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2023.5.16 法務委員会での質疑 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

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○福島みずほ君
立憲・社民の福島みずほです。
ウィシュマさんの問題についてまずお聞きをいたします。
最終報告書を政府は出していますが、支援者はウィシュマさんに病気になれば仮放免されると言っているという事実は認定していないということでよろしいですね。

○政府参考人(西山卓爾君)
ウィシュマさんと支援者の方々のやり取りについて、被収容者面会簿の内容等を確認しましたが、その中に、病気になれば仮放免になるとの支援者の発言は確認されず、御指摘のような認定はいたしておりません。

○福島みずほ君
病気になれば仮放免されると言ったという事実がないということ、法務省から言っていただきました。
それでは、最終報告書でウィシュマさんが病気になれば仮放免されるとの淡い期待を抱いた事案、事実ということを、これも認定していないということでよろしいですね。

○政府参考人(西山卓爾君)
調査報告書では、支援者の発言によってウィシュマさんが病気になれば仮放免してもらえるという淡い期待を抱いたという認定はしておりません。

○福島みずほ君
そのようなことはなかったということです。
支援者はウィシュマさんに病気になれば仮放免されると言ったという事実もなければ、ウィシュマさんが病気になれば仮放免されるとの淡い期待を抱いた事実というものもありません。こういうことが言われることそのものがやはり、ウィシュマさんの死をやっぱりおとしめるものだというふうに思います。
それでは、次に、難民審査参与員制度、それからこの法案のそもそもの問題点についてお聞きをいたします。
難民申請中は送還されない現行制度を改定し、審査で二度不認定となった申請者については、三度目の申請をしても送還、強制送還の対象にしようとする、だからこそ私たちはこれ改悪だというふうに考えております。
日本の難民認定率は、先ほど石橋発議者からもありましたが、極めて低く、何度も申請を繰り返さなければならないというのが現状です。
では、この送還停止効の例外は何を根拠に法案に盛り込まれたのか。
入管庁が公表している現行入管法の課題二〇二三年二月という資料では、難民審査参与員の柳瀬房子さんの発言が引用されています。「入管として見落としている難民を探して認定したいと思っているのに、ほとんど見つけることができません。」、「難民の認定率が低いというのは、分母である申請者の中に難民がほとんどいないということを、皆様、是非御理解ください。」。これ、ひどい中身だというふうに思っています。
大臣、二年間に二千件審査をしたと柳瀬さんおっしゃっています。一年間に一千件です。これ、あり得るんですか。

○政府参考人(西山卓爾君)
特定の難民審査参与員の事件処理件数等については、集計していないので把握をいたしておりません。
その上で、一般論として申し上げると、難民審査参与員はあらかじめ定められた三人の難民審査参与員によって構成された常設班に所属しているところ、他の常設班への応援や口頭意見陳述を実施しないことが見込まれる事件等、迅速な審理が可能かつ相当な事件を重点的に配分している臨時班にも掛け持ちで入ることに御協力いただける場合には書面による審査を行うことが多くなることもあり、ほかの難民審査参与員よりも担当する事件処理数が多くなることが通常であると考えております。

○福島みずほ君
一年間に一千件というので、ちゃんとした審査が行われるんですか。次長、今のひどいと思いますよ。こんなのあり得ない。いかがですか。

○政府参考人(西山卓爾君)
審査に要する期間については、そもそも、申請者の主張内容、提出した資料の内容、出身国の情報が充実しているかどうかなどによって大きく異なるものであり、年間の事件処理数の多寡をもって審理が適切に行われているかどうかを判断するのは適切でないと考えております。
したがいまして、御指摘のような批判は当たらないものと考えております。

○福島みずほ君
把握していないんじゃないんですか。把握しているんですか。

○政府参考人(西山卓爾君)
何を把握しているかどうかをお尋ねかが分からないので、ちょっと御質問をもう一度お願いできればと思います。

○福島みずほ君
次長は、特定の難民審査参与員の年間処理件数は集計していないので、当方は把握していないというふうに答弁しています。
把握していないんじゃないですか。把握していなくてなぜ言えるんですか。しかも、一年間に一千件というのはけたたましい数字ですよ。

○政府参考人(西山卓爾君)
繰り返しますけれども、先ほど申し上げたように、審査に要する期間については事件によって、事案によって大きく異なるものでございますので、年間の事件処理数の多寡をもって審理が適切に行われているかどうかを判断するのは適切でないと申し上げたところでございます。

○福島みずほ君
一年間三百六十五日、一千件ということは、一日、まあ平日で働くとしても、この彼女の勤務状況もいずれ出していただきたいですが、一日に何件もやるんですよ。それで、一千件でやって、ちゃんと審理ができているとは思いません。
発議者、いかがですか。

○委員以外の議員(石橋通宏君)
御指摘のとおりで、これは極めて、もしそれが行われていたとすれば、異常な審理状況、これで適正、適切に様々な事情、先ほど、午前中にも法務大臣から個別の様々な事情と答弁はされておりましたが、それが、じゃ、適切に個別の事情についてそういう形でできるのかと言われれば、到底不可能だというふうに思います。
既に日弁連からの関係者の報告なども示されているようですけれども、それでも到底これはできないということは明らかにされておりますので、これがもし事実だとすれば、極めて不適切なこれまで審査が行われていたことの証左だし、それが事実でないとすれば、それがこの法案の根拠になっているとすれば、それはそれで極めて問題があるのではないかと私たちは思っております。

○福島みずほ君
昨日、その参与員になっている人たち、とりわけ弁護士会推薦などの人たちへのアンケート調査の記者会見がありました。これで、柳瀬氏の件数につき適正な審査に疑問を投げかける声が多く、一千件という数字自体を信じられないとするものが多かったです。正常な業務としてはあり得ない、記録を精査しているのか甚だ疑問である、書面審査ばかりをしていたとしてもあり得ない件数になるということなんですね。適切な審査ができるとは考えられない。
そこで、その人たちに平均何件かというふうに聞いたところ、常設班に属している回答者の年間平均審査件数は三十六・三件です。面接もあるし、資料を読み込まなくちゃいけないし、ヒアリングもあるし、それは当然ですよ。これを、今日、法務省がまさに、一年間に一千件で、それは適切だ、別に問題ないと答えていること自体が問題です。
そして、これはこの彼女の資質ということだけではないんです。法務省がまさに立法理由としている、分母にほとんど難民の人がいない、難民を探してもいない、難民申請者はいない、これ、法務省の考え方なんじゃないですか。難民なんていない、この考えで、少ないという考えでこの改正案、改悪法案作ったんじゃないですか。

○政府参考人(西山卓爾君)
先ほど来御指摘されている参与員の方は、参与員制度が始まった平成十七年から現在に至るまで長年にわたり参与員を務めており、ほかの参与員の代わりに審理に入ることにも協力していただいている方であり、昭和五十年代から難民を支援するNPO団体の設立に関わり、その運営も務めてきた方であります。
このように、難民認定に対する知識及び経験が豊富かつ長年にわたって難民の支援に真摯に取り組まれている方が、御自身の豊富な御経験に照らして、入管庁が見落としている難民を探して認定したいと思っているのにほとんど見付けることができない旨や、申請者の中に難民がほとんどいない旨述べられたものであり、御発言は我が国の難民認定制度の現状を的確に表していると考えております。

○福島みずほ君
一年間に一千件やって、それに疑問を挟まない法務省、おかしいですよ。どんなに探しても難民の人少ないといって、これを立法理由として、送還に、二回やって駄目だったら帰すということを作っているんだとしたら、立法事実そのものが駄目ですよ。
この参与員についてですが、頑張ってやっている人もいるんですが、様々な問題があります。
例えば、女性でレイプされたケース、何々大佐があなただけを拉致した、捕まえたということは、あなたが女性で美人だったからというそれが理由ですか。それから、普通に考えれば難民として認めてくれる国を選ぶのではありませんか、あなたが難民として日本に逃げてきたようにはどうしても思えません、日本の難民認定が非常に厳しいことは把握していなかったということですか、あり得ないですよ。日本、難民申請しない国だ、だからこんなところに来て何なんだと。
つまり、難民保護じゃないんですよ。寄り添って、難民保護をしようというんじゃなくて、来るなと、何でこんな難民認定が厳しいところに来るんですかということです。
驚くべき意見もあります。飛行機に乗るという発想自体が難民と懸け離れています、そんなことないですよ。今日びの難民、飛行機に乗ってやってきますよ。その他、本国に帰ればいいじゃないかとか、あなたは難民としては元気過ぎるとか、というようなこと。ビルマ出身のロヒンギャの申請者に対し、参与員が、あなたみたいな優秀な人は早く国に帰って貢献した方がよいですよという、違うでしょうと、帰ったら命が奪われるからなんですよ。何とか難民申請をして命を長らえていたものを、今回の法案は二回でもう帰れというんです。
今日の立法理由の説明にもありました。退去強制令書の発付を受けたにもかかわらず、様々な理由で送還を忌避する者が後を絶たない、これが立法理由ですよ。でも、日本のこの制度の最大の問題は、難民とすべき人間を難民としていない、そのことにこそあるんじゃないですか。
裁判が勝訴で、勝訴判決があるのが、お手元に配付資料を配っておりますが、五十六件紹介をしております。
二〇一五年八月二十八日、東京地裁で判決の出たコンゴ人のケース、これは、捜索令状、それから家宅捜索令状、職務命令書兼捜索通知、あるんですよ。党員証明書もあります。現地の新聞で、現地、コンゴの新聞に失踪したというところまで書いてあるんですよ。でも、この人、裁判やらなければ、これだけ証拠があるのに、捜査の書類があるのに難民認定されていないんですよ。これ、欠陥じゃないですか。

○政府参考人(西山卓爾君)
個別の訴訟案件につきましてコメントは差し控えますけれども、一般論として申し上げれば、我が国において難民認定申請がなされた場合は、申請者ごとにその申請内容を審査した上で、難民条約の定義に基づき難民と認定すべき者を適切に認定しているほか、難民とは認定しない場合であっても、出身国の情勢等に鑑みて、人道上、本邦での在留を認めるべき者については在留を適切に認めて保護しているところでございます。
その上で、訴訟においては、当事者の主張、立証を踏まえて判決が言い渡されるところ、例えば、難民不認定処分時に提出されていなかった原告の供述の信用性を裏付ける証拠が訴訟の段階で提出されるなどした結果、これを基に難民不認定処分を取り消す判決が言い渡されることもあると承知をしております。

○福島みずほ君
違いますよ、申請の段階から書類があるんですよ。それを、本物かどうか分からないといって認めないからこんなことになるんですよ。
二〇一八年八月八日、東京地裁で出たエチオピア人のケース、逮捕、勾留されています。暴力を受けております。この人は、審査で、難民申請で対面調査すらされていないんです。二〇二三年三月十五日、大阪地裁で出たウガンダ人のケース、全部これ判決読んでおります。ごめんなさい、間違えました。ウガンダ人のケースが対面審査もないんですね。このウガンダ人、レズビアンであることを理由に難民認定されました。ウガンダの憲法、刑法、どういう法律があるのか、どういう状況なのか、全部分かっているじゃないですか。でも、この人、対面審査もなかったんですよ。裁判やって、ようやく難民と認められたんですよ。
これ、日本の難民申請がうまくいっていない、難民認定がうまくいっていないということじゃないですか。

○政府参考人(西山卓爾君)
これもあくまで一般論として申し上げることではございますが、難民該当性は、申請者から提出された証拠資料だけを参考にするのではなく、申請者の供述等の個別的事情及び国籍国等における一般的事情の一切を総合評価して判断すべきものであり、申請者から客観証拠が提出されたことの一事をもって判断されるものでもございません。
また、例えば、国籍国等においてある法令が存在し、これが適用されることにより迫害が生じ得る場合においては、当該法令の具体的な適用状況や、申請者と同様の立場に置かれた者が当該法令の適用によって迫害を受けているかどうか等の事情を検討することになります。
いずれにいたしましても、難民該当性の判断につきましては、客観的情報を活用しつつ、申請者の置かれた立場を踏まえながら、公正かつ適切に行ってまいりたいと考えております。

○福島みずほ君
それは完全に間違っていたんですよ。ウガンダの憲法や刑法からすれば危ない、本人迫害を受ける。そして、コンゴ人のケースは、捜索、捜査の資料があるんですよ、本人の証言があるんですよ。総合的に考えて、誰が見てもこれ認めるべきじゃないですか。
この裁判五十六件、まあもっとほかにもありますが、十件またありますが、これ全部難民認定されてなくて、ようやく裁判で認められたんですよ。手弁当で頑張る弁護士がいて、弁護士に会えて、そして頑張って裁判やって、ようやく認められたんですよ。これ駄目じゃないですか。こんなに強い証拠があって、こんなに迫害を受ける根拠があって難民認定されないのがこの日本なんですよ。これ以上どういうふうに強い証拠があるんですか。
ミャンマーの人で難民認定を裁判でされたケースがある。日本で、反政府民主化団体の中でナンバーツーですよ、それだってちゃんと認められてる。裁判なって新しく出た証拠ではないんですよ。全部初めから分かっている。
ウガンダの憲法も刑法も、法律全部分かっているじゃないですか。本人の捜査令状も全部分かっているじゃないですか。にもかかわらず、にもかかわらず難民認定されてないんですよ。間違っているってことじゃないですか。それで送り返すんですよ。
大臣、どうですか。

○政府参考人(西山卓爾君)
既に二度の難民又は補完的保護対象者の不認定処分を受け、いずれの処分についても行政上確定した者は、二度にわたり難民及び補完的保護対象者該当性の判断がなされ、外部有識者である難民審査参与員が三人一組で審理を行い、法務大臣はその意見を必ず聞いた上で判断するなど、慎重な審査が十分に尽くされた者でございます。そのような者については、基本的に法的地位の安定を図る必要はないので、送還するのが相当であると考えているところでございます。
本法案では、三回目以降の難民等認定申請を行っている者は、送還停止効の例外となり、原則として申請によっては送還は停止されません。もっとも、三回目以降の申請者であっても、難民等の認定を行うべき相当の理由がある資料を提出した場合は、なお送還は停止されることになります。また、行政訴訟の提起と併せて退去強制令書の執行停止の申立てを行い、裁判所による執行停止決定がなされれば送還は停止されます。
このように、三回目以降の申請者についても、相当のある理由がある資料の提出により送還されず、難民認定審査を受けられるほか、司法判断を受ける機会も保障されているのであって、三回目以降の申請者を送還停止効の例外とすることにより不当な結果は生じないものと考えており、御指摘は当たらないものと考えております。

○福島みずほ君
信じられないですよ。相当な資料と言いますが、初めから資料はあるんですよ。初めから本人に対する迫害は分かっているんですよ。ですから、諸外国のように一回目できちっと審査する、それなら分かります。日本のように一回も二回もいいかげん、認めない。二〇二一年、トルコの人の難民認定率、カナダ九七%、日本ゼロですよ。
日本は難民がいない。だってそうじゃないですか。柳瀬房子さんの発言を引用し、分母にほとんど難民がいないというのを立法の理由にして、だから二回で送還してもいいんだとやっているんですよ。でも、それが一年間に一千件やったというでたらめですよ。どっちにしても、真実でもでたらめ、真実でなかったらでたらめ、そのでたらめにのっとって難民なんかいないんだということでこれやるわけでしょう。
でも、数少ないですよ、弁護士に出会える人、裁判を起こせる人、氷山の一角なんですよ。で、これだけの判決が出ているんですよ。判決の理由を見れば、初めからその人は難民認定されるべき人だと思います。
今朝の東京新聞に、クルド人の人が、日本で難民認定されない、そして、しかしUNHCRからは難民認定される、そしてニュージーランドで難民として暮らしているという人の記事があります。日本では難民認定されないんですよ。でも、外国だったら難民認定されるんですよ。どんな国ですか。どんな国ですか。
発議者にお聞きします。午前中もありましたが、どういう思いで難民保護法のこれを作ったか、教えてください。

○委員以外の議員(石橋通宏君)
先ほど来委員が御指摘の様々な問題、全く我々も同感でございまして、例えばミャンマーのことにも触れていただきました。私も、もう三十年来、ミャンマーの民主化、和平に取り組んできました。残念ながら、ミャンマーは、いまだにずっと少数民族の問題、国軍との内戦が続いておりました。民主化が進められていた時期にも内戦は起こっていたわけ、継続していたわけです。ただ、残念ながら、例えばロヒンギャの方々についてもそうだし、カチンの皆さん、こういった、当時から内戦状態にあった、当然、残念ながら、国に帰れば迫害の極めて高いリスクがある、そういった状況があるにもかかわらず、日本ではずっと、難民申請をしながら、拒否され、認定されてこなかったという問題が続けられてきました。
ですので、これ結局、政府、今の現行制度では、いわゆる個別把握説、個別に一人一人が直接的な何らかの証拠を示して迫害を証明しないと難民の認定とされないと。政府は、いろいろ入管庁は言うのですが、結局はそういう結果、保護されるべき方々が保護されていないと。これが、今日ずっと午前中から申し上げているとおり、現行制度の極めて深刻な問題だというふうに思っています。結果的に難民認定率が極めて低い。ただ、それは、やっぱり本来保護すべき方々、本来在留資格を認めるべき方々が認められていないという制度的な欠陥の結果、こういう国際的に恥ずかしい状況がずっと続けられてしまったということだと思っています。
ですので、私たちは、それを抜本的に変えて、国際的に恥ずかしくない当たり前の制度をつくるために、今回、私たち、保護すべき方々を適切に保護すべき、そういった趣旨で今回、第三者機関、現行の出入国管理制度から、難民保護、難民審査、これを適切に国際条約にのっとって行うための第三者機関としての設置を提案させていただいて、この第三者機関が国際基準にのっとって適切かつ迅速に判断をしていただくと、そういう立て付けにさせていただきました。
現行の制度は、重ねて、国際機関、UNHCR等からもずっと批判を受けています。残念ながら、今の入管庁の説明等を聞いても、UNHCR等からの批判に応えるものにはなっていないと。私たちの案は、これは、重ねて、国際基準にのっとった、そういった国連機関からの批判を全てしっかりと踏まえさせていただいて、それに応え得る提案ということで提案させていただいております。
難民の認定、そして不服審査、こういったものをきちんとこの第三者機関でやらせていただくこと、これはもう必要不可欠だと思っております。それによって委員御指摘の様々な現行制度の問題についてきちんと手当てをさせていただける、そういう趣旨で提案させていただいておりますので、是非ともそれについての御理解をいただければと思っております。

○福島みずほ君
退去強制令書発付後に難民認定された人の数なんですが、最近五年間でデータを出していただきました。十一人。二〇一〇年から一八年までは四十三人です。大体五人に一人の割合なんですね。退去強制令書発付後に難民認定される。だから、もう退去強制令書を出して、それで従わなければ送還忌避罪だというのは駄目なんですよ。犯罪で、おまえら帰れと、刑務所に行くか本国に帰るかの選択を迫ったら、命の危険が本当に発生しますよ。
出身国情報の収集なんですが、職員が配置されたのは二十九年五月から。そして、現在何名が配置されているかというと、専従者は五名ということでよろしいですね。

○政府参考人(西山卓爾君)
失礼しました。
入管庁においては、平成二十九年五月から出身国情報に従事する職員を配置しておりまして、令和五年四月現在で、入管庁本庁内に出身国情報の収集等に専従する職員として五名の職員が配置されております。

○福島みずほ君
余りに少ないですよ。世界で二百か国近くがある、時々刻々変わる。そして、私は、難民なんかいないんだ、わざわざ柳瀬房子さんの、こんなにやった、一年間に一千件やった、でも、難民ってほとんど分母にいないんですよ、これを引用しているんですよ、改正するに当たって。こんな、でたらめですよ。この認識でこの法案が作られているから、私は立法理由が完璧に間違っていると思います。
この五名なんですが、やっぱり少な過ぎますよ。それから、本当に難民保護の観点からどういう資料を取ればいいかというようなことをやり切れていないというふうに思います。
大臣、大臣はこの法案を改悪ではないと言いました。改悪でしょう。今帰らなくてもいい人を、二回で、難民申請がでたらめなんですよ。物すごく低い難民認定率です。これで二回やって、三回目はもう帰してしまう。これ改悪でしょう。今現に、難民申請して二回たった人たち、追い返されてしまうんですよ。改悪以外の何物でもないじゃないですか。私たち野党が出した、第三者機関切り離す、難民保護をきちっとやる、それで初めてスタートですよ。改悪でしかないと思いますが、いかがですか。
柳瀬さんのこの証言、いいんですか。

○国務大臣(齋藤健君)
答弁の機会をありがとうございます。
まず、五十六件の訴訟の話をされましたが、これ、今ここでその一つ一つについてお答えを申し上げられるものは持ち合わせていませんが、福島さんが今言及されているウガンダのケースにつきましては、その訴訟の段階で原告から新たに、新たに提出された証拠が原告の供述の信用性を裏付けるものであるとして判決がなされたものであるということは申し上げておきたいと思います。
そして、柳瀬さんのことについて、彼女の名誉がありますので申し上げますと、我々が承知しているのは、報道は分かりません、承知しているのは、国会で彼女がおっしゃった十七年間で二千件やりましたということであります。国会でおっしゃったのはそういうことであります。その上で、彼女は、私はもうこの参与員制度が始まってから、平成十七年からですよ、現在に至るまで長いこと参与員務めて、そして五十年代から難民を支援するNPOの団体の設立に関わり、その運営も務められた方の発言だということはもう少し重く受け止めてもいいんじゃないでしょうか。私はそれを申し上げたいと強く思います。
それから、二回目申請して認められなかった人たちのお話がありましたが、まず、三回目以降の複数の申請者につきましては、もう既に二度にわたり外部有識者である難民審査参与員による審査を含む慎重な審査、これが尽くされていること、それから、難民等の認定を行う相当の理由がある資料を提出すればなお送還は停止すること、それから、改正法施行の際に現に難民認定手続中の方については、これまあ多分経過措置に関わる話だと思いますが、当該申請に係る不認定処分が行政上確定するまでは送還が停止することなど、手続上の保障も設けているところでありますので、難民認定申請者の権利に十分配慮していると考えています。

○福島みずほ君
柳瀬さんは二つ言っているんですね。まあちょっと証言変わるところもありますが。二〇〇五年から二〇二一年四月までに担当した二千件が全て対面審査まで実施した慎重な調査と、これは言っているわけですね。大臣も、全て対面審査で、二〇二一年四月の参考人招致で言っていて、大臣もこのことを認めています。
もう一方で、柳瀬さんは二年間で二千件やっているということも証言をしているわけです。インタビューにも認めています。だからこそ、さっき次長がそれもあり得ると、あり得るということを言ったわけです。それは認めています。ですから、その両方問題であると、両方問題であるということを言っています。
二年間で自身が関わったケースが二千件近くあるというふうに彼女は認めているんですよ。そして、差引き、四千件引く二千件で二千件という数字も出てきますから、これは二千件なんですよ。それを前提に先ほど次長も答弁をされたというふうに思います。
これを前提に、私は、彼女の今までの頑張りとか、それはもちろんあるかもしれぬ、あると思いますよ。頑張ってこられたと思いますよ。ただ、こういう審査でいいんですか、こういう証言でいいんですか、そしてそれを前提に、難民がほとんどいないことを前提にこの法案を作って出してきた、立法事実がもう揺らいでいるんじゃないんですか、こんな審査でいいんですかということです。
ウガンダの女性ですが、ウガンダの憲法も刑法も調べれば分かることです。そんな、初めから分かっていることです、ウガンダの女性については。ですから、裁判になって初めてということはないとも思います。
それから、五十六件のそれぞれ見てくださいよ。どんなケースで難民認定されているか。なぜこれらのケースが難民認定を、なぜ日本でされなくて、裁判でようやく勝たなければならないか。なかなかロヒンギャも認められない。ミャンマーだって千三百人以上、先ほど石橋さんからもありましたが、数十人ですよ、最近でも。本当に難民認定されない。クルドの人は、初めて一人、去年認められた、裁判でということがあります。
この法案、改悪であって、認められないということを強く申し上げ、質問を終わります。

※本議事録は未定稿です。

 

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