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2019年6月18日、厚生労働委員会で年金問題を追及、子どもシェルターへの支援などを要請 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

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198-参-厚生労働委員会-018号 2019年06月18日(未定稿)

○福島みずほ君 福島みずほです。
 この報告書はまさに、不足額の総額は単純計算で一千三百万円から二千万円になると報告書はしております。
 ところで、議事録を見ると、金融庁自身も試算をされています。今朝の毎日新聞、金融庁、老後最大三千万円必要、独自試算、四月十二日提示されていますが、三千万円最大で必要という試算をされているということでよろしいですね。

○政府参考人(佐藤則夫君) お答え申し上げます。
 四月十二日の金融審議会市場ワーキング・グループにおきまして、事務局の説明資料として提出した資料があるというのはそのとおりでございます。
 この御指摘の資料につきまして、御指摘といいましょうか報道されている資料につきましては、退職後の支出と収入について一定の仮定を置いた上で、仮にそのような生活を行った場合どの程度の資産形成が必要になるかについての試算を行ったものでございます。資料にも記載されているところでございますが、一律に個人にとって必要な資産形成額を示したものではないと承知をしております。

○福島みずほ君 二千万でもびっくりしましたが、三千万という金融庁の試算には、これ、付いていける人どれだけいるでしょうか。実際、この二十一回目の議事録の中に、一千五百万から三千万円程度を資産形成することになってくるかということでございます、金融庁がこのワーキングチームでちゃんとやっぱり話して、試算も出しているんですね。厚生労働省は二千万、金融庁は三千万、でも、それだけ準備できる人がどれだけいるでしょうか。
 最近、生命保険会社、ある生命保険会社が発表した調査によれば、還暦の回答者二千人のうち、現段階の貯蓄金額、百万円未満が四人に一人です。今六十歳になるという人にアンケートを二千人取ったら、貯蓄が百万円未満が四人に一人なんです。これが状況ですよ。三割が貯蓄なしという人たちというデータもあります。年収は今、半分の人が三百万円以下になっています。この状況で二千万、三千万言われても、ないんですよ。六十歳でないんですよ、貯蓄が。
 このことに関して、私、雇用の問題が大きいというふうに思います。小泉構造改革のときに派遣法の改悪をし、安倍政権の下で原則として全ての業種について派遣を可能としました。高度プロフェッショナル制度、これしかり、賃金は下がっています。実質賃金は下がり続けているんです。だから年金が少なくなるし、それから退職金も少なくなるんです。雇用を壊してきた、雇用、実質賃金が下がってきた、厚生労働省、この責任についてどう思いますか、大臣。

○国務大臣(根本匠君) まず、答弁する前に一言言わせていただきたいと思います。
 一千万から二千万、厚労省が出したと言っていますが、それは全くありません。全くありません。そこだけは確認しておきたいと思います。
 それから、年金と雇用の問題がありましたが、年金制度を議論するに当たっては雇用の動向も踏まえる必要があって、次期年金制度改革においても、人生百年時代を展望して、より長く多様な形となる就労の変化を年金制度に取り組み、長期化する高齢期の経済基盤を充実するという基本的な考え方の下で今後の具体的な検討を進めていくこととしています。やはり、雇用と年金の関係、これは非常に私も大事だなと思います。
 御指摘の非正規雇用労働者については、同一労働同一賃金、これをやることにしておりますし、どのような雇用形態を選択しても納得が得られる処遇を受けられ、多様な働き方を自由に選択できるようにしていきたいと思います。また、キャリアアップ助成金により、正社員転換や処遇改善をより一層進めていきたいと考えています。
 また、年金制度としても、短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大にこれまでも取り組んでまいりました。平成二十八年十月からの大企業で働く短時間労働者を対象とした被用者保険の適用拡大の施行に加えて、平成二十九年四月からは中小企業等で働く短時間労働者についても、労使合意を前提に、企業単位で適用拡大の道を開きました。今後、更なる適用拡大に向けて、次期年金制度改革を議論する社会保障制度審議会年金部会等において検討していきたいと思います。
 先生おっしゃるように、我々も雇用対策は大事だと思っていますから、これまでも、働き方改革を推進しようというのは、そういう視点からも我々しっかりと働き方改革を推進していきたいと思います。

○福島みずほ君 何か焼け石に水ですよ。この二、三十年間のツケが一気に来ているわけじゃないですか。雇用を壊して、そして年金が、本当にそこにちゃんと税金もつぎ込んできたのか、年金積立金半額、二〇一四年、年金積立金百四十九兆円を株につぎ込んだことが正しいのかどうか、それの検証が必要ですよ。
 この金融庁の報告書、金融庁がNISAだイドコだと言うのも問題もあると思いますが、厚生労働省自身は年金でやっていく……(発言する者あり)iDeCo、ごめんなさい、iDeCoとNISAということの、投資せよというこの報告書も問題だと思いますが、厚生労働省が、やっぱり年金でやっていけない。
 大臣に端的にお聞きします。月五・五万円不足している、データは全部厚生労働省が出していますから、月五・五万円不足してどうやって暮らしていけっていうんですか、貯蓄がなくてどうやって暮らしていくんですか。

○国務大臣(根本匠君) 今、五・五万円の話が出ましたので、答弁させていただきたいと思います。
 市場ワーキング・グループに提出した資料においては、高齢者無職世帯の平均的な収入と支出の差である五万円や平均貯蓄額二千四百八十四万円を示しております。これは、二〇一七年の総務省家計調査の数字であります。そして、これは厚生労働省が調査したり推定したりしたデータではないと、これは事実関係で確認しておきたいと思います。
 そして、今回は、この資料については、引退した後の高齢期の生活として、家計調査における高齢者世帯の平均的な収入と支出の差や、これについては貯蓄を活用して支出に充てているということを示した資料だと思っておりますから、家計調査でこの無業者、高齢者、高齢夫婦無職世帯については、あれは貯蓄もありますから、貯蓄を活用して所得を、貯蓄を活用してその所得から支出をしていると、これが私は本質ではないかなと思います、我が方の出した資料としてはですね。

○福島みずほ君 貯蓄がないから困っているんですよ。二千万円貯蓄必要、三千万円不足していると言われてみんなが仰天しているのは、その貯蓄がないんですよ。ごく一部の人はそれはある人もあるでしょう。しかし、大方の人はこれないんですよ。
 さっきも言いました。今、六十歳の人、四分の一が貯蓄百万円以下です。今の若い人たち、非正規雇用率、とても高いです。二十代、三十代、本当に高くなっている、非正規雇用が多いです。貯蓄ないんですよ。返せ、年金じゃなくて、年金もらうときに貯蓄がないんですよ。そして、五・五万円不足していると厚生労働省は基礎データを出すから、今の大臣の答弁は、五・五万円不足しているが貯蓄を取り崩してと言ったけれども、貯蓄がないからみんな困っているんじゃないですか。雇用を壊してきたツケじゃないですか。
 だから、私たちは、雇用をどう立て直し、年金をどう立て直すか、それは出しますよ、出しますよ。でも、厚生労働省は、この報告書に対して、やっぱり年金と雇用を壊してきた責任をちゃんと反省して、それは謝るべき、言うべきだというふうに思います。
 金融庁に御質問をいたします。
 麻生大臣にこの報告書を出す前に説明をしているはずですが、それはいつですか。

○政府参考人(佐藤則夫君) 大臣に対しては、私ども事務方から報告書の概要について五月二十四日に御説明をいたしております。

○福島みずほ君 報告書を出すときには、その諮問をした大臣に、こういう中身で出しますと事前にレクをすると思うんですが、それはされていますね。そして、報告書を発表したときに、大臣、これ発表になりましたと渡していますね。

○政府参考人(佐藤則夫君) まず、報告書が発表される前に大臣に概要は御説明を申し上げております。
 具体的に、まあ物理的にと申しましょうか、大臣に直接渡したかというと、それは渡しておらず、秘書官に渡しております。

○福島みずほ君 秘書官に渡したのはいつですか。

○政府参考人(佐藤則夫君) そこはちょっと正確な記憶がございませんが、当日とかそういうタイミングだったと思っております。

○福島みずほ君 六月三日に発表されていますので、六月三日頃というか、その前ということですよね。
 そして、概要を麻生大臣にレクチャーしたのはいつですか。

○政府参考人(佐藤則夫君) 繰り返しになりますが、概要を御説明したのが五月二十四日ということでございます。

○福島みずほ君 麻生大臣がちょっと不思議なことをおっしゃっているので、時系列を確認させていただきました。
 蓮舫議員の六月十日の決算委員会での質問で、読んでいますかと聞かれて、全部は読んでいないが一部読みましたというふうに答弁をされました。ところが、受け取らないと最近言い出して、これが理解できないので、今の発言で、この報告書を五月の段階でレクをしていること、そして秘書官にちゃんと渡していることをおっしゃったので、で、大臣は記者会見もされています。ですから、その点については大臣に渡っていると思います。
 また、ちょっと細かいことの確認ですが、大臣は、記者会見のときにどんな質問があるか分かりませんし、報告書など、プランなどを発表するときには記者会見用のレクのペーパーも作ると思いますが、それはされていらっしゃいますよね。

○政府参考人(佐藤則夫君) 大臣用の記者会見用のレクの資料を作ったかどうか、済みません、ちょっとそこは記憶にございません。
 と申しますのは、報告、ワーキング・グループの報告書を出したときに私ども事務方から記者の方に対して説明を申し上げておりますので、特段大臣として報告書の内容を誰かに説明するような機会というのは想定されておらなかったというふうに認識をしております。

○福島みずほ君 ただ、大臣は記者会見で、幾らお金が必要か計算したことあるかとかおっしゃっていますので、やはり、この報告書のレクも受けているし、秘書官にこれを渡しているしということで、全部ではないが一部読んだというふうに言っているから、やっぱり受け取っているんですよね。
 だから、例えば、ちょっと比喩、私の友人がこういう比喩を言いました、まんじゅうを一口かじって二日後に返すぐらいむちゃくちゃだと。私が思うのは、まんじゅう一口食べて、まんじゅう受け取っていないと言うぐらい変なんですよ。だって、食べているんだもん。読みましたって言っているわけで、読んだのに受け取らないというのは、だって、あなた、まんじゅう食べているでしょう、あなた、受け取っているでしょうという話なんです。
 今、この報告書を受け取っていないと言うことそのものは、私は、これは官僚制度からいっても、税金の使い方からいっても、審議会の在り方からいっても、読んで、まんじゅう食べているのに、それに関して受け取っていないなんということを大臣が言う、こういう政府、政治、官僚制度、大臣と官僚の関係つくったら大変なことになると思います。
 今、金融庁はこれ報告書をホームページに上げていますが、これに関してきちっと更に議論していきたいというふうに考えております。
 私は、麻生大臣が何をおっしゃっているのか、その論理が全く理解できないので、あえていつレクチャーされたのかなどを質問をいたしました。ちなみに、レクされたときの大臣の反応、どうでしたか。

○政府参考人(佐藤則夫君) 特段、印象はございません。話を聞いて、うんうんという感じで我々の説明をお聞きになっていたというふうに認識をしております。

○福島みずほ君 つまり、報告書を事前に、当たり前ですが、大臣にレクをして、で、ふうんという感じでそれは聞いていて、受け取っているわけですよね。で、読んでいるわけですよ。で、今になって受け取らないというのはおかしいですよ。
 こんなことを許したら、本当に官僚制度が壊れる、政府そのものが壊れるというふうに……(発言する者あり)壊れていると今、いや隣でありましたが、私は実はこれとても危機を感じています。こんな言辞を許してはいけないというふうに思っております。
 では、法案について質問をいたします。
 子供シェルター、カリヨンやいろんな様々なところをかつて訪問させていただき、いろんな話を聞かさせていただきました。とても重要だと思います。
 子供シェルターと自立援助ホームについて、国の支援状況について、現状はいかがでしょうか。厚生労働省、もっと支援していただきたい。いかがでしょうか。

○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 まず、自立援助ホームにつきましては、児童福祉法におきまして児童自立生活援助事業と位置付けられております。保護者の下で暮らすことが難しい義務教育終了後の子供たちの自立支援に大きな役割を担っているものと考えております。
 厚生労働省といたしましては、設備、職員など一定の要件を満たす場合に、職員の人件費あるいは入所者の生活費等の運営費の補助を行っております。また、平成二十八年の児童福祉法改正によりまして、入所措置を二十二歳の年度末まで延長できることとするなど、子供たちの自立支援に資するよう施策を講じてまいりました。
 また、いわゆる子供シェルターでございますけれども、これは民間団体の任意の取組だというふうに承知をしておりまして、また、子供シェルターで自立援助ホームを兼ねているものもかなりあるものと考えております。先ほど御指摘のものも自立援助ホームを兼ねておるものだと思います。この子供シェルターにつきましては、児童相談所長と連携して活動することで、地域において虐待を受けた子供の安全確保、自立支援に大きな役割を果たし得るものと考えております。
 厚生労働省といたしましては、平成二十三年の七月から、自立援助ホームの要件を満たすものにつきまして自立援助ホームとして運営費の補助を行っております。また、満たさないものにつきましても、児童相談所から一時保護委託を受けた場合には子供の生活に要する費用などに関する補助を行うなどの必要な支援を講じてまいっておるところでございます。

○福島みずほ君 その子供シェルターに行ったときに、例えば高校生の男の子が、親には修学旅行に行くと言って、実際修学旅行のスケジュールがあったわけですが、ボストンバッグに荷物を詰め込んでやっぱり子供シェルターにやってきたと。やっぱり、女性のためのシェルターがとても大事なように、子供のためのシェルターも本当に大事です。逃げていける場所があると思えば、本当に子供にとって本当に命拾いする場所だというふうに思っています。
 子供シェルターと自立援助ホームは別のものであって、子供シェルター自体、緊急対応ができる重要な施設です。自立援助ホームとは別の制度として位置付けるよう児童自立生活援助事業実施要綱を是非改正していただきたいということを要望として強く申し上げます。
 次に、子供シェルターと自立援助ホームを退去した者の支援が困難という声があります。実際、支援のところの、またシェルターにも行ったことがありますが、退去者への支援を中心とする専門職員が必要ではないでしょうか。

○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 自立援助ホームの要件を満たしました子供シェルターも含めまして自立援助ホームにつきましては、児童福祉法におきまして、自立援助ホームを退所した方々への相談支援を含めましてその業務に位置付けております。これまで、それらの業務全体に必要な人員配置を行ってきたところでございます。
 一方で、関係団体からは、議員御指摘のとおり、退去後の生活を支援するための専門の職員の配置が必要というような御要望をいただいております。更なる人員配置が必要かどうかにつきましては、まずは現場の実態を十分に把握をした上で検討する必要があると考えております。
 その上ででございますけれども、本年三月の関係閣僚会議決定におきましては、十八歳到達後の方を含めまして、児童養護施設を退所した子供等に対し、住まいの確保や進学、就職を支援する措置の拡充を図る、こういったことを盛り込んでおりまして、こういった決定を踏まえて今後検討していきたいと思います。

○福島みずほ君 子供シェルターはまさに二十四時間営業しなければならないので、夜勤もあるし交代制もしかなければならない。子供シェルターの運営には人件費が本当に必要で、現在は職員配置二・五名ということですが、それではまだまだ不足をしています。正職員、補助職員、二十四時間体制なので宿直要員も必要です。四・〇名が必要であるという現場の声も本当に聞いています。是非応援してくださるようお願いいたします。
 若草プロジェクトという女の子のためのシェルターをNGOの方たちがつくりました。若い女の子というか少女がSNSでどこか泊めてくれなんということを発すると、とんでもない男性のところに泊めてもらうと、性暴力受けたり、とんでもないことに遭う。しかし、どこにも泊まるところがなくて、どこにも行く場所がないという場合に、やっぱりそういうシェルターがとても必要です。若草プロジェクトはNGOでやっていますが、一軒借り切るのにもやっぱりお金が掛かるし、ひっそりと運営をしなければならない。そういうところにもしっかり、子供シェルター、応援してくださるように、心から本当にお願いを申し上げます。
 次に、性暴力被害者支援施設との連携について、今日は内閣府にも来ていただいております。
 性暴力被害者支援法案を野党で衆議院に出しております。性暴力対策ワンストップサービスの連携の強化をすべきではないか、いかがでしょうか。

○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 性犯罪・性暴力被害者支援のためのワンストップ支援センターにおきましては、子供も含めて性暴力の被害者に対してカウンセリングや医療的な診察などのワンストップサービスを実施しているものと認識しております。こうした機関につきましては、医療機関など、地域の実情に応じて適切な支援を行うことができる機関を拠点といたしております。
 支援センターと児童相談所との連携につきましては、例えばでございますけれども、支援センターが医療機関型である場合には、性的虐待の被害を受けた子供に対する医療的ケアを支援センターで実施する、あるいは、性的なDV被害者が婦人相談所を兼ねた支援センターに相談に行った場合には、同伴している児童につきまして支援センターから児童相談所に情報を供与することなどが考えられると考えております。
 中でも、性犯罪被害に遭った子供など心に深い傷を負いました子供の支援に当たりましては、被害児童にとって二次被害とならないよう十分配慮するとともに、適切な治療が提供されることが重要でありまして、医療機関を拠点とする場合には適切な支援につながるものと考えております。性的虐待を受けた子供に対する支援、子供の心のケアの観点から、児童相談所と支援センター等の専門的な機関との連携を図り適切な支援を行うよう、効果的な方策について今後とも検討してまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 性暴力被害者の場合、予期しない妊娠、出産で母子手帳がない、健診も受けていないなど、子供の虐待に結び付くケースもあります。行政がつながっていないケースやつながりにくいケースにはどのように対応していくのでしょうか。

○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 御指摘のような予期せぬ妊娠に悩む妊婦に対する支援につきましては、まず、都道府県等が設置しております女性健康支援センターにおいて相談支援を行っております。
 具体的にはでございますけれども、まず今年度から、若年世代がアクセスしやすいインターネットあるいはSNSを活用いたしまして、積極的にこのセンターへの相談につきまして周知、広報を行うことを促しております。また、今年度の予算におきましては、妊婦に早期の産科受診を促して関係機関等に確実につなぐために、新たに産科への同行支援を行う際に掛かる人件費、それから妊娠判定料も含む産科受診に係る費用の補助を行っております。
 予期せぬ妊娠に悩む妊婦を支援するために、こういった女性健康支援センターの設置促進、あるいは財政支援を含め、積極的な支援に努めてまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 よろしくお願いします。
 やはり性暴力被害者センターのお医者さんから聞いた、産婦人科の女医さんに聞いた話では、子供が性病にかかっていることが分かったと。それは実は親からうつされていて、そこから親からの性暴力が分かったわけです。ですから、性暴力被害者センター、とりわけ医療拠点型だと、やっぱり大人がそこに連れていくとか診察を受けるとか、性暴力を発見するとか支援するというようなことはとても大事なことだというふうに思っています。
 是非、今後も力を入れていただきたいですし、性暴力被害者支援法案、本当、是非、成立させたいと思っております。
 虐待やDVの加害者の支援プログラムが必要です。DV加害者更生教育プログラム全国ネットワークが発足し、民間でも加害者支援の要請が強まっております。衆議院の附帯決議でもこの点は盛り込まれておりますし、修正案にも盛り込まれております。具体的な支援の連携についての見解をお願いいたします。

○政府参考人(池永肇恵君) お答えいたします。
 昨今、加害者更生プログラムを実施する民間団体による全国ネットワークの設立など、全国的な広がりを見せております。
 内閣府では、今年度の事業で地域社会において加害者更生プログラムを現に実施する民間団体と連携して加害者更生プログラムのガイドライン、実施基準の作成に向けた検討を開始したいと考えております。
 DVと児童虐待が同じ家庭内で重複して発生していると思われるケースも見られることから、加害者への対応に当たっては、DV被害者のみならず、その子供の安全、安心を同時に確保する配慮が必要であると考えております。加害者更生プログラムの実施基準の作成にあたっては、加害者による虐待の危険性など児童虐待対応の観点についても考慮した上で、関係省庁と連携しながら必要な検討をすることとしたいと思っております。
 以上です。

○福島みずほ君 今日は文科省にも来ていただきました。おなかをすかせている、親から殴られている、性暴力を受けているという状態で学校で勉強が身に入るわけはありません。ここでも何度か言っていますが、是非、文科省は、学校を勉強する場所とだけではなくて、子供の命を守る場所と是非本当に位置付けて頑張ってほしいというふうに思っています。
 スウェーデンの社会科の中学校の教科書を読んだときに、虐待、暴力のことなども書いてあって、あなたがいじめや虐待を受けているときはここに電話をしてください、赤十字社の電話番号が教科書に書いてありました。ここでこの間、倉林委員が、子供に対するというか、親が体罰をしてはいけないだけではなくて、やっぱり全ての人は子供に対して体罰をしてはいけない、子供は尊厳を持って大事にされて扱われていいんだというのを、私は教科書や授業でやっぱりもっともっと取り上げてほしいというふうに思います。
 学校で虐待について考える時間を設けるべきではないか。女の子、男の子もそうですが、自分が性暴力に遭っていると実は分かっていない、大人になってそうだと分かるというようなことも実はあるんですね。いかがでしょうか。

○政府参考人(丸山洋司君) お答えを申し上げます。
 親からの体罰も含め、虐待の解釈につきましては、体罰の範囲や体罰禁止に関する考え方等について、国民に分かりやすく説明するためのガイドライン等を厚生労働省において作成されるというふうに承知をいたしております。
 学校が子供たちに親からの体罰などの虐待に関して教えることにつきましては、発達段階に応じてどのように伝えていくのがよいのか、また、何をどのように教えていくことが必要であるかなどについて十分な検討が必要であると考えますが、厚生労働省と連携をして今後検討をしてまいりたいと思います。
 委員御指摘の学校で虐待について教える時間を設けることについても、この検討の中でどのような形で教えることが適切かについて検討を図りたいと思います。

○福島みずほ君 前回の委員会でも、文科省は子供の意見表明権に関連して人権教育に取り組むとの答弁がありました。
 道徳教育が始まっています。小学校は道徳の教科書で今勉強しておりますし、中学校も検定教科書が出されました。小学校の道徳の教科書全て読みました。学習指導要領は、祖父母、父母を敬愛し、明るい家庭をつくることとなっています。
 ある教科書は、朝起きたらお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、目上の人に元気に挨拶しましょうと。目上というふうにおじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さんのことを書いているんですね。教科書、道徳の教科書を読んだとき、性暴力や暴力に遭っている子供はどう思うだろうか。自分が体罰受けるのは自分が悪い子なんじゃないか。お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、やっぱり尊敬しなくちゃいけない。おじいちゃんから性暴力受けているかもしれない。問題を子供が家庭の中で受けているかもしれない。道徳教育ではなくて、まさに子供が自分のことを大事だと思い、被害に対して嫌だと思えるような力をつくっていくべきだと思います。
 ある道徳の教科書にこういうのがありました。相手の話を聞くときは、相手の目を見て、遮らず、うなずきながら聞きましょう。でも、そんなことをやっていたらデートレイプに遭うかもしれない。嫌だ、私は望まないと言う力を子供が持たなかったら、子供自身、本当に食い物にされたり被害に遭うかもしれない。
 是非、道徳、いわゆる道徳教育ではなく、子供自身を励まして、子供自身を本当に支援していく、そんな教育をしてくださるよう、文部科学省にも心からお願い申し上げ、質問を終わります。

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