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2021年4月23日、参地方創生・消費者特委で取引デジタルプラットフォーム利用消費者保護法案について質問 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)
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204-参-地方創生及び消費者問題に関する特別委員会-006号 2021年04月23日(未定稿)
○福島みずほ君 立憲・社民の福島みずほです。
デジタル三題ばなし、今国会には三つのデジタル法案が出ております。一つは、今議論する取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律案。それから、デジタル庁関連法案。行政の長は本人の同意なく相当の理由がある場合には目的外使用ができるし、行政の長は特別な理由がある場合には民間にその個人情報を本人の同意なく目的外使用ができるなど、個人情報が極めて不十分で大変問題のある法律です。そしてもう一つ、この委員会でこれから将来議論になるであろう特商法の改正法案の中に、電子契約の条文が入っております。
これは質問通告しておりませんが、大臣にお聞きをいたします。
この電子契約については、消費者団体や、それから多くの消費者問題に取り組んできた弁護士などから、極めて問題で、この部分を削除せよと、私たちもその削除の要求をしております。
正本、副本という概念がどうなるのか。判こが押してあれば、私たち弁護士は、これが正本、副本、両方持っていて、それが裁判に出てくるという形になるわけですが、途中で偽造や捏造があった場合にそれをどう立証するのか。あるいは、高齢者あるいは十八歳からの若い人たちが、スマホの小さな画面でよく分からないまま電子契約を結んでしまう。高齢者の場合などは、法外なものを買った場合など、家族がその契約書を見付けて、あれ、どうしてこんな契約書があるんだというので、その消費者被害が分かるということなどあります。
ですから、消費者問題に取り組んでいる人たちは、悪徳業者は絶対にこの電子契約を利用するということで、被害がとても拡大すると今から警鐘を鳴らしております。大臣、これ削除すべきじゃないですか。
○国務大臣(井上信治君) 特商法の書面交付義務は、消費者にとって重要な制度であり、とりわけ契約内容を明確にし、後日紛争が生ずることを防止する目的で書面交付義務を販売業者等に対して課していると理解をしております。
今回の制度改正は、社会や経済のデジタル化を更なる消費者の保護につなげることを図りつつ、電子メールなどにより必要な情報を受け取りたい消費者のニーズにも応えるためのものであるが、消費者委員会の建議にもあるように、契約書面等の制度趣旨を踏まえ、取引類型ごとの契約の性質や実態等を考慮しつつ、消費生活相談の関係者等の意見を聴取した上で十分に検討を行い、その機能が維持されるようにしなければならないと考えています。
このため、今回提出させていただいている改正法案においては、消費者の承諾を得た場合に限り、例外的に契約書面等の電磁的方法による提供、例えば電子メールでの提供を可能とする制度改革を行うことといたしました。
○福島みずほ君 その法案が出たときにもまた議論しますが、できるだけ早くこの部分を削除してほしいというふうに思っております。
というのは、消費者団体やそれから消費者問題に取り組んでいる弁護士たちは、みんなこれに反対しているんですね。やはり消費者被害がここからとても起きてしまうのではないか。是非、消費者庁、消費者大臣、これをきちっと受け止めて、是非削除してくださるよう強くお願いを申し上げます。
それでは、このデジタルプラットフォームの消費者の保護に関する法案についての質問をいたします。
この取引デジタルプラットフォーム提供者が講ずる措置は努力義務にしかすぎません。取引の適正化及び紛争解決の促進が図られるのでしょうか。義務とすべきではないでしょうか。
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
本法案の対象となる取引デジタルプラットフォームには、取引の対象、規模や態様においても様々なものが含まれ、当事者同士の取引への関与も多様でございます。消費者保護の観点から、規模や態様を問わず、幅広い取引デジタルプラットフォームを法の適用対象とする必要があるため、今般、努力義務を課すこととしたところでございます。
取引デジタルプラットフォーム提供者は、講じた措置について開示するものとされており、努力義務であるものの、措置や開示を適切に行っていないデジタルプラットフォーム提供者は消費者から信頼を失うことになりかねないことから、おのずと積極的な取組が行われるものと考えております。
本法律案が成立した暁には、例えば官民協議会の場における議論などを通じまして、十分な取組が行われているかどうかなど、取引デジタルプラットフォーム提供者の取組状況についての実態把握に努めてまいりたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 努力義務では非常に効果が弱いというふうに思います。
消費者が知るべき情報は明示されているべきであります。商品及びサービスの提供方法、契約における重要事項といった利用規約の表示については、事前に明記し、その表示は発見しやすいようにトップページに置く、契約前に必ず表示されるなど、義務付けられるべきではないでしょうか。販売業者と消費者との関係は特商法の通信販売の規制に掛かる部分でありますから、事前に明記し、提供するようになっておりますが、この部分についても、プラットフォーム、プラットフォーム事業者に関する関係でもしっかりやるべきではないでしょうか。
○政府参考人(坂田進君) お答えいたします。
委員御指摘のとおり、通信販売業者については、取引デジタルプラットフォームを利用する場合を含め、取引、失礼しました、特定商取引法に基づき、現行においても、商品の販売価格や引渡し時期など、商品等の販売条件について表示する義務が課されているところでございます。また、取引デジタルプラットフォーム提供者と消費者との契約は消費者契約であり、取引デジタルプラットフォームの利用規約は消費者契約法第三条第一項第一号により、解釈について疑義が生じない明確なもので、かつ、消費者にとって平易なものとなるよう配慮すべき旨の努力義務の対象となっております。
本法律案が成立した暁には、官民協議会も活用しつつ、取引デジタルプラットフォームの利用契約を消費者にとって分かりやすいものとするよう促してまいりたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 特商法では、販売業者と消費者の関係ではきちっと明示しなくちゃいけない。三角関係ですから、プラットフォーマーとそれから消費者との関係では、このこともきっちり、プラットフォーマーも明示的にもっときちっとやるように、努力義務ではなく、徹底して必ずこれはやるべきだというふうに思います。
取引デジタルプラットフォーム提供者の中には、電話番号の記載がないところもあります。すぐに連絡を取ることができる手段として、電話番号を明記することは条件に、要件にすべきではないでしょうか。
○政府参考人(坂田進君) お答えいたします。
消費者との連絡手段をどのようにするかについては、基本的にはそれぞれの事業者が事業実態を踏まえて適切な方法を採用すべきものと考えられます。取引デジタルプラットフォームにおいては、日々、膨大な消費者が取引をしていることや、あるいは、あらゆる世代において電話が最も便利な連絡手段では必ずしもないというような事情も踏まえて、適切な方法としてオンラインで消費者と連絡する方法を採用する等の工夫がなされている場合もあると考えられるところでございます。
○福島みずほ君 そうすると、電話がなくても、じゃ、オンラインは必ず必須ということでしょうか。どちらかあればいいんですか。
○政府参考人(坂田進君) それぞれの事業者が事業実態を踏まえて適切な方法を採用すべきというふうに考えております。
○福島みずほ君 適当な方法とは何ですか。つまり、努力義務なので、そしてプラットフォーマーに電話したくても、電話してもそこに連絡付かない。電話、オンライン、両方あるのがマストじゃないんですか。少なくとも、このデジタルプラットフォーマーはショバ代を取っているわけじゃないですか。場所を確保していて、その場所で何らかのマージンを取っている可能性が極めて高いと、場所を提供しているわけですよね。だとすれば、電話かオンラインいずれか、あるいは両方あるのが私はマストだと思います。消費者、オンライン使えない人も、まあこれはデジタルですから使うかもしれませんが、オンラインってなかなか返信なしなんていうのもありますから、いかがですか。
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
第三条の努力義務の方でございますけれども、第一号で、当該取引デジタルプラットフォームを利用して行われる通信販売に係る取引について、消費者が販売業者等と円滑に連絡することができるようにするための措置を講ずることというふうにされております。そうした観点から、その円滑に連絡することができる手段を確立していただきたいということで努力義務とさせていただいているということでございます。
○福島みずほ君 ですから、努力義務であることが問題ではないかという冒頭の質問に返るわけですが、三条、努力義務です。そして、円滑に連絡ができるように措置を講ずること、これ努力義務なんですよ。
でも、単なる販売者じゃないんですよ。場所貸して、ショバ代取っているわけじゃないですか。だとしたら、そのデジタルプラットフォーマーは少なくとも電話、メール、何らかの連絡が必ず行けるようにすることを義務付けるべきではないですか。
○政府参考人(坂田進君) デジタルプラットフォームの私ども考えておるものにつきましては、様々な商品、役務、サービスを取り扱っている、それから、大企業もありますし、中小企業もあるということで様々な態様になっておりますので、そういった観点からは、その選択肢が狭まるのはなかなか難しいのではないかということで努力義務というふうにさせていただいております。
○福島みずほ君 努力義務であることを一万歩譲って認めるにしても、つまり、国民相談センターが連絡したくても電話がない、メールがない、連絡できないんですよ。これが、問題が発生するので、いろんなところがあるかもしれないけれども、せっかくこういう法律作ってデジタルトランスフォーマーの責任を認めるわけですから、電話、メール、私は両方あるのが必須だと思いますが、ちゃんと連絡先は確保する、これは努力義務だけれども、限りなく義務に近いように、消費者庁、やってくださいよ。
○政府参考人(坂田進君) 委員の御指摘を踏まえて努力してまいりたいというふうに思います。
○福島みずほ君 お店広げて、いろんな人、どうぞ販売業者来てくださいって言っている人が電話もメールも明らかにしない、そんなのあり得ないですよ。だって、国民相談センター、どこに連絡したらいいんですか。ですから、それは必ず電話、メール、必須だということで、この法律作ったら、それは明らかだと、どんなにちっちゃいところでも、だってマージン取っているわけじゃないですか、商売しているわけですよ、ビジネスとしてやっているわけですから、単なる個人の販売業者じゃないわけですから、そこはしっかりやってくださるように消費者庁にお願いをいたします。
それで、表示を義務付けなければ実効性を欠くため、表示がない提供者と契約を締結した消費者については効力は否定される仕組みを整備すべきではないでしょうか。
○政府参考人(坂田進君) お答えいたします。
今国会に提出させていただいている特定商取引法等改正法案におきましては、取引デジタルプラットフォーム上の取引に限らず、インターネットを含む通信販売について、消費者が契約の申込みを行う際の申込画面等に販売業者等が当該申込みの対象となる契約における重要事項を表示せず、それにより消費者が誤認した場合等の取消し権を新たに設けることとしておるところでございます。
したがって、この改正法案の施行後は、取引デジタルプラットフォーム提供者が仮にそうした誤認をもたらす表示を是正せず放置した場合についても、消費者は販売業者との契約について取消し権を行使することが可能となります。
○福島みずほ君 これはしっかりやらなければならないと思います。
それで、三条一項二号のところですが、これは、苦情の申出を受けた場合において、当該苦情に係る事情の調査その他の当該表示の適正を確保するために必要と認める措置を講ずること、この具体的な中身は何でしょうか。
○政府参考人(坂田進君) 本法律案第三条第三項の指針では、同条第一項各号に掲げる措置及び第二項の開示に関して、その適切かつ有効な実施に資するために必要なものとして定めるものとされております。すなわち、同項の指針は法定の指針ということでございますので、指針において規定される事項の範囲ということで、同条第一項及び第二項の規定の範囲内に限られるということでございます。
取引デジタルプラットフォーム提供者に対する消費者の期待としては多種多様なものがございますけれども、いずれにいたしましても、指針には法律の規定の範囲内で十分な事項が盛り込まれるよう、関係者の御意見も聞きながら検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 苦情の申出窓口、これなどは盛り込まれるんでしょうか。
○政府参考人(坂田進君) 第三条の努力義務の関係でございますが、先ほども申し上げましたが、通信販売に係る取引において、消費者が販売事業者等と円滑に連絡することができるようにするための措置を講ずることという中には、当然のことながら苦情の受付窓口等に関するものも含まれるというふうに考えております。
○福島みずほ君 補償制度はどうでしょうか。
○政府参考人(坂田進君) 先ほども申し上げましたが、様々な態様、商品等を扱うプラットフォームを対象としておりますので、補償制度が常に必要になってくるということが必ずしも言えないケースもあろうかと思いますので、そういった点も踏まえて検討してまいりたいというふうに思っております。
○福島みずほ君 でも、この補償制度も実質的で利用しやすいものでなければならず、制度を導入して、きちっとしてですね、補償制度をきちっと確立する必要があるというふうに思っております。ですから、是非それも、この補償の内容を指針で定める際には、苦情の申出窓口、補償制度どうするかも是非盛り込んでいただきたい。
レビューの監視はどうですか。
○政府参考人(坂田進君) レビューの監視につきましても、取引デジタルプラットフォームが全てレビューを載せているということは必ずしもないというケースもあろうかと思いますので、義務付けるのはなかなか難しいと思いますが、委員の御指摘を踏まえて検討してまいりたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 事前調査、途上調査はどうですか。
○政府参考人(坂田進君) 先生御指摘の点につきましては、第三条の努力義務の第二号の、消費者から苦情の申出を受けた場合において、当該苦情に係る事情の調査等をするということの御趣旨ということであれば、この点の努力義務に関する指針は定めることになるというふうに考えております。
○福島みずほ君 デジタルのこの消費者トラブル、年間相談二十三万件というふうに出ております。
例えば、非常にブランド物なのに極端に安い、そうするとそれは偽ブランドではないか、あるいは何かとても法外に高過ぎる、これは何かやっぱり詐欺商法じゃないか、いろいろありますので、是非、デジタルプラットフォーマーはパトロールをするということも大変必要だと思います。
ですから、苦情があれば何かそれで動くというのではなく、やっぱりブランド品なのにすごく極端に安い、あるいは法外な値段である、おかしい、たくさん製品ありますから、その製品見ながら、これは明らかにおかしいということは経験則から分かるわけですね。
是非、事前調査や途上調査やっていただきたい。いかがでしょうか。
○政府参考人(坂田進君) 委員の御指摘を踏まえて検討していきたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 検討してまいりますと言うので、大変ありがとうございます。是非よろしくお願いします。
では、次に内閣総理大臣による要請についてお聞きをいたします。
内閣総理大臣から利用の停止等必要な措置をとることを要請することが可能となりますが、要請だけでは効果が薄いのではないんですか。指示や命令等が必要ではないでしょうか。
○国務大臣(井上信治君) 内閣総理大臣による要請につきましては、一、取引デジタルプラットフォーム提供者にとって危険商品等の表示に著しい虚偽、誤認表示がある商品等を排除することは、安全、安心な取引の場として自身が運営する取引デジタルプラットフォームに対する信頼性を高めることにつながること、二、要請に応じた取引デジタルプラットフォーム提供者を免責する規定を設けていること、三、要請について公表できることとしていることから、取引デジタルプラットフォーム提供者には十分に応じていただけるものと考えています。
したがって、同条の要請の制度の実効性確保については現時点では必要十分であると考えています。
○福島みずほ君 新法案の骨子案では、商品の安全性等の表示にうそがあり、かつ出店者にたどり着けない場合などに、デジタルプラットフォーム提供者に出品の削除を勧告、命令できるようにし、従わなければ罰金等を科すことを盛り込んでいました。これは、トラブルが起きても、出店者がうその連絡先を載せており社長も不在といった事例があることを受けたものです。
なぜこのことが後退をしてしまったのか、なぜ要請だけと後退したのか、教えてください。
○政府参考人(坂田進君) お答えいたします。
本法律案第四条第一項につきましては、取引デジタルプラットフォーム提供者がその商品等を販売しているわけではないことに鑑み、取引デジタルプラットフォーム提供者に販売業者等と同様の規制を掛けるのは適当ではないため、要請としているものでございます。
なぜこの方針を変更したのかということでございますけれども、この法案の検討過程におきましては、様々な手法について検討しておりましたけれども、その中の一つの選択肢として、一定の強制力を有する仕組みとすることも含めて検討していたところでございます。
しかしながら、本法律の対象となる取引デジタルプラットフォーム提供者には規模や態様の面で様々なものが含まれること等を踏まえまして、現時点でコアになる考え方として、取引デジタルプラットフォーム提供者は、場の提供者としての、提供者としてそこで行われる通信販売の適正化のために協力する役割を持つものとしたところでございます。
○福島みずほ君 今回、この法案が出てくるのに幾つかの事例がよく紹介をされております。
中国から買った充電器を家に置いていたら、それがもとで発火して家が火事になってしまったと。その人は、それで一生懸命相手方に連絡をしようとしたけれども、この方はアマゾンのマーケットプレイス経由で購入した商品、モバイルバッテリーが起因して自宅が火災の被害に遭った。こちらの火災についてメーカーである中国の企業を、弁護士、日本の弁護士と中国の弁護士の合同で計三名に依頼をして損害賠償を求めたが、相手方が責任を認めず、また中国国内での訴訟も困難であることから、弁護士費用相当の見舞金を受け取ったと。結局、火災で受けた損害、被害額が火災保険を超過してしまったため、その超過分については賠償されていないわけです。
そこで、お聞きをいたします。
この四条、要請ですよね。そして、これはいずれにも該当する場合において、一号、二号を両方とも満たさなければなりません。一号を満たしますか、二号を満たしますか。
つまり、このケースの場合は、この方は連絡をし続けていて、連絡先は書いてあったし、メールでのやり取りもしていた、電話でも。しかし、損害賠償の話になった途端に連絡が非常に付かなくなってしまった。そうすると、この二号の、前号の表示をした販売業者が特定できないこと、その所在者が明らかでないことその他の事由により、同号の表示をした販売業者等によって当該表示が是正されることを期待することができないこと、この要件は明確に当てはまらないケースなんですね。
すると、一号、二号で、二号は当てはまらない。で、この場合の四号の要請には、いずれにも該当する場合ですから、じゃ、このバッテリーのケースは、四号の要請する、要するに停止とか、それの要請するのに当たらない、使えないということになるということでよろしいですか。
○政府参考人(坂田進君) お答えいたします。
第四条第一項第二号の所在不明等の場合には、個別法の執行その他の措置が困難な場合が該当するところでございます。販売業者が特定できない場合やその所在が明らかでない場合以外にも、例えば販売業者の所在地が判明しているが、それが連絡困難な海外である場合なども含まれ得るものと考えております。
委員御指摘の点の場合につきましては、個別の事情を踏まえまして総合判断ということになりますが、販売業者等によって当該表示が是正されることが期待されないと、期待することができないという場合であれば、同号の要件を満たし、要請の対象になり得るものと考えております。
○福島みずほ君 条文の解釈でそれでいいんですか。外国の場合でも、相手方の住所が特定できたりしている場合もありますよね。
この方の場合は、メールのサイトにあった連絡先に電話を掛けたがつながらない、メールでやり取りできたが賠償請求の話になると返信が途絶えたとあるけれども、アマゾンに問い合わせても他の連絡先は知らないと繰り返されたと。しかし、中国の弁護士を雇って和解が成立をしているので、住所が分からない、特定できない場合ではないと思います。だとすると、このバッテリーによって火災が起きたことから、こういうプラットフォーマーに責任を負わせる法律が必要だと言っていたけれども、二号に当てはまらないんじゃないですか。
○政府参考人(坂田進君) お答えいたします。
第四条第一項第二号を読み上げさせていただきますと、「前号の表示をした販売業者等が特定できないこと、その所在が明らかでないことその他の事由により、同号の表示をした販売業者等によって当該表示が是正されることを期待することができないこと。」ということでございますので、その他の事由に当たる場合かというふうに考えております。
○福島みずほ君 では、一号に当てはまるんですか。一号は著しく事実に相違する表示であること、誤認表示ですが、これに当てはまりますか。
○政府参考人(坂田進君) 安全基準等に合致していない場合で、安全基準に合致しているといった虚偽表示等に該当する場合には本件の対象、この第一号に当たり得るものというふうに考えております。
○福島みずほ君 この条文は、消費者の利益が害されるおそれがあると認めるときはになっておりますが、バッテリーに関する表示は多分正しいんですよ。ただ、それが危ない場合があるというので、著しく事実に相違する表示ですか、誤認させる表示ですか。
○政府参考人(坂田進君) 第一号をまた読み上げさせていただきますと、「商品の安全性の判断に資する事項その他の商品の性能又は特定権利若しくは役務の内容に関する重要事項として内閣府令で定めるものについて、著しく事実に相違する表示であると認められること、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させる表示であると認められること。」という、著しく優良ないしは有利であると人を誤認させることに当たり得るケースというふうに考えております。
○福島みずほ君 それで、これは二〇二〇年九月二十三日、東京新聞の記事ですが、この方がおっしゃっているのは、被害者の方ですね、和解はほんの僅か、で、その方は、今も同じメーカーの商品は出品され、口コミの評価も高いまま、同じ苦労をする人がまた出ると思うと心配であるというふうに語っています。つまり、今、出回っているわけですよね。
じゃ、お聞きをいたします。
これ努力義務ですよね。じゃ、総理大臣が要請して、それでアマゾンがそれを聞かないとかいう場合、だって努力、ああ、ごめんなさい、要請ですから、別に要請聞かなくてもいいわけじゃないですか。じゃ、相変わらず出回るということが起きるんじゃないですか。いかがですか。
○政府参考人(坂田進君) 委員御指摘のとおり要請でございますけれども、この要請をしたことについてはその旨を公表することができるといった規定もございます。そういった観点から、デジタルプラットフォームでも御協力いただけるものというふうに考えております。
○福島みずほ君 これ外国の販売業者ですが、外国の販売業者についてどのような要請がなし得るんでしょうか。悪質な業者の違法行為に対して、要請ではやはり実効性に欠けるんじゃないでしょうか。
特商法では、海外にいる人に対する契約は除外をされております。じゃ、今回のプラットフォームのこの法案は、外国か日本かは別に区別をしておりません。でも、実際どうやって、どうやってそれを止めるんですか。
○政府参考人(坂田進君) 今回の要請に基づきまして、デジタルプラットフォームが販売業者等のアカウントの利用を停止させるといったような形で被害の未然防止、拡大防止につなげていくということでございます。
○福島みずほ君 しかし、これは停止等に係る要請ですよね。
じゃ、逆に、このデジタルプラットフォームが要請でというので聞かなかったらどうするんですか。
○政府参考人(坂田進君) そうした場合は、例えば、消費者庁の方で消費者安全法に基づく注意喚起などをさせていただくということもございますし、製品等の所管省庁における取組、対応といったようなものも考えられると思います。
それから、その当該デジタルプラットフォーム以外にもそういった商品を扱っているプラットフォーム事業者の方に対しては、官民協議会において注意喚起等を行うといった形で被害の拡大防止に努めてまいりたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 要請に時間が掛かる間に消費者被害が継続して発生することもあり得ます。危険な商品については、取引停止措置、商品回収することを即座に販売店に伝えて、偽ブランドや詐欺的な情報商材など事実と相違するものについてはデジタルプラットフォームでの販売をすぐに排除する必要があるんじゃないでしょうか。その際、デジタルプラットフォーム提供者が事実把握した場合、速やかにプラットフォーム内に通知することを義務付ける必要があるんじゃないでしょうか。
今消費者庁は注意喚起とおっしゃいましたけれど、そういうことをやっている間に、まだ出回っているわけですから被害が拡大する。いかがでしょうか。
○政府参考人(坂田進君) 本法律案第四条の要請は消費者被害の発生及び拡大を防止するためのものでございますので、消費者庁として、要請すべき事案を把握した場合は厳正かつ迅速にこれを行うことができるよう運用してまいりたいというふうに思っております。
なお、取引デジタルプラットフォーム提供者が自ら対象となる事案の発生を把握した場合は、取引の場としての信頼の確保の観点から、基本的には消費者庁の要請を待つまでもなく、販売業者等への調査、その他表示の適正を確保するために必要な措置が行われるものと考えます。
さらに、官民協議会の場を活用いたしまして必要な情報交換をし、また、具体的事案に即してデジタルプラットフォーム提供者や消費者庁等がそれぞれどのような取組をすることが効果的かを協議いたしまして、消費者、利用者への注意喚起など必要な取組を進めていくことが可能であるというふうに考えております。
○福島みずほ君 デジタルプラットフォーム提供者が事情を、情報を把握した場合には速やかにプラットフォーム内に通知することを義務付けるとか、今後の措置の中で議論していただきたいと思います。
今日の答弁で、四条一項二号における、その他の事由により、同号に表示した販売者等によって当該表示が是正されることを期待することができないことということの解釈が、単に所在が分からないだけでなく、拡大するんだという、違うんだという、できるんだと、外国などで連絡が付きにくい場合、ということなので、とりわけ外国の中における問題がある商品は、これによってかなり、停止の要請になりますけれども、進むことを本当に期待をしております。
要請するに当たって、商品の安全性の判断に資する事項も要件となっています。安全性に問題はなくても、特商法に違反するものなどは対象とならないんでしょうか。
○政府参考人(坂田進君) お答えいたします。
本法律案第四条の要請は、商品の安全性の判断に資する事項その他の重要事項として内閣府令で定めるものについて、著しい虚偽、誤認表示がある場合であって、販売業者による是正が期待できない場合等になされるものでございます。
内閣府令で定める事項は、商品の性能や役務の内容に関する事項のうち重要なものであり、商品の安全性の判断に資する事項に限定されるものではございません。例えば、商標権を侵害している偽ブランド品など商品の真正性に関する事項等も対象となり得るものとして想定しておりますが、具体的な内容については今後検討してまいりたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 偽ブランド品というのも非常に詐欺商法で横行しているわけですが、その場合は、四条の一項一号の誤認あるいは著しく事実に相違する表示であるということでよろしいですね。
その場合に、二号の要件についても、住所が書いてあって一応特定できて連絡ができるんだけれども、なかなか連絡しづらいという場合は救済されるということでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(坂田進君) 御指摘のとおりでございます。
○福島みずほ君 それでは、今回の法案は努力義務であることと、要請にすぎないこと、それからCツーCが除外されていることなど、様々課題、問題があると思います。
CツーCの除外についてお聞きをいたします。
本法案では、販売業者と消費者のBツーC取引を対象としており、消費者間のCツーC取引を対象外としています。個人間での解決が困難である場合を考慮すると、CツーCについても将来的に検討すべきではないでしょうか。
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
消費者庁の検討会においては、取引デジタルプラットフォームにおける消費者被害の実態に着目して、売主が事業者であるか消費者であるかを問わず、消費者を保護するための方策について検討を重ねてきたところでありますが、CツーC取引の場における消費者保護は、消費者行政の対象外としているわけではありません。
しかし、CツーC取引の場となるデジタルプラットフォームの役割を定めるに当たっては、デジタルプラットフォームの提供者という新たに登場した存在が果たすべき役割がどのようなものであるかという点に加え、これまでの消費者行政が主眼としてきた消費者と事業者の間の取引ではなく、売主と買主の双方が消費者である取引における売主とデジタルプラットフォーム提供者、それぞれの責任の在り方という二つの課題についての整理が必要となります。
本法律案では、現行法上、売主が事業者の場合に生じる消費者保護責任に着目し、取引デジタルプラットフォーム提供者の役割を規定することとしたが、これと同様の整理を売主が消費者である場合にも当てはめることは適当ではないと考えております。
CツーC取引につきましては、今後、消費者保護の観点から、誰がどのような責任を負っているのかや、デジタルプラットフォームの提供者がどのような役割を果たすかについて検討を行ってまいります。
○福島みずほ君 ただ、CツーCでも、実は隠れBであるという議論が衆議院でも随分出ております。インターネットオークション等、CツーCのデジタルプラットフォームにおいて隠れBという売主に事業者が含まれる場合があり、本法案はこれも対象としております。特商法のガイドラインによるもので、特商法のガイドラインも見ましたけれども、販売業者として認められるためにはハードルが高く、余り運用がないという意見もあります。
これは、衆議院のこの消費者特別委員会における全国消費生活相談員協会の理事長増田悦子さんもこのことを指摘をされています。つまり、隠れBはCツーCじゃないんだということなんですが、その隠れBという認定が、ガイドラインがやっぱりハードルが高く、今までこの国民生活相談センターでこのことを実際適用したことが余りないと、運用例が余りないということを参考人の話の中で出てきております。
本法案におけるこの隠れBとする判断基準は一体何でしょうか。
○政府参考人(坂田進君) お答えいたします。
個人である売主が本法律案の販売業者等に該当するか否かの区別は、まず第一点目として営利目的であるか否か、第二点目として反復継続的に同種の行為を行っているかどうかについて、その者の意思にかかわらず客観的に判断されるものでございます。
もっとも、当該区分が困難である場合も考えられることから、今後、消費者庁としての考え方を明らかにしてまいりたいというふうに考えております。その際には、ほかの消費者保護法の適用を受けるかどうかの判断にも共通し得るものであることや、法の潜脱を招きかねないことを考えますと、ある程度幅を持ったものとせざるを得ないと考えられますが、消費者を装う悪質な販売業者を捕捉できるようなものとすることを考えております。
委員御指摘のとおり、特定商取引法上の通信販売を行う販売業者の解釈指針として、インターネットオークションにおける販売業者に係るガイドラインがございます。このガイドラインは、平成十八年に当時のインターネットオークションの特性や消費者トラブルの状況等を踏まえて策定されたものでございます。
今般の考え方を検討するに当たっては、当時からの状況の変化や取引デジタルプラットフォームの特性を踏まえつつ、しっかりとした検討を行ってまいりたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 実際、今まで特商法のガイドラインによるものだとハードルが高く、余り今まで適用したことがないという意見は重要だと思います。ですから、隠れBという売主には、これは事業者が含まれるというふうにこの法案、本法案はしておる、対象になるわけですから、是非、隠れB、Bだという認定に関しては、是非、判断基準に関して余りハードルが高くならないように是非よろしくお願いいたします。
次に、第五条の販売業者等情報の開示請求についてお聞きをいたします。
販売業者等情報の開示請求を行うためには、一定金額以上の金銭債権を必要としています。その理由は何でしょうか。
○政府参考人(坂田進君) お答えいたします。
消費者の権利行使の実効性の確保という開示請求の趣旨からは、消費者が開示請求を行った後に訴訟や任意交渉等の具体的な権利行使のための行動を取ることが合理的と思われる金額とするのが相当であるというふうに考えます。
加えて、取引デジタルプラットフォームを利用した通信販売取引の当事者ではない取引デジタルプラットフォーム提供者の事務処理負担が生じることにも鑑み、一定の金額の基準を設けることとしたところでございます。
○福島みずほ君 少額の商品でも被害が生ずることがあります。販売業者等情報の開示請求が可能となる金額はどの程度想定しているでしょうか。
○政府参考人(坂田進君) お答えいたします。
開示請求が認められる具体的な金額については内閣府令で定めることとしておりますが、まず第一点目として、開示を受けて行われる販売業者等に対する訴訟や任意交渉等に消費者が要する費用、二点目として、取引デジタルプラットフォーム提供者による事務処理の負担、三点目として、取引デジタルプラットフォームを利用した取引における被害実態と取引金額の分布、四点目として、ほかの消費者関連法令における金額の設定の例などを踏まえまして、バランスを考慮して定めてまいりたいというふうに考えております。
本法案第五条第一項の内閣府令で定める額を定めるに当たりましては、取引デジタルプラットフォームを利用して行われる取引における消費者被害の実態に照らし、必要十分な消費者が開示請求制度を利用できるよう、適切な額を設定してまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 ちなみに、幾らぐらいを念頭に置いていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(坂田進君) お答えいたします。
金額の設定に当たりましては、今後、関係者の御意見を聴取しつつ慎重な検討を行う予定でございますので、この場で具体的な金額をお示しすることは困難でございます。
いずれにいたしましても、取引デジタルプラットフォームを利用して行われる通信販売における消費者被害の実態に照らしまして、必要十分な消費者が開示請求制度を利用できるよう、適切な時期に適切な額を設定してまいりたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 幾らぐらいだろうかと思いますが、是非検討をよろしくお願いいたします。仮に一人にとっては少額でも、先ほども話がありましたが、非常に広範囲にわたって購入され、実は詐欺的に行われているということもありますので、是非検討をよろしくお願いいたします。
特商法で定められている連絡先等の記載事項が虚偽であったり修正していなかったりすると、それは明確な特商法違反です。デジタルプラットフォーム提供者として、常に正確な連絡先の届出義務や表示義務、違反する場合等の措置などの内部規定を策定すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(坂田進君) 今回の法律案におきましては、意見聴取手続を設けた趣旨は、販売業者等の手続保障という点、それから、取引デジタルプラットフォーム提供者による開示の可否の個別具体的な判断に資するという点にございます。
その上で、第三項、失礼しました、第五条第三項に基づく意見聴取の結果、販売業者等が開示を拒絶した場合であっても、取引デジタルプラットフォーム提供者は、開示請求の要件該当性を適切に判断し、適法な開示請求と認めるときは開示に応じなければならないとされているところでございます。
○福島みずほ君 済みません、私の質問は、開示請求に応ずるべきではないかということではなくて、三角関係なわけですよね、消費者と販売業者、デジタルプラットフォーマーで。特商法の規定は、その消費者と販売業者なわけですが、特商法の規定上は虚偽であったり住所が変わればきちっと直さなければいけない、特商法上。
ですから、デジタルプラットフォーマーは、その特商法の性格を鑑みて、常にやはり、住所が、住所とか変更があった場合や、まさに正確な連絡先の届出義務や表示義務、違反する場合の措置などの内部規律を、デジタルプラットフォーマーも内部規律でやるべきではないかという質問です。
○政府参考人(坂田進君) お答えいたします。
第三条の努力義務の規定の第一項の第二号でございますけれども、当該取引デジタルプラットフォームにより提供される場における販売業者等による商品若しくは特定権利の販売条件又は役務の、役務の、失礼しました、役務の提供条件の表示に関し当該取引デジタルプラットフォームを利用する消費者から苦情の申出を受けた場合において、当該苦情に係る事情の調査その他の当該表示の適正を確保するために必要と認める措置を講ずることというふうにございます。
ここで、先ほど申し上げました、表示に関しというところでその虚偽表示なども含まれておりますので、まず取引デジタルプラットフォーム提供者はその調査を行うということがまずございます。
それから、第三号でございますが、当該取引デジタルプラットフォームを利用する販売業者等に対し、必要に応じて、その所在に関する情報その他の販売業者等の特定に資する情報の提供を求めることというふうにされておりますので、そういった二号、三号の関連の対応をプラットフォーム事業者に、努力義務ではありますが、求めるというふうに考えておるところでございます。
○福島みずほ君 よく分かりました。
つまり、特商法の規定では違う住所とか虚偽表示は全く違法なわけですが、そして、この二号、三号があることでしっかりデジタルプラットフォーマーはその販売業者の住所やいろんなことをきちっと把握をしていると、変更がある場合にも把握しているように、まあ努力義務ですが、努めるということで、こういう内部規律が今後しっかり徹底されるようにというふうに思います。
それで、この情報開示請求のところなんですが、ほかの委員の方からも質問ありましたが、三項で、開示するかどうかについては当該販売業者等の意見を聴かなければならないというふうになっております。
これ、意見聴く必要あるんですか。
○政府参考人(坂田進君) 済みません、先ほど読み上げてしまったものでございますけれども、もう一度読み上げさせていただきますと、今回の法律案において意見聴取手続を設けた趣旨は、まず第一点目として、販売業者等の手続保障という点、第二点目として、取引デジタルプラットフォーム提供者による開示の可否の個別具体的な判断に資するという点にございます。
その上で、第五条第三項に基づく意見聴取の結果、販売業者等が開示を拒否した場合であっても、取引デジタルプラットフォーム提供者は、開示請求の要件該当性等を適切に判断し、適法な開示請求と認めるときは開示に応じなければならないというふうにされております。
○福島みずほ君 消費者が販売業者の情報に関して情報開示請求するということは、分からないからですよね。分からない。だからデジタルプラットフォーマーに関して販売業者の住所やそういうものを教えてくれと情報開示請求するわけです。でも、他方、特商法によれば、まさに特商法で定めている連絡先等の記載事項が虚偽又は修正していない販売業者がいるわけですが、これは明確な特商法違反です。
つまり、特商法の規定がありますから、消費者は販売業者に対して、それはちゃんと住所を書かないといけないわけだから、本当は連絡できるはずだけれども、連絡ができないということは、この販売業者は特商法違反なわけですよね。だって、特商法違反していなければ、この消費者は販売業者にアクセスできるわけですから。
特商法違反をしているような販売業者の意見を聴く必要があるんですか。
○政府参考人(坂田進君) お答えいたします。
先ほども申し上げましたけれども、販売業者等の手続保障という観点も重要かと思います。それから、取引デジタルプラットフォーム提供者による開示の可否の個別具体的な判断に資するという点もあろうかと思います。
先ほど来御議論になっておりますBかCかということで、そういった意味では、その辺り、仮にそれがCの方であったとすると個人情報が漏えいされてしまうという点もございます。そういった観点から、適切な手続保障を確保するということでございます。
○福島みずほ君 いや、隠れBはなんですが、これ、CアンドCの場合は情報開示請求、適用ないんでしょう。
○政府参考人(坂田進君) 当然、Cの販売者に対してはこの開示請求権は認められておりませんが、今回、隠れBかCかというところの判断というところは、買主側の消費者の方は判断付きかねる部分はあろうかと思います。そういう意味で、開示請求がなされる可能性がないとは言えないということでございます。
○福島みずほ君 いや、変な論理ですよ。だって、CアンドCは除外をしているわけで、隠れBなのかCなのかは明確な基準でガイドラインでやるわけじゃないですか。で、CアンドCは除外されているわけだから、B、販売業者と消費者との関係で、特商法の規定では住所を明らかにしなくちゃいけないし、住所、うその住所を書いちゃいけなくて、そうだったら特商法違反なわけじゃないですか。特商法違反をしているような販売業者に意見を聴く必要があるんですかということなんです。
つまり、行政ということでいえば、この意見聴いて、どうか私の住所を明らかにしないでくれと言ったら、もしかしたらこの人はCかもしれないといって情報を明らかにしないというのは全くおかしいことだと思いますよ。概念が違う。
CかBかという問題と、それから特商法違反をしている可能性の強いBに対してまさに意見を聴かなければならないとすることが、実際は情報開示が遅れるんじゃないか、しないことになっちゃうんじゃないか。いかがですか。
○政府参考人(坂田進君) 済みません、先ほど指摘し忘れましたが、過去通信販売業を行っていた方が今はもうその通信販売業を行っていないということで、サイト等を閉めておられるというケースもあろうかと思います。その通信販売のサイトで取引した商品等について何か損害賠償請求をしたいという消費者の方が出てきたときに、表示を見たいと思ってもそのサイトがもう閉じられているというようなことも考えられるかというふうに思います。そういった点も踏まえまして、今回こういった手続にさせていただいたということでございます。
○福島みずほ君 いや、おかしいですよ。開示するかどうかについて意見を聴かなければならないとなっていて、その人がCだったら意見聴く必要ないわけじゃないですか、というふうに思うんですが。
ですから、そんなことを言っていたら、いや、私は実はCですとか、あるいは、いろんなことがあって、また、あの人クレーマーだから絶対住所教えないでくださいなんとなったら、本当に消費者保護図ることができなくなると思いますよ。販売業者の意見聴いたら、住所言うなと言うじゃないですか。行政がいつも黒塗りにする理由で、相手方があるから黒塗りですというのと一緒で、情報出てこないですよ。
○政府参考人(坂田進君) 委員の御指摘につきましては、先ほども申し上げましたが、今通信販売業をやっていない方については、そこについては表示はなされていないというケースもあるということでございます。その方の住所等の情報を開示すべきかどうかという点に関しては、販売業者等の、これは過去の販売業者等ということになりますが、その方の情報についての開示について手続保障を確保する必要があるということでございます。
○福島みずほ君 いや、おかしいですよ。条文は、当該販売業者等の意見を聴かなければならないとなっているので、情報開示について意見を聴くということですよ。販売業者という認定をして、そして情報、この情報開示していいですかという意見を聴くわけだから、今の話だと全部ぐちゃぐちゃになっていて、とにかくCである可能性もあるからとにかく意見を聴かなければならないというのは論理的に破綻していると思いますが、いかがですか。
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
BかCかという基準については、既に御説明させていただいているとおり、幅を持った形に考え方をしますということになろうかと思います。したがって、様々な消費者が開示請求をしてこられる際に判断を取引デジタルプラットフォームがする際に、販売業者の、これは元販売業者というケースもあるかと思いますが、意見を聴くという手続を踏んでいるということでございます。
○福島みずほ君 これ、条文は販売業者の意見を聴くとなっているから、これBに対して意見を聴くとなっているんじゃないですか。
○政府参考人(坂田進君) その辺りは、最終的には消費者か事業者かというのは裁判で決まるというところもございます。そういった観点から、今回は手続保障を確保したということでございます。
○福島みずほ君 ちょっと時間がどんどんたっていって済みませんが、意見を聴く、販売業者に対して意見を聴かなければならないとなっているので、実は情報開示をしなくなる可能性があるんじゃないかと思っているわけです。
販売業者と販売者は明確に違います。私は、販売者はCですから、この条文の対象ではそもそもないんですよ。私がやっぱり消費者庁のその答弁が変だと思うのは、BかCか分からないからと言っているけれど、条文上は販売業者にとなっているじゃないですか。つまり、すごいBの人だって山ほどいる中で、それで何で、そのCがちょっとしたら入っているかもしれないから意見聴かなければならないというのはおかしいですよ、そういう法制度の設計は。
○政府参考人(坂田進君) 先ほどから申し上げているとおりでございまして、適法な開示請求とデジタルプラットフォーム提供者の方が認めるときには開示に応じなければならないと、これは民事上の義務ということになりますので、そういう意味では、そういった民事上の義務であることをしっかりと周知をしていきたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 販売業者等の意見を聴かなければならないというのは、やっぱり変ですよ。誰が考えてもBの場合がほとんどなのに、そこに対して意見を聴かなければならないとして、実際、住所の情報開示が遅れたらおかしいじゃないですか。特商法上は消費者とその販売業者は明確に住所を明らかにしなくちゃいけないんですよ。それが虚偽だったら特商法違反なんですよ。特商法違反のBを何で保護しなければならないのかというふうに思っています。
最後に、デジタル広告の規制、不正又は悪質なレビュー、パーソナルデータのプロファイリングに基づく表示等についての課題をどう考えるのか。SNSを対象と今回の法律していませんが、SNS入っていったら、あら、広告に入ってしまったみたいなことはよくあるわけで、そこの規制等についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
本法律案は、デジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者取引における環境整備等に関する検討会において検討されていた多岐にわたる課題のうち、最優先課題への適用を図るものでございます。
委員御指摘のようなデジタル広告の問題などの残された検討課題については、同検討会報告書では、今後、実態調査等を進めた上で、いかなる主体に対してどのような規律を設けることが消費者の安全、安心確保のために実効的であるか等について検討すべきとされております。
消費者庁といたしましては、消費生活相談や官民協議会での情報交換、申出など、様々なルートで寄せられる情報を基に実態を把握してまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 時間ですので終わります。ありがとうございました。
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