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2025.11.27 参議院 法務委員会での質疑 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

○福島みずほ君
立憲・社民・無所属会派の福島みずほです。
刑務所の中の医療について質問します。
各地の刑務所で外部の社会福祉士など他の職業の人にも加わってもらってチームで矯正処遇をやるようになっていることについては注目をしておりますし、敬意を表します。
ただ、医療の問題は課題が山積をしています。
十月三十日、国家賠償請求を認めた東京地裁の判決は、診察の時点で男性の症状はがんを疑わせるもので、拘置支所の医師は超音波検査の重要性を認識しながら、施設の物的、人的体制に配慮して適切とは言えない検査を選択した、こうした対応は著しく不適切で、適切な医療行為を受ける利益を侵害したと指摘し、国に賠償を命じました。
重要な点は、例えば、治療に当たった医師が法廷で、思うように外部医療機関に診察等の依頼はできない、医療に対する理解の不十分さが組織内にあったと証言をしていることです。
判決は、本件拘置支所の医師の判断の当否の問題ではないとしつつ、僅かな注意をすれば、刑務所の慣習や体質にとらわれず、自身の医学的な知識と経験を頼りに鑑別の当否の判断をすることができたのであり、もしもそうしていれば必要な検査の必要性に容易に思いを致すことができたと厳しい判断を述べています。
死亡した人は二十代の若い人で、婚約者は、亡くなった人が生前、刑務所には人権はない、外の病院で診てくれれば生きられたのにという言葉を記憶をしております。
刑務所の医療環境は、医師が専門性や技術を発揮できなくなるようなものであってはならないんじゃないでしょうか。

○政府参考人(日笠和彦君)
お答えいたします。
矯正医官が、患者である被収容者を診療の上で、精査等の必要性から外部医療機関等での検査を行うべきであると判断した場合におきまして、委員御指摘の、思うように外部医療機関に診察等の依頼ができないなど、矯正医官を始めとする医療従事者が医学的な知識等に基づいた対応を行うことをちゅうちょさせるようなことはあってはならないと当局としても考えており、これまでも機を捉えて必要な注意喚起を行ってきているところでありますが、引き続き改善すべき点は正してまいりたいと考えております。

○福島みずほ君
刑事収容施設法五十六条は、刑事施設においては、社会一般の保健衛生及び医療の水準に照らし適切な保健衛生上及び医療上の措置、講ずるものとすると規定をしています。
一般のものに引き上げる必要があると、また、この判決もそのことを、引き上げる必要があると述べていると思います。改めて努力についてお答えください。

○政府参考人(日笠和彦君)
被収容者の健康を保持するため、社会一般の医療の水準に照らし適切な医療上の措置を講じることは、国の重要な責務であると認識しております。
その上で、矯正局におきましては、内部医療体制の強化や矯正医官特例法の施行を含む様々な取組を進め、それによって矯正医官の充足状況の高い水準での維持、医師、看護師等の医療従事者の医療知識、技能の向上のための研修機会等の確保、矯正施設間や外部医療機関等との連携の強化による専門的な医療の実施体制の確保などを行ってきたところであります。
さらに、矯正医官特例法の施行により、矯正医官は広く民間病院でも勤務できることとなっており、このことは、社会一般の医療の水準に照らして適切な医療上の措置を講じる矯正医官の能力の維持向上の機会を得ることが可能となっているほか、地域医療機関に貢献することにもつながっており、円滑な外部医療機関との連携強化にも資することにもなっております。
引き続き、社会一般の医療の水準に照らし適切な医療が講じられるよう、医療従事者の研修機会等を推進するなどの必要な対応を行ってまいります。

○福島みずほ君
金沢刑務所の医療についてお聞きをいたします。
金沢刑務所の医療処遇に関する公益通報が何度も出ております。法務省矯正局に対して金沢刑務所の元医師や元看護師から、本件、六月十六日付けで申入れ書が出されております。
私自身、金沢でこの医者の人たちからも話を聞きました。社会一般と同様の医療水準に照らして適切な医療を行おうとしたけれども、医師の医療行為が妨害をされたということです。職員から医師に対する発言、東京拘置所では医師二人を辞めさせてきた、刑務所の医療は医師の資格があれば力量は問わない、矯正医療は被収容者が死ななければよいとの発言。つまり、刑事収容施設法を全く理解しない不適切な発言が繰り返されております。
ですから、これ私は、真面目な、真面目というか、医者の、患者をちゃんと診たいということができない、そのお医者さんたちに話を聞いたんですね。当事者のヒアリング等の事実調査を行い正確な事実関係を把握すること、医療行為が社会一般的な医療水準に照らして被収容者に対し適切な医療を求める刑事収容施設法五十六条に明確に反していることを認定すること、金沢刑務所において刑事収容施設の規定を注視した医療を妨害されることなく行うことのできる就労環境を整備すること、これらは申入れ書の中身ですが、これをどう受け止めているでしょうか。

○政府参考人(日笠和彦君)
御指摘の件に関しましては、個別の公益通報に係る事項についての御質問であると思われますので、通報者や関係者のプライバシー保護の観点から回答は差し控えたいと思いますが、一般論として、刑事施設におきましては、国の責務として、被収容者に対して社会一般の医療の水準に照らして適切な医療上の措置を講じることが医療の原則として刑事収容施設法にも規定されております。
専門的知識や技能を有し、また被収容者の人権を十分に尊重した適切な医療上の判断を行うという重要な職責を負う医師の確保は、矯正施設において適切な医療を実施する上で必要不可欠であります。
また、刑事施設の医療を通じた被収容者の健康の保持、回復は、被収容者の改善指導を行うための基盤を構築するという重要な意義を持つものであると認識しております。
さらに、被収容者と日頃から接する刑務官に対しても、刑務官の適正な勤務態度を保持するための取組として、新たに採用となった際の研修の中で職業倫理等の講義をするなどして、被収容者の人権を十分に尊重した取扱いがなされるよう指導をするなどしており、医師や看護師等の医療職はもとより、全ての職員が医療の原則を理解し、同原則に基づき、適切な対応を行っているものと認識しております。
委員御指摘のような内容、これは当局の矯正医療の重要性に対する意識と大きく異なるものであると考えておりまして、矯正医療の重要性につきましては、国民の理解を得るとともに、その実施を担う刑事施設の職員も強く認識していることが肝要でありますから、こうした意識の浸透を引き続き図ってまいりたいと思います。

○福島みずほ君
意識も問題だけれど、予算の問題もあります。予算をきちっと獲得をして、ちゃんと医療に当たれるように、医師がちゃんと医療に当たれるような体制をつくってください。
そして、公益通報が何度も出されていて、申入れ書も出されています。これは法務省、どういうふうにこれ対応するんですか。これについてきちっと公益通報も含めて対応すべきだと考えますが、いかがですか。

○政府参考人(日笠和彦君)
先ほども申し上げましたように、個別の案件については発言は、お答えを差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として、そのような公益通報があった場合には適切に調査をしてまいりたいというふうに思います。

○福島みずほ君
公益通報何度もやっているんですが、問題ないということで、改めて公益通報し、かつ申入れ書も出しています。やっぱり、そういう医療体制を応援することを、矯正局、本当にやってください。
それで、行政改革の会議のときに、刑務所医療については……

○委員長(伊藤孝江君)
お時間になりましたので、質問をおまとめください。

○福島みずほ君
はい、分かりました。
外部委託を検討することとなっております。これを検討してくださるよう、行く行くはフランスやドイツのよう、フランスやイギリスのように、医療全体を厚生労働省が所管する一般医療に統合していくことが必要だと考えます。
終わります。

※本議事録は未定稿です。

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