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派遣法改悪法案について質問 8/18 厚労委 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)
8/18(火) 厚生労働委員会で、労働者派遣法改悪法案について、「派遣労働者の交通費」「正社員と勤務地での待遇の違い」等について質問致しました。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
まず、女性が長時間労働の男性並みに働く平等をどう考えているかについてお聞きをいたします。
一九八五年、男女雇用機会均等法が成立をしましたが、それ以降、女性のディーセントワークはどのように達成されてきたでしょうか。
○政府参考人(安藤よし子君) 均等法の制定に当たりましては、女子差別撤廃条約の考え方にものっとりまして、雇用管理における男女差別的な取扱いを撤廃するとともに、母性保護措置以外の女性のみに対する保護措置については見直しが必要という方針が打ち出されたわけでございます。
しかしながら、一方で、女性の就業実態や労働条件、また、女性がより多く家庭責任を負っているというような状況も十分踏まえたものであるべきという考え方から、累次の改正でほぼ二十年掛けて性差別の禁止と一般女性のみに課された労働時間の規制の解除に至ったものでございます。この間、男女共に育児休業や介護休業の権利を創設するなど、実質的な均等を支える両立支援の取組も行ってきたところでございます。
一方で、この間、法制上の平等が進んだにもかかわらず、実態としての男女均等の確保が思うように進んでこなかったのも事実でございまして、その背景に、男性を中心とした企業の基幹的労働者に見られる長時間労働の問題があるということについては、種々の統計からも明らかとなっております。
女性活躍推進の観点からの取組も併せて、男女共に長時間労働を是正する取組を進めているところでございます。
○福島みずほ君 雇用機会均等法が一定の役割を果たしてきたことは理解をしていますが、しかし、労働現場は惨たんたる有様です。女性の非正規雇用率は五四%、非正規雇用の人たちで年収三百万円以下の人が圧倒的に多い、シングルマザーの年収は百数十万円台という、女性の労働については実に惨たんたる有様だというふうに思っています。その理由の大きな一つが、男性並みに長時間働くことを前提とした働き方が強いられてきた。ですから、同一価値労働同一賃金もいいんですが、正社員の雇用も規制し、そして非正規雇用の同一価値労働同一賃金、労働法制の規制をしなければ、雇用の現場は変わらないというふうに思います。
〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕
ホワイトカラーエグゼンプションなどの労働規制緩和が推進されていること、これは女性の労働にとってより悪化することではないでしょうか。いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 男女雇用機会均等法が導入されてから三十年たったわけでございますけれども、現在もなお実質的な格差というのがやっぱり男女間で残っているというのは、先生今御指摘なさったとおりだというふうに思います。
女性の活躍に向けては、男女雇用機会均等法に基づいて性差別の禁止を徹底していくことが引き続き重要であるとともに、男女が共に家庭責任を果たせる社会としていくことも同時に重要であって、とりわけ長時間労働の是正は今御指摘のあったとおりでありまして、女性の活躍に向け、欠かせない課題として解決をしていかなきゃならないというふうに思っております。
このため、現在御審議をいただいております女性活躍推進法案においては、事業主に対して、労働時間の状況等の状況把握、課題分析を行って、その結果を踏まえた行動計画の策定などを求めることとしているところでございまして、また、事業主が行動計画策定に際して踏まえることとなります行動計画策定指針、ここにおいて長時間労働の是正など働き方改革等について先進企業の効果的取組を盛り込みたいというふうに考えておりまして、こうした取組等を通じて、職場と家庭の両立において男女が共に貢献をする社会を構築してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○福島みずほ君 ホワイトカラーエグゼンプションは労働時間規制をなくすもので、長時間労働の規制には真っ向から逆行しているというふうに考えます。
次に、丸子警報器事件についてお聞きをします。
丸子警報器事件は、長野地裁上田支部平成八年三月十五日判決ですが、この判決は、同じ勤務年数の女性正社員の八割を下回る臨時社員の賃金をその限度で違法とするということについて言いました。
この基準でいけば、同じ仕事をしていて時間給に割って八割以下であれば公序良俗違反で無効であるというこの判決を前提にすれば、日本の多くのパートタイム労働者や有期契約、非正規雇用の人たちの労働実態はまさに公序良俗違反で違法となると思います。
厚生労働省はこの丸子警報器事件を踏まえてどのような対策、どのような切り込み、どのような改善を行ってきたんでしょうか。
○政府参考人(安藤よし子君) 御指摘の事件につきましては、二か月の雇用契約を更新していた臨時社員と正社員の賃金格差が問題となった事件でございます。
その判決においては、同一価値労働同一賃金の原則が労働関係を規律する一般的な法規範として存在していると認めることはできないとした上で、賃金格差について使用者に許された裁量の範囲を逸脱したものとして公序良俗違反の違法を招来する場合があるとして、職務の内容、勤務時間、契約期間などの実態から臨時社員と正社員の同一性を比較し、同じ勤続年数の正社員の八割以下となるときは許容される賃金格差の範囲を明らかに超えるとしております。
〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕
厚生労働省におきましては、この判決も参考としつつ、雇用形態に応じた均等・均衡待遇の確保を進めてきたところでございまして、具体的には、平成十九年パートタイム労働法改正による正社員とパートタイム労働者の差別的取扱い禁止の規定の創設、また、平成二十六年改正による差別的取扱い禁止の対象範囲の拡充、また、平成二十四年の労働契約法の改正によります期間の定めがあることによる不合理な労働条件を禁止する民事ルールの整備といった法規定の整備を行ってきたところでございます。
○福島みずほ君 私が聞きたいのは、この丸子警報器事件を前提とすれば、ほとんどの多くの日本の労働現場が公序良俗違反になるということです。法律を作っていらっしゃることはもちろん分かります。しかし、それが効力が余り発揮できていない、現状で、正社員と非正規雇用の間、とりわけ男女の間に大きな格差が生じている。ということは、厚生労働行政がその点で有効に機能していないということではないんですか。
○政府参考人(安藤よし子君) 処遇の格差につきましては、御指摘のような公序良俗違反に当たるような差別的取扱い以外に、いろいろな要因によって生じてくるものだと考えております。
御指摘の丸子警報器の判決におきましては、正社員と長年にわたって同等の働き方をしておられるパートタイム労働者がいる場合には、八割を下回る処遇は公序良俗違反というような司法判断が示されたということを受けまして、十九年のパート法改正では、一定の要件に当たる場合には差別禁止、すなわち一〇〇%、十割の処遇を求めるというような手当てをしたところでございます。
○福島みずほ君 丸子警報器事件や労働契約法二十条を生かして日本の労働現場がもっと変わるようにしなければならないと思いますし、厚生労働省はその責務があるというふうに思います。
私も男女共同参画担当大臣として手掛けた第三次基本計画の中には、同一価値労働同一賃金に向けた均等・均衡待遇の取組の推進というものを掲げております。そこの中に、同一価値労働同一賃金の実現に向けた取組方法の検討というのが基本計画に盛り込まれておりますが、済みません、これちょっと質問通告していないんですが、厚労省としては、この第三次基本計画を踏まえてどのような取組をされてきたでしょうか。
○政府参考人(安藤よし子君) 均等・均衡待遇の取組、パートタイム労働者について申し上げますと、平成十九年のパート法の改正を行ったということ、また、二十六年の改正によりまして差別的取扱い禁止の対象の範囲を拡大するというようなことをいたしました。また、処遇の改善に向けまして職務評価のガイドラインなどを作りまして、その周知啓発に努めてきたところでございます。
○福島みずほ君 今日、EU指令やいろんな議論が出ておりますが、外国の一種の取組、同一価値労働同一賃金を目指した数値目標の設定や算定の方法など、是非厚生労働省として進めていただきたい。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは何度も総理を含めて御答弁申し上げてきたように、同一価値の労働に対して同一の賃金を払うという考え方は極めて重要であって、私どもも均等待遇ということを視野に努力をして研究を続けていかなければならないというふうに申し上げているところでございまして、先生今御指摘の方向性で私どもとしても議論を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○福島みずほ君 その結果を早くまた教えていただけるようにと思います。
厚労省の平成二十四年派遣労働者実態調査報告によりますと、先ほども副大臣から答弁がありましたが、派遣の通勤手当支給は四五・五%、半分以下になっています。賞与・一時金支給は一七・一%、それから皆勤手当支給が五・五%、住宅手当支給は五・二%にとどまります。支給が全くないというのは三六・四%です。
交通費の問題はここでもずっと質問しておりますが、派遣において交通費を支給しないことは違法ではないかもしれないんですが、派遣の人だけ交通運賃がただということはありませんから、これは必要経費として必ず払われるべきだというふうに思います。
派遣法の改正法案が議論になっておりますが、交通費を支給しないような会社は、これは許可を取り消すぐらいのことをやっていただきたい。いかがでしょうか。
○政府参考人(坂口卓君) 今委員の方から御紹介いただいたような実態に現在この通勤手当の状況についてはあるということでございます。実態がそういう状況の中で今おっしゃったような手だてをするというのは、労使でも議論もまだされておりませんし、なかなか難しいということで私どもとしては考えております。
ただ、この交通費の問題については、審議会の御議論の中では、議員も御承知かと思いますけれども、現在、労働契約法の二十条の規定がございますので、派遣元事業主の通常の労働者と有期雇用の派遣労働者との通勤手当の支給に関する労働条件の相違ということを労働契約法に照らしますれば、諸般の事情を考慮して特段の事情がない限り不合理と認められるものであってはならないということはあろうかと思いますので、そういった点については派遣元指針に盛り込むなどして、しっかり周知ということは取り組んでまいりたいと思います。
○福島みずほ君 現行の労働者派遣法でも、三十条の二は、均衡を考慮した待遇の確保とありますよね。均衡ということであれば、均等か均衡かですが、交通費はせめて支払われるべきだというふうに思っています。これに関して、今日、済みません、発議者に私は質問通告をしていないんですが、交通費は当然支払われるべき、この法律を前提にすればということでよろしいですか。
○衆議院議員(井坂信彦君) 先ほど答弁で申し上げましたように、制度の共通化という中には、この交通費、そしてまた派遣労働者も特に排除はされておりませんので、制度の共通化の中でそうしたところも共通化をしていくべきだというふうに考えます。
○福島みずほ君 共通化ということがちょっとよく分からないんですが、厚生労働省にお聞きしたい。
せっかく国会で審議をしているので、少なくとも働いている人にとって少しでもやっぱり前進があるべきだというふうに思います。せめて交通費だけでもこれは支給してほしい。どうですか。これを守らない派遣会社は許可を取り消すぐらいやってくださいよ。でなければ改善されません。いかがですか。
○政府参考人(坂口卓君) 今回の議員立法に基づく制度の共通化につきましては、いろいろな制度についての共通化はどういったものがあるべしということについては私どもも調査検討した上で、また労使にも御議論いただいた上で検討してまいりたいと考えております。
その上で、現在の派遣法の枠組みの中でということにつきましては、先ほどの答弁の繰り返しとなりますけれども、許可の取消し、あるいは許可をすることができないというような形での状況ということについては、私どもとしては、労使の御議論もまだ踏まえているという状況ではありませんので、そういった点についてはなかなか難しいかと考えております。
ただ、先ほど申し上げたような点については、派遣元指針に盛り込むような形も含めて、しっかりと私どもとしても周知をして改善を図ってまいりたいと思います。
○福島みずほ君 この派遣法の、私たちは改悪法案と言っていますが、均衡だといっても意味がないじゃないですか。労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策の推進に関する法律案なんといったところで、交通費すら支給されないんだったら、どこが均衡なんですか。
○政府参考人(坂口卓君) 私どもとしましては、今回派遣先、元の方にいろいろな賃金情報の提供等も含めて均衡の取組を進めていただくということにつきましては、この法案にしっかり盛り込ませていただいたと考えております。通勤手当の問題につきましては、先ほど御答弁をさせていただいたような手だてをもって改善を図ってまいりたいと思っております。
○福島みずほ君 いや、全く納得できません。
正社員は交通費が出る、でも派遣労働者は交通費が出ない。でも、派遣労働者は交通費が掛からないなんということはないわけじゃないですか。均衡なんと言うぐらいだったら、それはこれ払ってくださいよ。それぐらい厚生労働省が言えなくて、何が厚生労働省なんですか。
○政府参考人(坂口卓君) 何度も繰り返しになって恐縮でございますけれども、審議会の中でも御議論をいただいた通勤手当の問題を踏まえて、先ほどのような形で労働契約法の二十条との関係を照らし合わせた形での趣旨の徹底ということを指針に盛り込もうというような御議論がされたということもございますので、私どもとしましては、そういったことを通じての取組ということをしっかり促してまいりたいと思います。
○福島みずほ君 この交通費についてはずっと議論しておりますが、これすら実現できなかったら均衡法案なんて取り下げてくださいよ。何の意味もないじゃないですか。絵に描いた餅ですよ。派遣労働者は何で半分以下の人しか交通費がもらえないんですか。
○政府参考人(坂口卓君) 現在、先ほど御紹介いただいたような実態にあるということは事実でございますので、そういった点も踏まえて、今回の改正に当たっても労使でも御議論いただいたというのが先ほど申し上げた内容ということでございます。ですから、そういった実情等々を踏まえながらどういった形で改善できるかということはございますが、先ほどのような趣旨を派遣元指針に盛り込んで私どもとしては改善を図ってまいりたいと思います。
○福島みずほ君 じゃ、発議者、これ均衡法案だと言うぐらいだったら、交通費ぐらい保障するという趣旨でよろしいですね。
○衆議院議員(井坂信彦君) 制度の共通化というふうに六条一で書かせていただいて、合理的な理由のない、そこで単に派遣だから交通費出しませんというような、こういうことは本法案の趣旨として認められないというふうに思っています。
ただ、それを実際に企業にやってもらうために政府がどのような措置をとるかに関しては、おっしゃるような、それをやらなければ派遣業許可取消しだという強いやり方も手段としてあるでしょうし、ほかのやり方もあるというふうに思いますので、そこは政府の検討、また実態の調査、労政審の議論、こういったところでいろいろ変わり得るんだというふうに思っています。
○福島みずほ君 だったら駄目じゃないですか。どんな意味があるんですか、この法案に。
じゃ、確認しますが、派遣だからといって交通費を払わないことは不合理な差別ですよね。
○衆議院議員(井坂信彦君) 単に派遣だからというだけで、ほかに何も理由がないのに交通費を払わないというのは不合理ではないかなというふうに思います。
○福島みずほ君 ということで厚生労働省もよろしいですね。
○政府参考人(坂口卓君) その点につきましては、派遣だからと申しますか、先ほど申し上げたとおり、労働契約法の二十条で有期であるということを理由にしてということでそういった規定が設けられておりますので、その趣旨をしっかり尊重して、しっかり派遣業者にも周知をして改善を図っていきたいということでございます。
○福島みずほ君 改善を図っていきたいということで、今半分以下の人しか交通費が支給されていない、この改善が、この法律が施行されようがされまいが均衡の待遇というのは今の現行法でもあるわけですから、実現できるようにと思っております。
それで、食堂、休憩・更衣室などについて、福利厚生のことなんですが、これは配慮義務にレベルが上がりましたが、配慮義務というのは結果責任ではありません。今度、四十条の三項ですが、この厚生労働省令で定めるというのは何が入るんでしょうか。そして、当然、食堂、休憩・更衣室などは使えるということでよろしいでしょうか。診療所は使えるんでしょうか。
○政府参考人(坂口卓君) 今の福利厚生施設の点につきましてでございますけれども、その点につきましては、今委員御指摘のように、具体的な事項の福利厚生施設につきましては厚生労働省令で定めるということにしております。
この点につきましても、労働政策審議会でこの法案を提案していただく際に御議論いただいたところでございますけれども、その中では、一定の福利厚生施設について、給食施設、休憩室、更衣室が掲げられておりまして、この三者についての利用の機会を与えるように配慮するということを今後省令で定めていこうということで考えてございます。
○福島みずほ君 同じ会社で働いていて、あなたは派遣だから食堂は使えませんよ、休憩室は使えませんよ、更衣室は使えませんよなんということはあり得ないと思うんですね。そうだとすれば、これは配慮しなければならないという配慮義務なんですが、これはむしろ義務規定にすべきではないですか。どうですか。
○政府参考人(坂口卓君) この点につきましては、現在の規定は、議員も御承知のとおり、労働者が利用する施設に関する便宜供与についての努力義務ということにとどまっているところでございます。
今回、その規定について、必ず何らかのアクションを派遣先の方に起こしていただくべく配慮義務ということにすることが先ほどの三施設につきましては適当であるということで、労働政策審議会の中でも御議論をいただいたということでございますので、私どもとしましては、その議論を踏まえて、今回配慮義務という形でしっかりその取組を促してまいりたいと思います。
○福島みずほ君 配慮義務というのは、何らかのアクションを取ればいいわけですよね。だから、会社の側が食堂や更衣室や休憩室について考慮したけど、例えば狭いし、派遣の人は御遠慮していただく、これはオーケーなんですか。
○政府参考人(坂口卓君) 御遠慮していただいて云々というところについてはそれぞれの個々の事情になろうかと思いますけれども、いろいろ、更衣室の置かれているその設置状況等々もありますので、どういったところまでというところには限界がある部分は個々の企業においてはあるかもしれませんけれども、いずれにしましても、何らかの形で利用の機会を与えるということについての配慮ということは、何らかの形で派遣先の方に配慮をしっかりしていただくということを求めてまいりたいと思います。
○福島みずほ君 同じ社員、同じ社員というか同じ会社で働いているわけですから、更衣室、休憩室、食堂を使えて当然だと思います。その点で徹底していただきたい。
診療所は使えないんですよね。診療所は入りますか。
○政府参考人(坂口卓君) 診療所につきましては、それぞれのやはり企業に置かれている制度の現状ということもあるので、現在も、この努力義務の一つとしては派遣先指針の中にも例示として掲げさせていただいておりますけれども、そういった取組で、しっかり均衡の取組ということについて派遣先を促すという形で進めたいと考えております。
○福島みずほ君 均衡待遇、均等待遇と言ってもいいと思いますが、やはりパートだと、さっきの丸子警報器事件ではありませんが、時間給に直してどうかという議論ができるわけですが、派遣の場合の賃金の均等・均衡待遇というのは、マージン率があるために、どうしても派遣社員は、もし仮に同じ仕事をしていたとしても、賃金が必ず安くなるというふうに思うんですね。
この点はどうなんでしょうか。これはやっぱり派遣自身が持っている問題だとも思いますが、均等・均衡待遇でいえば、これは丸子警報器事件は適用されるんですか。
○政府参考人(坂口卓君) 判例の適用については特にコメントを差し控えさせていただきますけれども、二十四年改正でも、派遣元の方で派遣先の賃金水準を考慮して賃金を決定するということについての配慮義務が盛り込まれておるところでございます。
今回の改正案では、さらに、派遣先の方から、しっかり派遣元がそういった決定ができるように、派遣先について派遣先の労働者との均衡を考慮して決められるように、その派遣先の賃金の情報ということをしっかり派遣元に伝えていただくということを今度は情報提供の配慮義務ということにしておりますので、それぞれの派遣先の労働者とどういったところで比べるかという難しさがあるということについては、今日も議員立法の御議論の中でもるる御議論になっておるところでございますけれども、いろいろそういった制約のある中で、できる限りの均衡的な取組ということを進めていただくように私どもとしては取り組んでまいりたいと思います。
○福島みずほ君 せめて交通費から、全額支給のところから始めていただきたいと。それもできなくて均衡も均等もないだろうと思います。
終わります。
8月18日 厚生労働委員会にて、参考人質疑を致しました。
*議事録のUPが遅くなりまして申し訳ありません。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
まず、女性が長時間労働の男性並みに働く平等をどう考えているかについてお聞きをいたします。
一九八五年、男女雇用機会均等法が成立をしましたが、それ以降、女性のディーセントワークはどのように達成されてきたでしょうか。
○政府参考人(安藤よし子君) 均等法の制定に当たりましては、女子差別撤廃条約の考え方にものっとりまして、雇用管理における男女差別的な取扱いを撤廃するとともに、母性保護措置以外の女性のみに対する保護措置については見直しが必要という方針が打ち出されたわけでございます。
しかしながら、一方で、女性の就業実態や労働条件、また、女性がより多く家庭責任を負っているというような状況も十分踏まえたものであるべきという考え方から、累次の改正でほぼ二十年掛けて性差別の禁止と一般女性のみに課された労働時間の規制の解除に至ったものでございます。この間、男女共に育児休業や介護休業の権利を創設するなど、実質的な均等を支える両立支援の取組も行ってきたところでございます。
一方で、この間、法制上の平等が進んだにもかかわらず、実態としての男女均等の確保が思うように進んでこなかったのも事実でございまして、その背景に、男性を中心とした企業の基幹的労働者に見られる長時間労働の問題があるということについては、種々の統計からも明らかとなっております。
女性活躍推進の観点からの取組も併せて、男女共に長時間労働を是正する取組を進めているところでございます。
○福島みずほ君 雇用機会均等法が一定の役割を果たしてきたことは理解をしていますが、しかし、労働現場は惨たんたる有様です。女性の非正規雇用率は五四%、非正規雇用の人たちで年収三百万円以下の人が圧倒的に多い、シングルマザーの年収は百数十万円台という、女性の労働については実に惨たんたる有様だというふうに思っています。その理由の大きな一つが、男性並みに長時間働くことを前提とした働き方が強いられてきた。ですから、同一価値労働同一賃金もいいんですが、正社員の雇用も規制し、そして非正規雇用の同一価値労働同一賃金、労働法制の規制をしなければ、雇用の現場は変わらないというふうに思います。
〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕
ホワイトカラーエグゼンプションなどの労働規制緩和が推進されていること、これは女性の労働にとってより悪化することではないでしょうか。いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 男女雇用機会均等法が導入されてから三十年たったわけでございますけれども、現在もなお実質的な格差というのがやっぱり男女間で残っているというのは、先生今御指摘なさったとおりだというふうに思います。
女性の活躍に向けては、男女雇用機会均等法に基づいて性差別の禁止を徹底していくことが引き続き重要であるとともに、男女が共に家庭責任を果たせる社会としていくことも同時に重要であって、とりわけ長時間労働の是正は今御指摘のあったとおりでありまして、女性の活躍に向け、欠かせない課題として解決をしていかなきゃならないというふうに思っております。
このため、現在御審議をいただいております女性活躍推進法案においては、事業主に対して、労働時間の状況等の状況把握、課題分析を行って、その結果を踏まえた行動計画の策定などを求めることとしているところでございまして、また、事業主が行動計画策定に際して踏まえることとなります行動計画策定指針、ここにおいて長時間労働の是正など働き方改革等について先進企業の効果的取組を盛り込みたいというふうに考えておりまして、こうした取組等を通じて、職場と家庭の両立において男女が共に貢献をする社会を構築してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○福島みずほ君 ホワイトカラーエグゼンプションは労働時間規制をなくすもので、長時間労働の規制には真っ向から逆行しているというふうに考えます。
次に、丸子警報器事件についてお聞きをします。
丸子警報器事件は、長野地裁上田支部平成八年三月十五日判決ですが、この判決は、同じ勤務年数の女性正社員の八割を下回る臨時社員の賃金をその限度で違法とするということについて言いました。
この基準でいけば、同じ仕事をしていて時間給に割って八割以下であれば公序良俗違反で無効であるというこの判決を前提にすれば、日本の多くのパートタイム労働者や有期契約、非正規雇用の人たちの労働実態はまさに公序良俗違反で違法となると思います。
厚生労働省はこの丸子警報器事件を踏まえてどのような対策、どのような切り込み、どのような改善を行ってきたんでしょうか。
○政府参考人(安藤よし子君) 御指摘の事件につきましては、二か月の雇用契約を更新していた臨時社員と正社員の賃金格差が問題となった事件でございます。
その判決においては、同一価値労働同一賃金の原則が労働関係を規律する一般的な法規範として存在していると認めることはできないとした上で、賃金格差について使用者に許された裁量の範囲を逸脱したものとして公序良俗違反の違法を招来する場合があるとして、職務の内容、勤務時間、契約期間などの実態から臨時社員と正社員の同一性を比較し、同じ勤続年数の正社員の八割以下となるときは許容される賃金格差の範囲を明らかに超えるとしております。
〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕
厚生労働省におきましては、この判決も参考としつつ、雇用形態に応じた均等・均衡待遇の確保を進めてきたところでございまして、具体的には、平成十九年パートタイム労働法改正による正社員とパートタイム労働者の差別的取扱い禁止の規定の創設、また、平成二十六年改正による差別的取扱い禁止の対象範囲の拡充、また、平成二十四年の労働契約法の改正によります期間の定めがあることによる不合理な労働条件を禁止する民事ルールの整備といった法規定の整備を行ってきたところでございます。
○福島みずほ君 私が聞きたいのは、この丸子警報器事件を前提とすれば、ほとんどの多くの日本の労働現場が公序良俗違反になるということです。法律を作っていらっしゃることはもちろん分かります。しかし、それが効力が余り発揮できていない、現状で、正社員と非正規雇用の間、とりわけ男女の間に大きな格差が生じている。ということは、厚生労働行政がその点で有効に機能していないということではないんですか。
○政府参考人(安藤よし子君) 処遇の格差につきましては、御指摘のような公序良俗違反に当たるような差別的取扱い以外に、いろいろな要因によって生じてくるものだと考えております。
御指摘の丸子警報器の判決におきましては、正社員と長年にわたって同等の働き方をしておられるパートタイム労働者がいる場合には、八割を下回る処遇は公序良俗違反というような司法判断が示されたということを受けまして、十九年のパート法改正では、一定の要件に当たる場合には差別禁止、すなわち一〇〇%、十割の処遇を求めるというような手当てをしたところでございます。
○福島みずほ君 丸子警報器事件や労働契約法二十条を生かして日本の労働現場がもっと変わるようにしなければならないと思いますし、厚生労働省はその責務があるというふうに思います。
私も男女共同参画担当大臣として手掛けた第三次基本計画の中には、同一価値労働同一賃金に向けた均等・均衡待遇の取組の推進というものを掲げております。そこの中に、同一価値労働同一賃金の実現に向けた取組方法の検討というのが基本計画に盛り込まれておりますが、済みません、これちょっと質問通告していないんですが、厚労省としては、この第三次基本計画を踏まえてどのような取組をされてきたでしょうか。
○政府参考人(安藤よし子君) 均等・均衡待遇の取組、パートタイム労働者について申し上げますと、平成十九年のパート法の改正を行ったということ、また、二十六年の改正によりまして差別的取扱い禁止の対象の範囲を拡大するというようなことをいたしました。また、処遇の改善に向けまして職務評価のガイドラインなどを作りまして、その周知啓発に努めてきたところでございます。
○福島みずほ君 今日、EU指令やいろんな議論が出ておりますが、外国の一種の取組、同一価値労働同一賃金を目指した数値目標の設定や算定の方法など、是非厚生労働省として進めていただきたい。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは何度も総理を含めて御答弁申し上げてきたように、同一価値の労働に対して同一の賃金を払うという考え方は極めて重要であって、私どもも均等待遇ということを視野に努力をして研究を続けていかなければならないというふうに申し上げているところでございまして、先生今御指摘の方向性で私どもとしても議論を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○福島みずほ君 その結果を早くまた教えていただけるようにと思います。
厚労省の平成二十四年派遣労働者実態調査報告によりますと、先ほども副大臣から答弁がありましたが、派遣の通勤手当支給は四五・五%、半分以下になっています。賞与・一時金支給は一七・一%、それから皆勤手当支給が五・五%、住宅手当支給は五・二%にとどまります。支給が全くないというのは三六・四%です。
交通費の問題はここでもずっと質問しておりますが、派遣において交通費を支給しないことは違法ではないかもしれないんですが、派遣の人だけ交通運賃がただということはありませんから、これは必要経費として必ず払われるべきだというふうに思います。
派遣法の改正法案が議論になっておりますが、交通費を支給しないような会社は、これは許可を取り消すぐらいのことをやっていただきたい。いかがでしょうか。
○政府参考人(坂口卓君) 今委員の方から御紹介いただいたような実態に現在この通勤手当の状況についてはあるということでございます。実態がそういう状況の中で今おっしゃったような手だてをするというのは、労使でも議論もまだされておりませんし、なかなか難しいということで私どもとしては考えております。
ただ、この交通費の問題については、審議会の御議論の中では、議員も御承知かと思いますけれども、現在、労働契約法の二十条の規定がございますので、派遣元事業主の通常の労働者と有期雇用の派遣労働者との通勤手当の支給に関する労働条件の相違ということを労働契約法に照らしますれば、諸般の事情を考慮して特段の事情がない限り不合理と認められるものであってはならないということはあろうかと思いますので、そういった点については派遣元指針に盛り込むなどして、しっかり周知ということは取り組んでまいりたいと思います。
○福島みずほ君 現行の労働者派遣法でも、三十条の二は、均衡を考慮した待遇の確保とありますよね。均衡ということであれば、均等か均衡かですが、交通費はせめて支払われるべきだというふうに思っています。これに関して、今日、済みません、発議者に私は質問通告をしていないんですが、交通費は当然支払われるべき、この法律を前提にすればということでよろしいですか。
○衆議院議員(井坂信彦君) 先ほど答弁で申し上げましたように、制度の共通化という中には、この交通費、そしてまた派遣労働者も特に排除はされておりませんので、制度の共通化の中でそうしたところも共通化をしていくべきだというふうに考えます。
○福島みずほ君 共通化ということがちょっとよく分からないんですが、厚生労働省にお聞きしたい。
せっかく国会で審議をしているので、少なくとも働いている人にとって少しでもやっぱり前進があるべきだというふうに思います。せめて交通費だけでもこれは支給してほしい。どうですか。これを守らない派遣会社は許可を取り消すぐらいやってくださいよ。でなければ改善されません。いかがですか。
○政府参考人(坂口卓君) 今回の議員立法に基づく制度の共通化につきましては、いろいろな制度についての共通化はどういったものがあるべしということについては私どもも調査検討した上で、また労使にも御議論いただいた上で検討してまいりたいと考えております。
その上で、現在の派遣法の枠組みの中でということにつきましては、先ほどの答弁の繰り返しとなりますけれども、許可の取消し、あるいは許可をすることができないというような形での状況ということについては、私どもとしては、労使の御議論もまだ踏まえているという状況ではありませんので、そういった点についてはなかなか難しいかと考えております。
ただ、先ほど申し上げたような点については、派遣元指針に盛り込むような形も含めて、しっかりと私どもとしても周知をして改善を図ってまいりたいと思います。
○福島みずほ君 この派遣法の、私たちは改悪法案と言っていますが、均衡だといっても意味がないじゃないですか。労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策の推進に関する法律案なんといったところで、交通費すら支給されないんだったら、どこが均衡なんですか。
○政府参考人(坂口卓君) 私どもとしましては、今回派遣先、元の方にいろいろな賃金情報の提供等も含めて均衡の取組を進めていただくということにつきましては、この法案にしっかり盛り込ませていただいたと考えております。通勤手当の問題につきましては、先ほど御答弁をさせていただいたような手だてをもって改善を図ってまいりたいと思っております。
○福島みずほ君 いや、全く納得できません。
正社員は交通費が出る、でも派遣労働者は交通費が出ない。でも、派遣労働者は交通費が掛からないなんということはないわけじゃないですか。均衡なんと言うぐらいだったら、それはこれ払ってくださいよ。それぐらい厚生労働省が言えなくて、何が厚生労働省なんですか。
○政府参考人(坂口卓君) 何度も繰り返しになって恐縮でございますけれども、審議会の中でも御議論をいただいた通勤手当の問題を踏まえて、先ほどのような形で労働契約法の二十条との関係を照らし合わせた形での趣旨の徹底ということを指針に盛り込もうというような御議論がされたということもございますので、私どもとしましては、そういったことを通じての取組ということをしっかり促してまいりたいと思います。
○福島みずほ君 この交通費についてはずっと議論しておりますが、これすら実現できなかったら均衡法案なんて取り下げてくださいよ。何の意味もないじゃないですか。絵に描いた餅ですよ。派遣労働者は何で半分以下の人しか交通費がもらえないんですか。
○政府参考人(坂口卓君) 現在、先ほど御紹介いただいたような実態にあるということは事実でございますので、そういった点も踏まえて、今回の改正に当たっても労使でも御議論いただいたというのが先ほど申し上げた内容ということでございます。ですから、そういった実情等々を踏まえながらどういった形で改善できるかということはございますが、先ほどのような趣旨を派遣元指針に盛り込んで私どもとしては改善を図ってまいりたいと思います。
○福島みずほ君 じゃ、発議者、これ均衡法案だと言うぐらいだったら、交通費ぐらい保障するという趣旨でよろしいですね。
○衆議院議員(井坂信彦君) 制度の共通化というふうに六条一で書かせていただいて、合理的な理由のない、そこで単に派遣だから交通費出しませんというような、こういうことは本法案の趣旨として認められないというふうに思っています。
ただ、それを実際に企業にやってもらうために政府がどのような措置をとるかに関しては、おっしゃるような、それをやらなければ派遣業許可取消しだという強いやり方も手段としてあるでしょうし、ほかのやり方もあるというふうに思いますので、そこは政府の検討、また実態の調査、労政審の議論、こういったところでいろいろ変わり得るんだというふうに思っています。
○福島みずほ君 だったら駄目じゃないですか。どんな意味があるんですか、この法案に。
じゃ、確認しますが、派遣だからといって交通費を払わないことは不合理な差別ですよね。
○衆議院議員(井坂信彦君) 単に派遣だからというだけで、ほかに何も理由がないのに交通費を払わないというのは不合理ではないかなというふうに思います。
○福島みずほ君 ということで厚生労働省もよろしいですね。
○政府参考人(坂口卓君) その点につきましては、派遣だからと申しますか、先ほど申し上げたとおり、労働契約法の二十条で有期であるということを理由にしてということでそういった規定が設けられておりますので、その趣旨をしっかり尊重して、しっかり派遣業者にも周知をして改善を図っていきたいということでございます。
○福島みずほ君 改善を図っていきたいということで、今半分以下の人しか交通費が支給されていない、この改善が、この法律が施行されようがされまいが均衡の待遇というのは今の現行法でもあるわけですから、実現できるようにと思っております。
それで、食堂、休憩・更衣室などについて、福利厚生のことなんですが、これは配慮義務にレベルが上がりましたが、配慮義務というのは結果責任ではありません。今度、四十条の三項ですが、この厚生労働省令で定めるというのは何が入るんでしょうか。そして、当然、食堂、休憩・更衣室などは使えるということでよろしいでしょうか。診療所は使えるんでしょうか。
○政府参考人(坂口卓君) 今の福利厚生施設の点につきましてでございますけれども、その点につきましては、今委員御指摘のように、具体的な事項の福利厚生施設につきましては厚生労働省令で定めるということにしております。
この点につきましても、労働政策審議会でこの法案を提案していただく際に御議論いただいたところでございますけれども、その中では、一定の福利厚生施設について、給食施設、休憩室、更衣室が掲げられておりまして、この三者についての利用の機会を与えるように配慮するということを今後省令で定めていこうということで考えてございます。
○福島みずほ君 同じ会社で働いていて、あなたは派遣だから食堂は使えませんよ、休憩室は使えませんよ、更衣室は使えませんよなんということはあり得ないと思うんですね。そうだとすれば、これは配慮しなければならないという配慮義務なんですが、これはむしろ義務規定にすべきではないですか。どうですか。
○政府参考人(坂口卓君) この点につきましては、現在の規定は、議員も御承知のとおり、労働者が利用する施設に関する便宜供与についての努力義務ということにとどまっているところでございます。
今回、その規定について、必ず何らかのアクションを派遣先の方に起こしていただくべく配慮義務ということにすることが先ほどの三施設につきましては適当であるということで、労働政策審議会の中でも御議論をいただいたということでございますので、私どもとしましては、その議論を踏まえて、今回配慮義務という形でしっかりその取組を促してまいりたいと思います。
○福島みずほ君 配慮義務というのは、何らかのアクションを取ればいいわけですよね。だから、会社の側が食堂や更衣室や休憩室について考慮したけど、例えば狭いし、派遣の人は御遠慮していただく、これはオーケーなんですか。
○政府参考人(坂口卓君) 御遠慮していただいて云々というところについてはそれぞれの個々の事情になろうかと思いますけれども、いろいろ、更衣室の置かれているその設置状況等々もありますので、どういったところまでというところには限界がある部分は個々の企業においてはあるかもしれませんけれども、いずれにしましても、何らかの形で利用の機会を与えるということについての配慮ということは、何らかの形で派遣先の方に配慮をしっかりしていただくということを求めてまいりたいと思います。
○福島みずほ君 同じ社員、同じ社員というか同じ会社で働いているわけですから、更衣室、休憩室、食堂を使えて当然だと思います。その点で徹底していただきたい。
診療所は使えないんですよね。診療所は入りますか。
○政府参考人(坂口卓君) 診療所につきましては、それぞれのやはり企業に置かれている制度の現状ということもあるので、現在も、この努力義務の一つとしては派遣先指針の中にも例示として掲げさせていただいておりますけれども、そういった取組で、しっかり均衡の取組ということについて派遣先を促すという形で進めたいと考えております。
○福島みずほ君 均衡待遇、均等待遇と言ってもいいと思いますが、やはりパートだと、さっきの丸子警報器事件ではありませんが、時間給に直してどうかという議論ができるわけですが、派遣の場合の賃金の均等・均衡待遇というのは、マージン率があるために、どうしても派遣社員は、もし仮に同じ仕事をしていたとしても、賃金が必ず安くなるというふうに思うんですね。
この点はどうなんでしょうか。これはやっぱり派遣自身が持っている問題だとも思いますが、均等・均衡待遇でいえば、これは丸子警報器事件は適用されるんですか。
○政府参考人(坂口卓君) 判例の適用については特にコメントを差し控えさせていただきますけれども、二十四年改正でも、派遣元の方で派遣先の賃金水準を考慮して賃金を決定するということについての配慮義務が盛り込まれておるところでございます。
今回の改正案では、さらに、派遣先の方から、しっかり派遣元がそういった決定ができるように、派遣先について派遣先の労働者との均衡を考慮して決められるように、その派遣先の賃金の情報ということをしっかり派遣元に伝えていただくということを今度は情報提供の配慮義務ということにしておりますので、それぞれの派遣先の労働者とどういったところで比べるかという難しさがあるということについては、今日も議員立法の御議論の中でもるる御議論になっておるところでございますけれども、いろいろそういった制約のある中で、できる限りの均衡的な取組ということを進めていただくように私どもとしては取り組んでまいりたいと思います。
○福島みずほ君 せめて交通費から、全額支給のところから始めていただきたいと。それもできなくて均衡も均等もないだろうと思います。
終わります。