でのみ立法ができることが憲法で定められています。
にもかかわらず、憲法違反のことを閣議決定などで行い、既成事実として国会に提出し、国会で後付けで追認をする、まさに立憲主義が壊されていっています。
憲法99条に基づいて国務大臣も国会議員も憲法を尊重し擁護する義務があります。私たち国会議員は憲法に則って政治を行わなければならないのです。法律も最高法規である憲法に反してはなりません。
にもかかわらず、2015年9月19日に強行成立をした安保関連法以降とりわけ前述したように違憲の立法が続々と成立をしています。集団的自衛権の行使を認めると言う安保関連法が成立した以降、まさにたがが外れて憲法破壊が進んでいるのです。まさに立憲主義の危機が起きているのです。

第5 存立危機事態についての高市総理の発言について

1 高市総理は、2025年11月7日の衆議院予算委員会において、中国が、戦艦を使って、武力の行使も伴って台湾を支配下に置こうとすれば、どう考えても存立危機事態になり得ると答弁をしました。
2 日本の国が攻められてないにもかかわらず、他国で多国籍軍とともに戦争する事は、集団的自衛権の行使で、これは憲法9条違反です。
3 しかし、2015年安倍内閣は、極めて限定された存立危機事態防衛は違憲ではないと主張をしました。当時政府は、存立危機事態には、新三要件という「厳しい」縛りがあって、それをクリアしなければ存立危機事態とは認められないとしました。
その第一要件は、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること」としました。 2015年の安全保障関連法(事態対処法)の2条4号です。
高市総理の言う台湾有事が、「どう考えてもこれに該当しうる」という答弁は、この法律の定義に当てはまりません。まず、台湾は、「我が国と密接な関係にある他国」すなわち国なのかという問題があります。日本政府は、台湾を独立国家として認めていません。また、中国による台湾への武力行使を伴う支配権の確立が、日本にとって、「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」状態といえるのかと言えば、どう解釈しても当てはまりません。
2015年の国会において、立法当時には全くこのような説明は存在していません。高市総理の発言は、憲法を踏みにじり、法律の条文を踏みにじり、政府の国会答弁すらも踏みにじっています。憲法と法律と国会の審議を全く無視しているのです。まさに正真正銘の立憲主義の危機が起きているのです。

第6 政府高官の核保有、原子力潜水艦保有発言等について

1 非核三原則は日本の国是です。非核三原則についての国会決議は何度もなされています。我が国が核兵器を持たないことは、原子力基本法においても確認されています。原子力基本法は、「原子力利用は、平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとし、その成果を公開し、進んで国際協力に資するものとする。」と定めています。
しかし、官邸の尾上補佐官は、核兵器の保有について発言をしました。唯一の戦争被爆国でありながら、核武装の可能性を発言するなど論外です。 私は、2025年3月核兵器禁止条約第3回締約国会議がニューヨークの国連で開かれ、そこに出席をしました。締約国会議では、国会議員会合も開かれ、その場で発言もしました。
核兵器廃絶に向けての会議を牽引していたのは、日本の被爆者の方たちでした。被爆者の人たちが尾上補佐官の発言に強く抗議をした事は当然のことです。しかし、高市総理は尾上補佐官を更迭しようとも一切しません。また、非核三原則は国是であるとも言いません。
現在、政府は2026年安保三文書の改訂をすると言っています。そこで非核三原則の見直しの検討等が盛り込まれるのではないかと危惧をしています。そもそも日本が核武装をすることは、原子力基本法に反するだけでなく、我が国が批准している核不拡散条約にも明確に反しています。日本政府は核不拡散条約を破棄し、NPT体制から脱退をするつもりなのでしょうか。そのような行動が、世界中の人々からどのように受け止められるか、考えたうえで発言がなされているのでしょうか。
2 また小泉防衛大臣は原子力潜水艦の保有についても言及をしています。今まで原子力潜水艦の保有について政府は否定をしてきました。憲法や平和利用を謳った原子力基本法に反するからです。
原子力潜水艦の保有の検討は、2025年9月19日の防衛力抜本的強化有識者会議報告書に盛り込まれています。前述したようにまず報告書に記載し、実際その後に政治を動かしていくというやり方がなされているのです。国会はその次にされてしまっています。

第7 憲法改正の動き

高市内閣は、安保3文書の見直し、自衛隊を憲法9条に明記することを含めた憲法を変えることなどを公約に掲げ、かつ実行しようとしています。

憲法尊重擁護義務を持つ総理大臣が自ら憲法を破壊することを強力に推し進めていることに危機感を感じます。

第8 私の国会議員としての責務を果たすことが困難となり、その権限が具体的に侵害されている

憲法違反の法律案の提出や防衛予算がうなぎのぼりに増大をしていること、敵基地能力保有など憲法9条違反の政策が、国会の論議なくして強行されています。
国会は、提案される法律案について、憲法審査をし、憲法に適合した法律を作り、憲法に適合した政策を実行するところですが、それが壊されていっています。何度も言いますが立憲主義が壊されていっているのです。
自衛隊が暴走しないように、それをコントロールするのが国会議員の役目です。しかし、それが今どんどんできなくなっており、シビリアンコントロールが失われていっています。 戦前において、軍が暴走したのは、統帥権の干犯問題がありました。 統帥権干犯問題とは、1930年のロンドン海軍軍縮条約締結をめぐり、政府が海軍の意見を聞かずに条約に調印したことを、野党(政友会)や軍部が「天皇の統帥権(軍の指揮権)を侵害した(干犯した)」と批判した政治問題で、軍部と政党政治の対立を激化させ、後の軍部の台頭を招いた重要な事件です。
国会と司法がコントロールできない自衛隊を認めてしまえば、戦前において軍部が暴走したのと同じことになっていくのではないでしょうか。 1930年代以降、既に明治憲法があり、大正デモクラシーもあったにもかかわらず、軍隊をコントロールできなくしてしまったのが統帥権の干犯と言う言葉です。
ですから、自衛隊の行動について規律できなくなったときは、戦前の軍隊と同じようになって国を誤らせることになりかねません。国を誤らせないようにするのが国会議員の役割です。しかし、立憲主義の破壊の中で、そのことがどんどんできなくなっています。
私自身の国会議員としての責務が遂行できなくなっています。このことは、私自身が国民から負託された国会議員の権利が既に削られ、侵害されていると言えるのではないでしょうか。
私は国会議員であり、かつ有権者であり、かつ有権者から付託を受けてて日本の政治に責任を負う立場です。
国会は憲法に適合した政治をやらなければなりません。憲法による法律や政策の事前審査をしなければなりません。しかし、いま、私も含めた国会議員は、そのことが、ますますできなくなっています。
国会の事前審査の機能が失われ、憲法による国政へのコントロールが弱められています。安保関連法を始めとした法律の成立と、その後の憲法破壊が私たち憲法の立場に立つ国会議員の権限を具体的に削っています。安保関連法が強行成立した時に存在しなかった議論が今進んでいます。国会議員の権利は侵害をされています。具体的にそのことが起きています。 国会議員の権限が弱まっていると言う事は、主権者である国民の権限が弱まっていると言うことであり、民主主義そのものの危機です。 だからこそ、立憲主義の改革が必要であり、立憲主義の回復のために今こそ司法が役割を果たさなければなりません。

第9 自衛隊員が具体的に権利侵害を受けている

これまで、自衛隊は、日本の国が他国から攻撃を受けたときに、自衛のために戦うとされてきました。日本が他国から侵略される事態の可能性は低く、自衛隊の歴史の中で、訓練中に労災で亡くなられた方などはおられましたが、戦闘で亡くなった方はいません。
ところが、集団的自衛権の行使で戦争を行えば、自衛隊員はアメリカの軍隊とともに異国の地で戦い、命を落とす可能性があります。集団的自衛権の行使が認められたことで、まず危殆に瀕するのは自衛隊員の命であることはあきらかです。
防衛省は、血液型を問わずに投与できる血液製剤を自前で製造する取り組みを始めました。2025年度予算に、製造器材購入費8億円など関連予算を計上しています。有事に備え、負傷した自衛隊員の救命のために輸血用血液製剤を安定的に確保する狙いです。まさに戦争の時に、まっさきに命を奪われ、傷つくのが自衛隊員なのです。
防衛省の統計によると、20年度で23万2,509人だった自衛官は、24年度に22万252人まで落ち込んでいます。自衛官など全体の採用計画で、23年度は約2万人、24年度は約1.5万人としていたのに対し、実際は各年度とも1万人程度の採用にとどまり、法律上の定員約24万7,000人に対する充足率は24年度に9割を切っています。これはいろんな理由が考えられると思いますが、1番の理由は戦争になったときに、真っ先に命を奪われるのが自衛隊だと言うことを人々が直感的に知っているからではないでしょうか。
陸上自衛隊が有事に備え、葬祭業者と協定を結んでいたことが明らかになり、衝撃が走っています。
自衛隊員は、服務の宣誓において、「私は、我が国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法および法令を遵守し」と宣誓して自衛隊員となります。ところが、集団的な自衛権を行使する戦争は、日本が攻められて起きる戦争ではなくて、他国において行うものとなってしまっているのです。異国において銃弾に倒れる可能性が具体的なものとなってきているからこそ、その待遇をいくら良くしても、自衛隊員の定員の欠員が埋まらないのではないでしょうか。
このまま、自衛隊の欠員状況が続けば、次に政府が行おうとすることは徴兵制の導入ではないでしょうか。それは、まさに国民全体に対する、意に反する苦役の強制となり、具体的な人権侵害にほかなりません。

第10 住民が被害を受けている

私は、与那国、石垣島、宮古島、沖縄本島、奄美大島、屋久島、馬毛島、種子島など南西諸島と沖縄本島を2016年からずっと歩いてきました。南西諸島と沖縄本島は、軍事要塞化が進んでいます。 沖縄南西諸島だけではありません。
九州の鹿屋基地、宮崎の新田原基地、熊本の長距離ミサイルが建設される健軍駐屯地、佐賀空港のオスプレイ基地、大分市の大学や湯布院のミサイル建設地、長崎、そして福岡の築地基地、山口の岩国基地、呉の広大な自衛隊基地建設現場なども歩いてきました。
京都は祝園基地に弾薬庫の建設が進み、横浜の瑞穂埠頭の米軍基地はより強化をされ、横須賀にも弾薬庫が建設をされトマホークが搬入されようとしています。
いま、全国に130カ所の弾薬庫が建設され、自衛隊の司令部は地下化をされていっています。
特定空港、特定港湾は、戦争に使われます。日米地位協定に基づき、米軍は日本全体を使うことができます。日本全国を歩いていて思うことは、沖縄南西諸島、九州だけではなくて、まさに日本列島の全体が軍事要塞化していっていると言うことです。そして、このどこもが攻撃の対象になりえます。つまり、日本全国どこも戦火にまみれると言うことがあり得るわけです。
与那国に行きました。沿岸警備に自衛隊を呼ぶかどうかということで、住民投票があり、僅差で自衛隊を呼ぶことにしました。すると、次は、米軍とともに戦車が公道の上で訓練をする、ミサイルが搬入されるなど状況が激変をしていっています。
沖縄本島は人口が140万人ほどいると言うこともあって、島内避難です。しかし、南西諸島の12万人の人たちは、武力攻撃予測事態において、船か飛行機で「安全な」九州に避難するとされています。船では4日ほどかかります。
その時に小さな荷物を1つ持って飛行機などに乗れと言われています。与那国島に行って理由が分かりました。与那国には飛行場が狭いためにプロペラ機しか使えず荷物をあらかじめ預けることができないのです。ですから、機内に持ち込める小さな荷物1個しか持つことができないというのです。
政府に質問をしました。「牛などはどうするんですか。」与那国では牛を飼っている人にも会いました。政府の答えは、「全部置いていきます」と言うことでした。東京電力の福島原発事故でも、多くの人は、家も生業も牛も豚も犬も仕事も故郷も全部捨てて逃げなければなりませんでした。そしてたくさんの人々は戻ってくる事はできませんでした。そのことと同じことが起きようとしています。何もかも捨てて、逃げなければならないのです。戻ってこれるかどうかも分かりません。太平洋戦争の末期、硫黄島では島民は避難をした後戻ることができませんでした。
政府は、安全な九州に避難すると説明していますが、本当に九州は安全でしょうか。 例えば、熊本の八代などに避難すると言われています。しかし、熊本の健軍駐屯地には長距離ミサイルが配備される予定です。反撃をされる可能性が充分あります。決して安全ではありません。また、避難については1ヵ月めどしかわかっていません。1ヵ月以上経ったらどうなるかについては全く見通しがありませんし、計画もありません。そして、被害については、補償の話は何の話もありません。政府はこれからの検討だと言っています。政府は、空襲で被害を受けた市民の被害について、今日まで何の補償もしていません。おそらく受忍限度論で何の保障もされないのではないでしょうか。 何もかも失うのかもしれないと言う中で、将来の展望が全く開けなくなっています。
例えば与那国でレストランを経営している人は、改築しようかと考えているが、将来戦争になるかもかもしれないと思えば改築する気になれないと言っていました。
与那国はかつてドクターコトーの舞台でした。しかし、有事になることを考え2026年4月には医師が1人もいなくなると聞きました。介護も本当に弱くなっています。医師が1人もいなくなる島に住む事は大変不安です。
人口減少を食い止めるためになんとかしようと自衛隊を誘致した結果、逆に現在人口が減少し続けています。島から離れた島民の人、島に暮らす島民にとっては、もう既に具体的な被害が発生しているのです。熊本の健軍駐屯地や京都の祝園基地、大分市の大分分屯地の弾薬庫の設置や湯布院のミサイル建設など全国各地で不安の声が広がり、反対運動が起きています。防衛省はほとんど地元説明会すらやりません。地元の人たちと防衛省に対して地元説明会をやってほしいと交渉をしましたが、やる必要がないと言う回答でした。どこの現場も施設の建設地と住宅が接近をしています。保育園や学校や大学が近くにあるところも多いのです。例えば、弾薬庫建設が進められている陸上自衛隊大分分屯地は、巨大な集合住宅地のすぐ側に位置し、周辺には5つの小学校とその校区に4万人の市民が暮らしています。敷戸団地は県営住宅なども建ち並ぶ住宅地であり、大分分屯地のフェンスからわずか3㍍ほどの狭い道路を挟んで向かい側に保育所や幼稚園があります。 住民は、自分の住んでいるところが攻撃の対象になるのではないかと大変な不安を抱え、反対の声が大きく大きく広がっています。まさに、政府の進める政策によって、具体的な被害がすでに発生をしているのです。
港や空港は、まっさきに攻撃対象になると考えられ、そこで働く人や近くに住む人たちからも反対の声が上がっています。住民は既に被害を受けています。

第11 司法は憲法審査を行うべきです

私の大好きな言葉に平和と平等は手を携えてやってくると言う言葉があります。その正反対が戦争と差別・排外主義が手を携えてやってくると言うことです。
まさに、現在戦争準備と差別・排外主義が、政府の政策によって強められています。今ならまだ間に合います。戦争を止め、差別・排外主義をなくしていかなければなりません。国会議員の1人として、憲法がなくなってしまったかのような国会で憲法を生かし、守るために頑張り続けたいと考えています。
ただそのような私の権利も既に侵害をされているのです。憲法尊重擁護義務が充分果たされなくなる事は、国会議員の責務を果たせないと言うことです。
だから、憲法にもとづく法律の違憲審査のために司法の出番です。
トランプ政権下のアメリカで、民主党知事の都市(ポートランド、シカゴ、ロサンゼルスなど)に治安対策を名目に州兵や一部連邦軍を派遣した際に、州知事らが「大統領権限の乱用」「憲法違反」「連邦法(ポッセ・コミタトゥス法など)違反」として連邦地裁に提訴しました。連邦地裁では違憲・違法な差し止め命令を出すケースが相次いでおり、法廷闘争が継続しています。対立のポイントは、州知事の指揮下にある州兵を大統領が独自の判断で動員できるか、そして州の領域内での連邦軍の介入ができる範囲が問われています。
そうした中で、米連邦最高裁は2025年12月23日には、トランプ政権が治安対策を理由に中西部イリノイ州シカゴ周辺に州兵を派遣する計画について、一時的に差し止める判断を下す画期的な判断を示しました。
最高裁判事は保守派6人とリベラル派3人で構成されており、政権寄りの判断を示すことが多いとされていますが、今回は保守派のうち3人が州兵派遣に反対しました。
トランプ政権は、連邦職員や不法移民収容施設の保護などを名目にシカゴ周辺への州兵派遣を決定し、連邦地裁が一時差し止めを命じたことを受け、トランプ政権がその解除を要請していました。連邦最高裁は、政府がイリノイ州で州兵を展開する法的根拠を提示できていないなどと指摘し、政権側の申し立てを退けたものです。
イリノイ州のプリツカー知事(民主党)は声明を発し「政権による権力乱用を抑制し、トランプ大統領の権威主義への傾斜を遅らせる重要な一歩だ」と最高裁の判断を歓迎しています。

現在の高市政権の下で、日本政府のやろうとしていることは、アメリカのトランプ政権に似てきています。戦後の憲法秩序として、歴代の自民党政権が自ら墨守してきた個別的自衛権への限定、防衛費のGDP1パーセント、核兵器の保有禁止、非核三原則、原子力潜水艦の不保有、敵基地攻撃能力保有の禁止、武器輸出の禁止などの平和国家としての規範を、安倍首相以降の歴代の政権の首相自らが先頭に立ち、閣僚たちもこれに追随して、次々に破って行こうとしています。このような憲法秩序の破壊を止め、憲法を守り生かすために、国会と司法はふんばって頑張らなければなりません。
どうか裁判所におかれましては、憲法を守り生かす立場で判断をしていただきたいと切に願います。

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