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2023.3.8 「安保法制違憲訴訟・女の会 国家賠償請求事件」控訴審が東京高裁でありました。 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

今日、「安保法制違憲訴訟・女の会 国家賠償請求事件」控訴審の口頭弁論が東京高等裁判所でありました。

そこで、控訴人の一人として意見陳述をしました。ぜひその内容を読んでください。
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意見陳述書

 

2023年3月8日

控訴人番号87 福島みずほ

 

なにより裁判所に申し上げたい事は、違憲判決を出していただきたいと言うことです。

私は国会で安保関連法・戦争法の審議中、特別委員会で質問を続けておりました。

当時の総理に申し上げたのは、裁判所は必ず違憲判断を出すだろうということでした。

集団的自衛権の行使は、憲法9条から見れば明確な憲法違反です。

憲法学者のほとんどすべての人が集団的自衛権の行使は憲法違反だと論じています。

そして、日本政府も自民党も2014年の閣議決定までは、集団的自衛権の行使は憲法違反だと

断じていました。もちろん内閣法制局もそのような見解でした。

 

国会の中で残念ながら強行成立した安保関連法・戦争法は、民主主義の力によって廃

止することが望まれます。そして3権分立の一翼を担う裁判所が、憲法の番人とし

て、そして憲法尊重擁護義務を持つ裁判官が、集団的自衛権の行使は憲法違反であ

り、それが含まれている安保関連法・戦争法を憲法違反だと断じてもらう必要があり

ます。

 

2022年3月17日の横浜地裁判決は、傍論ながら、集団的自衛権が発動される「存立危

機事態」の範囲等が不明確であることを指摘し、国民の理解も不十分のまま発動され

ることへの懸念を示しました。もう1歩踏み込んで違憲判断をしていただきたいので

す。そうでなければ憲法を守ることができません。立憲主義が壊れていくことをどう

か放置しないで下さい。

 

 

次に、原判決は平和的生存権は、具体的権利又は法的利益であると解することができ

ないとしました。

しかし、ウクライナの戦争や様々な戦争を例に出すまでもなく、幸福追求権や生存権

が保障されるためには、平和的生存権が保障されなければなりません。安心して日々

の生活を送ることができる「ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権

利」は、極めて現代的な基本的人権としてまさに保障されなければならないもので

す。

現時点においてわが国に対する武力攻撃が発生し又は切迫していないから、生命・身

体に対する具体的・客観的危険は無いという考え方があります。しかし、それは「戦

争になってから裁判所に来い」というものに等しく、実際戦争になれば、それはもう

終わりを意味します。

 

2015年9月19日安保関連法・戦争法は強行成立しました。2022年12月16日、「国家安

全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」の三文書、いわゆる安保三文書が

閣議決定されました。安保関連法の成立過程においても、安保三文書の閣議決定にお

いても、国会無視は甚だしく、国民に負託された国会議員としての私の質問権・討論

権・表決権は侵害されています。

 

今まで、政府は、敵基地攻撃能力保有を否定してきました。専守防衛に反するからで

す。しかし、この安保三文書で敵基地攻撃能力の保有を宣言しています。深刻なのは

2015年に成立した安保関連法・戦争法の下で、日本が攻められてないにもかかわら

ず、集団的自衛権の行使として、敵基地攻撃がなされるということを政府自身が認め

ていることです。これは先制攻撃に他なりません。日本は、反撃を食らうでしょう。

 

沖縄や南西諸島が日本本土が戦火にまみえると言うこともあり得るわけです。

沖縄、南西諸島における自衛隊配備とミサイル計画が進んでいます。石垣島、宮古

島、沖縄本島、奄美大島、屋久島、種子島、馬毛島の島々の現地に行きました。2021

年12月24日沖縄タイムスと琉球新報にスクープ記事が載りました。米軍はごく少人数

の部隊で40ほどの南西諸島を転戦しながら攻撃をしていくと言うものです。住民がま

さに巻き添えになる可能性があります。この作戦を知った沖縄・南西諸島の人たち

は、沖縄・南西諸島が再び戦場になると言うヒリヒリした危機感をまさに強めていま

す。

 

沖縄で、陸上自衛隊の増強、長射程ミサイルの配備、民間空港、港湾の軍事利用の拡

大などが計画されています。本土の自衛隊基地の司令部の地下化も進めようとしてい

ます。まさに攻撃をされる可能性があるからです。

 

政府も2023年2月、衆議院の予算委員会で集団的自衛権を行使した場合、相手国の武

力攻撃によって日本に被害を及ぼす可能性もあり得ると答弁しています。

 

2015年の時とは比べ物にならないくらい、戦争の危機が、戦火にまみれる事の危機が

迫っています。新たな戦前を作らせないのは私たちの責任です。平和的生存権はまさ

に具体的な権利として保障されるべきです。そうでなければ命は守れず、たくさんの

犠牲者が出ることを、司法は手をこまねいて放置したといわれてしまいます。

 

裁判所が、たくさんの人の命を守って下さるよう切にお願い申し上げ、私の意見陳述

といたします。

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