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2022年3月23日(水)、憲法審査会での発言 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

208-参-憲法審査会-001号 2022年03月23日(未定稿)

○福島みずほ君 立憲・社民共同会派の福島みずほです。
国会法百二条の六は、憲法審査会の役割について、「日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制について広範かつ総合的に調査を行い、憲法改正原案、日本国憲法に係る改正の発議又は国民投票に関する法律案等を審査する」と規定しています。まさに、憲法及び法律について広範かつ総合的に調査を行うことがこの憲法審査会の重要な役割です。
では、日本国憲法に密接に関連する基本法制について広範かつ総合的な調査が今まで行われたでしょうか。行われていません。まさに、そのことこそやるべきです。安保関連法、戦争法、秘密保護法、共謀罪、秘密保護法など、違憲の法律が存在をしています。まさに、広範かつ総合的に調査を行うことを強く提案します。
コロナ禍の中、憲法二十五条の生存権が保障されていない人たちが多数存在します。今日のお米、明日のお米がないのです。また、コロナ禍で亡くなられた人たちが多数存在しています。
生存権、平和的生存権、幸福追求権、表現の自由、学問の自由、思想、良心の自由、法の下の平等など、日本国憲法が守られていません。札幌地方裁判所は、同性婚を認めないことは憲法十四条の法の下の平等に反すると判決を出しました。日本の中に存在する女性差別、外国人差別、障害者差別、部落差別、アイヌの人たちに対する差別、LGBTQの人たちに対する差別など、法の下の平等に反しています。
憲法改正ではなく、憲法が生かされることこそ追求されるべきです。憲法が生かされていないのに、なぜ憲法改正の議論なんですか。憲法五十三条は、「いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。」と規定しています。四分の一以上の要求があったにもかかわらず、当時、安倍内閣は国会を召集しませんでした。明確に憲法違反の行為をしています。憲法尊重擁護義務を持つ国務大臣が憲法を守らない状況で、なぜ憲法改正の議論なんですか。まず、憲法を守ることこそやるべきです。
ロシアのウクライナ侵略の中で、戦争反対の声が世界中で、日本で広がっています。武力で平和はつくれません。軍備増強の競争の中でこそ戦争が起きます。戦争をしないと決めた憲法九条、平和的生存権をうたう日本国憲法前文の価値は今こそ輝いています。
日本としてロシアに国際法を守れと主張していくのであれば、国会や憲法審査会は、九条改正の議論ではなく、憲法九条の理念である武力の行使を止めるよう求めていくことこそ必要です。
日本人で三百万人、アジアで二百万人と言われるたくさんの犠牲の上に獲得した憲法九条、日本国憲法です。憲法改正の議論ではなく、今こそ九条始め日本国憲法の価値を生かしていく政治を行うべきであり、憲法審査会はそのことこそやるべきだと強く申し上げます。

〈中略〉

○福島みずほ君 西田昌司さんにお聞きをいたします。
大日本帝国憲法下で侵略戦争が起きたことをどうお考えになられますでしょうか。ロシアのウクライナ侵攻を見ていると、満州事変と非常に似ている構図を感じたりしています。大日本帝国憲法下で侵略戦争が起きたということをどうお考えでしょうか。
今の日本国憲法下において、少なくとも日本は侵略戦争をやっていません。集団的自衛権の行使をやっていません。少なくとも海外で人を、武力行使をし、人を殺りくすることはやっておりません。ですから、やっぱり九条の意味というのは大変あるというふうに思っております。
二つ目ですが、先ほど、日本の文化、伝統ということをおっしゃいました。文化やそういうものは本当に大事です。しかし、大日本帝国憲法下でまさに日本の女性たちは選挙権も被選挙権もありませんでした。政治活動も制限されていました。非常に男性たちだけの部分的な民主主義であって、女性にとっては男たちだけの国会、男たちだけの民主主義だったわけです。
戦後、憲法十四条と二十四条ができ、二十四条ができたので、最高法規、憲法は最高法規ですから、民法の親族編、相続編と戸籍法が改正になります。民法の中で、女性は、戦前はまさに、妻は無能力者であると書いてありました。行為能力がなかった、結婚は家と家との結婚で、妻は婚姻によりて夫の家に入るとなっており、戸主が強い権限を持ち、そして結婚には同意権が必要であり、居所指定権も戸主は持っておりました。女性は行為能力すらなかったんですよ。
憲法が、日本国憲法ができて、女性は初めて選挙権、被選挙権を持ちます。
だから、私は、日本国憲法下、日本国憲法の下で十四条、二十四条ができ、そしてここ国会に女性がいるのも日本国憲法下で初めて可能になったわけです。日本国憲法の意味は大変大きい。また、とりわけ、民法の中の親族編、相続編、戸籍法が憲法二十四条、家族の中の個人の尊厳と両性の本質的平等の下で変えられたということは極めて大きいと思います。
ですから、西田昌司さんにお聞きをいたします。日本の文化、伝統とおっしゃいますが、では、日本の文化、伝統はとおっしゃって、日本国憲法について問題があるとおっしゃるんですが、日本の文化、伝統は女性の選挙権、被選挙権、これを否定するものなんでしょうか。どうなんでしょうか。

○西田昌司君 御質問ありがとうございます。
まず、押し付け憲法が押し付けじゃないという話をおっしゃったんですけれども、それは全く歴史の事実の一部しか見ていない。確かに、日本人が意見を言って付け加えたところもあるんですが、大体は、そもそも日本を無力化させると、占領目的が完全にそうなっているわけですからね。だから、そこでできたということはもう揺るぎない事実であります。だから、そのことはまず大前提として我々知っておかなきゃならないと思います。
それから、戦争、大日本帝国憲法下で戦争が起きて日本国憲法ではないというのは、それは全く意味がない話で、つまり、戦争当事者であった、あの大東亜戦争のときの戦争当事者であったマッカーサー司令長官、元帥が、アメリカの上院に後に彼が宣言しているんですね。つまり、満州事変も含め日本にとってあの戦争は自衛の戦争であったということははっきり宣言しています。そういう歴史的事実も考えてみるときに、要は、日本は戦争したくてやったんじゃなくて、結局、戦争せざるを得ない事情があったと。それは何かというと、最終的にはハル・ノートということになりますがね。
だから、同じようにウクライナの話を考えると、先制攻撃したのはロシアだから、そういう意味では力でやって何だという話になるんだけれども、それまでの経緯があるわけですよね。だから、今、もうこれ時間短いからウクライナの話までは述べませんけれども、そういう全体像を見て議論しないと、一部のそういうイデオロギー、一部の固まった考え方だけで世界情勢を論じたり見たりするのは非常に危険で、私も、私の母の遺言として、有田先生と同じでね、戦争だけは絶対、昌司、やったらあかんよと、それはもうそのとおりなんですよ。
だから、私は、そうならないようにするためにウクライナ情勢も考えなきゃならないので、要するに、今の、ただ単にウクライナと一緒にやっていきましょうなんという形でやっていって、これどんどんやっていくと何が起こるかというと、まさにこれは第三次世界大戦になってしまいますよ。だから、我々、そういうことも含めて冷静にやっていかなきゃ。NATOがどんどん大きくなっていったら、ワルシャワ条約機構がないところで何でNATOが今いるのかという話ですよ。それはまさに戦争をつくる道具にさせられてしまっているんですよ。そこに我々が同調する必要は全くないと思います。
それから、文化の話でいうと、大事なのは、日本の文化の一番大事なのは、先ほど言った、教育勅語に書いてありますけど、要するに家族主義なんですよ、家族主義。家族と伝統を大事にするということです。それの、女性の参政権とは否定するものでは全くない。歴史的にはそういうところからだんだん時代が進んで、ほかの国でも女性が政治に参加することはあるわけで、今の、前の憲法下でも当然そういうことはあったと思っています。

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