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2022年4月6日、憲法審査会で参考人に質問 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)
208-参-憲法審査会-002号 2022年04月06日
○福島みずほ君 立憲・社民共同会派の福島みずほです。
今日、赤坂参考人、そして長谷部参考人、ありがとうございます。御両人の憲法改正する必要はないという点に関しては、私も同じ意見です。
長谷部参考人にお聞きをいたします。
議院の、というか、今日、出席ということを、やっぱり極めてそのプレゼンスという概念を使われて非常に大事なものだとおっしゃったことは、またそのとおりだと思います。取締役会も持ち回り決議駄目ですし、裁判所もやっぱり直接主義、口頭主義です。その意味で、そうだと思いますし、また、これを緩めることによって、大臣の出席、証人の出席などが本当にオンラインで可能となったら大変なことになりますので、それは本当にそのとおりで、示唆をいただいたと思います。
ただ、例外を認める、つまり議院の自律権によって決めることには限界があるんじゃないか。何でも決められるわけではない、議院が決めれば何でもできるわけではないと思います。その限界というのは一体何でしょうか。
○参考人(長谷部恭男君) 限界が何かというのをあらかじめ申し上げるのは大変難しいんですけれども、まず一つ申し上げたいのは、議院の自律権に基づく決定ですということは余り表立っておっしゃらない方がよろしいのではないかと、何度も申し上げますが、そういうふうに考えております。
それからもう一つ、私がこの冒頭の報告の中で申し上げておりますのは、やはり物理的な出席は不可能だと誰もがそう思う客観的な事情があるという場合にのみ、その例外的にオンラインでの審議を認めるということはあり得るのではないかという話ですので、そういった事情では大体の人が、こういう事情だな、無理だなと、大体の、大体と申すのは全ての会派の方々がそういうふうに納得をする場合、それがこういった場合に当たるのであろうと思います。
そういった場合にしか認めないということであれば、そんなにどんどんそういったオンライン審議が拡大をしていくということにはならないだろうというふうに私は考えております。
○福島みずほ君 国会による、五十六条出席の運用解釈による五十六条規範の範囲内でしか議院に自律権は行使できないということが本当に必要で、そうでないと、本来の規範を超えて、何でも議院自律権でできるということになるのではないか。改めてお聞かせください。
○参考人(長谷部恭男君) 議院自律権で決めるというのは、先ほども申し上げましたけれども、何だか我々がそう言うんだからそうなんだというふうに言っているかのような、そういうふうに誤解を受ける可能性もあるだろうと思います。
裁判所の例を出しましたけれども、裁判所が判決を出すときにも、我々は司法権があるんだからこういう判決を出すんだとは言わないわけで、なぜこの判決が正しいのかというその理由を、実質的な理由を判決理由の中で述べるものだと思います。ですので、その実質的な理由をきちんと明らかにした上で例外も認めますということであれば、やはりどんどんそれが広がっていくという歯止めにはなるのではないかというのが私の考えでございます。
○福島みずほ君 長谷部参考人は、パンデミックが蔓延した場合ということに極めて例外的に書いていらっしゃいますが、これ感染症の蔓延、大規模災害による交通途絶で考えるのか、各議員の個別事情などで判断するのか。それ、いかがでしょうか。
○参考人(長谷部恭男君) 各議員というのは、メンバーという意味での議員でありましたら、それは私は認めないという考え方でございます。ハウスという意味での議院が、もう集会が困難だという場合であれば、これは別にパンデミックに限定しなくてはいけないという理由はないだろうというふうに考えております。
○福島みずほ君 議会は公開しなければなりません。公開というのは、オンラインの場合、どうなるとお考えでしょうか。
○参考人(長谷部恭男君) これ、実際に技術的な問題になってまいりますので、ですから、どれだけの人がそこに傍聴者として参加できるようなネットワークを本当に具体的に構築できるかという話になってくると思うんですね。これは、私、素人ですからはっきりしたことは何も申し上げられないんですけれども、セキュリティーもきちんとしていて、しかも傍聴人が誰でも見ようと思えば見られるようにして、そして、小西先生がおっしゃったとおり、それぞれの議員が自由闊達に議論を繰り広げられるという、そういうネットワークを実際に構築するのには恐らくとてつもないコストが掛かるのではないかと思います。
ですから、法理論として例外的には可能なのではないかということだといたしましても、現実にこれをどういう形で進めていくのか、いかないのかというのは、それこそ各議院の御判断ではないかというふうに考えております。
○福島みずほ君 ありがとうございました。