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2020年3月23日、予算委員会で森友問題、検事長定年延長問題、検察官定年延長改正法案について総理、法務大臣に質問 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)
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201-参-予算委員会-013号 2020年03月23日(未定稿)
○福島みずほ君 立憲、国民、社民共同会派の福島みずほです。
安倍総理、森友問題について質問をいたします。
今、福山さんから話がありました、この遺言、涙なしには読めないものです。家族、もっとも大切な家内を泣かせ、彼女の人生を破壊させたのは、本省理財局です。私の大好きなお義母さん、謝っても、気が狂うほどの怖さと、辛さ、こんな人生って何と書いて亡くなったわけです。何で彼が亡くならなくちゃいけなかったのか、本当にそのことを思います。
今、福山さんからもありました。財務省の報告書に対して新事実が明確に出てきました。赤木さんははっきり書いています。全て佐川理財局長の指示です。それから、会計検査院の説明は文書として保存していないと説明するよう事前に本省から指示があった。二〇一八年二月の国会で、麻生財務大臣や太田理財局長の説明は明らかに虚偽答弁です。たくさんのものがここに書かれています。
新事実あるじゃないですか。再調査すべきじゃないですか。いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今ほどの御質問ですけれども、財務省におきます調査報告書を御覧になったと思いますけれども、一連の問題行為は本省理財局の指示により行われたもの、そのとおりそう書かれておりますと認定をいたしておりまして、理財局長が方向性を決定付けた、その下で、理財局の総務課長が関係者に方針を伝達等々と、これは既に認定をいたしております。
今度、御報告がというか、今お話ありました手記におけます佐川氏による指示の意味するところが必ずしも定かではありませんけれども、少なくとも私どもの調べた範囲では、調査報告書におきましても、また佐川さんというか、理財局長が方向性を決定付けた上で本省理財局の指示で改ざんが行われたと認定をされておりますんで、これらは実質的に同じことだと思っておりますんで、矛盾しているとは考えておりませんということであります。
○福島みずほ君 矛盾しているというのではなく虚偽答弁、太田理財局長の虚偽答弁含め、新たな事実が出てきているじゃないですか。これ新事実ですよ。
それから、この報告書、財務省の報告書はぼんやりしています。だけれども、赤木さんは、誰が誰にどう指揮し、指揮命令系統はどうで、誰がどう動いたかまで入っています。これ新事実じゃないですか。新たに分かったことですよ。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、財務省の報告において、例えば文書五、特例承認、文書四、特例申請の決裁文書のことだと思いますが、この政治家関係者からの照会状況による記載がある旨の問題提起を受けた理財局長は、そうした記載のある文書を外に出すべきではないと、最低限の記録、記載すべきであると反応。総務課長及び国有財産審理室長が、理財局長の指示、反応を受けて、将来的に当該決裁文書の公表を求められる場合に備えて記載を直す必要があると認識。国有財産審理室長及び配下の職員が文書五、特例承認について具体的な作業を行ったほか、国有財産審理室の職員が近畿財務局の管財部職員に対して、文書四、特例申請について、文書五、特例承認と同様の書換えを行うよう具体的に指示したと認定するなど、指示系統の命令は極めて明確にされていると思っております。
○福島みずほ君 赤木さんははっきりと、先ほど福山さんの質問でもありました、刑事罰を受けるべき者、佐川理財局長、当時の理財局長、中尾さんですね、中村総務課長、企画課長、田村国有財産審理室長、杉田補佐、全部書いてありますし、近畿財務局の中で誰がどう動いてどう指示したか、美並さんが全て自分が責任を負うと言って責任を負っていないということも含めて全部書いてあります。
新事実ですよ。再調査すべきですよ。これを再調査しないのは、今まで虚偽答弁やって虚偽文書出してきた財務省、この赤木さんの命懸けの手記に応えてくださいよ。私たちの声にも応えてくださいよ。
先ほど福山さんが言いました。この参議院、国会で虚偽答弁、虚偽文書の提出、本当にさんざんひどい目に遭っています。虚偽文書出したんですよ。そして、原本はどこにあると聞いたら、当時、中村課長を始め当時の次長は、いや、原本は近畿財務局にありますと言ったので、私たち、超党派で行きました。夕方、中村さんから電話が掛かってきます。もう検察庁に提出しております。うそばっかりついてきたんですよ。私たち国会議員にもうそばっかりついてきたんですよ。だから、これを明らかにしない限り、日本の民主主義はないですよ。
先ほど福山さんからもありました。赤木さんのお連れ合いはこう言っています、安倍総理も麻生大臣も調査の対象です。調査、再調査をする、しないと言ったことに本当に怒っておられて、再調査をされる立場です。
先ほど福山さんも言いました、第三者委員会を立ち上げて調査をすべきではないですか。関電はやりました。関電以下ではないですか、どうですか。
○国務大臣(麻生太郎君) これ、先ほど総理から御答弁を申し上げましたとおり、これは少なくとも地裁、また国会、国会の中においていろいろ既にやられておりまして、地裁においては既にこの段階については不起訴……(発言する者あり)地検、済みません、地検においては不起訴ということが正式に決まっておるんで、これに第三者というのであれば、地検というものは非常に大きな第三者の位置を占めるものだと思っております。
○福島みずほ君 国会も重要な場所です。国会、そして皆さん、第三者委員会を立ち上げるよう要求します。
そして、先ほど福山さんが、先ほど名前を挙げた六人に関して、杉田補佐も含めて参考人と呼ぶことを言いました。私も申し上げます。安倍昭恵さん、そして佐川さん、そして太田主計局長、当時の理財局長、この三人、証人喚問するよう要求いたします。
○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。
○福島みずほ君 もとは全て佐川理財局長の指示と赤木さんの、赤木さんの手記に書いてあります。学園に厚遇したと取られる箇所は全て修正の指示があったと聞いたというふうにも書かれています。
なぜこのような改ざんが行われたのかということについて、二〇一七年二月十七日、安倍総理は衆議院で、私や妻が関与していたら総理大臣も国会議員も辞めると言います。二月二十二日、まさに菅官房長官、太田さん、中村さん、佐川さん、集まって話合いをやります。そして、二月二十四日、佐川さんは、書類は廃棄したと答えます。そして、この改ざん、具体的に赤木さんが近畿財務局でこれをやるように言われるのが、実際作業が始まるのが二月二十六日、第一回目、池田統括官に言われて改ざんが始まります。
安倍総理の発言がきっかけじゃないですか。赤木さんが書いているように、まさに学園に厚遇したと取られる箇所は全て修正の指示があったと聞いた。安倍総理の発言がきっかけじゃないですか。どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) きっかけということは赤木さんの手記、手記には書かれていないわけでございまして、それについて福島さんは何か混同しておられるのではないかと、こう思うわけでございますが、繰り返しになりますが……(発言する者あり)済みません、ちょっと委員長、ちょっと何らか……
○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。御静粛にしてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わば、きっかけではないということは明確、そのきっかけと書いていないということは明確にしておきたいと、このように思います。
○福島みずほ君 時系列でいったら、まさに安倍総理の発言がきっかけじゃないですか。そして、そのときのメモだけ出てきていないんですよ。
安倍総理、総理を守るために佐川局長が改ざんの指示をし、その結果、赤木俊夫さんは死に追いやられました。そのことの政治的責任はどう考えますか。
○福島みずほ君 総理を守るために佐川局長が改ざんの指示をしました。その結果、赤木俊夫さんは死に追いやられました。そのことの政治的責任をどう考えますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 総理を守るために佐川さんが指示をしたと、そういう事実としては全く認められていないわけでございますから、その事実に基づく質問ではないわけでございますので、お答えのしようがないということでございます。これは、福島さんの思っていることを今述べられたんだろうと、このように思います。
○福島みずほ君 二月十七日の総理の発言の以降、まさに佐川さんは二月二十四日、交渉記録はないと言い、そして二月二十六日からまさに修正作業、改ざんが近畿財務局で始まります。まさにそうじゃないですか。佐川さん、これだけ虚偽答弁し、そして証人喚問であれだけ証言拒絶をし、何で国税庁長官に出世したんですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 少なくとも、停職三か月という段階で、きちんとした形で、このルールにのっとって停職三か月という形になっていると思いますので、出世とかいうのではなくて、少なくとも停職三か月という形にさせていただいたと記憶しています。その上での話です。
○福島みずほ君 死んだ人がいるんですよ。これって背任、証拠隠滅、公文書変造罪、全て掛かるかもしれない。停職じゃ軽いですよ。
その後、出世したじゃないですか。みんな出世したじゃないですか。赤木さん以外は出世したじゃないですか。何で国税庁長官なんですか。何で出世するんですか。虚偽答弁繰り返したことが分かっている彼が何で出世するんですか。太田さんが何で出世するんですか。中村さんが何でイギリス公使なんですか。何でこの中尾さんが東京の国税担当になるんですか。みんな出世するじゃないですか。黒川さんもそうです。安倍総理を守った人は何で優遇されるんですか。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○福島みずほ君 一人の人が亡くなって、そして指示した人やそうした人たちが出世をしていく、おかしいですよ。何を守っているのか。だからこそ、私たちは、第三者委員会、証人喚問が必要だと思います。恥ずかしいですよ、でなければ。
会計検査院に質問します。
赤木さんの手記で、決議書等の関係書類は会計検査院には示さず、本省が持参した一部資料の範囲内のみで説明する、応接記録を始め法律相談の記録等の内部検討資料は一切示さない、会計検査院への説明は文書として保存していないと説明するよう事前に本省から指示があったと書かれています。
会計検査院、だまされていたんですよ。十分な検査が行われていません。財務省の妨害により十分な会計監査が行われていなかったことが明らかになりました。会計検査院、再度会計検査を行うべきではないですか。
○会計検査院長(森田祐司君) お答えいたします。
本件について、会計検査院といたしましては、平成二十九年に報告を行いました後、改ざんされた決議文書が提出されたことなどが明らかになりましたことを踏まえ、引き続き検査を行ったところであります。その結果、財務省において会計検査に対する不適切な対応があったということなどについて、三十年十一月に当委員会に対して報告をしているところでございます。
会計検査院といたしましては、これらの報告を行う過程で、関係者に質問するなど様々な方法で検査を行ったところでございまして、必要な検査を行ったと考えておりますので、再検査は予定しておりません。
○福島みずほ君 赤木さんの手記、遺言を踏まえて、会計検査院、それを基に更に調査をする必要があるんじゃないですか。
○会計検査院長(森田祐司君) お答えいたします。
会計検査院といたしましては、これらの報告を行う過程におきまして、本件自体に直接関与した職員だけでなく、その他、関係する職員にも質問するなど様々な方法で検査を行ったところでございまして、必要な検査を行ったと考えているところでございます。
○福島みずほ君 手記が出て、具体的ないろんなことがもっとより分かりました。是非、会計検査院、再検査をすべきだということを申し上げます。
赤木さんの手記には刑事罰を受ける者として名前が挙げられています。大阪地検は起訴をすることに意欲的だったという報道もあります。
全ての書類を任意提出してもらい、全部持って、先ほど議論になりました、池田さんが言ったまさにファイルまで見ていて、そこまで見ていて何で検察は起訴ができなかったのか。当時、法務省事務次官は黒川弘務さんです。何でこれが起訴にならなかったのか、私は分かりません。
総理、これ、官邸が動いたということはあるんですか。黒川さんが動いたということがあるんですか。誰かが止めたんですか。そんなことはあったんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大変、福島委員は妄想をたくましくしておられますが、そんな事実は全くありません。
○福島みずほ君 今回、赤木俊夫さんの手記、遺言によっていろんなことが明らかになりました。佐川さんの指示でまさにみんなが動き、そして、要するに、彼が言っていることでとても大事なことは、学園に厚遇したと取られる箇所は全て修正の指示があったと聞いた。で、改ざんを迫られ、そして、彼は本当にその良心の呵責と何でこんなことをさせられるんだという苦しみの中でまさに死を選ばざるを得ませんでした。憤死だと私は思います。
この手記、遺言、彼の死を無にしないためにも、国会の中で、そして第三者委員会立ち上げ、証人喚問もし、本当に今回こそ真相究明するよう強く求めます。
以上で終わります。
○委員長(金子原二郎君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
午後一時に再開することとし、休憩いたします。
午前十一時五十三分休憩
─────・─────
午後一時開会
○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
令和二年度総予算三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き、安倍内閣の基本姿勢に関する集中審議を行います。福島みずほさん。
○福島みずほ君 立憲民主、国民、社民共同会派の福島みずほです。
午前中に引き続いて質問をいたします。
黒川さんの定年延長と、個々の検察官の定年延長を認める検察庁法改悪法案について質問をいたします。
戦後、一度も、一人の検察官の定年延長も認めることはありませんでした。存在をしませんでした。初めて、口頭決裁、閣議決定で黒川さんの六か月間の定年延長を認めます。そして、今国会に検察庁法改悪法案が出ています。一律に定年を引き上げると同時に、個々の検察官に関して、この人は定年延長する、この人は定年延長しない、それを認めるもので、黒川さん定年延長全面化法案、黒川法案とも呼んでいい法案だと思います。
検察官に定年延長は今までありませんでした。昭和二十二年の芦田内閣の閣議書類があります。検察官の職責は、公訴官、起訴するという意味で、法律に従い、正邪曲直を判断し、準裁判的な起訴、不起訴の処分を行うものであり、この職責から見れば、検察官は、形式的には行政官であるにもかかわらず実質的には一般の行政機関と異なる性格を持ち、準司法官と言わなければならないのである。個々の検察官は、いずれも独立した国家機関であり、一般の行政官僚が次官の下に数人の局長を置き、各局長の下に更に数人の課長があるようにピラミッド型の、組織されていることは全く趣を異にしているのである。検察官が準司法官として以上のような地位と職責を持ち、特殊な検察体制を構成している点から見れば、検察官は、公務員では一応一般職に含まれているけれども、その任免、転退、退職も入っているわけですね、等については一般の行政官吏とは異なる特別の措置を定める必要があると同時に、検察官の待遇についても、特別職である裁判官に準ずるものとして、法律をもって特別の待遇を定める必要があると言わなければならぬ。これが公務員法の附則に検察官の特例を設けた理由である。これは、芦田内閣、昭和二十二年の閣議書類です。
今回の黒川東京高検検事長の定年延長も、全ての検察官を対象に個別に定年延長を認めるものは、検察官を一般の国家公務員と同じに扱うものであり、それは間違っているのではないですか。
○国務大臣(森まさこ君) 検察官は準司法官的性格を持っておりますが、他方で行政官であり、一般職の国家公務員であります。
勤務延長制度の趣旨は検察官にもひとしく及ぶというべきことなどからすれば、検察官の勤務延長については、一般法である国家公務員法の規定が適用されると解釈でき、問題はないと考えております。
○福島みずほ君 戦後、誰も定年延長されていないんですよ。重大な変更じゃないですか。森大臣、私が、芦田内閣のときの、準司法官である、だから例外なんだということを全く理解していらっしゃらないと思います。
裁判官も、この裁判官は定年延長する、この裁判官は定年延長しないとなると、裁判がめちゃくちゃになるじゃないですか。同じように、検察官も、起訴、不起訴、この独占権を持っているわけですから、この検察官は定年延長する、この人はしないとなれば、検察官を内閣が牛耳ってしまうことになる。これをやっちゃいけないと思いますが、どうですか。
○国務大臣(森まさこ君) 裁判官は司法機関でありますが、検察官は準司法官的性格を持っておりますが、他方で行政官であり、一般職の国家公務員であります。そして、社会経済情勢の多様化、複雑化に伴い、犯罪の性質も複雑困難化する状況下において、国家公務員一般の定年の引上げに関する検討の一環として検察官についても改めて検討したところ、勤務延長制度の趣旨が当てはまるというふうに解釈したものでございます。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。
○福島みずほ君 七十年ぶりに改悪するわけで、それにしても、もう本当に短い期間ですよね。
それで、お聞きしますが、社会情勢の変化って何ですか。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めて。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(森まさこ君) 勤務延長制度が導入された昭和五十六年当時と比べ、例えば国際間を含めた交通事情は飛躍的に進歩し、人や物の移動は容易になっている上、インターネットの普及に伴い、実際に人が移動しなくても各種情報の交換や種々の手続などが簡単に行えるようになっているなど、社会経済情勢は大きく変化し、多様化、複雑化しております。これに伴い、犯罪の性質も、例えば高度な技術を駆使したサイバー犯罪などが横行しているほか、海外に拠点を置いた国際的な組織犯罪なども多く発生している状況にあり、複雑困難化しております。
このように、犯罪の捜査等に当たる検察官を取り巻く情勢は……(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) お静かにお願いします。
○国務大臣(森まさこ君) 昭和五十六年当時と比べ大きく変化している中、検察官についても、特定の職員に定年後も引き続きその職務を担当させることが公務遂行上必要がある、必要な場合があると考えられたためであります。
○福島みずほ君 全く納得いきません。戦後一人も定年延長のない理由ではないですよ。しかも、今のだったら若手を登用すればいいじゃないですか。
東京高検検事長は捜査をしません。そして、この制度は、六十三歳に検事長がなったら、それで役職定年といい、役落ちといいますが、普通の検事になります。しかし、内閣が認めれば一年定年延長できる、一年定年延長、もう一年定年延長できるわけです。内閣の胸三寸で検事長の定年延長が決まる。そして、一般の検事も、この定年延長、六十五歳まで引き上げると。六十五歳から一年置きの三年間、六十八歳まで定年延長できるということでよろしいですね。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
内閣法制局長官近藤正春君。(発言する者あり)
速記を止めて。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(森まさこ君) お答えいたします。
一般の検事と検事総長は六十八歳まで可能でございます。
○福島みずほ君 先ほどの私の説明でよいということですね。
○国務大臣(森まさこ君) 一般の検事と検事総長は理論的には六十八歳まで可能でございます。
○福島みずほ君 とんでもないと思いますよ。だって、私が聞いたのは法案の中身ですよ。それを何で後ろからメモもらわないと答えられないんですか。重要なことじゃないですか。
六十三歳になった検事長は役落ち、つまり、そこで検事になるか、それとも、内閣が言えば一年置きに定年延長できるんですよ。天国か地獄じゃないですか。自分の職業生活の最後がどういうことになるのか内閣に委ねられるんですよ。これは、検事、まさに検察官をゆがめる、若いうちから内閣の御覚えめでたくというふうになっちゃうじゃないですか。
そして、普通、検事は六十八歳まで、六十五が定年で、一年置きに定年があります。もちろん、高齢で、年配で優秀な方はいますが、さっきのインターネットがどうのってなったら、若手活用したらどうですか。
○国務大臣(森まさこ君) 今ほど福島委員が、六十三歳になった検事総長が……(発言する者あり)検事長でございましたか、検事長については役降りがございます。そのとおりでございます。
若手の採用についてお尋ねがございましたが、一般の、最後の御質問が若手の御採用ということでございましたけれども、この勤務延長の制度は、一般の国家公務員法の定年引上げの検討の中で、社会情勢の変化に応じてこの勤務延長が一般の国家公務員にも適用されている趣旨に適応するということから採用されたものでございます。
○福島みずほ君 法案の中身聞いているのに、どうして答弁にそんなに時間が掛かって、秘書官に一々聞かなくちゃないんですか、おかしいですよ。
今、六十三歳の検事の定年が六十八までになる、私が問題にしているのは、黒川さんも個別に定年延長する、そして、個々の検察官も個別に定年延長する。私はさっき、芦田内閣の閣議で言ったように、準司法官たる検察は違うと、一般の国家公務員とは違うと、ずっと歴代やってきたじゃないですか。
自民党の方にも公明党の方にも申し上げたい。誰もそんなことをやる政権はなかったんですよ。田中角栄さんが逮捕されたときですら、自民党はそんなことは思い付きもしなかったし、やらなかったんですよ。それは三権分立、検察の独立性を考慮したからじゃないですか。なぜ今、それやるんですか。
○国務大臣(森まさこ君) 三権分立の中で、検察官は行政機関の中に属しております。その司法権と密接不可分な関係であるということから準司法官的性格を持つことは御指摘のとおりでございますが、行政官として法務省の下に所属しておりますので、そのような中で、一般の国家公務員法の定年の引上げの中で検討したものでございますので、御理解いただきますようにお願いいたします。
○福島みずほ君 安倍政権、森法務大臣の下でこんな戦後を汚すようなことをやっちゃ駄目ですよ。
裁判所構成法は、近衛内閣のとき、一九三七年に改悪され、司法大臣が個々の検察官の定年延長をすることができると初めてこのとき決めます。そのときの議事録も読みました。このときは、ちょうど盧溝橋事件、日中戦争が始まるときで、まさに軍事、軍備保護法改悪法が議論になるすさまじい中での同時に議論、法案が出ております。そして、まさにこの裁判所構成法は、一九四七年五月三日、日本国憲法の施行と同時に裁判所法が施行され、裁判所構成法が廃止をされ、この定年延長も削除をされます。
なぜこのとき削除されたんですか。なぜ削除されなければならなかったんですか、日本国憲法の施行と同時に。
○国務大臣(森まさこ君) 裁判所構成法は昭和二十二年に廃止され、同年に施行された検察庁法においては勤務延長についての規定は設けられなかったものでございますが、その設けられなかった理由については、昭和二十二年当時の帝国議会議事録等についても特段触れられておらず、理由はつまびらかではございません。
○福島みずほ君 理由は明らかですよ。日本国憲法の裁判官の独立や裁判所法に全く抵触するからじゃないですか。にもかかわらず、なぜ今こんなことをやるんですか。
内閣法制局にお聞きをいたします。
閣議決定されて国会に提出される法案は内閣法制局の了解を取る必要があります。内閣法制局が、検察庁法の改正法、つまり検察官の一律定年延長、これについて去年の十月に部長の決裁が終わったということでよろしいですね。
○政府特別補佐人(近藤正春君) 昨年の夏過ぎからずっと検察官を含む一般職の公務員に関する定年引上げについての法案の審査をしてまいりましたが、一応、十月終わり、十一月の頭頃に、担当部長、検察庁法につきましては担当部長の一回目の審査を終えて、その後、全体での取りまとめに入ったということでございます。
○福島みずほ君 突然、今年の一月十七日になって、法務省より、検察官も定年延長、これは個々のということですが、定年延長ができるよう解釈を変えたいという、そういう申入れが来たということでよろしいですね。
○政府特別補佐人(近藤正春君) お答えいたします。
先ほど申しました法案の検討の中で、今年一月の中旬になりまして、現行法において検察官についても勤務延長制度を適用するという解釈に変えて、その上で法案の審査をというお申出がございました。
○福島みずほ君 それまで音信不通だったんですね。
○政府特別補佐人(近藤正春君) 音信不通というのはちょっとあれですけれども、一応、十一月ぐらいに各担当部でやり、取りまとめ部で十二月ぐらいに法案全体をまとめて、私ども、次長とか長官のところに参りましたのが十二月のもう末だったと思いますので、その間は中身の精査をしていたというふうに思います。
○福島みずほ君 つまり、検察官の一律定年延長のは、もう去年の十月に了として終わっているんですよ。それが、突然、今年の一月十七日に、解釈変更で定年延長したいというのが来る。それに対して了という返事、了解というのを内閣法制局が出すのが一月二十一日です。それで、解釈で変更して定年延長できるとなったために、もう出すことになっていた検察庁法をひっくり返して、ひっくり返して、黒を白、白を黒、ひっくり返してですね、まさに定年延長、個々にするように変えたんです。
これは、ひっくり返すような話だったんじゃないですか。法制局。
○政府特別補佐人(近藤正春君) お答えいたします。
ただいま御指摘ございましたように、現行法の解釈が変わりました。それから、併せて検察官に適用しない予定でございましたいわゆる管理監督職の上限年齢という制度も入れましたので、ちょっと条文が変わるという形になってございます。
○福島みずほ君 黒を白、白を黒、ひっくり返すような話になったんですよ。つまり、黒川さんの定年延長、一月三十日にする、そのために、定年延長を何とか現行法の中で認められないか、誰がこんな悪知恵を発揮したのか分かりませんが、それを考え、そして、一月十七日内閣法制局に行って、一月二十一日、了とする。だから、内閣法制局は、あらかじめ提出する予定だった検察庁法改正法案を定年延長もできるように書き換えなくちゃいけなかったんです。
こんなのおかしいじゃないですか。黒川さん一人でもひどい話なのに、全ての検察官を個々に定年延長するかどうかを決める、こんなの本当におかしいと思いますが、どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もう既に法務大臣が答弁しているとおりなんですが、この言わば定年延長の問題によって、なぜそれで官邸が恣意的に私は人事を行えるようになるのかという論理が、全く私は分からないんですよ。それは全く分からない。それはまず、全く分からないということを申し上げておきたい。その中で福島委員が独自のそのまさに妄想をたくましくしておられて、独自のこの議論をしておられるんだろうと、こう思いますよ。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、これは私の考え、印象でございますけどもね。
○福島みずほ君 はい。
○委員長(金子原二郎君) 答弁中です。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) その上でお答えをさせていただきますと、検察官も一般職の国家公務員であり、国家公務員法の勤務延長に関する規定が検察官に適用されるとの今回の解釈については、検察庁法を所管する法務省において適切に行ったものと承知をしています。
その上で、その上で、それとはまた別の話でございますが、黒川検事長については、検察庁の業務遂行上の必要性に基づき、検察庁を所管する法務大臣から閣議請議により閣議決定され、引き続き勤務させることとしたものであり、これを撤回する必要はないと、このように考えております。
○福島みずほ君 妄想とは失礼ですよ。今まで、検察官の人事に内閣は手を突っ込まなかったんですよ。それを個々の検察官ごとに、この検事長は定年延長する、この検事長は定年延長しない、この検事は三年定年延長する、そんなことやっていたら、内閣が検事長とかこれを決めるんですよ。だったら、検事長……
○委員長(金子原二郎君) 時間が来ております。
○福島みずほ君 言いなりになる可能性があるじゃないですか。私の妄想ではありません。
内閣がこんなことをやったらいけないんです。内閣人事局をもとに官邸が官僚を操るように検察官を牛耳るようになったら、三権分立が壊れます。この日本が民主主義社会なのか腐敗国家になるのか、それが問われます。
○委員長(金子原二郎君) 時間来ております。
○福島みずほ君 だから、黒川さんの定年延長撤回、この法案、改悪してはならないことを申し上げ、私の質問を終わります。