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2022年4月12日、厚生労働委員会で困難な問題を抱える女性を支援する法案について質問 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

208-参-厚生労働委員会-008号 2022年04月12日(未定稿)

○福島みずほ君 立憲・社民共同会派の福島みずほです。
困難な問題を抱える女性への支援についてお聞きをいたします。
法案三条の基本理念にも書かれているように、多様化、複雑化、複合化する女性が直面する問題に対して、一人一人の意思を尊重しながら、個別のニーズに対応して最適な支援を行い、よって福祉の増進を図るためには、職員増と専門職を含む適切な人員配置が不可欠です。しかし、例えば、婦人保護施設の職員配置や利用者の生活費はずっと変わらず、現場では苦労しています。婦人保護施設の現場からは、利用者の生活費が少なく、化粧品の購入や美容院代にも事欠くという声が寄せられています。また、婦人相談員、これ元々非正規と以前されておりまして、待遇改善も指摘され続けております。
厚生労働省に、このような現状や支援現場の声を踏まえて、本年度予算を含めてどのような対応を行うのか、お聞きをいたします。

○政府参考人(橋本泰宏君) 御指摘いただきました婦人保護施設や婦人相談員などは婦人保護事業の重要な担い手でございまして、実効性のある支援を行うに当たって非常に重要なものというふうに考えております。
婦人保護施設や婦人相談所の全国団体からは、婦人保護施設入所者の生活費について十分な額が設定されていないという点ですとか、あるいは婦人相談員の専門性に見合った処遇改善が必要だと、こういった点についての御意見をいただいているところでございます。
このため、令和四年度予算におきましては、一つは、婦人保護施設入所者の生活水準の向上を図るための一般生活費の基準単価の改善、それから二つ目といたしまして、婦人相談員の適切な処遇の確保に向けた婦人相談員手当における経験年数に応じた加算の設定及び期末手当の支給、こういったことに必要な経費を盛り込んでございまして、私どもといたしましては、支援の現場の声を丁寧に伺い、現状を把握しながら、しっかりとした支援ができるよう支援体制づくりに努めてまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 困難な問題を抱える女性支援法では、重要な支援対象として若年女性が想定されています。厚生労働省の補助事業、若年女性等支援事業は、民間団体との協働による支援として新法でも重視され、新法の特徴の一つとして考えられています。しかし、そもそも若年女性支援団体が少ない上に、地域の偏り、東京、福岡、札幌などが著しく、大都市だけでなく、どの地域でも若年女性支援のニーズはあると考えられますが、体制がほとんど整備されていません。
このような現状を踏まえて、若年女性支援団体の拡充を阻む要因は一体何なのか、現状を打開するために予算を含めてどのような対策を考えているのか、具体的な取組の方針をお聞かせください。

○政府参考人(橋本泰宏君) 様々な困難を抱えた若年女性は、自ら悩みを抱え込んでいるということで問題が顕在しにくかったり、あるいは公的な支援につながりにくい、こういった側面が指摘されております。公的機関と民間団体が密接に連携しまして、個々のケースに応じたきめ細かな支援を実施していくということが非常に重要であるというふうに考えております。
厚生労働省におきましては、平成三十年度にモデル事業として立ち上げました若年被害女性等支援事業、これを令和三年度から本格実施に移行させまして、地方自治体とNPO等の民間団体が連携して、アウトリーチからの相談対応や居場所の提供、あるいは自立支援等を実施する事業への国庫補助を行ってございますが、御指摘のとおり、事業の実施が都市部に集中しておりまして、早急に全国普及を図っていく必要があるというふうに考えております。
このため、令和四年度予算におきまして、民間団体支援強化・推進事業という新しい事業を創設いたしまして、全国の地方自治体において、特色や強みを生かしながら多様な相談への対応や自立に向けた支援を担うNPO等の民間団体の掘り起こしですとか立ち上げ支援、こういったことを実施する際に国庫補助事業を行うための事業をスタートさせます。また、若年被害女性と支援事業の一か所当たりの国庫補助単価の大幅な拡充を行います。
こういったことと併せまして、こうした予算事業の全国展開を効果的に図る観点から、全国セミナー、ブロックセミナーの実施、あるいは支援マニュアルの作成、こういったことを通じまして、自治体関係者や、自殺対策や生活困窮者自立支援などの関係分野のNPO法人等の関係者に対して、若年女性支援の先進事例の周知を図るなどのきめ細かな支援を行っております。
こういった取組通じまして、公的機関と民間団体の協働による困難な問題を抱える女性への支援の推進を図ってまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 困難な問題を抱える女性支援法は、一九五六年の創設以来、長年にわたって支援を担ってきた婦人保護事業三機関の現場の方々の、売春防止法に法的根拠を持つ婦人保護事業による支援には限界があるとの声を反映させたものです。しかし、新法が制定されても言わば魂を入れなければ、支援現場にとっても、また利用する女性にとっても実効性のあるものにはなりません。具体的な事業の充実強化を図っていく必要があります。
今後、法制定後には、国による基本方針や都道府県の基本計画の策定などが行われることになりますが、このような取組の際には支援に当たる現場の意見を聞いていただき、予算の拡充を含めて不断の改善を図っていただきたい。
厚労省の具体的な取組はどうでしょうか。

○政府参考人(橋本泰宏君) 支援の現場で困難な問題を抱える女性への対応に実際に当たってこられた方々の御意見というのは、新法の下で実効性のある制度をつくるに当たりましても非常に重要なものというふうに考えております。
私どもにおきましては、これまでも、困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会を始め様々な機会を通じまして、婦人相談所や婦人相談員、婦人保護施設や民間の支援団体等の多くの関係の方々の御意見を伺いながら婦人保護事業の運用面の改善に努めてきたわけでございますが、お尋ねの新法が制定された後の取組ということにつきましては、現場で支援に当たってこられた方々の御意見を引き続き丁寧に伺いながら、新法で定める国に定められた業務を着実に行っていきますとともに、都道府県等に求められる業務に支障が生じないよう十分な準備期間を確保できるよう努めるなど、新法の理念を踏まえ、自治体や関係者等と連携しながら、毎年度の必要な予算の確保に努めつつ、実効性のある形で効果的な施策が図られるように取り組みたいと考えております。

○福島みずほ君 今回、例えばColaboの仁藤夢乃さん、それからBONDの橘ジュンさんや戒能民江さんや近藤恵子さんや若草プロジェクトや、いろんな人たちに改めてお話をお聞きしました。
非常に言われたのは、やっぱり権利回復、当事者は権利回復をするんだと。だから、当事者の権利性、相談しにくいとか、あなたが悪いんじゃないのとか、怒られるとか、叱咤されるとか、もうそれ権利回復になりませんから、当事者の権利として打ち出す、権利を有している、そういうことの認識がとても重要ですし、先ほど地方公共団体をかませるということでしたが、よく言われるのは、私たちは行政の下請機関ではないと。とにかく対等な立場で問題を解決をするという、そういう認識でやってほしいとか、そういう意見を聞きます。地方公共団体かませることで、むしろうまくいかないというようなことも聞くんですね。直接支援してほしいという声もよく聞きます。
このような点について、いかがでしょうか。

○政府参考人(橋本泰宏君) 支援の現場、やはり地方自治体の方でしっかりと現場の自治体を把握しているという面もございますので、地方自治体に一定の役割を担っていただくということは、これは大切なことだというふうに思っておりますが、御指摘いただきましたように、やはりNPO等で活動されている方々には、やはり自分たちが主体となって対応していくんだというプライドとかあるいは責任感、そういったものも当然おありだと思います。そういった意欲、考えというふうなものに応えながら、自治体が連携、協力していくということが何よりも重要ではないかと考えております。

○福島みずほ君 権利の回復、性搾取や性暴力のむしろ被害者で、当事者は権利の回復をしていくんだという視点が本当に大事だと思います。
法の策定に当たり、補導処分が廃止されることになりました。実は、社会的な弱者、保護を必要とする女性、若年障害者などの人たちがむしろ犯罪者とされてきたことについて、法務省として、これまでの事業の総括はどのように考えていらっしゃるでしょうか。

○政府参考人(保坂和人君) 補導処分といいますのは、刑事裁判におきまして、裁判所が売春防止法の罪で有罪として刑の執行を猶予するときに、補導処分に付する旨を判決で言い渡すことができるというものでございまして、補導処分に付された者については、法律の定めに従って六か月以内の期間、婦人補導院に収容して指導、補導を行うというものでございます。ところが、近年、適用実績がほとんどなくなってきておりまして、制度の役割が小さくなってきたと考えられるところでございます。
厚生労働省の今般の新たな支援の枠組みの検討会における御議論におきましても、補導処分に関する第三章も併せて廃止すべきであるという御指摘をいただいていたところでございます。法務省では、その点につきまして、刑事法の研究者等の有識者との意見交換会を昨年九月に行いまして、いずれの有識者からも、新たな支援の枠組みが創設され、第四章、売春防止法第四章が廃止される際には、補導処分に関する第三章も廃止することが相当であるという意見が述べられて、法務省としても同様の見解でございます。新たな支援創設に伴って補導処分が廃止された場合には、支援を必要とする女性が適切な支援を受けることができるよう、法務省としても関係機関との連携を図ってまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会中間まとめで出た意見について、また改めてお聞きします。
婦人保護施設が若い女性にも使いやすく緩やかなものになって、民間団体でアウトリーチして出会った若い女性たちの次の生活の場として使えるようにならないと、アウトリーチをモデル事業などで強化しても、その先の支援ができないという指摘がありました。厚生労働省、いかがでしょうか。

○政府参考人(橋本泰宏君) 婦人保護施設は、利用者の自立に向けて、中長期的に心身の健康の回復を図りつつ生活を支援するという非常に重要な役割を担っておりまして、困難な問題を抱える女性への支援において、その専門性やノウハウを十分に活用していくということが大事でございます。
令和四年度予算におきましては、婦人保護施設の専門的な機能を生かして、若年女性を主な対象とする支援を展開する民間団体と連携した支援体制を強化するため、一つには、民間団体支援専門員と申しまして、民間団体によるアウトリーチからの相談対応、あるいは居場所の提供、自立支援などの支援機能の総合的な強化に向けた指導、助言を行う方、そういった方を配置するということに対する加算ですとか、あるいは心理療法担当職員と申しまして、性被害によるトラウマや精神疾患を抱えた方など、心理的なケアにおいて特に配慮を要する方に係る民間団体による支援を強化するための指導、助言を行ったり、あるいは民間団体における実際の支援現場で実践的な指導を行ったりする、そういう方の配置についての加算を設ける、そういった民間団体と婦人保護施設の連携、協働を適切に図るための新たな予算を計上させていただいております。
厚生労働省としては、こういった取組を通じまして、民間団体がアウトリーチ等で支援した若年女性が、必要に応じて婦人保護施設による支援にもつながる流れ、これを広がっていくようにしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 性暴力被害者への中長期支援について、性暴力被害者回復支援センターを設立するなど国による責任を持った対応をお願いしたいという要望があります。私たちも、かつて野党で性暴力被害者支援法案、提出をしております。被害者支援の連携を考えたときに、コーディネートする機関が統合的に被害実態を分析して今後の方向を見出していく必要があるという指摘について、内閣府、いかがでしょうか。

○政府参考人(林伴子君) 性犯罪や性暴力は、被害者にとって、身体面のみならず、多くの場合精神面にも長期的な傷痕を残す、人権を踏みにじる決して許すことのできないものであります。
性犯罪、性暴力の被害者に対しては、心身の負担を軽減するため、被害直後から相談を受け、緊急避妊薬の処方、証拠の採取などの医療的な支援、心理的な支援などを可能な限り一か所で提供することが重要であり、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターが全都道府県にございます。このワンストップ支援センターは、地域における被害者支援の中核的な役割を担っております。また、中長期的な支援につきましても多くの相談を受け付けており、被害者に寄り添い、丁寧にお話をお聞きし、精神科の医療費やカウンセリング費用も補助をしております。この全国のワンストップ支援センターでは、婦人相談所を始めとした様々な機関との連携会議を実施するなど、相互に連携しながら、性犯罪・性暴力被害者支援を進めているところでございます。
引き続き、ワンストップ支援センターでは、中長期的な支援も含め、性的な被害など困難な問題を抱える女性を支援する関係機関としっかり連携をして、被害者支援に取り組んでまいります。

○福島みずほ君 今回、情報アクセシビリティー・コミュニケーション保障法案の議論になりますが、手話言語法を作りたい、手話言語法が是非必要だという声を全日本ろうあ連盟や様々な人たちからお聞きをしております。
手話言語の重要性からすると、手話言語法の制定によって手話言語教育も充実することができます。厚労省、いかがでしょうか。

○政府参考人(難波健太君) お答えいたします。
共生社会の実現に向けまして、障害のある方が社会を構成する一員として、社会、経済、文化、その他あらゆる分野の活動に参加するために必要とする情報を取得、利用されることや、あるいは円滑に意思疎通を図ることができるよう障害のある方による情報の取得、利用、意思疎通に係る施策を総合的に推進するということは、大変重要であると考えているところでございます。
また、なお、学校教育におきましてですけれども、その障害の状態などに応じまして、音声、文字、手話、指文字など、適切なコミュニケーション手段を選択して使用できるよう、きめ細かい教育を行うということが重要でございまして、そのことを特別支援学校学習指導要領に記載するとともに、研修の充実も促進していると内閣府においては承知をしているところでございます。

○福島みずほ君 時間です。内閣府でした。失礼しました。是非、手話言語法できるようにと思います。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。

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