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派遣法改悪法案について質問 8/19厚労委 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)


○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 今日は、四人の参考人の皆さん、本当にありがとうございます。
 まず、泉川参考人にお聞きをいたします。
 短時間正社員という概念をつくって同一価値労働同一賃金を社内で実現しようと努力されていること、大変刺激的なというか印象的なというか、示唆に富むお話でした。
 短時間正社員が週十二時間から二十四時間働く、週二十五時間から三十八時間働く。確かに、長時間労働したくなくて、同じ仕事をしているなら同じ価値の賃金を払ってもらうのであれば短期間きちっと働きたいという人も多いと思うんですが、実際こういう働き方を選択している人はどういう人たちなのか。
 そして、週十二時間から二十四時間の働き方だと、最低のリビングウエージを獲得するにはちょっと足りないようにも思うんですが、その辺は一体どうなっているのか。
 短時間正社員からフルタイム正社員への移行というのはあり得るのか、どんな形なのか。教えてください。

○参考人(泉川玲香君) 私どもの場合には、短時間正社員、元々いわゆるパートであった方たちを移行したという形になりますので、やはり女性がほとんどを占めております。まず一点目が、答えがそれです。
 二点目のリビングウエージというところは、いわゆる先ほどの百三万の壁であったり百三十万の壁であったりという言葉にあるように、元々パートであった方々は制限をしながらある程度働いていたという方々ですので、一人だけで生計を立てているというよりは、むしろ二人でとかというような家庭の方々が多かったというところで、今後は、このリビングウエージというものをしっかりと見据えながら、パートから短時間に転換したというよりは、むしろ本当の意味で短時間正社員を選んでくる、今は正社員をやっているけれども、ライフステージが変わることによって短時間で働きたいというような人が出てきたときにリビングウエージをじゃ本当にちゃんと確保できているのかと、そこは次なる私ども人事のポイントで、実は動き始めております。
 三つ目の質問が……(発言する者あり)フルタイムへの転換ですね、ごめんなさい、失礼いたしました。
 フルタイムへの転換に関しましては、いわゆるライフステージが変わることによって転換することを推進していきたいということなので、今後はどんどん出ていってほしい。つまり、子供が大きくなってある程度もう働きたい、フルタイムで働きたいとなったときに働けるように、教育をしっかりとやりながら継続して働いておいてもらうことによって、そのときが来たときに次なるステップを踏めるように、そんなインフラを整えているつもりでございます。

○福島みずほ君 次に、中野参考人にお聞きをいたします。
 派遣先社員との均等・均衡処遇に必要な法制度、四点ということで説明をしていただきました。私も同一価値労働同一賃金は当然必要だと思っていますが、とりわけ間接雇用である派遣は、やはり直接雇用、パートタイマーよりもやはり難しい面があるのではないか。つまり、マージン率とかありますし、一〇〇%保証したとしてもマージン率の部分は少ないという面がありますので、この均等・均衡処遇についての派遣労働者としての在り方、考え方についてまず教えてください。

○参考人(中野麻美君) ありがとうございます。
 派遣先と派遣元に使用者としての責任が分かれていますので、まずはその商取引をどのように規制するかという観点がやはり必要なんだろうと思います。ただ、今回の見直し法案の中で、均衡、均等を考慮して配慮するという規定が入りましたけれども、あれは、契約上の配慮義務を設定したという意味では一歩前進だというふうに私は思います。
 その配慮義務から本来的な義務にどう転換させるのかというのが実は今審議していただいているこの法案ではないだろうかというふうに思っておりまして、派遣先、派遣元に対してどのような義務付けをするのかというのは、私は十分法理論上の根拠があると思いますので、是非そこは頑張っていただきたいというふうに思います。

○福島みずほ君 北口参考人と中野参考人にお聞きをします。
 私は、同一価値労働同一賃金は重要だが、新自由主義の中での労働力流動化の中で同じであればいいというよりも、そもそも社会民主主義的な立場から労働法制の規制を強化するとか、というか、そもそも長時間労働を規制するとか、大枠のところでやっぱり雇用をきちっと安定化させ、その中での同一価値労働同一賃金を目指すべきだと思っておりますが、このことについて、北口参考人、中野参考人、いかがでしょうか。

○参考人(北口明代君) おっしゃるとおりだと思います。本当に、正社員の働かせ方というのはちゃんときちんとさせなければいけないというふうに思います。
 しかし、だからといって、それが整わないとこれが進まないのかというのは、やっぱりそれはまた違うと思っていて、やっぱり同時に進めなければいけないのではないかというふうに思っております。

○参考人(中野麻美君) ありがとうございます。
 要するに、普遍的な労働関係概念というのは一体何なのかということなんだろうと思います。そういった意味では、働き方の見直しというものも含めてこの問題を進めていくということに賛成です。

○福島みずほ君 北口参考人にお聞きをいたします。
 先ほど、厚生労働省が同一価値労働同一賃金やその指標について、ガイドラインでなくもっとしっかりやってほしいとありましたが、厚生労働省に今後均等・均衡待遇を実現する上でこういうことをちゃんとやってほしいというような、もしアドバイスがあれば教えてください。

○参考人(北口明代君) ありがとうございます。
 ですので、今出されているものは、やっぱり意欲だとか成果だとか、そういったものが入っていますので、そうではなくて、あくまで仕事の価値を評価する職務評価をやっぱり参考モデルとして広めてほしいというふうに思っております。

○福島みずほ君 泉川参考人と北口参考人にお聞きをいたします。
 同一価値労働同一賃金を実現するときに、日本の中の、転勤や配転を重要視するとか年功序列制的なものやあるいは家族関係がどうかとか、それは重要ではないとは思いませんが、仕事の価値そのものを見るというよりも、やっぱり主たる家計は男性、従たる家計が女性とか、女性は従たることでいいだろうとか、あるいは身分制的なライフコース、コース別人事制度の考え方など、そういうところが本当にバリアになっていると、こう思っているんですね。
 ですから、今日お二人の話を聞きながら、一方、片やスウェーデン発祥のグローバル企業、もう一つは、手作りというか女性たち、男性も含めた生協運動の中で出てきた会社ということで、そのバリアが弱いところで、しかも女性が頑張っているというふうにも思ったんですが、日本の中における伝統的な、転勤して当然、配転して当然、だったらいいでしょうみたいな、滅私奉公型の働き方が良いとされるような働き方というのがバリアじゃないかということについて、お二人の意見をお聞かせください。

○参考人(北口明代君) おっしゃるとおりでございまして、これは固い固いバリアが確かにあります。
 ありますが、しかし、さっきから申し上げているように、本当にどんどんどんどんそのバリアは今解けつつあって、イケアさんの泉川さんもおっしゃっていたけれども、やっぱり考えを変えていくということもとても大事だと思います。
 例えば五十代、六十代の女性はそうかもしれないけれども、今結構話をしているのは、じゃ、自分たちの子供や孫はどうよという話をしますと、それはやっぱり今のままではいけないねと。家族モデルといったって、それはもう崩壊しているし、男性、女性関わりなくやっぱり平等に扱われる、仕事の上でも社会の上でも、そういうふうになるためにはやっぱり社会を変えていかなければいけないねというところでは話をしていますので、バリアは固いけれども解けつつあり、もっと壊していきたいと、そういうふうに思っております。

○参考人(泉川玲香君) 私も全く同感でございます。
 何度も繰り返しておりますいわゆるダイバーシティーとインクルージョンというところがいろいろなものを変えていく大きなポイントになってくるような、そんな気がしております。それで社会が変わる、マインドセットが変わることが、ちゃんとした法律が出てきたと同時に一歩前進につながるのではないかなと考えます。

○福島みずほ君 どうもありがとうございました。 

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