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2018年06月28日 働き方改革一括法案に対する反対討論

第196回国会 参議院 厚生労働委員会 024号 2018年06月28日(未定稿)

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
自由党、社民党統一会派、希望の会を代表して、反対、働き方改革一括法案に関して反対の立場から討論を行います。
働き方改革一括法案は、提案理由説明で、過労死を二度と繰り返さないため、長時間労働の是正が急務です、このような社会を実現する働き方改革を推進するため、この法律案を提出いたしますとしています。
しかし、高度プロフェッショナル法案は、これと全く関係がありません。むしろ、過労死をつくり、長時間労働を助長するもので、劇薬がこの働き方改革一括法案の中に入っております。断固賛成することはできません。命を奪う法律です。命を奪う法律です。働く人たちの労働条件を破壊する法律です。労働基準法を破壊する法律です。そんな法律を厚生労働委員会で成立させるわけにはいきません。
反対する第一の理由は、労働時間規制が全くない労働者を日本で初めて誕生させることです。
労働時間、休日、休憩、深夜業、一切の労働時間規制がない労働者が日本で初めて誕生します。管理監督者ですら深夜業の規制があります。一切の労働時間規制がありません。会社は労働時間管理の義務がありません。これをやらなくても違法とはなりません。
四十一条の二で、まさに割増し賃金を払わない、これがこの高度プロフェッショナル法案のポイントであります。労働時間、休憩、休日及び深夜の割増し時間に関する規定は、対象労働者については適用しない。まさにコストカット、お金を払わない、大企業の大企業による大企業のための、コストカットのための法律が高度プロフェッショナル法案です。
第二の理由は、立法事実が全くないということです。
立法事実の説明は全くありません。総理大臣は、安倍総理は、このことに関して、経団連の要請であると言いました。産業競争力会議の議論から始まっていることを安倍総理も加藤大臣も認めています。
では、労働者は望んでいるんでしょうか。私が聞いておりますとおっしゃった加藤大臣は、実は直接聞いていないことが明らかになりました。虚偽答弁ではないでしょうか。
十二人ヒアリングをしたというのはどうでしょうか。九人はまさに今年の一月三十一日と二月一日のものです。後付けじゃないですか。この高度プロフェッショナル法案が、要綱が出る前に何も聞いておりません。しかも、その十二人のうち九名は人事担当者が同席をしております。そのうち三名はグループ企業の人事担当者が同席をしております。年収も千七十五万円以上か分かりません。本当のことが言えるでしょうか。しかも、この十二人の中で、細かい具体的な高度プロフェッショナル法案について、詳細な説明を受けて、それに反対するというヒアリングはありません。誰が望んでいるんですか。誰が望んでいるんですか。労働者は望んでおりません。こんな法律を成立させてはなりません。
第三の理由は、まさに健康管理時間に関する問題です。
裁量という言葉は条文の中にありません。また、業務についても法案の中にありません。政省令で幾らでも増やすことができるものです。労働管理、労働時間の管理を企業が全く放棄する、しかし健康管理時間という概念をつくっております。しかし、健康管理時間を仮にきちっとやっていなくても労基法違反にはなりません。違法とはならないんです。これが大きなポイントです。
企画型裁量労働制については、この高度プロフェッショナルと同じような構造を持っています。同意があること、それから、労働管理時間を採用せずに労働時間状況の把握としております。しかし、厚生労働省の答弁の中で、全く実態調査をしていないこと、では、企画型裁量労働制の中でどのように労働時間管理の労働時間の状況の把握をしているのか、それすら一切説明はありません。
企画型裁量労働制の中で過労死が出ています。この人たちの労働時間状況の把握すらできなくて、どうして高度プロフェッショナルの人たちの健康管理時間を把握すると言えるのでしょうか。結局、労働時間管理がないために、一切会社が責任を取らない、野放しでまさに働かされる、そして過労死をしても何も立証できない、そんなことが起きるでしょう。
賃金台帳に名前しか書かれません。労働時間の記載はありません。割増し賃金の根拠となる深夜業、休日、休憩、その記載もありません。書かなくても違法ではありません。これでどうやって過労死の立証をするんでしょうか。
第四に、千七十五万円という、年収の三倍以上程度という根拠についても根拠がないことが明らかになりました。
同僚委員の頑張りによって、まさに厚労省から試算が出ましたが、保険料と税金を引けば、まさに八百万円を切ることが明らかになりました。この八百万円の手取りの中には家族手当、住宅手当、通勤手当も入るというものです。どれだけの、どれだけの給料なんでしょうか。どこが高度プロフェッショナルなんでしょうか。時給換算すれば非常に安くなるものと思われます。しかも法律を改正すれば、幾らでもこの金額は下がります。
二〇〇五年、経団連はホワイトカラーエグゼンプションに関する提言という中で、四百万円以上というのを挙げています。派遣法の改悪のように、この金額が下がっていくことを本当に恐れます。
政府は、総理もずっと一貫して、時間ではなく成果で評価される働き方、自由で柔軟で多様な働き方とつい最近もこの委員会で説明をしました。しかし、この委員会の中で、成果で測るというものは何もない、条文にはないということはとっくの昔に明らかになっています。自由で柔軟で多様な働き方などありません。仕事の量は労働者は選べないんです。裁量という言葉も全く条文にありません。大量の仕事を押し付けられながら、時間の規制がない、こんな労働者を誕生させることになります。
第五の理由は、高度プロフェッショナル法案の下で女性が働けなくなるということです。
家事責任を負う女性、男性が、この高度プロフェッショナルの中で、労働時間規制がない中で働き続けることができるでしょうか。女性の活躍なんてちゃんちゃらおかしい、そう思います。労働時間を規制しなければ、子育てをする女性は働き続けることはできません。ワークルールの仕事と家庭の両立を言うのであれば、労働時間の規制、労働法制の規制をしなければ働くことはできません。家事責任を負う男性だって同じことです。にもかかわらず、労働時間規制を一切なくすこと、これは女性にとっても本当に最悪の法律だと思います。
労働時間の規制が一切ない労働者が企業に存在し、猛烈に働く、ほかの人たちの労働条件もそれに従って破壊をされていくでしょう。自分の上司が、高給取りと言われる人たちが猛烈な働き方をする中で、みんなの労働条件も絶対に破壊をされます。
また、この高度プロフェッショナルの人たちがもらうと言われる年収が、その会社の最高水準になっていくのではないでしょうか。私は、この高度プロフェッショナル法案はホワイトカラー層の没落の始まりになると大変危惧を持っています。賃上げなんかできないですよ。高度プロフェッショナルがこの金額で、どうしてほかの人がそれを超えることができるでしょうか。
今日も、全国過労死を考える遺族の会の皆さんたち含め、傍聴してくださっています。過労死をなくすことを人生の本当に目的にし、人生懸けて過労死をなくすことを頑張っていらっしゃいます。家族が過労死で亡くなったら、友人が、恋人が亡くなったら、本当につらいです。過労死をなくすという決意を、私たち厚生労働委員会はかつてしたのではないですか。過労死防止推進法は何だったんですか。
この高度プロフェッショナル法案は、残業代ゼロ法案、定額働かせ放題法案、過労死推進法案、そして子育て妨害法案、家族解体法案、そして命を奪う法案だと思います。
労働基準法は何のためにあるか、使用者と決して対等ではない労働者を守るためです。産休なんか要らないといっても、産休取ることが義務付けられます。労働者は絶対に対等ではありません。だからこそ、メーデーで、シカゴで八時間労働を訴えて、労働者は立ち上がりました。労働時間が、ぼろ雑巾のように三百六十五日働かせないために、最も重要だからこそ、メーデーの発祥で八時間労働がうたわれたのです。
労働基準法、大事な法律です。厚生労働省もプライドを持ってこの法律を作り、発展させ、守ってきたと思います。労働基準法を破壊する、労働基準法の労働時間規制を撤廃する、あり得ないことです。戦後の労働行政の放棄じゃないですか。厚生労働省が官邸の産業競争力会議に屈服しているんじゃないですか。厚生労働省は、労働行政こそ労働者を守れ、そう思います。法律しか守れないんですよ。法律が守ってくれなかったら守れないんですよ。法律が規制しなかったら守れないんですよ。命を守るのは労働基準法でしょう。
高度プロフェッショナル法案、どんなことがあっても認めることはできません。廃案にし、廃案にすべきであると、差し戻せ、そのことを強く申し上げ、命を奪う法律に断固反対、そのことを申し上げ、私の反対討論といたします。

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