QUESTIONS質問主意書

第147回国会 「BNFLデータ捏造事件に関する質問」(2000年5月30日)

質問第五〇号

BNFLデータ捏造事件に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十二年五月三十日

福島 瑞穂   

       参議院議長 斎藤 十朗 殿

   BNFLデータ捏造事件に関する質問主意書

 平成一一年一二月一五日に提出した「BNFLデータ捏造事件に関する質問主意書」に対して、平成一二年一月二五日に答弁書が提出された。

 同質問主意書の一の4の「今回のMOX燃料は、通産省の安全審査(設計仕様)の認可を受けることなく製造開始されたものである。(中略)製造してしまってから、設計仕様、製造工程の指導はできない。海外における製造だとしても、安全審査と認可を受けた後に製造開始するように指導できたはずである。なぜ、製造前の申請を指導しなかったのか、その理由を示されたい。」という質問に対して、答弁書は、「MOX燃料体は、電気事業法第五十一条第三項に規定する輸入した燃料体に該当し、加工の工程ごとに検査することが困難であるため、検査は完成品について行うこととしているが、同項に基づく検査の申請の際、燃料体の耐熱性等に関する説明書や燃料材等の試験結果の資料等を添付させることにより、設計及び加工工程について、発電用核燃料物質に関する技術基準を定める省令(昭和四十年通商産業省令第六十三号)との適合性を確認することが可能となっている」ので問題ないと回答している。

 ところが、既に明らかになっているように、この質問主意書が対象としている、関西電力高浜原発4号機用MOX燃料は、通産省が何度も「安全である」と表明した後で、英国原子力検査局等の調査により、データ捏造が判明し、使用中止となっている。このことは、通産省が行う完成品検査の信頼性が極めて低いことを意味している。そこで、この答弁に疑義があるので、以下質問する。

一、輸入燃料体検査においては、その設計仕様が安全であることを、誰がいつどのように確認するのか。

二、輸入燃料体も国産燃料体同様に、設計がなされるのは必ず製造前であり、設計仕様の安全審査は製造前に可能であると思われるが、なぜ輸入燃料体の場合は、製造前に設計仕様の安全審査を行わないのか。

三、関西電力高浜原発4号機と東京電力福島第一原発3号機のMOX燃料について設計をした者は、それぞれ誰か。それは日本国内の技術者か、海外の技術者か。

四、その者が製造前に設計仕様の安全審査を申請することはできないのか。できないとすればその理由は何か。

五、答弁書によれば、輸入燃料体検査の申請の際に、燃料体の耐熱性等に関する説明書や燃料材等の試験結果の資料等を添付させるとしている。そこで関西電力高浜原発4号機及び東京電力福島第一原発3号機それぞれの輸入燃料体検査申請書と添付資料の内容を明らかにされたい。明らかにできない場合は、その合理的理由を示すとともに、添付資料のすべての名称を示されたい。

六、答弁書では、この添付資料により、設計及び加工工程について、発電用核燃料物質に関する技術基準を定める省令との適合性を確認することが可能とされている。これら添付資料は、すべて紙データであると思うが、まずそのデータの信頼性をどうやって確認するのか。

七、関西電力高浜原発4号機のMOX燃料ペレット寸法は、BNFL社において製造時に上・中・下三点を全数測定されているということだったが、実際には植木鉢型(あるいは小麦の束型)をしていたため、ペレット寸法の全数測定の際には、中心部付近(中心から二ミリの位置)の三点を測定していたと伝えられている。通産省はこのことについて、関西電力から報告を受けたか。

八、上・中・下三点の測定という場合に、ペレットのどの位置を測定したか。また、ペレットが植木鉢型であったりすることを、通産省は輸入燃料体検査申請の添付資料から読み取ることができるのか。

九、関西電力やBNFLの発表によれば、通産省は輸入燃料体検査で、このような(不正な)全数測定方法で測定したデータを使用していたことになるが、そのことについて認識しているか。不正なデータは、このような輸入燃料体検査によって発見できると、今でも考えているか。

一〇、東京電力福島第一原発3号機の輸入燃料体検査申請書について、何という添付資料によって何を検査するのか。また、それに要する時間は何日間くらいか、具体的に説明されたい。

  右質問する。

 

 答弁書

答弁書第五〇号

内閣参質一四七第五〇号

  平成十二年六月二十七日

内閣総理大臣 森 喜朗   

       参議院議長 斎藤 十朗 殿

参議院議員福島瑞穂君提出BNFLデータ捏造事件に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

   参議院議員福島瑞穂君提出BNFLデータ捏造事件に関する質問に対する答弁書

一について

 輸入した燃料体については、通商産業大臣が、輸入燃料体検査の申請があった時点から、書類審査、外観検査等により、発電用核燃料物質に関する技術基準を定める省令(昭和四十年通商産業省令第六十三号。以下「技術基準」という。)に適合するか否かについて確認することにより、設計仕様を含め、その安全性を確認することとされている。

二について

 輸入した燃料体については、電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第五十一条第三項に基づく輸入燃料体検査の申請の際、燃料体の耐熱性等に関する説明書や燃料材等の試験結果の資料等を添付させることにより、設計及び加工工程について、技術基準との適合性を確認することが可能となっていることから、加工の工程ごとに検査することが困難であることを考慮し、検査は完成品について行うこととしている。

三について

 関西電力株式会社(以下「関西電力」という。)及び東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)から、関西電力高浜発電所第四号機(以下「高浜四号機」という。)用ウラン・プルトニウム混合酸化物(以下「MOX」という。)燃料の設計者は三菱重工業株式会社であり、東京電力福島第一原子力発電所第三号機(以下「福島三号機」という。)用MOX燃料の設計者は株式会社東芝であると聞いている。

四について

 電気事業法によれば、輸入燃料体検査については、完成品について行うこととされており、御指摘のような設計仕様の安全審査を申請することはできない。

五について

 高浜四号機用の輸入燃料体検査申請書及びその添付書類については、平成十一年十二月十六日付けで輸入燃料体検査の申請が取り下げられた際、これらの申請書等を処分したため、その内容を明らかにすることはできない。

 福島三号機用の輸入燃料体検査申請書及びその添付書類については、その内容をすべて明らかにすることは、MOX燃料の設計者等の競争上の地位を害するおそれがあること等から、現在、開示できる範囲を精査しているため、現時点においてはその内容を明らかにすることはできない。福島三号機用の輸入燃料体検査申請書の添付書類の名称は別紙のとおりである。

六について

 輸入燃料体検査申請書及びその添付書類については、事業者が真正なデータを記載するべきものであるが、通商産業省においては、今回のように記載されたデータに疑義が生じた場合等においては、専門家の意見を聴取するなどして、その信用性について検討することが必要であると認識している。

七及び八について

 通商産業省においては、関西電力から、ブリティッシュ・ニュークリア・フュエル・ピーエルシー(以下「BNFL社」という。)は、ペレットの外径の全数自動測定の際には、中心部付近とその上下二ミリメートルの位置でペレットの外径を測定しているとの報告を受けている。

 ペレットが御指摘のような植木鉢型(あるいは小麦の束型)であるか否かについては、輸入燃料体検査申請書の添付書類として、各ペレットの外径の測定値を記載した書類までは求められていないため、添付書類によってこれを判別することは不可能であったと考えている。

九について

 御指摘のペレットの外径の全数自動測定は、BNFL社が製造工程を管理するために行っているものと承知しており、これにより得られたデータは、通商産業省においては、高浜四号機用の輸入燃料体検査においては使用していない。

 一般に、輸入燃料体検査申請書及びその添付書類については、事業者が真正なデータを記載するべきものであるが、通商産業省においては、今回のように記載されたデータに疑義が生じた場合等においては、専門家の意見を聴取するなどして、その信用性について検討することが必要であると認識している。

一〇について

 五についてで述べたとおり、福島三号機用の輸入燃料体検査申請書の添付書類は別紙のとおりである。

 福島三号機用の輸入燃料体検査については、これらの添付書類の審査、外観検査等により、技術基準に適合するか否かについて確認中であるが、高浜四号機用のペレットの外径データに不正があったことを踏まえ、現在、東京電力の調査結果を慎重に検討しているところであり、現時点においては、輸入燃料体検査の終了の時期をお答えするのは困難である。

別 紙

MENU