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2024.6.13 参議院 法務委員会での質疑 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

○福島みずほ君
立憲・社民共同会派の福島みずほです。
永住資格の取消し、永住資格の剥奪、この条文はどんなことがあっても削除しなければならないというふうに思っています。立法事実、それから今までの経過、当事者のヒアリングなし、そのようなことについて質問をしてまいります。
第七次出入国管理政策懇談会の中で、この永住権の取消しについて、むしろ慎重意見が極めて強いということをまず冒頭申し上げます。
十二回、田中座長。
ある種のエピソードとして、こんなひどいことがありましたよというだけのエビデンスで政策を判断するのは問題があるという。
それから、まさに、二十一回、岡部委員、第七次出入国管理政策懇談会。
永住権を剥奪するということはむしろ逆効果ではないかと思います、永住権を取得した後に例えば経済的な困窮に至って要件が満たされないという人々についても、これは通常の日本人であっても、景気が悪化したときに失業の憂き目に遭う人は多い中で、これは各国のどの国のデータでも示していることですが、通常の国民に比べて外国人の失業率は常に高いわけです、そうすると彼らはより脆弱な環境に置かれるということを考えると、やはりそこで厳しい要件を課すというのはいかがなものかと思います。
そして、これも、十二回の市川委員の反対意見。
仕事がうまくいかなかったり、一旦許可した後に、やはり人ですから、仕事がうまくいったり、いかなかったりというような波はあるわけなので、うまくいかなくなって、なかなか納税義務が瞬間的に果たせなかったら、そこでアウトですよというような形になってしまうと、永住許可を取る方も、逆にちゅうちょしてしまうよということになりかねないので、その辺りは、取った後の取消し事由というのは、かなり慎重に考えた方がよいというふうに、私は個人的に思っております。
こういう状況です。
そして、大臣、これ報告書が出ておるんですが、聞いてください。
出入国在留管理庁が中心となり外国人の受入れ環境整備について各方面から意見を聞くとともに、多文化共生に取り組んでいる現場に赴き、直接に見聞きすることも重要であるというふうになっているんですね。
この懇談会、私は、有識者会議で一度もこの永住権の取消しが問題になっていない、報告書にも一片も書いていない。懇談会と言うけれど、たかだか懇談会、有識者会議ではないです。しかし、ここにおいてもこれだけ慎重な意見が出ている、そして報告書もこうだ。これに反しているんじゃないですか。

○国務大臣(小泉龍司君)
これ、まず、第七次出入国管理政策懇談会、二〇二〇年の七月に開かれていますが、これが開かれる前提になっているのが、その前の年、二〇一九年の十一月に行われた内閣府の世論調査であります。
永住許可の要件満たさなくなった場合に永住許可取消しをする制度の賛否について伺って、七四・八%の国民がこれは賛成ですという答えをいただいたので、それでは更に掘り下げていろいろ識者の御意見も伺おう、バランスを取ろうということで、翌年の七月に、二〇一九年十一月、世論調査の後、翌年の七月に、八か月後にこの懇談会を開いて、そして、今御指摘もありました永住者の実態に精通された方々から永住者の立場も踏まえた様々な御意見をいただいて、しっかり国民の声と、またこの永住者の方々の考え方、そこに寄り添う識者の方々の考え方、思い、両方をしっかりと徴した上で検討を進めていこうというステップを踏んできたところでございます。そのように御理解をいただきたいと思います。

○福島みずほ君
全く、有識者や様々な人たちからここまで慎重意見が出ていて、何で突然、突然、閣議決定の前にこれを入れるのか。この永住権の剥奪、根拠ないですよ。有識者呼んで、これはひどい話だと思います。
それで、法務省は、いや、七地方団体から聞き取り結果をしましたとして出しており、配付資料にしておりますが、これ見てください。
十一月一日、去年の十一月一日からやっている七自治体ですが、黒塗りです。そして、その先方の発言要旨というのがありますが、これ、一般的に外国人の人、普通の在留の延長や更新をする人、全部入っているじゃないですか。いずれ本国に帰るのだから、払わなくて済むなら払いたくないという考えの外国人もいる、住民税、これですよ。これ、どこが永住権の人なんですか。
このヒアリング、別に永住権の取消しのためだけにやったものではない、つまり混在していますから。このヒアリング、何なんですか。

○国務大臣(小泉龍司君)
永住者を含めた外国人の方々の納税状況等について、できるだけ詳しく情報を求めていこうということで行った自治体調査であります。
確かに永住者以外の方々の動向についても報告はされていますけれども、永住者についてもやはり非常に懸念するべき状況が幾つか指摘をされているわけでありまして、そういうものを踏まえて検討を進めてきたところであります。

○福島みずほ君
ずさんです。しかも、相手の自治体もないじゃないですか。これ、ざっくりと、いや、本国に帰るからとか、そういうのが混在しているんですよ。これで永住権の持っている人たちの資格の剥奪を、故意に公租公課がある場合とかやって、やる根拠にしちゃ駄目ですよ。
これは、まさに田中座長が第十二回第七次出入国管理政策懇談会で言っています。
ある種のエピソードとして、こんなひどいことがありましたよというだけのエビデンスで政策を判断するというのにはやや問題が出てくるかもしれないので、とりわけ悪質なものというのがあるのだとしたら、それはどれぐらいあるのかということが、なかなか調べるのは難しいと思いますけれど、そういうこともやっていただく必要があろうかと思っておりますと言っているんですよ。
これ、ひどいことがあるかもしれないというこの中身、全ての外国人で、しかもこんな曖昧なことで、ちゃんとデータ取っておらず、これで、これで聞き取りやったというの、これがエビデンスとは私たち認めないですよ。いかがですか。

○国務大臣(小泉龍司君)
この問題は、そもそも二〇一九年の出入国在留管理基本計画の策定時に遡るわけであります。まずその時点で、永住者の在り方についてやはり検討する必要があるのではないかと、活動に制限がなく、在留期間にも制限がない在留資格、この見直しを、あるいは在り方の検討をするべきであるという計画が、法務大臣決定でありますけれども、なされています。
その背景にあるのは、永住者の様々な、行動に対する様々な懸念があって、こういう計画ができ、また政策懇談会を開き、また、今申し上げた自治体ヒアリングの前の年には、二〇二二年には、ヒアリングは二三年ですけど、二〇二二年には永住許可後の状況調査ということで、我々の直接マネージし得るデータから、現実の滞納件数、滞納の比率、そういったものも把握しているわけであります。
いろいろなことを積み重ねてきて最終判断に至ったということであります。

○福島みずほ君
私たちに出されているのは、この七自治体のアバウトなものしかないんですよ。これをエビデンスとは言わないですよ。立法事実のエビデンスとは言っていません。七地方自治体から示された永住者等による公租公課の支払状況、A自治体、B自治体、何かさっぱり分かりませんが、これでも永住者は外国人全体よりもちゃんと収納をしているし、これはエビデンスではないですよ。このような状況で剥奪をするのは問題です。
大臣、当事者のヒアリングやってないのも致命的な欠陥だと思います。参考人質疑で曽さんが来られていますけれども、これ読まれました。

○国務大臣(小泉龍司君)
済みません、ちょっと通告いただいていなかったので、その部分についての今読んだ記憶、ちょっと定かに申し上げられないんですけど。

○福島みずほ君
この参考人質疑、御覧になってないんですか。

○国務大臣(小泉龍司君)
報告は受けました。そして、要約はしっかりと読み込みました。
ただ、その中身について、この方のどういうもの、どういう陳述があったということまでは、ちょっと今定かに正確には申し上げられない。

○福島みずほ君
何か印象に残っていることあります。

○国務大臣(小泉龍司君)
 申し訳ありません、ちょっと事前の通告あればもう一度そこをしっかり読んだんですけれども、それがなかったものですから。
定かでない記憶に基づいて申し上げるのも、やはり適切ではないと思います。

○福島みずほ君
読んでないんでしょう。この参考人質疑について、見てもなければ読んでもないんでしょう。要旨の説明は受けたかもしれないけど、それではこのヒアリングやってないことを補うことにはならないですよ。
何が問題か。この懇談会の報告書で、ヒアリングとかちゃんとやれとか、各関係者の意見聞けとなっているんですよ。なぜ、九十万人当事者の人たち、何十年と日本にいて永住権の資格を持っている人たちが一言も聞かれないんですか、一言も聞いてもらえないんですか。
大臣、お願いです。今からでも結構です、当事者の意見、当事者団体の意見、聞いてくれませんか。だって、参考人質疑、読んでないんでしょう。

○国務大臣(小泉龍司君)
この大多数の永住者、しっかりと納税をしていただいたり、あるいは入管法上の義務を果たしていらっしゃる大多数と思われる永住者の方々にとってはこれは何の影響も及ばない、そういう措置であることは御理解をいただいていると思うんですね。そういう意味では、当事者、影響が及ぶ当事者というのは、そうではない今度は永住者の方々には現実に影響が及びます。そういうその仕組みの中で、九十万人の永住者の方々について、どういう形で偏りなく、またしっかりと話を聞けるのかどうか、それは今後に向けて、ガイドラインの策定というようなステップもありますので、どういうことができるのか、どういう方法があり得るのか、しっかり検討してみたいと思います。

○福島みずほ君
法務省は、当事者の切実な声、聞いていないですよ。大臣だって、見てもいないし、議事録読んでいないわけじゃないですか。
ほとんどの人は納税してちゃんとやっている、そのとおりですよ。だからこそ、そのちゃんとやっているというか、そんな人たちも含めて九十万人の人たち十把一からげで、法律はそういうものです。こういうこと、こういうこと、入管法違反や、故意に公租公課を払わない場合や、軽微な刑事事件で執行猶予になっても剥奪できるぞという法律だから、みんなに及ぶんですよ。法律はそういうものです。
ところで、そのガイドラインを作る、作るというふうにおっしゃっていますが、ガイドラインについてお聞きをします。
ガイドラインを策定するというが、そのガイドラインは取消しの可否について訴訟になった場合の規範として、法的拘束力はありますか。

○国務大臣(小泉龍司君)
これは行政権の執行の、執行について、あらかじめ執行の内容についての予見可能性を高めるための情報を提供しようという、あくまで行政権内部の営みの一つの取組でありますので、裁判所を拘束するものではありません。

○福島みずほ君
つまり、裁判所拘束しないんですよ、ガイドラインは。だから、大臣はずっと、法律はこうだけどガイドラインがあるから救済されるというけど、違うでしょう。今おっしゃったとおり、法務省は様々なガイドラインについて法的拘束力を認めていません。裁判規範にならないというふうに主張しています。
ですから、例えば在留特別許可がされず退去強制令書が発付された後で外国人が在留特別許可をしない裁決を行政訴訟で争う場合に、入管庁は在留特別許可に係るガイドラインの規範性を否定し、外国人側がガイドラインに示されている積極要素をしたら在留特別許可をすべきだったと主張すると、そもそもガイドラインは判断基準ではないから、ガイドライン違反だから取り消すべきという主張は失当であると反論していますね。

○国務大臣(小泉龍司君)
ガイドラインが施行され、それによって執行が行われている状況で、特定の案件が訴訟の対象になった場合は、もちろん拘束はいたしませんけれども、一定のその行政権の執行の道筋としてガイドラインに沿った執行がこれまで行われてきているというその事実は、訴訟上、裁判官が一定のその要素として勘案する、そのことは妨げません。確実にそうなるとも言い切れないわけでありますけれども、そういう判断要素の一つになり得るということは申し上げられると思います。

○福島みずほ君
私は、ガイドラインがきつく縛ってほしいと思いますが、今日の答弁ひどいですよ。つまり、法律があり、ガイドラインがあるから大丈夫だったけど、今日、大臣は答弁で、ガイドラインは法的拘束力がないと言っているじゃないですか。
実際そうです。法務省は様々な裁判で、ガイドラインには、全く判断基準ではないからガイドライン違反だから取り消すべきという主張は失当であると裁判で反論しているじゃないですか。どんなガイドライン作ろうと、それ救済されないんですよ。このガイドラインに基づいて私の取消しは問題だと主張しても、ガイドラインは法的拘束力がない、そしてこのガイドラインは実際に何度も何度も変えたり、法務省の中で変えたりしているじゃないですか。だから駄目なんですよ。だから駄目なんですよ。この法律、駄目ですよ。ガイドラインが無力だということが分かったじゃないですか。裁判で法的拘束力がないんだから、縛られないんですよ。だから、これは本当に駄目だということを申し上げます。
各団体等からたくさんの声明が出されています。これ、どう受け止めますか。

○国務大臣(小泉龍司君)
そういう様々な御懸念があるということをしっかり踏まえて、ガイドラインもしっかりしたものを作り、また、それに従ってしっかりと執行していきたいと思います。常にそういう御意見には耳を傾け、しっかりとそれをお聞きする姿勢を保ちながら、一つ一つ具体的な実行を、施策を積み上げていきたいというふうに思います。

○福島みずほ君
九十万人の永住者の人生と生活が懸かっているんです。この日本で住み続けられると思った人が、いや、あなたはいつでも追い出せる可能性があるという法律がどれだけ傷つけ、どれだけヘイトスピーチを生んでいるか。これだけ不安定にしているんですよ。
大臣、お願いです。この法律、まさに成立する前に、私たちは成立に反対ですし、それから永住権の取消しは削除すべきだと思っていますが、一回でもいいから、当事者の切実な声、聞いてくれませんか。

○国務大臣(小泉龍司君)
これは、この法案が成立をさせていただいた暁にすぐ取りかかるべきは周知、広報であり、またその反応も踏まえたガイドラインの策定であります。そういうステップにおいて、直接永住者の方に意思疎通をできる方法、またそのタイミング、やり方、それは検討をさせていただきたいと思います。

○福島みずほ君
いや、法律が成立する前ですよ。大臣は、やっぱりその九十万人の人たちの、それとこれから永住権を取得する人たちの、本当に、こんなんで、こんなんで、在留カード不携帯でも取消しができるというここまでの扱いを自分たちがされてしまうのか、自分たちは二級市民なのかという声もたくさん出ていますよ。その声を聞かずしてこの法律成立させるわけにはいかないと思いますが、どうですか。

○国務大臣(小泉龍司君)
これ、全く新しく、永住許可制度あるいは永住許可取消し制度は全く新しく入れるものではないわけですね。永住許可を受けた方がそのとき備えていた様々なその状態、状況を、自らの意思においてそれから離脱するということに対する是正措置を取りましょうという例外的な改革なわけであります。
大本の、大本のこの永住許可制度を入れたときには、たしかヒアリングあるいはパブリックコメント、そういったもので意思疎通があったと思いますが、これは例外的な、そもそも今ある制度を補強するための政策でありますので、有識者の考え方も伺ってきました。また、ガイドラインというものが大きく影響するという御議論の中で、その策定に当たって直接永住者の方々の意見をどういう形でお伺いするのがいいのかは検討しますと申し上げているわけであります。是非そのことも御理解をいただきたいと思います。

○福島みずほ君
違うと思いますが、新たに剥奪というすごく重いものを持っているんですが。
ガイドラインの策定に当たって、大臣、当事者の意見必ず聞きますね。

○国務大臣(小泉龍司君)
どういう方法がいいのか、どういう形があまねく大勢の方の意見を聞けるのか、公平性があるのか、そういった点に十分留意しながら具体的な方法を検討していきたいと思います。

○福島みずほ君
共同親権の場合は、当事者のヒアリングを行うというふうに附帯決議でしています。これ、聞いてください。どういう方法がいいのかですが、本当にこれ、やってください。
次に、育成就労の件なんですが、今回、外国人技能実習機構が新たに外国人育成就労機構に変わります。これ、場所、役員、従業員、変わるんですか。

○国務大臣(小泉龍司君)
今ある技能実習機構をベースにし必要な改定を行っていく、必要ならば増員も行っていく、ガバナンスの在り方、運営の在り方についても抜本的な検討と見直しを行っていく、そういう考えでおります。

○福島みずほ君
百人法務省から、百人厚生労働省から出向して、それから中の職員もいます。でも、今の答弁だと、結局、場所、役員、従業員、変わらないんですよ。看板をすげ替えるだけであって、変わらないんですよ。だとしたら、今までこれだけ失踪したり様々な問題があるのをどこまで変えることができるのかと思います。
厚生労働省、今日副大臣に来ていただきまして、ありがとうございます。
転籍のときにおけるハローワークの役割というのは今回とても大きいわけですが、私は厚生労働省やハローワークがもっともっとこの今回の育成就労に当たって役割を果たしてほしいというふうに思っております。
その点についての厚生労働省の考え、決意をお聞かせください。

○副大臣(宮崎政久君)
先生御指摘のとおり、厚生労働省の共管でありますので、しっかり取り組んでいかないといけないと思っております。また、今般、外国人労働者の方の一層の受入れの拡大が見込まれておりますので、そういった意味でも労働者の保護という観点からは重要であると思っております。
ハローワーク、労働基準監督署も関与させながら、育成就労において受け入れられた外国人労働者の方が労働者としての権利が保護されて、不当な待遇を強いられることがなく、安心して就労してキャリアアップができるような取組を出入国在留管理庁と連携して取り組んでいく必要があると思っております。

○福島みずほ君
厚生労働省のこれからの役割、人員増強、ハローワークの強化を含め、心からよろしくお願いいたします。
この永住資格の剥奪はとりわけこれは削除すべきだと、こんな法案絶対に成立させてはいけないと申し上げ、質問を終わります。

※本議事録は未定稿です。

 

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