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2018年06月28日 厚生労働委員会で高プロの問題点、ノーワークノーペイになる危険性を指摘 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

第196回国会 参議院 厚生労働委員会-024号 2018年06月28日(未定稿)
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○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
今日、午前中二時間だけの審議ということに強く抗議をします。たくさん論点があります。とことん審議をすべきである。高プロについては、これはもう出直すべきだと、廃案にすべきだということを強く申し上げます。
先ほど、石橋委員が私の質問の更問いをしてくださいました。高プロ対象労働者の産休、育休はどうなるのか。私は、高プロに断固反対です。労働時間規制が一切ない労働者が誕生する中で、家庭責任を持つ子供を持ちたいという女性が働けるとは思えない。こんな状況の中で働けないですよ。家庭責任を持つ男性だって高プロでは働けないですよ、仕事の量を選べないんだから。こういうことをやって、女は子供を持たない幸せというのは勝手だという自民党の幹事長のせりふも強く抗議をしたいと思います。子供産めないですよ、育てられないですよ。それは高プロじゃないんですか。先ほど、育休、産休はそのまま適用があるという答弁がありました。
ところで、お聞きします。どういうふうな年収の払い方になるんでしょうか。先日、共産党の吉良委員が、じゃ、二十万、二十万、二十万、最後にがばっと払うという、一千七十五万をどう払うかは決議によって決まります。そうすると、半年たって半年育休取るというある女性が選択をした。その人、二十万、二十万、三十万でもいいですよ、月給もらっていたら、年収どうなるんですか。

○政府参考人(山越敬一君) 高度プロフェッショナル制度が適用されている労働者につきましても育児休業を取得することは可能でございまして、その間、休業でございますので使用者に賃金支払の義務は生じませんけれども、一般労働者と同様に育児休業給付金の対象となります。産前産後休業とか育児休業により休業する場合には……

○福島みずほ君 山越さん、年収要件がどうなるのかを聞いているんです。

○政府参考人(山越敬一君) はい。労務提供が行われませんので、当該休業期間については高度プロフェッショナル制度の年収要件の算定対象から除外し、残りの……(発言する者あり)残り、残りの期間で年収要件を判断する、これを上回るように労働契約で定めていただく、そういう中でそういったことになるということだというふうに……(発言する者あり)

○福島みずほ君 時間がないんですよ。
私が聞いているのは、育休、産休の適用があることも分かりました。それに基づいて払うことも分かりました。で、年収要件がどうなるんですか。月給で払っていて、あと、じゃ、少ないときに後でやるんですかというのに、これ決議で決まるわけで、年収要件が、だから、三十万、三十万の途中で産育休に入ったらどうなるんですかという質問なんです。端的に答えてください。──もういいや。
いや、ひどいですよ。というか、答えられない。というか、やっぱりそういう事態、私は、実は産休、育休やいろいろ取ることを念頭に置いていないんだというふうに思います。
次に、高プロ対象労働者が、例えば、私、高プロです、勉強したい、一か月ヨーロッパに行って勉強します、アメリカに行って勉強します、これは可能ですか。会社が、ふざけるなと、仕事が、量が終わらないじゃないか、外国に行くな、一か月なんてふざけるな。これはどうなるんですか。

○政府参考人(山越敬一君) 今御指摘のケースでございますけれども、一つは労働契約でどう定めるかによると思います。それによって変わり得るものだというふうに考えます。

○福島みずほ君 ノーワーク・ノーペイになることもあり得るんですか。

○政府参考人(山越敬一君) これは、労働者が休業を求めた場合あるいは労務の提供が不可能となる、そういった休業の場合につきましては、その期間はその労務提供が行われませんので、その期間、高度プロフェッショナル制度の年収要件の算定対象から除外するという考え方は可能で、取り得るものだというふうに考えております。

○福島みずほ君 どこが自律的な働き方なんですか。どこが創造的な働き方なんですか。違うじゃないですか。
有給休暇の取得に関して、たくさん裁判例があります。本人取りたい、会社は駄目だという裁判例がたくさんあります。一か月、二週間、私取りたい、外国に行って勉強したい。今の答えでは、それは契約によります。労務の提供ができない場合、ノーワーク・ノーペイになるんですよ。どこが自律的なんですか。どこが創造的なんですか。どこが高度なんですか。結局、割増し賃金払われないだけのすさまじい労働者で、一か月たって休み取れないんですよ、取れないんですよ。これ、どこが自律的でどこが創造的でどこが楽しいんですか。全くそんなことないですよ。
じゃ、お聞きします。高プロの労働者がうつ病にかかってしまいました。会社に出ることができません。将来分かりません。どのように救済や手当てはなされますか。

○政府参考人(山越敬一君) まず、今、一つ前の御質問でございますけれども、高度プロフェッショナル制度については、どういう、いつ働くかと、そういう、いつ休むかというカレンダーはその労働者が自律的に決定できるものでございます。
それから、高度プロフェッショナル制度の適用を受ける労働者につきまして労災の請求がなされた場合の御質問かと思いますけれども、これは、使用者が把握を義務付けられている健康管理時間を参考としつつ、職場の上司あるいは同僚、御家族、そういった方から丁寧な聞き取りを行いまして、またそのパソコンのログイン、ログアウトの記録を始めといたしました資料から、休憩時間も把握した上で、実際に働いた時間を把握する、そういうこととしております。

○福島みずほ君 いや、これはうつ病にかかった場合、通常の労働者と同じ扱いで、休職規定がある場合はその規定に基づいて、ない場合はノーワーク・ノーペイと。でも、高プロでとても働き過ぎて、例えばうつ病など発症した場合、その後、だからノーワーク・ノーペイになる、それから外れる場合もあるわけです、もあるわけですよね、ということでよろしいですね、山越さん。

○政府参考人(山越敬一君) 労務の提供がない場合は、これは、そういった休業の場合は、この高プロの期間、算定から外れるということになるということでございます。

○福島みずほ君 どういうカレンダーで働くかはその人に任せるということですが、さっきの答弁と違うじゃないですか。私、高プロ、一か月ヨーロッパ、アメリカに行って勉強したい、とても必要。自律的、創造的、必要。これ、取れるんですか。先ほど、それは仕事の量との関係で休業になったらノーワーク・ノーペイもあり得るみたいな答弁だったじゃないですか。それでよろしいんですよね。

○政府参考人(山越敬一君) まず、高度プロフェッショナル制度は、いつ働くかいつ休むかというカレンダーは自律的に労働者の方で決定できるということでございます。
他方で、休業でございますけれども、法律で休業が認められている場合、先ほど申しました育児休業などの場合は休業ということになりますし、それから労働者が休業を求めた場合あるいは同意した場合、それは休業ということで、高プロの適用から労務を提供しないということで外れることもできるものでございます。

○福島みずほ君 とっても自由じゃないじゃないですか。どこが自由で創造的なんですか。一か月、二週間の休み取ると言われたら高プロから外れるんだったら、何の自由もないですよ。あるのは、単なる割増し賃金払われないという四十一条の二だけじゃないですか。
大臣にお聞きをします。
これはこの委員会でもよくありましたけれど、総理も大臣も、産業競争力会議に基づいてと言っています。総理は、これは経団連の要請であると言っています。十二人のヒアリング以上に労働者から求められているというのは一切出てきておりません。
産業競争力会議の竹中平蔵さんは、東京新聞の中で高プロ導入の趣旨を、時間に縛られない働き方を認めるのは自然なことだ、時間内に仕事を終えられない、生産性の低い人に残業代という補助金を出すのは一般論としておかしいと説明をしています。残業代を払わなくてもいい制度にしたいという本音をあけすけに語っています。
政府が違うと主張しても、提唱者がこう指摘している以上、このような目的で導入が進むと考えるべきではないですか。そのような動きを容認しますか。

○国務大臣(加藤勝信君) まず、先ほどの休暇の話ですけれども、これは基本的に、休日については、休日が、どこで休むかどうかというのは本人に依存、委ねられているわけですね。ですから、本人が自由に、ここ休んでここ仕事する、それは自由だというのは高プロのこれ基本であります。
ただ、様々な休業の仕組みがあります。例えば、もう今働けなくなったので労務の提供が不可能だということで、本人からこれはもう休業に入らせてくれと、こういった場合にはそれにのっとって対応していく必要があるということを申し上げているだけであって、ということであって、長期の休暇というか、半年間休んで半年間仕事をしていただいてそれは構わないんです、この制度は。それを否定しているものでは全くありません。ただ、何らかの病気等によって、この間はもう自分が働けないし、診断書を出してきて、もう通常のですね、そういった場合については、これは別の取扱いになりますよということを先ほどから説明させていただいているということです。
それから、竹中平蔵さんのコメントについて一つ一つ私どもからコメントをするのは差し控えたいと思いますけれども、この高度プロフェッショナル制度というのは、もちろん労働時間から、労働時間法制というものが一部分について適用されない、それは残業代のところも適用されない、それはそのとおりでありますけれども、逆に、そういった中において、先ほどの休日も含めて、より自律的な働き方ができる、こういう仕組み、それはもちろん健康確保措置とか、それを導入するための様々な要件を課した上でそういう仕組みを提供していると、それはそういうことであります。

○福島みずほ君 同じように、産業競争力会議のメンバーで、竹中さんと同じくメンバーであった楽天会長の三木谷さんは、文芸春秋の対談でこう言っています。従業員の就業条件を緩和するホワイトカラーエグゼンプションもまだ導入されていない。ベンチャー企業なんかでは、スタートアップ期には週七日、二十四時間体制で頑張っています。それが従業員保護の名目で規制が掛けられている。最低限のセーフティーネットは必要ですが、もっと現実に合った形に変えていかないと、日本企業の競争力はますます落ちていきますよ。
週七日、二十四時間体制で働くことが現実で、これに合った形で労働法制を変えていく、これが高プロ導入であると言っているわけですね。まさに本当に働かせていくことではないでしょうか。
大臣、先ほど大臣は、日本は長時間労働であるということをお認めになられました。この委員会で、時短には直ちには高プロはつながらない、総理もそう答弁しています。そして、過労死をなくし長時間労働を是正するということに、高プロが直接、提案理由、趣旨に掛からないという答弁もされております。
長時間労働の是正にならないんですよ。何で過労死遺族の人たちがこの高プロに反対をするのか。何で反対をするのか。長時間労働の是正にならないからですよ。過労死が増えるからですよ。それはどう思われますか。
そして、裁量労働制の拡充、企画型裁量労働制、七万人以上労働者は働いています。それについては、労働時間管理をやらず、労働時間状況の管理をする、把握をするというふうになっています。でも、この委員会の中で、実態調査はされていないし、どういう形で企画型裁量労働の人たちが働いているのか、じゃ、どうやって時間管理しているのか、やっていないというのが答弁じゃないですか。そこがやれてなくて、何で高プロの健康管理時間、これが把握できるんですか。やれてなくて過労死が生まれていて、何で高プロなんですか。やるとしたら、せめて現状どうなのかをやってから、せめてせめて高プロ導入じゃないですか。
大臣、じゃ、その二点。そして、昨日、岡田克也さんが、無所属の、総理に対して、別件のテーマですが、良心の呵責はないのかというふうに質問しました。私は高プロで聞きたいです。労働基準法を破壊するものですよ、高プロは。労働時間規制がなかったら労働者は守られないですよ。この法案をこの厚生労働委員会で成立させようとする良心の呵責はないですか。戦後の労働行政のこれ敗北ですよ。労働基準法の破壊ですよ。どうですか。

○国務大臣(加藤勝信君) 幾つかのことをおっしゃったので、全部答えられるかどうかあれですけれども。
まず、労働時間。今回、労働時間の状況については、裁量労働制も含めてそれをしっかり把握をしてもらう、そしてその場合にはパソコンのオンオフ等でしっかりやる、こういうことにさせていただいているということがまずあります。
それから、高プロにおいても、今度、健康確保措置、健康管理時間については同様の対応をしていくということで考えているところでありまして、その下において健康確保措置がしっかりと運営して実行されていく、それに向けて我々としても必要な指導等を、監督指導等を行っていきたいというふうに考えております。
それから、労働時間については、先ほど申し上げた我が国の労働時間は、他国、特にヨーロッパ等の国と比べて長時間にあるということ、その認識は私も共有をさせていただいております。そういった意味において、その一つとして、これまで三六協定を結んで特別の事項の場合にはむしろ青天井であった、まさにそういったところを是正をすることによって、全体として労働時間の是正、長時間労働の是正、こういったことに取り組んでいく。
そういった意味において、今回そうした罰則付きの長時間労働の規制というものを、時間外労働の規制というものを提案をさせていただいているということでありますので、こういったことを含めて長時間労働の是正をしっかりと進めていきたいと思っておりますし、今、良心というお話がありましたけれども、これまで再三再四このことは議論はされてきたけれどもなかなかできなかった、それについて労使が合意をして、今回初めてこういった形での、罰則付きの長時間労働の是正をさせていただいたということであります。
それから、他方で、高プロについては、先ほど東議員ともお話をさせていただきましたけれども、やはりこれからの時代を私たちは考えていかなきゃいけない、そして、今の状況の中で、本当にこの国においてどういう付加価値の高い産業を残していくのか、そういった中において、やっぱりこうした高度のプロフェッショナルの皆さん方がやっぱりこの国において自律的に創造性のある仕事をしていただける環境を一定の要件と健康確保措置の下でつくっていく、このことは、これからの日本の経済、あるいはそして日本における雇用の確保、職業の確保、こういった観点からも必要だということで提案をさせていただいているということであります。

○委員長(島村大君) 時間が参りました。質疑をまとめてください。

○福島みずほ君 過労死が出て責任が取れるんですか。過労死が出ますよ、責任取れるんですか。取れないでしょう。取れないんですよ。人が死んで責任なんか取れません。
労働基準法の破壊は許せない、廃案しかない、採決はあり得ないということを申し上げ、質問を終わります。

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