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自殺対策で質問 2016年2月18日参厚労委 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 自殺の背景にある様々な問題の対策を厚生労働省が既に行っているという点で、厚労省が自殺対策を担当することで、そうした関連施策との連動性を高めることができるようになるというメリットがあります。しかし、他方、内閣府は、総合調整機能、総合的に他の省庁にもまたがって調整することができるというメリットもあり、これまで担ってきた内閣府のようにできるのかという不安もあります。その点についてどうお考えでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) いわゆる内閣官房・内閣府見直し法、これに基づいて、今年の四月以降、厚生労働省が自殺対策に関する各省庁に対する総合的な調整機能を法律的にも有するということとなっているわけでございます。
 厚生労働省においては、これまでも、自殺対策にもつながるとして、精神保健医療の充実とか、あるいは生活困窮者への支援の充実、あるいは失業者に対する相談などに取り組んでまいっておるわけでございますけれども、こうした取組に係る知見や、それから自治体とのネットワーク、これまで既に構築をしているわけでありますから、こういったものも生かしながら、各府省との調整に関する内閣府の業務ノウハウ等も円滑に引き継いで、自殺対策にしっかりと取り組んでまいらなければならないというふうに思っております。
○福島みずほ君 具体的には、今回の法改正においても、十六条や十七条について文科省が深く関わるものになるし、あるいは十三条の計画作りに関しては総務省が深く関わるものになります。当然、警察庁の自殺統計も今後も対策を進める上で非常に重要なものになります。そうした他府省庁との調整を誰がどのように担うのかについてお聞かせください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 縦割りにならないようにという御指摘かというふうに思いますが、厚生労働省への移管後においても自殺対策に関する施策については幅広い分野の施策の連携を図ることが重要だということは今御指摘のとおりでありまして、今後、これを受けて、厚生労働省としては、関係府省との調整に関して業務ノウハウを内閣府からしっかりと受け継ぐということも極めて重要であります。そして、内閣府から厚生労働省に自殺対策専任の大臣官房参事官を振替設置をいたします。そして、総合調整を担う政策統括官とともに関係の業務に当たらせる方向で検討をしているわけでございまして、これは四月から法律が成立をいたしますれば行うことでございます。
 また、同じ四月から、私が今度この法律に基づいて会長を務めることになります関係閣僚で組織する自殺総合対策会議、この場もしっかりと活用して、私自身も先頭に立って総合的な自殺対策の実施に各省と連携をしながら取り組まなければならないというふうに考えております。
○福島みずほ君 自殺対策強化月間と自殺予防週間について内閣府にお聞きをいたします。
 これまで、どれくらいの都道府県、市町村が自殺対策強化月間中に自殺対策の事業を行ってきたでしょうか。
○政府参考人(安田貴彦君) 内閣府におきましては、毎年度、自殺対策強化月間の実施に当たりまして、各都道府県知事及び政令指定都市市長に対しまして月間における啓発事業の実施や各種相談支援等の取組を推進するよう依頼をさせていただくとともに、各自治体から内閣府へ情報提供されました相談会等の開催予定につきまして、インターネット上の支援情報検索サイトで公表をしております。
 例えば、今年度の自殺対策強化月間に向けて、各自治体から情報提供をいただき、このサイトに登録された事業は、現時点、昨日現在、二十六道府県、十三政令指定都市を始め、市町村及びその附属機関、民間団体等の千百十九の実施主体によりまして二千六百二十二件の事業を行うということで登録をされております。また、これ以外の都県、政令指定都市の取組についても、今後も自治体からの情報提供を受けて随時更新していく予定でございます。
 さらには、支援情報検索サイトに登録されている取組以外にも、正確な事業数として把握しているわけではございませんけれども、例えばテレビCM等の広報事業などの様々な取組が各自治体で行われるものと承知をしております。
○福島みずほ君 自殺対策強化月間は、私が二〇〇九年から内閣府の特命担当大臣として自殺対策を担当しているときに、やっぱり三月に自殺が多いので何とかできないかと思って三月を自殺対策強化月間に定めることにしました。全国のハローワークを拠点にした総合相談会を開催するなどしました。せっかく今度厚労省が管轄になるので、ハローワークは国の出先機関であり、そこでハローワークを中心に国、自治体、民間という垣根を越えて総合的に相談を行うということが必要ですが、まず厚労省にお聞きをいたします。
 ハローワークが現在関わっているそうした様々な分野の専門家と協力して行う自殺対策関連の相談会というのは、全国でどれぐらいあるでしょうか。
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 ハローワークにおきましては、求職者の方の心の健康状態の改善に取り組むということは非常に重要な課題だと考えてございます。そのために、全国の主要なハローワークにおきまして臨床心理士などの方による心の健康相談等の実施をいたしておりまして、これにつきましては、平成二十六年度で八千十九件の御相談をいたしております。
 それから、地方自治体の方からハローワークに来ていただくというふうな形で、弁護士さんあるいは社会福祉士さん、あるいは精神保健福祉士さんなどの方に巡回相談に来ていただいて対応していただくような形での相談というのをやってございまして、それにつきましては九百五十三件の相談をやってございます。
 そもそも、ハローワークにおきまして就労支援をしていくということ自体が自殺対策にとって非常に重要な課題だというふうに考えてございます。これにつきましては、生活保護受給者の方ですとかあるいは生活困窮者の方につきまして、自治体とチーム支援をするということで対応いたしております。
 これにつきましては二つのタイプがございまして、一つが、自治体の窓口の中にハローワークの窓口をつくって常設的に御相談に乗るような形で対応するということで、これは百八十か所ぐらい全国にございます。それから、自治体の方にハローワークから出向いて巡回相談の形で対応するというのが全国で八百六十七か所ございまして、全体で千四十七か所で自治体とハローワークで一体的に就労支援をやるという形になってございます。実際の就職件数も伸びてきてございまして、平成二十七年度で、去年の十二月までの数字なんですけれども、六万一千件の就職が実現してございまして、前年の同期比で比べますと一七%増えているということでございます。
 こういった自治体と一緒になってやる取組というのは非常に大事だというふうに思っております。こういった就労支援自体が自殺対策という観点でも非常に大事だと思っておりますので、こういった対策は強化していきたいというふうに考えてございます。
○福島みずほ君 是非、ハローワークを中心にやっていただきたいと。
 私が内閣府特命担当大臣だったときに、二〇〇九年、清水さんは内閣府参与として自殺防止対策について非常に重要な役割を果たしていただきました。命を支える強化月間というような形で、三月の自殺対策強化月間中に全国のハローワークを拠点にして各地の自治体や民間団体と協力して総合相談会、足立区に行ったことを覚えているんですが、総合的にやっていて、そこでいろんな相談ができると。実際、多重債務で悩んでいる人がいて、多重債務のことを相談したら弁護士が、あなたのケース時効に掛かっていますよって、もう何というか、五秒で解決じゃないですけれども、やっぱりそういう、ここに行けば大丈夫というのがあって、今回厚労省に移管することでハローワークを中心に、でも様々な、そこでいろんな法律相談もできるし住居の相談もできるしとか、あるといいと思うんですね。
 こういうことについて、清水参考人の御意見、是非、総合相談室をハローワークを拠点にということについて御意見をお聞かせください。
○参考人(清水康之君) 私も、全国のハローワークのネットワークを有効に活用して全国各地で総合相談会を実施するという、これはもう大賛成ですし、必要なことだというふうに思っています。
 失業者というのは、失業だけでなく、まさに生活苦あるいは借金、あと心の健康の問題や、場合によっては家族の問題というふうに、問題を複合的に抱えていることが間々あるわけなので、そうしたときに、やはりこれはハローワークだけでは対応できない、ハローワークと自治体と法律の専門家と精神保健の専門家、あるいはNPOといったような人たちがやはり協力して包括的な支援を提供していかなければならない。
 その拠点をどこにするかといったときには、やはりこれは失業者の人たちが多く集まるハローワークでやるというのが一番合理的なものだろうと思いますので、そうした取組は是非進めていく必要があると思いますし、また、足立区においては二〇〇九年以降ずっと継続してこの総合相談会実施しておりまして、今年度も年に七回、計四十八日間、総合相談会を開催している。
 こうした総合相談会を開催することによって関係者の連携もより密になっていくというような効果もありますので、是非これは、厚労省にせっかく移るわけですから、拠点をハローワークに設けて推進していっていただければなというふうに思います。
○福島みずほ君 厚労省、いかがでしょうか。
○政府参考人(石井淳子君) 今し方、ハローワークを中心としたというお話もございましたが、ただ、せっかく二十七年四月から生活困窮者自立支援制度というのがスタートしておりまして、既に全国九百一の福祉事務所設置自治体が実施主体となって総合的な、包括的な相談体制を整えているところでございます。
 この十二月までの相談件数、十七万件を超えているぐらいかなり盛況でございまして、そこでは連携通知も出しておりますけれども、ハローワークももちろん、様々な関係機関と連携をしながら、先ほど多重債務の問題というのもございましたけど、そういう問題も含めて対応しているところでございます。これはこれでしっかりと育てていって対応すべきではないかなというふうに考えているところでございます。
○福島みずほ君 生活困窮者自立支援法ももちろんそうですが、私は、先ほど清水参考人がおっしゃったように、やっぱりハローワークに仕事がないというので行く人も多いので、総合相談室、あそこに行けば大丈夫だよねという仕組みを、是非、厚生労働省がこれを機会にもっともっと本腰を入れ、かつ自治体とも連携しながらやっていただきたいというふうに思っております。
 遺骨について一言お聞きをいたします。
 この法律案における遺骨収集の対象者は我が国の戦没者となっておりますが、戦時中の日本の兵隊として動員されたアジア各国の方々の遺骨収集や御遺族への返還作業というのについてはどのように取り組んでいかれるでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) お答え申し上げます。
 日本政府が行っております戦没者遺骨収集帰還事業は、海外で戦没した我が国の戦没者の御遺骨を日本へ送還することを目的として行っているということで、法案第二条に定義されている考え方と一緒でございます。一方で、収集作業の過程において遺留品等により我が国の戦没者以外と思われる御遺骨があった場合には、日本国政府の一存で取扱いを決めることもできませんので、現地政府機関に通報の上、適切に対応することになると考えてございます。
○福島みずほ君 二〇一五年六月八日の琉球新報の報道によれば、沖縄県での戦没者遺骨について焼骨方針から全ての遺骨を保存する方針に転換したとのことでありますが、その後、この方針どおり、保管しDNA鑑定を行う体制となっているでしょうか。先ほども質問がありましたが、一言お願いします。
○政府参考人(堀江裕君) 先ほど川田委員のところでも御質問がございましたけれども、新聞は、国の方でDNA鑑定の対象を拡大するという方針、あわせまして沖縄県の対応、受け止めについて報道されたものというふうに承知してございます。
 この問題につきましては、一柱でも遺族の元にお戻ししたいという要請と、それから、私先ほど申し上げましたけれども、海外に眠る戦没者の遺骨について早期に火葬しお弔いをしていかなければいけないという両方の要請がございまして、政府といたしましては、DNA鑑定に必要な歯の保存をし、それを鑑定に掛けるという方針で取り組んでいるところでございます。
○福島みずほ君 時間ですので、終わります。

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