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2022年4月19日、内閣委員会で経済安保法案について質問 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

208-参-内閣委員会-011号 2022年04月19日(未定稿)

○福島みずほ君 立憲・社民共同会派の福島みずほです。
官民協議会と、それからシンクタンクについて、まずお話をお聞きします。
朝日、お配りいたしました資料がありますが、朝日新聞デジタルの経済安保特集です。これに対して、法案推進の司令塔の兼原氏へのインタビューです。彼は、学術会議を、まあ潰しと言うとあれですが、その急先鋒だったとも言われておりますが、法案で最も重要なものは何かという質問に、官民技術協力だ、日本には世界最優先の科学技術を持ちながら安全保障と結び付けることが全くできていない、敗戦の影響で軍事研究が封じられ、学術界も安全保障に関する最先端の研究に拒否感を抱いてきた、大学には防衛省に関わることなど許されないという雰囲気がある、結果、米国の軍事技術に依存する構造になっている、この法案による官民協議会の立ち上げは一歩前進だと言っています。
もちろん、軍事研究だけをやるわけではありません。しかし、デュアルユースという形で軍事研究にもつながる。つまり、軍事研究が、戦後の出発点では学術会議や様々なところが私たちは軍事研究にくみしないと言ってきた日本の社会から、まさに軍事研究もやる、そういう研究体制を内閣総理大臣の下に内閣挙げてやる仕組みをつくるんではないかという、そういう危機感があります。
官民協議会についてお聞きをいたします。
協議会の、その兼原さんは協議会をどのように運用するのかという質問に対して、重要技術の研究開発を官民一体で進める仕組みにすることだ、大学でも最優先の防衛技術研究に関わりたいと考える研究者はいるし、民間にも良い技術者がいる、協議会では必要な技術について官民の意思疎通を図り、国が調査研究を委託する仕組みだ、科学技術のレベルは安全保障に直結する、これが世界の常識だ、安全保障に関する最先端技術の研究拠点をつくりたい、第二の筑波学園都市のようなイメージだと言っています。
軍事研究の一大拠点がつくられるのではないかということなんですが、政府が先頭に立って軍事研究も可能な、も可能な先端技術の開発に予算を通し、開発を促進させるということではないでしょうか。

○国務大臣(小林鷹之君) お答え申し上げます。
この法案の官民技術協力の枠組みは、先端的な重要技術の研究開発を民生利用や公的利用への幅広い活用を目指して推進することによって、国民生活の向上にとどまらず、世界が直面する様々な課題への積極的な貢献につなげていくことで、我が国の技術の優位性、ひいては国際社会における不可欠性の確保に結び付けていくためのものです。
したがいまして、この法案の枠組みによって、防衛分野のみの利活用を目的とする技術の開発を行うものではありません。
その上で申し上げますと、AI、量子といった技術や先端半導体は様々な分野で利用され得るものでございます。防衛分野での利用可能性があることをもってこうした技術の研究開発を単純に否定してしまうと、我が国の科学技術イノベーションが世界から立ち遅れ、国民生活や経済活動に甚大な影響を与えかねないと考えます。
政府としては、この法案の枠組みを含め、先端的な重要技術の研究開発の推進は不可欠であると考えております。

○福島みずほ君 軍事研究のみをするんですかという質問などしておりません。デュアルユースでやって、官民連携で民事利用もやっている中で、軍事研究に進むことも軍事転用することも念頭に置いているんですねという質問です。

○国務大臣(小林鷹之君) この枠組みは、将来にわたって国としての優位性を維持確保する観点から、民生利用や公的利用への幅広い活用を目指して先端的な重要技術の研究開発を進めるためのものでありまして、具体的製品の開発を行うためのものではないということを御理解いただければと思います。
いずれにしても、付言をいたしますと、特定重要技術の研究開発において防衛装備品そのものの研究開発を実施するものではないということは御理解をいただければと思います。

○福島みずほ君 そんな質問していません。
軍事研究のみを目的とするのか、軍事研究を始め掲げてやるのかという質問ではないんです。軍事研究も否定をしないということでよろしいですね。軍事研究につながる技術に、デュアルユースですから、そうなり得るわけですよね。
軍事研究につながることを否定はしないということでよろしいですね。

○国務大臣(小林鷹之君) お答え申し上げます。
特定重要技術の研究開発の成果につきましては、官民の様々な社会実装の担い手が自らの判断で具体的製品の開発などに応用することが想定されるんです。したがって、こうした成果が防衛省の判断によって防衛装備品に活用されることはあり得ると、こう考えます。
他方、繰り返しになりますけれども、この法案の枠組みは、防衛装備品を始めとする具体的製品の開発を直接支援するものではないということは申し上げたいと思います。

○福島みずほ君 そんなこと分かっています。しかし、軍事研究につながり得るということで、戦後の日本の在り方を百八十度変えるものではないか、つまり政府が先頭に立って軍事研究も可能な先端技術の開発に予算を投じ、開発を促進させるということの問題点を強く指摘したいというふうに思っています。
協議会はどのような構成で、どのような役割を果たすのでしょうか。

○政府参考人(泉恒有君) お答え申し上げます。
本法案におきます協議会は、研究開発プロジェクトごとに研究代表者の同意を得て設置されることとなります。そして、その構成員は、研究代表者とその研究のメンバー、関係府省庁と資金配分機関の関係者のほか、シンクタンクなどの専門家、産業界等が加わることを想定しております。
また、協議会の役割としては、特定重要技術の研究開発等を推進するため、産学官による伴走支援を行うこととしておりまして、具体的には、関係府省庁側から研究開発の促進に資する情報の提供を行うこと、そして研究成果の社会実装の在り方について研究者や関係省庁、シンクタンク、産業界等を交えて検討することなどを想定してございます。
いずれにしましても、協議会で具体的にどのような支援が行われるかは、研究開発の内容や進捗、そして研究者の方の希望を踏まえまして、個々の協議会ごとに全ての構成員が納得する形で決めると、こういう形で運営を考えてございます。

○福島みずほ君 これ、今個々の協議会ということなんですが、協議会の下に分科会を置くとか、そういうことはあり得るんでしょうか。

○政府参考人(泉恒有君) お答え申し上げます。
それは、個々の研究開発プロジェクトごとに協議会が設置されるものですから、その研究開発の内容に応じまして、個々の協議会ごとに構成員の方々で話し合っていただくということが基本だと、こういうふうに考えてございます。

○福島みずほ君 六十一条、特定重要技術の研究開発のために、研究代表者の同意の下で、内閣総理大臣と協議して、関係大臣も加わる協議会を組織するとされています。これは、また新たに大臣、研究開発大臣まで置くんですね。
正直、プロジェクトごとにこれだけ大げさな組織がなぜ必要なのか。内閣総理大臣まで入れて、研究開発大臣まで入れて、大げさにこのプロジェクトをつくることの意味というのはどんなものがあるんでしょうか。

○政府参考人(泉恒有君) お答え申し上げます。
研究開発大臣の役割についてでございますけれども、本法案における研究開発大臣は、国の資金により行われる研究開発などに資金を交付する、例えばJSTを所管する文部科学省ですとか、例えばNEDOを所管する経済産業省、そしてAMEDを所管する一つである厚労省、こういった関係府省庁の大臣を想定しております。
こういった大臣が、研究開発大臣が研究開発の内容や進捗、技術の特性を踏まえまして、官民の伴走支援を行うことが適当と認められる場合に、実際にこの研究開発を全体を見渡しているのは内閣総理大臣でございますから、内閣総理大臣と協議した上で、研究代表者の方の同意を得て協議会を設けると、こういうことを考えてございます。

○福島みずほ君 防衛省がこれに参画する、協議会に参画することは否定されていないということで、大臣、よろしいですね。

○国務大臣(小林鷹之君) この法案に基づく協議会は、科学技術・イノベーション活性化法や産業技術力強化法と同様に、全ての府省庁に適用される枠組みでございまして、広く一般的に多義性を有する先端的な技術の研究開発につきまして、例えば防衛省が自らの研究開発事業において、この法案の第六十二条に基づく協議会を設置することですとか、また関係省庁の一つとして防衛省が他省庁の設置する協議会に参画することを制度上否定しているものではございません。

○福島みずほ君 伴走支援と言いますが、防衛省が入るとすると、やはり防衛研究、軍事研究、これは推進でなくてもそちらのことも出てくるのではないかというふうに思っております。
現在進行中の安全保障技術研究開発制度は軍事研究ではないとされています。この軍事研究ではないとした理由は何なんでしょうか。

○国務大臣(小林鷹之君) 防衛装備庁の研究開発制度でございますから私自身がその制度について説明する立場にはないんですけれども、防衛装備庁の安全保障技術研究推進制度というのは、防衛分野での将来における研究開発に資することを期待をして、先進的な民生技術についての基礎研究を公募するものと承知をしております。

○福島みずほ君 ですから、現在進行中の安全保障技術研究推進制度は軍事研究ではないというふうにされています。しかし、にもかかわらず、防衛省も入ってこの協議会をつくって、そしてそれは軍事研究をすることを否定はしていないんですよね。デュアルユースですから、民間の研究がいずれ軍事研究に、まあ多くは軍事研究になり得ることはたくさんありますけれども、ということを否定していないんです。そのことがやっぱり問題ではないかということを強く指摘をしたいというふうに思っております。
この防衛問題、あっ、次に、シンクタンクのことをお聞きを、あっ、ごめんなさい。次に、済みません、この協議会での議論、それから議事録は情報公開されるんでしょうか。

○政府参考人(泉恒有君) お答え申し上げます。
行政文書として保有している協議会の議論の内容の記録につきましては、行政機関の保有する情報の公開に関する法律、情報公開法の対象となります。したがいまして、同法に基づきまして、協議会を設置する各行政機関において適切に対応されると、こういうふうに考えてございます。

○福島みずほ君 将来軍事研究に転ずるかもしれない研究ですから、この協議会の議論が本当に情報公開、議事録が公開されるのか、極めて非常に疑義を持っております。しっかり公開されるならいいけれど、多額のお金を掛けて、しかもどんな研究やっているか細かいことが分からないというような事態が起きると、これは問題だと思います。
大臣、いかがですか。

○国務大臣(小林鷹之君) 今政府参考人からお答えしたとおりでございますけれども、行政文書として保有している協議会の議論の内容の記録につきましては、行政機関の保有する情報の公開に関する法律、いわゆる情報公開法の対象となりますので、この法律に基づきまして、協議会を設置する各行政機関において適切に対応されることとなろうかと存じます。

○福島みずほ君 大臣、この協議会の議事録は原則として公開されるということでよろしいですね。

○政府参考人(泉恒有君) そのとおりでございます。
一つ申し上げますと、情報公開法に基づいて公開されますものですから、例えば研究者の氏名など特定の個人を識別することができるような情報、こういったものにつきましては情報公開法の不開示情報に該当し得ることから、例えば本人の同意もなく一律につまびらかにするというのは適切でない場合がございます。したがいまして、情報公開法に基づきまして適切な公表の方策を検討していくと、こういうことになります。
以上でございます。

○福島みずほ君 原則公開であると。研究者の個人の氏名が場合によってはされないこともあるかもしれないけれども、原則公開であるという答弁がありました。しっかりこれは公開されるべきだということを強く申し上げます。
指定基金の規模はどれぐらいになるんでしょうか。

○政府参考人(米田健三君) お答えいたします。
指定基金として想定される経済安全保障重要技術育成プログラムにつきましては、昨年閣議決定されました経済対策におきまして、特に経済安全保障強化に向けた新たな枠組み、取組が進展していく中で五千億円規模とすることを目指すとされておりまして、令和三年度補正予算におきましては、そのスタートとして、基金を活用して先端的な重要技術の持続化に向けた強力な支援を行うために二千五百億円を措置したところでございます。
以上でございます。

○福島みずほ君 ですから、これからもこの金額が何兆円というふうに、まあ膨れ上がるというか、なるわけです。それだけのお金を内閣総理大臣の下に投入してやるプロジェクト、余りに中身が分かりませんし、将来、軍事研究、軍事転用されるかもしれないということで極めて問題だと思います。
特定重要技術調査研究機関、シンクタンクについてお聞きをいたします。調査研究の対象と方法について説明してください。

○政府参考人(米田健三君) お答えいたします。
令和五年度に本格的に立ち上げるシンクタンクは、本法案に基づく委託調査を含め、国内外の技術動向、社会経済動向、安全保障など、多様な視点から科学技術イノベーションに関する調査研究を行うものでございます。
新たなシンクタンクにおきましては、政策当局や既存の研究機関等と連携し、ネットワークのハブとなりながら、多様な政策ニーズを踏まえた重要技術の検討を行うことが必要と考えてございます。
以上でございます。

○福島みずほ君 今答弁で安全保障に関するイノベーションとおっしゃいましたが、どういう中身でしょうか。

○政府参考人(米田健三君) 安全保障、非常に多岐にわたると思いますけれども、先ほどから御答弁があったように、科学技術に関しては非常に多義性を持っておりますので、そういったものとつながっていく中で科学技術をどう位置付けるかということだと理解してございます。
以上でございます。

○福島みずほ君 このシンクタンクについても大変危惧を持っております。
先ほどの兼原さんですが、ラジオ番組でこう言っています。日本の科学界は平和主義なので防衛省には協力しないと言って頑張ってしまっているわけです、日本学術会議などがそうなのですが、これを何とかしなければならないというふうに言っています。ですから、学術会議に代わる、あるいは学術会議を変える、あるいはこれを下部に置くようなシンクタンク、軍事に関する研究も行うシンクタンクをつくるというのが目的ではないかというふうに思います。兼原さんはまさにそうおっしゃっているわけです。
このシンクタンク、学位授与機能まで持たせるんでしょうか。

○政府参考人(米田健三君) お答え申し上げます。
有識者会議提言では、例えば米国では学位授与等がシンクタンクに参加する研究者等のインセンティブになっているとの指摘を踏まえ、人材の育成強化の更なる取組も中長期的な課題として重要であるとの意見をいただいているところでございます。
令和五年度に立ち上げを目指している本格的なシンクタンクにおける将来の人材育成の方策として、学位授与等の仕組みについても、教育機関との連携を含め順次検討を進めてまいりたいと考えてございます。
以上でございます。

○福島みずほ君 やめた方がいいですよ。政府がつくる、まさに内閣総理大臣の下に物すごいすさまじいお金を付けて、そしてシンクタンクをつくる。若者の研究者の囲い込みじゃないですか。ここで学位を授与することになれば、本当に政府の言いなりじゃないですか。学問の自由はどこに行くんですか。
少なくとも、大学や様々なシンクタンクはインディペンデントです。そこで学問の自由もインディペンデントです。学問の自由が憲法二十三条で書いてあるにもかかわらず、ここで、政府の機関で、政府のお金で、まさに直結してやるところで学位授与なんてやったら、政府による学問のというか成果物の囲い込みじゃないんですか。
学位授与など認められないと思いますが、いかがですか。

○政府参考人(米田健三君) お答えいたします。
ここで仮に将来的にこの学位授与機能を持ったとして、そこで学位を得るか否かというのは個々人の判断だと思いますので、それで直ちに学問の自由を侵すとは考えておりません。
以上でございます。

○福島みずほ君 学問の自由を侵しますよ。どこに自由があるんですか。どこにインディペントがあるんですか。どこに独立性があるんですか。政府は学問の自由を侵してはならないって憲法に書いてあるじゃないですか。
学位授与までやったら、若者の研究者の囲い込みですよ。ここで純粋培養で育てて、軍事研究のみをさせることだって可能になるじゃないですか。冗談じゃないですよ。国民の税金使って、おかしいと思います。学位授与などさせてはならない、学問の自由を侵してはならないということを強く申し上げます。
ここで、百人規模ということなんでしょうか、職員の規模は。職員の身分は公務員となるんですか。大学の移籍になるんですか。

○政府参考人(米田健三君) お答え申し上げます。
職員の規模につきましては、あくまで組織に関する現時点のイメージでございますけれども、数十人規模の専門家による体制からスタートし、専門性、国際感覚、俯瞰力、目利き力を有する優秀な人材の確保に努めつつ、段階的にネットワークの規模や活動内容、体制を充実させ、将来的には百人を超える規模感で活動していくことが想定されてございます。
また、職員の身分につきましては、調査研究を委託した場合の職員については、本法案の第六十四条に法人に限るとしていることから、公務員は想定されてございません。人材の確保に当たりましては、例えば所属する大学に籍を置いたままで、クロスアポイントメント制度を活用して調査分析に参加していただくなど、個々の事情に応じて柔軟な対応を行うことが期待されてございます。
以上でございます。

○福島みずほ君 六十四条四項に、特定技術、ごめんなさい、特定重要技術調査研究機関の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、正当な理由、事由がなく、当該委託に係る事務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならないというふうに書いてあります。とすると、職を離脱しても、研究した中身について発表できないのであれば、研究者としてやっていけないということになるんじゃないんですか。退職した場合、研究について発表できるんですか。

○政府参考人(米田健三君) お答え申し上げます。
調査研究委託の内容の公表等の取扱いにつきましては、法第六十条において定めることとなる基本方針を踏まえ、今後検討する予定でございます。一方で、委託事業の調査分析において取り扱う情報の中には、守秘義務の対象となり得る、情報等の公表に、情報等の公表になじまないものも含まれることから、それらを踏まえたシンクタンク退職後の情報の取扱いについては、研究者のインセンティブにも考慮しつつ、その方法も含めて今後検討してまいりたいと考えてございます。
以上でございます。

○福島みずほ君 研究者が若手でここに入る、そしてここでずっと研究する、そして、そのことを公表したら守秘義務に問われるんですよ。離脱をした後も研究論文を発表できない、その研究ができない。潰しが利かなくなりますよ。結局囲い込んで純粋培養する、あるいは秘密漏えい罪で処罰するぞと脅して、本当に中で何やっていたかも分からなくなるというおそれがあるというふうに思います。
ユネスコの科学及び科学研究者に関する勧告に、軍民両用に当たる場合には、科学研究者は、良心に従って当該事業から身を引く権利を有し、並びにこれらの懸念について自由に意見を表明し、及び勧告する、報告する権利及び責任を有するとあります。この勧告との関係について、大臣の見解、いかがでしょうか。

○国務大臣(小林鷹之君) お答え申し上げます。
令和五年度に本格的に立ち上げるシンクタンクにおきましては、研究者が従事するに当たってはシンクタンクと参画する研究者の双方の合意の下で行われることを想定しておりまして、研究に強制的に従事させられることはございません。

○福島みずほ君 そんなことを聞いていません。私の質問は、この職を辞した後も、自由に意見を表明し、及び報告する権利及び責任を有すると書いてあるにもかかわらず、秘密漏えい罪で、辞職した後も処罰の規定があるからです。だから、研究者の権利が侵害されるのではないかというふうにも思っています。これは極めて重要な問題です。
それで、このシンクタンクにおける、シンクタンクの中の議論や研究物に関して、研究に関して情報公開はされるのでしょうか。

○政府参考人(米田健三君) シンクタンクは、今のところ一般の法人を想定しておりますので、それぞれの組織ごとに判断されることだと思っております。例えば独立行政法人がシンクタンクになった場合には、それに関する情報公開の法律に服することになろうかと思っております。
以上でございます。

○福島みずほ君 ここで何を研究しているのか、きちっと情報公開されることは本当に必要だと思っております。
このシンクタンクに投入する財政規模について教えてください。

○政府参考人(米田健三君) お答え申し上げます。
シンクタンクについては、平成五年に立ち上げる、ああ、令和五年度に立ち上げることとしておりますことから、現在どのような形で予算要求して予算を付けるかについてはまだ検討中でございます。
以上でございます。

○福島みずほ君 このシンクタンクが、各大学や学術会議やいろんなものを下部として、そして国の統制の下に国の税金使って守秘義務を課して、まさに何やっているか分からないようなシンクタンクにというか、軍事研究もあり得るようなシンクタンクになることを大変危惧を持っております。
これは、アメリカにはDARPAという組織があります。まさにアメリカ国防高等研究研究局です。軍隊目的のための新技術開発及び研究を行うアメリカ国防総省の機関。インターネットの前身を開発しました。ベトナム戦争時の枯れ葉剤作戦も開発しました。全地球測位システム、GPSやドローン技術もやりました。革新的技術開発を指導してきた、軍事研究ではないわけですが、革新的技術開発を指導してきましたが、枯れ葉剤作戦など秘密研究による大規模な人権侵害も生み出しています。
このようなDARPAみたいなものになり得るんじゃないか、なってしまうんじゃないか、いかがでしょうか。協議会とシンクタンクについてです。

○国務大臣(小林鷹之君) お答え申し上げます。
これまでも繰り返し答弁申し上げ、答弁させていただいていますけれども、この法案の枠組みは、殊更軍事技術の開発を目的とするものではありません。
今委員からDARPAの言及がございましたので、少しその点も触れさせていただきますと、例えば、インターネットやGPSだけではなくて、今回の新型コロナウイルス感染症で注目されたメッセンジャーRNA、このワクチン技術もバイオテロ対策の一環としてDARPAの資金援助を受けて研究が進められてきたものです。
主要国では、近年、こうしたDARPAの取組を踏まえて、気候変動ですとか公衆衛生分野など、軍事分野に限らず、市場経済のメカニズムのみに委ねていては投資が不十分となりがちな先端技術につきまして、そのハイリスクの研究開発を行う大型プロジェクトが順次立ち上げられておりまして、これはDARPA型と呼称されることがしばしばあるものと承知しています。したがって、ドイツやイギリスでも様々な機構がつくられているところです。
協議会とシンクタンクとの関係なんですけれども、まず、その協議会につきましては、官民パートナーシップのために協議を行う会議体を組織するものでございまして、そもそもこうした組織を設立しようとするものではございません。また、シンクタンクについてですけれども、殊更軍事研究、軍事技術の開発を目的とするものではないということを申し上げたいと思います。

○福島みずほ君 大臣は繰り返し、軍事研究を目的とするものではない、軍事研究のみを目的とするものではないと言います、答弁されます。しかし、さっき言ったドローンだってGPSだって、あらゆるものが実は軍事研究目的というよりも、開発、インターネットもそうですよね、要するにデュアルユースなんですよ、今。だから、それが軍事研究に転用されたり、いくことをどうやって日本としては歯止めを掛けるかという議論を憲法九条を持っている日本は議論すべきなんですよ、軍事研究にはしないとかですね。
私は、このシンクタンクや協議会が軍事研究につながることには歯止めを掛けます、やりませんと言うんだったら理解できます。しかし、そんな歯止めがないじゃないですか。大臣からは繰り返し、軍事研究のみを目的としませんと言っているけれども、それだったら、軍事研究にいつかなったり軍事のために使われることあり得るわけですよ。そういう歯止めは一切ここの中にありません。大問題です。
その点について答弁求めてもちょっと答弁されないと思いますが、答弁されますか。

○国務大臣(小林鷹之君) 量子ですとかAIとか、先ほど半導体という話もしましたけれども、こうした技術って、我が国だけではなくて国際社会の、今後の私たちの将来の社会を大きく変革していく技術です。
そうした技術につきまして、今その民生技術と軍事技術のこの境目というのは本当にもう分からなくなっていて、だから多義性という言葉を使わせていただいておりますけれども、いろんな目的にこの革新的な技術というのは使われ得るものです。なので、例えば最初の段階でこれは何に使われるかというのを特定するということは難しい、そういう状況の中で、非常に重要な位置付けにある技術ですから各国がしのぎを削って今挑戦をしているわけです。
先ほど少し申し上げましたけれども、こうした技術というのは様々な分野で利用され得るものですから、例えばその防衛分野での利用可能性があることをもってこうした技術の研究開発を単純に否定したとすると、我が国の科学技術イノベーションが世界から立ち遅れて、国民生活や経済活動に甚大な影響を与えかねないと私は考えます。

○福島みずほ君 歯止めは必要だと思います。
何やってもいいわけじゃないし、デュアルユースと言いながら、結局、軍事研究につながるようなこと、国内の軍需産業を本当に大きくしたいというそういう考え方からそうなっていくことは十分あり得るというふうに思っています。で、もし民間でも可能だったら、こうじゃなくて、国家プロジェクトとしてこれをやっていくことに関して学術会議が問題だと考える、兼原さんみたいな発言もありました。だからこそ問題だということを指摘しておきます。
次に、今回の法律が様々な点で日本の企業に対して与える影響が甚大ではないかと思っています。特定重要物資の安定的な供給の確保、特定社会基盤役務の安定的な提供の確保ですが、企業に対しての様々な報告義務やそれから様々な罰則の規定もあります。
七条なんですが、外部に過度に依存しというのがあります。国民の生存に必要不可欠な若しくは広く国民生活若しくは経済活動が依拠している重要な物資、括弧、プログラムを含む、又はその生産に必要な原材料、部品、設備、機器、装置若しくはプログラム、原材料等について外部に過度に依存しとあるんですね。
外部に過度に依存し、食料自給率など過度に、外部に過度に依存しと思いますけれども、この外部とは全ての国を指しますか。

○国務大臣(小林鷹之君) お答え申し上げます。
この法案における外部から行われる行為の主体としては、我が国の国家及び国民の安全を害する行為を行っている又は行おうとする外国政府等を想定しておりまして、この法案は特定の国を念頭に置いているわけではございません。したがいまして、全ての国を指しているということにもなりません。

○福島みずほ君 じゃ、アメリカも外部なんですね。中国も外部ですね。アメリカも外部だったら、アメリカに過度に依存しているものってたくさんあると思います。
いや、私が思うには、これは、そういうふうにはおっしゃるけれども、例えば企業の中で中国製品のITを使っているところはもうこれ変えてくださいというようなことが起き得るんではないか。いかがですか。で、アメリカも外部ですね、中国も外部ですね、それを改めて確認します。

○国務大臣(小林鷹之君) 外部というのは先ほど申し上げたとおりで、いかなる国が対象となり得るかについて予断を持ってお答えすることは困難です。
いずれにしても、この法案は特定の国を念頭に置いたものではありません。

○福島みずほ君 では、例えば中国製のITを使っている企業に対して、過度に依存していると、それやめなさいみたいなことはあり得るんでしょうか。

○国務大臣(小林鷹之君) 繰り返し申し上げますけれども、特定の国を念頭に置いているわけではありません。

○福島みずほ君 イメージが湧かないので聞いているんです。
外部に過度に依存しない、アメリカに随分依存していますね、日本は。中国に依存したら駄目で、アメリカに依存したらいいのか、どうなるのか。ITで中国仕様のものをやっていた企業はやめなさいと言われる、あるいは勧告されるようなことがあり得るのか。もう甚大な被害を企業は受けます。これが安全保障、ここの委員会でもありますけれども、結び付けて語られているので、どうなるのか。企業にとって甚大な被害が起きるんではないかと思い、質問しています。いかがですか。

○国務大臣(小林鷹之君) 繰り返しになりますけれども、特定の国を念頭に置いているわけではないということは御理解をいただいた上で、過度に依存しているというところで、例えば特定重要物資のサプライチェーンのところについて言うと、国民の生命がこの外部からの妨害行為によって供給が、外部からの安定供給が途絶することによって国民の生命に直接影響があるものですとか、あるいは国民生活、経済活動が広くその特定重要物資に依拠していて、供給が途絶するともう甚大な影響が起こり得る、そういう物資につきまして、この法案審議で何度かもうお答えしていますけれども、一定のルールにのっとって特定重要物資を指定し、民間企業の様々な取組を支援するということであります。

○福島みずほ君 これ、中小企業も除外しないということでよろしいですよね。条文上、企業の規模別になっておりませんから、よろしいですね。

○国務大臣(小林鷹之君) 済みません、中小企業といったときに、この法案に四項目ございまして、委員がどの部分についておっしゃっているのか、明確にしていただけると助かります。

○福島みずほ君 これに関して、例えば中小企業などが、などでこれが除外をされる、あるいはこのいろんな報告義務などに関して除外されるということはあり得るのでしょうか。

○国務大臣(小林鷹之君) 今委員の御質問は、恐らく基幹インフラの安全性、信頼性確保というパーツがありますけれども、これについて中小企業が含まれるのかということで受け止めさせていただきました。
これにつきましては、経済界とも様々な議論をしてきた中で、やはり民間企業の予見可能性をしっかり確保しなければいけないことですとか、やはり事業負担をできる限り軽減していかなければならない、そうした観点から、この対象、必要となる、対象となる事業者や設備を真に必要なものに限定していくということでやっています。
有識者会議におきましても、この中小企業に対してはかなり負担が掛かってくるので、そこの指定には慎重であるべきだという御提言もいただく中で、そうした声を踏まえた制度設計になっております。
したがって、そもそもこの基幹インフラの信頼性、安全性確保のこの対象事業者として中小企業を指定するということは、基本的には考えていないところであります。

○福島みずほ君 私が質問したのは、確かに衆議院で対象とは考えていないという答弁をされています。しかし、問題なのは、条文で除外をされていないということです。条文で、つまり、対象とならないだろうという答弁は衆議院であります。しかし、例えばこの安全、経済安保法において中小企業は除外されているというようなそういう包括的なものはありません。
ですから、今大臣は答弁で中小企業は除外されるだろうというふうにおっしゃいましたが、条文でその担保がされていないのではないですか。

○国務大臣(小林鷹之君) 済みません、今ちょっと私も手元にあるのをぱっと見させていただきました。例えば、今の基幹インフラのところですと、第四十九条第四項に、例えば、内閣総理大臣は、この基本指針というものを作成するときには、あらかじめ知見を有する者の意見を聴くとともに、この経済活動に与える影響に配慮しなければならない、こういうことを書いています。ほかにもいろいろ規定があるんですけれども。
したがって、この法案が仮に成立するとすれば、その後、基本指針を作って閣議決定をし、また政省令定めていくことになりますけれども、その中で、民間事業者の方、産業界の方も含めて、また先ほど小沼先生との会話の中でパブコメの話もさせていただきましたけれども、そういう現場の声も含めて丁寧に拾ってそこは定めていきたいと思いますし、この国会の答弁で、私自身がこの中小企業者の指定には慎重であるべきだということを申し上げています。
唯一、唯一でもないかもしれませんが、例えば例示として出させていただいているのが、中小企業、その事業規模が小さくても、例えば全銀ネットってあるじゃないですか、全銀ネットみたいな本当にこの基幹インフラの中で非常に重要なものにつきましては、全銀ネットについてはこれ中小企業に該当すると思うんですけれども、今回のこの対象にはなり得るということで国会で答弁させていただいております。

○福島みずほ君 ですから、その衆議院の答弁を聞いて、やはり考慮すると言いながら区々であるということです。
ですから、幾ら基本方針やこれから作るところで考慮するといっても、条文上除外されていなければどうなるか分からないんですよ。もし中小企業を除外するんだったら、条文にはっきり書くべきですよ。これから考える基本方針で意見を聴きますだったら、国会納得できないですよ。ここまでいろんなことが分からない、何が、何が当たり、何が当たらないのか分からない法案は、悪いけれどもざる法ですよ。政省令に多く委ねて、分からないじゃないですか。そんなに中小企業のことが心配だったら、ちゃんと条文に書くべきですよ。
しかし、しかしですよ、大川原化工機事件ですか、中小企業もやっぱり射程距離に置いて取り締まりたいから、やっぱりそれ置かないんじゃないんですか。私は、もし中小企業に対する配慮やいろんな問題点があるというのであれば、法律にちゃんと書くべきだと思います。
つまり、これは、中小企業も含めた様々なところに大きく網を掛けて、やっぱり報告を課したりいろいろして取締りの対象にする。それは、企業にとっては不意打ちになる場合もあるし、甚大な被害を生むこともあるし、大変だと思います。
例えば、四十六条で、報告徴収及び立入検査があります。所管大臣による調査等です。私は、やはり驚くのは、必要な限度において、指定金融機関、安定供給確保支援法人等に対し、これで、事務所、必要な場所に立ち入り、質問させ、若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができるとあります。
しかし、立入検査、立入調査と言います。労基法違反の立入調査、それは分かりますよ、労基法違反の疑いがあるから。児童虐待についての立入調査、それも理解できます。高齢者虐待における立入調査、理解ができます。しかし、これ、どうですか。企業にとって、この四十六条に基づいて立入調査、立入検査がされる、自分のところが立入検査なんてされたら、必要な限度においてですけれども、報告や資料が不十分とか、もっと何かやっているんじゃないかとか、いや、というような形で、もし企業に立入調査がされたら、その企業は被害甚大ですよ、本当に。日本の企業は本当に被害甚大ですよ。
私が指摘をしているのは、立入調査みたいなことをやるときにおける要件がはっきり書いてないということなんですよ。はっきり書くべきでしょう。はっきり書くべきですよ、立入調査をするんだったら。労働基準法違反で立入調査をされる、それなら理解ができます。労基法違反している可能性があるわけだから。だけど、この条文で何で立入検査できるというところまで書くのか。権限は強いけれども、要件が不明確ですよ。予見可能性がないですよ。いかがですか。

○政府参考人(泉恒有君) お答え申し上げます。
まず最初に、先ほどの基幹インフラのパートのところで、中小企業についてどういうふうに規定はされているのかということでございますけれども、法案の第五十条に、これ法制局とも整理した議論でございますけれども、何が書いてあるかと申し上げますと、特定の重要設備というものがあると、条文には、特定の重要設備の機能が停止し、又は低下した場合に、サービスの、役務の提供に支障が生ずると。で、条文に書いてございますのは、これによって国家国民の安全を損なう事態を生ずるおそれが大きいものとしてあると、こういうふうに書いてございます。すなわち、重要設備の機能が低下した場合、これによって国家国民の安全を損なう事態を生ずるおそれが大きい、そういうものとして主務省令で定める基準に該当する者を特定社会基盤事業者として指定するのであると、こう書いてございます。
したがいまして、機能が、機械が、重要設備がですね、機能が停止した際に、日本、国家国民の安全を損なう事態が生ずるような、そういう事業者であるということが五十条に書いてございます。これは、したがいまして、ここで主務省令で定める基準に該当する者というのは、その重要設備が機能が低下した際に、もう日本、言ってみれば日本全国に影響が生じるような、そういう事業者であるというのがここに示されているということでございます。
これ、それに、それを大前提といたしまして、例えば先ほど大臣から答弁がございましたとおり、全銀ネットといったような、規模としては中小規模であったとしても、全銀ネットが一たび支障が生ずれば全国に影響が出ると、こういうものは規模が中小規模であったとしても対象になり得ると、こういう整理をしてございます。
これが一つでございます。
そして、今御質問がございました指定金融機関に関する立入検査でございますけれども、これ、指定金融機関と申しますのは、これ、民間事業者の方が、サプライチェーンの部分でございますけれども、事業計画を作って認定を受けると、それで認定を受けた場合に、支援が出るというときに、金融支援というのが出ます。その際に、指定金融機関というのは金融支援を行うものでございます。
したがいまして、その指定金融機関というのは、ちゃんと金融支援を行っているかどうかということ、ちゃんと帳簿を保存しているか、そういったことについて報告徴求を求めて政府は立入検査を行うというものでございまして、民間事業者の方に対する立入検査云々ということではございません。
以上でございます。

○福島みずほ君 特許出願の非公開についてお聞きをいたします。
以前から非公開の議論がありましたけれども、今まで非公開の特許はやってきませんでした。これは懸念点があったからではないですか。

○国務大臣(小林鷹之君) 懸念というよりも、今回、特許非公開制度を設けようとしているその目的についてちょっとお話しさせていただきたいんですけれども、この特許法の目的というのは、第一条にあるように、特許法一条にあるように、発明の保護及び利用を図ることによって発明を奨励し、もって産業の発達に寄与することを目的としております。
今回、特許出願の非公開制度というのは、我が国の特許制度において、一たび特許出願がなされてしまう、なされれば、安全保障上極めて機微な発明であって公開すべきでないものについても、委員御案内のとおり、一年六か月経過をすると一律に公開されてしまうんです。そういう問題がございますので、公開すべきでない状況が解消されるまで特許法の手続を留保をして、非公開の解除後には通常の特許手続を再開するというものでございまして、これまでの特許法の枠組みと整合性を取りながら今回立て付けを行っているところであります。

○福島みずほ君 日本でも、二〇〇八年ですか、この制度が議論になったけれども、やはり発明の保護及び利用を促進することを通じて発明を奨励して、産業の発達に寄与するのが特許の趣旨であるという平成三十年の答弁もあります。ですから、そのこととやはり矛盾すると。国際競争力を付けるといいながら秘密特許を導入するのは、産業界には悪影響ではないかというふうに思っております。
つまり、自分の発明を世界で出願し研究成果を出したいというのは当然で、それが制限される。そして、外国出願、軍事転用可能な研究とされれば、外国出願の禁止にも当たるということで、非常に制限するんじゃないか。特許以外に、特許は、こういうことを例えば福島みずほが持っていますよ、だからあなたはもう研究したって駄目ですよみたいな、そういう告知をするために公開をするわけですが、それ以外の様々な方法でもノウハウが漏れるということもあるのに、この秘密特許ということだけ今回取り入れるというのもよく理解ができません。
それで、戦前の秘密特許とどこが違うのか。戦前は秘密特許の制度があり、戦後、日本国憲法の成立と同時に秘密特許制度が帝国議会で廃止をされます。どこが違うんでしょうか。

○国務大臣(小林鷹之君) お答え申し上げます。
今委員から様々な論点出されましたけれども、一点だけちょっと申し上げたいのは、産業の発達ということで言及がございました。これは特許法の一条にも書いてある目的です。したがって、先ほど、私どもが今回用意している制度というのはこれまでの特許法と立て付けは整合的だというふうに申し上げましたが、この制度におきましても、非公開とする対象を産業の発達に及ぼす影響も考慮して絞り込むというふうに、そこはしっかりと配慮しているのは申し上げたいと思います。
戦前の秘密特許制度との兼ね合いですけれども、この戦前の秘密特許制度というのは、軍事上の必要性という観点から、最新技術を国が収用したり、国が収用したり、あるいは国が発明を実施するという我が国の軍事上の要請を満たすことを念頭に置いた制度でございました。
これに対しまして、この法案における特許出願の非公開制度というのは、公になれば国家、国民の安全を損なう事態を生ずるおそれが大きい発明について、発明が発明者のものであることを大前提としつつ、国のものではないんです、それを大前提としつつ、経済活動やイノベーションとの両立も踏まえながら、公開などの手続を留保することによってその拡散を防ごうとする制度でございまして、そもそもの目的が全く違います。
また、この法案の制度というのは、したがって、その帰結として、我が国の安全のみならず世界の安全にも資する制度です。実際にとられ得る措置を見ても、この法案には、国が収用したり国が実施したりするといった規定は一切置いておりません。逆に、保全の指定前に手続から離脱する機会を与えるなど、戦前の制度と性質が異なることは明らかだと考えます。

○福島みずほ君 離脱といっても実際は、一応申請していて、それで手続が進むんですから、離脱は私は非常に困難だと思います。実際は、軍事転用可能な技術に関して外国に出願できないよという形になりますし、極めて問題だと思います。
私は、今回の経済安保法は、実はこういうふうに経済界を囲い込み、非常に、国が囲い込んで研究開発などを、実は非常に足かせになるんじゃないかと思っておりまして、実は今回の経済安保法は日本経済の没落の引き金を引くんじゃないかという危惧すら持っております。
様々な論点があります。更に質問させていただきます。
今日はありがとうございました。

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