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2018年06月19日 厚生労働委員会で企画業務型裁量労働制と高プロについて質問 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

第196回国会 参議院 厚生労働委員会 022号 2018年06月19日(未定稿)
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○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
大阪の北部で発生した地震に関して、亡くなられる方が今報道されている段階で四人いらっしゃいます。心から御冥福をお祈りすると同時に、三百人以上と言われる負傷者の方が出ていらっしゃると聞いております。お見舞いを心から申し上げますし、先ほど水道についての質問がありましたが、復旧が早く進むように、社民党としても、一国会議員としても、あるいは超党派でも、与野党を超えて、できることは何でもやっていきたいと思います。厚生労働省としてもしっかり頑張ってくださるよう、心からお願いを申し上げます。
では、まず初めに、高プロ対象業務についてお聞きをいたします。
これは他の委員からも出ました、政省令に委ねるのでどんどん拡大するのではないか。今の時点でも白紙委任で、対象業務すら私たちは分からないんですね。
対象業務、厚生労働省としては今の段階で幾つぐらい考えていらっしゃるか、教えてください。

○政府参考人(山越敬一君) この高度プロフェッショナル制度の対象業務でございますけれども、法律が成立した後に労働政策審議会で議論をすることとされておりますけれども、この対象業務につきましては、二十七年にその労働政策審議会でこれが議論された際に、例えばということで五業務が例示されております。こういったものなどを対象にいたしまして、法律成立後、審議会で議論していくことになるものでございます。

○福島みずほ君 重要な日本の労働法制を根本から変えることの議論をしているときに、対象業務すら条文にないというのは問題だと思います。政省令に委ねるということであれば、幾らでも厚生労働省限りで業務の拡大ができる。労政審でこの高度プロフェッショナル法案は、労働者側の反対意見があったにもかかわらず、押し切られてしまいました。対象業務そのものも、労政審にかけるといっても、どんどん拡大していってしまうのではないかというふうに思っております。
そもそも対象業務すら条文に書かないというのは欠陥法案ではないでしょうか。その点でも本当に問題だと思います。私たちは、法律が万が一成立した後、対象業務が拡大していくのをただ見ているしかないんですよね、政省令に委ねられているので。それは本当に問題だと思います。
高プロの対象業務は省令で定めることとしており、コンサルタントなどの業務が検討されているということは分かっておりますが、一部で他の業務を行っていた場合の取扱いはどうなるんでしょうか。例えば、コンサルタントの業務と商品の営業の業務を併せて行っていた場合の扱いはどうなるんでしょうか。

○政府参考人(山越敬一君) この対象業務には常態として従事していることが原則でございます。これに反しまして対象業務外の業務と対象業務を混在して実施していた場合は、制度の適用は認められません。

○福島みずほ君 ただ、労働基準監督署が踏み込むときに、一体どういう業務をやっているのか、高プロだけなのか、ほかのこともやっているのか、大変やっぱり判断や調査が難しいと思います。
日本の場合は、極めて特化した仕事だけではなくて、あれもやってほしい、これもやってほしい、これもやってほしい、ついでにこれもやってほしいというふうになる、どうしても業務が広がっていくわけで、今局長の答弁では、混合業務は行わない、高プロの業務以外にもしやっていたらそれは高プロと認められないということでした。それが貫徹されればいいですが、実際、派遣でかつて、業務が限られていても実際はほかの業務も事実上やっていたというふうな報告も大変ありますので、この点も極めて問題となるというふうに思います。
次に、労使委員会を始めとして、それとの関係で健康管理時間についてまたお聞きをいたします。現在、労使委員会は全国に幾つありますか。

○政府参考人(山越敬一君) 労使委員会が全国に幾つあるかについてでございますけれども、平成二十八年における企画業務型裁量制に関する決議届の届出件数は三千九十四件でございまして、これに相当する数の企画業務型裁量制に関する労使委員会が存在しているものと考えております。

○福島みずほ君 企画業務型裁量労働制の対象労働者は何名でしょうか。

○政府参考人(山越敬一君) 企画業務型裁量制の労働者数は、労働基準監督署に届けられた企画業務型裁量制に関する報告を基にした対象労働者数としては、平成二十八年度に七万四千二百九十九人、これが対象労働者数でございます。

○福島みずほ君 この数は、七万四千二百九十九名とかいうのは、事業所も労使委員会も含めて労働基準監督署がこれは把握しているわけですよね。
ただ、一方で、この企画業務型裁量労働制ではなく、専門業務型裁量労働制については把握を一切されていないということでよろしいですね。

○政府参考人(山越敬一君) この専門業務型裁量労働制については、労働基準監督署に届けられた数としての対象労働者数というものはございませんので、そういった形では把握されていないものでございます。

○福島みずほ君 この企画業務型裁量労働制と高プロは、地続きというか、極めて近いところがあると思います。
厚生労働省が出している企画業務型裁量労働制のパンフレットですが、まさに労働時間の把握という点が高プロの制度と極めて似ております。使用者は、対象労働者の健康及び福祉を確保するため、対象労働者の勤務状況を把握する方法を具体的に定めること、把握した勤務状況に応じ、どういう状況の対象労働者に対し、いかなる健康・福祉確保措置をどのように講ずるかを明確にすることを決議する必要があると。勤務状況の把握方法については、通常の実労働時間管理と同様の管理までは求められていません。しかし、出退勤時刻のチェック等によって、労働者がいかなる時間帯にどの程度の時間在社していたかの状況を把握する方法を決議で明確に定めることが必要です。実際、ID、実際の届出のことですと、例として、例えばIDでチェックとかいうのが載っております。
そこで、お聞きします。
届け出ている事業所は三千九十四、対象労働者数は七万四千二百九十九、そして、この企画業務型裁量労働制の労働者がどのように働いているか、健康管理時間はどれぐらいか、このチェックが本当になされているのか、届出どおりにされているか、このチェックを厚生労働省はされていますか。

○政府参考人(山越敬一君) この企画業務型裁量労働制でございますけれども、こうした事業場へ監督指導した際には、労使委員会の構成でございますとか、決議内容でございますとか、あるいは法律上義務付けられている事項につきまして適切に行われているかどうかを確認いたしまして、法違反が認められている場合には是正を指導しているところでございます。
今、この裁量制については重点的監督に取り組もうとしているところでございまして、そうした中で、法違反が認められる場合については是正を指導してまいります。

○福島みずほ君 たまたま入ってこのことがあったらというのは別にして、この企画型裁量労働制に関して、実態調査、本当に行われているのか、データ的な調査、この場合は労働時間の状況の把握ですよね、それは行われているんですか。データはきちっと取っているんですか。実態調査はされたんですか。

○政府参考人(山越敬一君) この裁量労働制でございますけれども、自主点検を実施していただいたところでございまして、その結果を踏まえまして重点的な監督にこれから取り組んでいくこととしております。労働基準監督署といたしましては、必要な監督指導をし、法違反が認められる場合には是正を指導してまいりたいということでございます。
一つ、二つ前の質問で、ちょっとやや訂正させていただきたいのでございますけれども、この専門業務型裁量労働制の対象労働者数については、これは監督署に届けられた件数についての集計等で把握しているということはございません。

○福島みずほ君 今の段階で実態調査の結果は出ていないんですよ。局長、今おっしゃった、これ調査をするというのは、これからというか、現在進行形で裁量労働制の調査をし、これからその実態調査の結果がまとめられるということでよろしいですね。今の段階では、労働基準監督署に企画型裁量労働制の届出はあって、その書類は留め置かれているけれども、本当にそれで労働時間の状況の把握が三千九十の事業所で七万四千二百九十九人に関してできているかどうかの調査はされていないということでよろしいですね。

○政府参考人(山越敬一君) この裁量労働制につきましては、先ほども御答弁させていただきましたように、事業場に自主点検をこれはお願いをしているところでございます。その結果を踏まえまして、必要な事業場につきましては今後その重点的な監督に取り組んでまいるということでございます。

○福島みずほ君 自主点検をお願いしたのはいつですか。

○政府参考人(山越敬一君) 申し訳ありません、今年に入ってからでございますけれども、今、手元に資料がございませんので、改めてお答えさせていただきたいと思います。

○福島みずほ君 今、書類が来ました。

○政府参考人(山越敬一君) この自主点検でございますけれども、本年二月に裁量労働制を導入している、これは企画業務型、それから専門業務型双方でございますけれども、事業主自らが法令に従った運用がされているかどうかを改めて点検し、その結果を報告していただくよう求めているものでございます。

○福島みずほ君 二月何日か分かりますか。

○政府参考人(山越敬一君) 申し訳ございません、今、手元の資料では分かりませんです。

○福島みずほ君 まさに、企画業務型裁量労働制と、高度プロフェッショナルは労使委員会をつくって、そして決議をやって、一方は労働時間の状況の把握といい、一方は健康管理時間といっている差はあるものの、極めて似た制度です。
問題なのは、今年の二月に自主点検でお願いするということなわけで、今まで、じゃ企画業務型裁量労働制で本当に労働時間の状況の把握ができるかどうか、やっていないんですよ、実態調査、やっていないんですよ。労働基準監督署に書面が留め置かれているだけなんですよ。
〔委員長退席、理事石田昌宏君着席〕
何が言いたいか。裁量労働制の拡充と高度プロフェッショナル法案を国会に提案をしたときには、今の時点でもそうですが、実態調査も果たしてそれで労働時間の把握ができるかどうかも分からないんですよ。企画業務型裁量労働制以上に高度プロフェッショナル法案は休日、休憩、深夜業、労働時間規制が一切なくなりますから、極めてやっぱり困難なところが出てくると。今、自主点検でやっているんだったら、この法案、審議しちゃ駄目ですよ。だって本当に健康管理時間を把握できるかどうか、分からないじゃないですか。廃案……(発言する者あり)できませんという声も出ましたが、そのとおりだと思います。
大臣は、この間の私の質問に、どうやって労働時間を把握するかという質問に対して、この件に関して、この間こうおっしゃいました。高プロの対象労働者が事業場内で働く際の健康管理時間の把握について、例えばパソコンも使いません、タイムカードもありません、これは別に通常の働いている方にも同様でございますから、そういった場合には管理者が現認をしていただいて、いつ帰った、いつ見たと、そういうことにならざるを得ないと思いますと答弁をされています。
誰が、というか、高プロ以上に働く管理者が現認するんですか。

○国務大臣(加藤勝信君) ということになるわけでありますので、基本的にはそういう事業場においては、まさにタイムカード等、そうしたものを設置することによって対応いただくことによって、結果的に、場合によっては管理監督者が二十四時間いなきゃいけないということになりますよね、これ、現認しようとすれば。そうしたことがないような対応を求めていきたいと思います。

○福島みずほ君 大臣、違いますよ。
大臣のこの間の答弁は、タイムカードもない、パソコンも使わないという場合は、通常の働いている方も同様なので、そういった場合には管理者が現認をしていただくと言っているんですよ。大臣が現認していただくと言ったのは、タイムカードもないし、パソコンも使わない場合ですよ。
管理監督者はどうやって現認するんですか。ずっと見ているんですか。高プロ以上に働くんですか。

○国務大臣(加藤勝信君) ですから、それが原則となりますよと。
したがって、そうした高度プロフェッショナル制度を採用しようとしてしっかり管理していただくためには、逆に、タイムカード等を入れていただくということになりますと。ただし、ない場合はそうやってやってもらわなきゃなりませんよということを申し上げているわけであります。

○福島みずほ君 論理ねじ曲げないでください。
大臣は、管理者が現認をすると答弁しているんですよ。どうやって管理者が現認するんですか。どうやってやるんですか。タイムカードとPCを入れというふうに言っていないんですよ。管理者が現認をしていただきますと言っていて、私は驚きました。どうやって現認するんですか。ずっと見ているんですか。

○国務大臣(加藤勝信君) 基本的には、管理者が自らチェックをして、それを記載をしていただくということ。
ただ、さっき申し上げたように、特に高度プロフェッショナル制度になれば時間がその本人のある程度自由で動くわけでありますから、そういったことを考えれば、先ほど申し上げたように、タイムカード等を入れることによってそれを把握をしていくということが必要になってくるということを申し上げているわけであります。

○福島みずほ君 大臣、この間の答弁またねじ曲げていますよ。
タイムカードもPCもない場合は、そういった場合には管理者が現認をしていただくと言っているんですよ。今、論理ねじ曲げて、管理者が現認は難しかったらタイムカードってすり替えているじゃないですか。大臣は、いや、そのとおりおっしゃっていますよ。
管理者はどうやって現認するんですか、タイムカードもない場合、パソコンも使っていない場合。大臣がこの間こう答弁されたからですよ。どうやって現認するんですか。

○国務大臣(加藤勝信君) ですから、その人が出勤する時間等を把握、自らで把握していただくということで現認ということを申し上げているわけであります。
ただし、ただしさっき申し上げたように、当然、自由な時間ということになってまいりますから、結果的にタイムカード等によってそれを把握していただくということになりますねということを申し上げているわけであります。

○福島みずほ君 自分で把握するんだったら現認じゃないじゃないですか。
大臣は、管理者が現認をしていただいて、いつ帰った、いつ見たと、そういったことにならざるを得ないと思いますと言っているんですよ。私、すごいなと思って。この管理者は高プロ以上に働かないといけないですよ。

○国務大臣(加藤勝信君) いや、これは通常の場合においても同じことでありまして、タイムカードが、(発言する者あり)いやいや、タイムカードがない場合にはそうやって管理をしてほしいということを我々は求めているわけでありますから、それは基本は一緒ですねと。
ただ、先ほどから申し上げているように、通常であれば時間が決まっていて、朝九時なら九時、夕方五時なら五時が基本的な時間ということになりますけれども、高度プロフェッショナル制度の場合にはそういった時間の設定がない、あるいは設定をしたらそれ自体が提供されないということになるわけでありますから、そうすると、現認をしようとする、もしタイムカードもパソコン等もなければ現認をすると、しかし、現認をするとしても限界がありますから、先ほど申し上げた、逆に、タイムカード等を導入していただくと、こういうことになるということを申し上げているわけであります。

○福島みずほ君 この間の答弁と順番が違うんですよ。
実際、現認なんかできないんですよ。いや、まあ、そうしたら今度は逆に管理者の方が高プロ以上に働いたら、働く現認をする、高プロを見張る、見張って、見張る管理者が必要で、こんなのもうあり得ないというふうに思います。答弁おかしいですよ。
この間、新入社員の適用に関して、今日の答弁も、高度プロフェッショナル、あなたはなってくれますかと面接して相手が高プロ嫌ですと言っても、その人間は高プロじゃなくて別の一般業務になればいいというふうな答弁がありました。そうじゃなくて、高プロ嫌ですとその人が言えば、その人もう就職、そこで面接、採用、恐らくしないことになると思いますよ。(発言する者あり)当たり前だという声がありましたが、そうだと思いますよ。
そしてもう一つ、企画業務型裁量労働制の適用要件に、少なくとも三年ないし五年程度の職務経験を経た上で、対象業務を適切に遂行するための知識、経験等を有する労働者である必要がある、労働省告示百四十九号、一九九九年十二月二十七日と規定をされています。
この企画業務型裁量労働制でも、三年から五年の職務経験を経た上でとわざわざやっているんですよ。もちろん、新入社員だとしても中途退職可かもしれません。でも、これおかしいでしょう。高プロ、これでいいんですか。

○政府参考人(山越敬一君) 企画業務型裁量労働制でございますけれども、これは、制度の対象者につきまして、これは指針でございますけれども、例えばということで大学の学部を卒業した労働者であって全く職務経験がない者について御指摘のような指針の規定がございます。
他方で、高度プロフェッショナル制度の対象者でございますけれども、これは繰り返し御説明しておりますけれども、高度の専門的な知識が必要で、その従事した時間と得た成果の関連性が通常高くないという業務に従事していること、それから、書面による合意に基づいて明確に職務が定められていること、それから、労働契約によりまして、その一年間に支払うと見込まれる額が平均額の三倍を相当程度上回る額だということで、自らの労働条件につきまして相当交渉能力が高い方を対象とするものでございます。
したがいまして、この制度の対象となる高度専門職の方は労働市場で高く評価をされている方でありまして、この労働条件が希望に合わなければ転職も選択肢とできるような方を想定しているものでございます。例えば、同業他社から転職してきた方が採用時から高度プロフェッショナル制度の下で働くといったケースも想定されるところでございます。
このようなことから、高度プロフェッショナル制度は裁量労働制とは異なる考え方に基づくものでございまして、対象業務や年収などの先ほど申しました要件を満たしていれば、採用時から制度を適用することが可能でございます。

○福島みずほ君 いや、これは、わざわざ企画業務型裁量労働制は一九九九年労働省告示で、三年ないし五年程度の職務、少なくともですよ、でやれとか、いろいろやっぱり配慮しているんですよ。にもかかわらず、今現在七万一千八百二十六人いらっしゃって、しかもそれについての実態調査は自己申告、自主点検でこれからだというのはひどいと思いますが、にもかかわらず、やはり新入社員でもいいんだとかという答弁は、企画業務型裁量労働制との関係でも全く不均衡だというふうに思います。
大臣にお聞きをいたします。
働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案提案理由説明にこうあります。長時間労働の是正が急務です、このような社会を実現する働き方改革を推進するため、この法律案を提出いたしますとして、まさに高度プロフェッショナル法案が提案をされています。
高度プロフェッショナル法案というのは、長時間労働の是正に役立つものなんですか。

○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、ちょっと、私の趣旨説明のどこを引っ張られたのかちょっとにわかに分からなかったんですけれども、高度な……(発言する者あり)ああ、失礼しました。
〔理事石田昌宏君退席、委員長着席〕
要するに、まず前段で、ちょっと長くなりますが、急速に少子高齢化が進展する中において、働く方の働き方に関するニーズはますます多様化しておりということで、(発言する者あり)いえ、ですから、ということになっており、非正規で働く方の待遇を改善するなど、働く方がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現することが重要だということを申し上げているわけでありますので、今回のこの高プロもそれに資するものということでございます。

○福島みずほ君 そうじゃなくて、大臣、その後を見てくださいよ。「このことは、」と書いてあって、最後に、ひいては日本経済における成長と分配の好循環につながるものであります、また、過労死を二度と繰り返さないため、長時間労働の是正が急務です、このような社会を実現する働き方改革を推進するため、この法律案を提出いたしましたとなっていて、高プロが入っているんですよ。働き方改革の中に高プロが入っているわけでしょう。つまり、趣旨説明は、「過労死を二度と繰り返さないため、長時間労働の是正が急務です。」と言っているんですが、高プロは長時間労働の是正になるんですか。

○国務大臣(加藤勝信君) ですから、今申し上げたように、その前のところで、働く方がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現することが重要だと申し上げて、そのような社会を実現する働き方改革を推進すると、こういうふうになっているわけであります。

○福島みずほ君 改行にはなっておりませんが、この働き方改革の提案理由にはっきり書いてあるじゃないですか。また、過労死を二度と繰り返さないため、長時間労働の是正が急務です、このような社会を実現する働き方改革を推進するため、この法律案を提出いたします、以下、この法律案の内容につきまして、その概要を説明します、第一、第二と、こうやって高プロの説明があるわけですよ。
じゃ、逆に、提案理由説明では、まさに長時間労働の是正として、その中に高プロの説明が入っているわけですが、じゃ大臣、高プロって長時間労働の是正になるんですか、ならないんですか。

○国務大臣(加藤勝信君) これは、先ほど答弁いたしましたけれども、必ずしも高プロを採用したからといって直ちに、例えば、それより同じ、まあ同じ仕事をしていたって、なかなか、場合だったとしても、それが長時間労働の是正になるかならないか、これはケース・バイ・ケースなんだろうというふうに思います。

○福島みずほ君 高プロが労働時間の短縮につながらないということをおっしゃったことは、やっぱりこの働き方改革の趣旨、提案理由と合わないですよ。なぜならば、ここに、長時間労働の是正が急務です、以下、この法律案の内容につきまして、概要を御説明いたします、第一に、第二にと書いたところで高プロの説明があって、第三とあって、そして「最後に、」とあるんですよ。
長時間労働の是正に高プロがならなかったら、働き方改革の中に入れちゃ駄目じゃないですか。つまりこれ、入れたらいけない劇薬がこの中に入っているから私たちは反対なんです。残業の規制を罰則でやるんだったら、それは長時間労働の是正につながることには可能性はあるわけです。しかし、真逆じゃないですか。労働時間規制が一切ない労働者を誕生させる、第一次安倍内閣でやりたかったこと、経済界が要求していること、それをこの中に紛れ込ませているから間違いでしょう。
でも、おかしいですよ。提案理由に、過労死を二度と繰り返さないため、長時間労働の是正が必要です、このような社会を実現するため、働き方改革を推進するため、この法律案を提出いたしましたとなっているのに、今日の大臣は、いや、長時間労働の是正にはならない、なるかもしれないけどならない可能性もあると言うんだったら、この提案理由はやり直さなくちゃいけないじゃないですか。やり直さなくちゃいけないですよ。
このままでこの採決とか駄目ですよ。おかしいですよ。真逆だもん。長時間労働の是正だったら私たち賛成なんですよ。厚生労働委員会の皆さんも、長時間労働の規制だったら賛成ですよ。それが、労働時間規制が一切なくなって、だから反対なんですよ。提案理由説明が駄目ですよ。これ、やり直してください。廃案にして、顔洗って出直すんだったらいいですよ。それこそ本当にやってください。
そして、この高プロの、第四十一条の二に高プロの説明があります。要件と効果が書いてあるわけですが、効果、労働時間それから休憩、休日及び深夜業の割増し賃金に関する規定は、対象労働者については適用しない。つまり、高プロって、割増し賃金を払わないっていうのが効果の最大のもので、これがみそだということでよろしいですね。

○国務大臣(加藤勝信君) これは、先ほど申し上げております趣旨説明においては、多様な働き方を選択できる社会の実現ということで、このような社会、そして、それに当たっては、あわせて、過労死を二度と繰り返さないための長時間労働の是正、これは具体的にそうした法案もこの中に取り込まれているということであります。
それから、あと、失礼、それと、効果については、この一連の労働時間に関する規制、これが適用されないと、こういうことであります。

○福島みずほ君 違いますよ、四十一条の二は、もちろんそうですが、条文はこうです。「割増賃金に関する規定は、対象労働者については適用しない。」。これがみそじゃないですか。要件と効果があって、割増し賃金適用しない。これがみそなんですよ。経済界の要請によって、賃金減らすぞ、割増し賃金払わないぞというところがこれのみそだと思います。
私は、派遣法の改悪、抜本改悪を安倍内閣がやって、非正規雇用が今四割を超した、まさにその問題もある。で、この高プロって何かというと、ホワイトカラー層の没落が始まると思っているんです。高度プロフェッショナル法案は、高度でプロフェッショナル、高度でプロフェッショナルと言っていますから、大臣、どう思われます、その会社の中に高プロ以上に給料もらう人が出てくるんでしょうか。どうですか。

○国務大臣(加藤勝信君) まず、先ほどの部分は、この章で定める労働時間、休憩、休日及び深夜の割増しに関する規定は適用しないということでありますから、全体は規定は適用されないということであります。
それから、ちょっと今の委員の御質問の趣旨分からなかったんですが、高プロより給料の高い人が出てくるかどうかということですか。それは例えば、その社長とか役員さんとか、それは高い人がいるんだろうと思いますし、それはまちまち、まちまちなんだろうと思いますし……(発言する者あり)いや、だから、一般の労働者の中でも、例えば非常に残業時間が増えるような方がいれば、結果において高い方が出てくるということもあり得るんだろうというふうに思いますので、それはちょっと一概に言えるものではないと思います。

○福島みずほ君 この四十一条の二は、労働時間、休憩、休日及び深夜労働の割増し賃金に関する規定は、対象労働者については適用しない。ここがみそですよ。割増し賃金を払わないというところがみそであると。役員とかちょっとおっしゃいましたが、この高プロ採用したら、一般労働者で高プロを超える人いなくなるんですよ。これが結局その会社の負担になるというふうに思って、大問題だと思います。
終わります。

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