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事実婚カップルへの不妊治療支援を国が前向き答弁 2017年4月20日参厚労委 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)
福島みずほ君
社民党の福島みずほです。
本来なら、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案が審議されるところですが、趣旨を、二度と同様の事件が発生しないよう以下のポイントにという部分などを削除するということから、今日は一般質疑になりました。
ただ、私は、この趣旨を削除するのであれば法律案とそごが生ずると。つまり、ざっくり言えば、この法案は、相模原事件があって、措置入院者だった、退院した後フォローアップが足りなかった、だから警察も入れてしっかりフォローアップする、まあ言葉を換えれば監視するぞという法案だと思いますので、趣旨と法案がもうミスマッチになってしまっていると。だから、文言を削除したからといって法案の骨格が変わらない。
多分、この厚生労働委員会では、措置入院者の人も任意入院の人も通院の人も含めてボトムアップで、ワンストップサービスを含め、どういうふうに応援していくか、そこに税金を使うというのであれば皆さん賛成すると思います。しかし、警察が入り得るという、こういう仕組みについては極めて問題であると。
ですから、趣旨を変えるのであれば、まさに法案と一致しないので取り下げる、廃案しかないというふうに思っております。
今日は一般質疑ですので、まず冒頭、事実婚カップルに関する不妊治療支援について一言お聞きします。
厚労省は、二〇〇四年以降、不妊に悩む方への特定治療支援事業として、不妊治療の経済的負担の軽減を図るため、高額な医療費が掛かる配偶者間の不妊治療に要する費用の一部を助成しております。二〇一五年度では十六万三百六十八件、金額にして百二十二・八億円という支給実績です。支給対象はしかし法律婚カップルに限られています。
でも、産婦人科学会は事実婚のカップルにも人工授精、体外受精を、それをやっているわけで、だとすると、是非、支援に関しても、事実婚カップルに対しても助成すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
国務大臣(塩崎恭久君)
不妊治療の助成についてのお尋ねでございますけれども、現行制度におきましては、今御指摘のあったように、法律上の婚姻をしている夫婦を対象にしているという制度に今はなっているわけであります。
御指摘のこの事実婚の方に対する支援をどうするのかということでありますけれども、すなわち補助対象を拡大をするということについての考え方についてでありますけれども、現在、出生率が非常に低いわけでありまして、また多様化をしている家族の在り方などを受け止めていかなければならない、社会はどんどん変化をして、家族観も変化をしているということでありますし、社会情勢の変化もあって、子育て支援というのが今一番の優先課題でもあるという、そんなこともあります。
海外に行きますと、パートナーとしての同居でおられて子供さんもおられるというのがごくごく当たり前の国もたくさんあるわけで、日本にも同じような動きが広まりつつあるのかも分からないということを考えてみると、今申し上げたようないろいろな変化を踏まえた上で検討をしていくべきものではないかなというふうに思っているところでございます。閣僚クラスにヨーロッパで会いますと、パートナーでちゃんと子供もいるという方がいかに多いかというのでびっくりするところであります。
福島みずほ君
大臣の前向き答弁、本当にありがとうございます。
やはり、今は同性カップル、ゲイ、レズビアンのカップルでも里親に認めるという自治体が出てきたり、同性パートナー条例やそれを認める渋谷、宝塚、あるいは世田谷など、世田谷はもう五十人以上同性パートナーで登録しているというふうに聞きます。
実際、事実婚で、例えば私はやっぱりこれは助成してほしいという声も聞きますので、今の前向き答弁踏まえて、是非進展があるように、産婦人科学会はもう変わっておりますので、事実婚でも人工授精、体外受精のそれはしているわけで、だとしたら、助成の方も是非、助成というのは援助の方ですが、是非拡充していただきたいと思います。よろしくお願いします。
次に、医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律案についてお聞きをいたします。
これは内閣府の委員会で今日趣旨説明というふうに聞いておりますが、実はこの委員会はお医者様も、それから看護師さんもいろんな医療関係者がいらっしゃいますので、この医療情報についてはとても重要だと思って質問させていただきます。
私はこれは、一番違和感を持つのは、医療機関から生の情報がこの認定事業者に流れるんですよね。これはとても危険じゃないか。刑法の中に秘密漏えい罪があって、お医者さんも看護師さんも患者さんの情報を漏えい、仕事上知り得たことを漏えいすれば秘密漏えい罪が成立するわけですね。
しかし、医療機関から認定事業者に対して生のままの患者の情報が行くと。だから、健診も入るし、画像も入るし、裸の写真も行くだろうし、それからいろんな数値も全部行くと。例えば向精神薬使っているとか、整形手術したとか、中絶歴とか、がんとか、全部これは行くわけですね。それはとても危険ではないかと思いますが、いかがでしょうか
政府参考人(大島一博君)
今、今度、医療情報を匿名加工する法案について御質問いただきました。
この法案は、個人が識別できないように匿名加工された医療情報の利活用を通じて医療分野の研究開発を促進するという目的の法律でございまして、具体的には、情報セキュリティー、それから匿名加工技術などに関する基準を満たし、医療情報の匿名加工を適正に行うことができる事業者を国が認定するという、そういう仕組みでございます。医療機関等は、認定を受けた事業者、認定事業者に対しまして任意で医療情報を提供することができることになりまして、その際には各患者にその旨をあらかじめ通知をして、拒否がない場合に提供できるという、そういう仕組みでございます。
この法案によりまして、治療の効果や効率性、そういったことに関するデータ研究が進むと考えておりまして、患者に最適な医療の提供を実現することができると考えております。具体的には、そういう診療データを用いた研究の実施によるガイドライン等を期待しているところでありますし、あるいは副作用、医薬品の副作用等も大きな問題になっておりますが、そういうことについての発生頻度ですとか、異なる医薬品間での副作用の結果の比較などができるようになるのではないかという期待をしております。
それで、これに関しましては、今申し上げましたように、専門的能力を要する匿名加工というところについて焦点が当たっているわけでありますが、現行法の下でも、実は個別の医療機関が事業者に委託をして医療情報を匿名加工し、その匿名加工した情報を第三者に提供するということは本人の同意なくしてできるようになっているところであります。
今回は、その匿名加工について、今であれば医療機関が最終的な責任を負ったりですとか、個々の医療機関を超えた利活用は困難な状況になっておりますので、そういった対応ができるよう複数の医療機関のデータを適正かつ確実に集めることができる認定事業者を国がきっちり監督していくということを考えているところでございます。
刑法の守秘義務違反かどうかという点でございますが、これにつきましては、今のような法律の目的、仕組み、それから医療情報の認定事業者への提供というのは必要性があるということで、あと本人への通知、あるいは安全管理義務の義務付け、こういったことによりまして、個人の権利義務の侵害がない措置が講じられているということで相当性も認められるというふうに考えておりまして、法務省とも相談しまして、これに関する医療情報の提供は医師等の守秘義務等には反することにはならないというふうな見解をいただいているところでございます。
福島みずほ君
でも、同意なくしてというのは問題だと思うんですね。あらかじめ通知をするというふうなことですが、じゃ、冒頭からきちっと通知するんですか。そのことを医者はきちっと説明するんですか
政府参考人(大島一博君)
今、手続の具体的な方法についてお尋ねございました。
いわゆるこのオプトアウトと言われる手続につきまして、具体的には医療機関等が認定事業者に医療情報を提供しようと、これは任意です、仮にそういうふうにしようとする場合には、あらかじめ患者がその医療機関等に初めて受診した際などにおいて、医療機関の方から今回のこの趣旨、医療分野の研究開発に資するために匿名加工情報を作成する認定事業者に提供するという趣旨、それから提供する情報の項目、提供方法、それから本人又は遺族の求めに応じて提供を停止すること、その求めを受け付ける方法について、書面で本人に対して通知するということを考えておりまして、実際には受付の窓口ですとか、待ち時間の間に配るなどして通知をすることになると考えられます。
この通知を受けた患者さんはいつでも医療機関等に対して情報提供の停止を求めることが可能となっておりまして、御本人の死後においてはその遺族が同様の求めを行うことができるということになっているところでございます
福島みずほ君
これは停止はありますが、衆議院の内閣委員会でもありますが、削除要求ってできるんですか。つまり、これがなぜ問題かという
と、生の例えば画像、健診でも全部の数値やエコーの検査や、全部がある認定事業者に集積していくわけですよね。極端に言うと、おぎゃあって生まれたとき、三か月健診、一歳児健診、あるいは全部、それもそこにどんどん集積していって、匿名加工して製薬会社や生命会社に売り飛ばすということはあっても、ある認定事業者には生のデータが集まり、Aという人の情報が全部集まるわけですよね。自分はそういうのは嫌だというので削除要求したら、削除してくれるんですか。それはないですよね。
衆議院では、本人の希望に応じて任意にこうした削除等の対応を行うことは可能だとはなっていますが、条文上はそうなっておりません。削除を認めるべきじゃないですか。
政府参考人(大島一博君)
今、提供した情報の削除についてお尋ねございましたが、そもそもこの提供をする段階では各その機関ごとにあらかじめ本人の提供の確認はございます。その上で、後で、一旦提供が始まった後、いつでも停止することができるわけですけど、お尋ねの趣旨は過去に提供された部分の医療情報の削除はできるかということだと承知しますが、それについての法律上の規定はしてございません。ただ、今議員の御指摘もありましたように、認定事業者が本人の希望に応じて任意にこうした削除等を行う、対応を行うことは可能と考えております。
福島みずほ君
これ、通知なんですよね。同意を取っていないんですよ。だったら、患者分からないですよ。はいというか、要するにノーと言わない限り通知だけで集積していく、特におぎゃあと生まれてから死ぬまでその人の情報が、生の情報が画像も含めて全部行くわけじゃないですか。
そうしたら、認定事業者のところに蓄積をされていく、たまたまそれが匿名加工されて外に出ていくわけですが、でも、まさにその情報が漏れる可能性もあるし、悪用される可能性もあるかもしれない。
匿名加工なんですが、例えば霞ケ関、永田町における、五十四歳、向精神薬という形で出ることもあり得るわけでしょう。匿名加工はケース・バイ・ケースになると思いますが、いかがですか。
政府参考人(大島一博君)
匿名加工につきましては、特定の個人を識別すること、それからその個人情報を復元することができないようにすることというのが匿名加工の定義でございまして、基準を定めまして、その基準にのっとって匿名加工をするということになります。したがいまして、その際には、例えば氏名等を削除したりですとか、あるいは一定の情報につきまして、例えばその情報の日付をずらしたりとか、そういうことをやりまして、個人が識別できないあるいは復元できないというふうなことにするということにしております
福島みずほ君
ただ、例えば埼玉県滑川町、五十四歳、向精神薬を使っている、例えばこの永田町でも、例えばてんかんだとか遺伝疾患とか、やっぱり病気って一番高度なプライバシーじゃないですか。だから、この法案ができることで、認定事業者に生の情報が全部集積されるという問題と、匿名加工といって匿名にしたとしてもそれをずっと繰り返しているうちに特定されるというか、その問題も起こり得る。なぜかといいますと、この法案の一番の違和感はビジネスなんですよね。経産省主導で行われている。実際、趣旨説明のところでも新産業創出と、こうなっているわけです。
ですから、この点が問題で、医療のためというんだったらまだ少しは分かるけれども、大変問題があるというふうに思っております。集積することの問題点と同意を取らないという問題点と匿名加工という点でどうなるのか。一人の人生、一人の全ての健診も含めた情報が問題になると。
例えば情報公開、ちょっと済みません、もう時間なので一言だけ。情報公開で自分の情報が間違っているということを是正することはできるんですか
政府参考人(大島一博君)
それは可能でございます
福島みずほ君
終わります。