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2021年5月19日、憲法審査会での発言 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

204-参-憲法審査会-002号 2021年05月19日(未定稿)

○福島みずほ君 立憲・社民の福島みずほです。
今、まさに憲法改正の議論を、憲法改正の手続法の議論をするときでしょうか。今、国民は、命と暮らしを守れないと必死の思いで生きています。政治の出番です。しかし、政府・与党は、国民の命や暮らしに全く関心を持たず、自分たちの関心事である憲法改正とその手続法の成立に精力を注いでいます。国民に背を向ける政治には退陣してもらうしかありません。
自民党の下村博文政調会長は、緊急事態条項創設の実現を訴え、今回のコロナのピンチをチャンスとして捉えるべきだと言いました。コロナのピンチを憲法改正のために利用するなどあってはならないことです。
菅総理は、五月三日に、今国会で審議中の国民投票法改正法案について、憲法改正議論の最初の一歩として成立を目指さなければならないと言いました。自民党日本国憲法改正草案では、基本的人権は公益及び公の秩序によって制限を受けます。基本的人権の保障等を認めない自民党日本国憲法改正草案を認めるわけにはいきません。
自民党が現在挙げている四項目のうち、緊急事態条項について述べます。
緊急事態条項は、内閣限りで法律と同じ効力を持つ政令を作ることができるというものです。国会無用論で、国会における法律の成立なくして基本的人権を制限できるものを内閣で作るのです。これはナチス・ドイツの国家授権法と同じです。
次に、国民投票法改正法案は欠陥法案です。そもそも、公職選挙法改正法の七項目をそのまま国民投票法に盛り込むこと自体が間違っています。七項目改正案により投票環境は悪化します。
まず第一に、期日前投票所の開閉時間の弾力的設定です。一つの投票所は午前八時三十分から午後八時まで開いていなければならないとの要請がなくなりました。
第二に、繰延べ投票の期日の告示の期限の問題です。五日前の告示を二日前の告示に短縮しました。日曜日の投票日に台風が直撃するとき、土曜日に告示をして、二日後の月曜日に投票日を移動させることができます。
第三に、洋上投票です。発議があって国民投票名簿を作成するのですから、洋上に出ている人たちは投票ができません。これは、あらかじめ選挙人名簿が作られている選挙の場合とは異なります。
また、CM規制、インターネット広告規制などがありません。これでは、資金力のある者がCMやインターネット広告などを行い、極めて不公平な国民投票になります。
さらに、最低得票数の規定もありません。極めて少ない人数で憲法改正ができるようになり、これでは民意と言えません。
憲法改正にも、自民党日本国憲法改正草案にも、自民党の四項目改悪案にも反対であり、投票環境を悪化させ、民意を反映できない国民投票法案には重大な欠陥があります。
憲法を生かす政治を行うべきであります。憲法を変えないからコロナに対応できないのではなく、命と暮らしを守る考えがないためにコロナに対応できないという政治の無策を憲法に押し付けないでほしいと思います。
今こそ憲法を生かしていきましょう。法の下の平等、幸福追求権、個人の尊重、二十五条の健康で文化的な最低限度の生活、労働基本権、憲法二十一条の表現の自由、二十四条の家族の中の個人の尊厳と両性の本質的平等、これらから作るべき法律はたくさんあります。これらを守るべき今はときです。そのことに背を向ける政治は退場してもらわなければなりません。
以上です。

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