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精神保健福祉法取り下げを 2017年4月25日参厚労委 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)
福島みずほ君
社民党の福島みずほです。
端的にお聞きします。厚生労働省は、再発防止を捨てるんですか、捨てないんです
か。
政府参考人(堀江裕君)
今回の退院後支援計画等によりまして、一つの施策といたしまして、それは再発防
止に資する施策でございますので、進めてまいりたいと考えてございます。
福島みずほ君
再発防止に資するから、再発防止捨てないんでしょう。捨てないんだったら、なぜ
解説の概要から再発防止落とすんですか。
政府参考人(堀江裕君)
今回、説明資料の見直しを行ったことにつきましてでございますけれども、概要資
料の改正の趣旨に、「二度と同様の事件が発生しないよう、以下のポイントに留意し
て法整備を行う。」と記載し、また四月十一日の委員会質疑におきまして、相模原市
の事件は検討の契機であるけれども、本法案は犯罪防止を目的としたものではない旨
を答弁したことにつきまして、概要資料の記載と異なっているという御指摘があり、
さらに、本法案が犯罪防止を目的とすると受け止められるものであり、概要資料の記
載が不適切な表現である旨の御指摘があったことから、本法案は、措置入院者の退院
後の医療や地域福祉、就労支援等の支援の充実を図ることで、結果として再発防止に
資するものであり、犯罪防止を目的とした法案との誤解を招かないようにする観点か
ら概要資料の修正を行ったものでございます。
福島みずほ君
でたらめですよ。再発防止に資すると言って捨てないんだったら、なぜ取るんです
か。インチキじゃないですか。
結局、この法案は再発防止のためのものなんですよ。再発防止のためにこれを作っ
た。相模原、措置入院、再発防止、総理の頭の中のこの三点セットに、こびたのかそ
んたくしたのか。それで、措置入院の人に対して、フォローアップして警察を入れ
る、再発防止に資するという法案なんですよ。
そのことをみんなから指摘されてやばいと思ったのか、それを削除するというふう
になった。
でも、今日の答弁でも明らかなように、再発防止に資する、再発防止捨てていない
んでしょう。だったら取る必要ないじゃないですか。だから、めちゃくちゃなんです
よ。取りゃいいというものじゃないじゃないですか。だって、ほかのところ変わって
いないんだから。
だから、この法案は取り下げなくちゃいけません。こんな法律を国会で、厚生労働
省のそのでたらめに付き合って国会がこんな法律成立させたら、本当におかしいです
よ。立法理由に再発防止に資するというのあるんでしょう。もう一回確認させてくだ
さい
政府参考人(堀江裕君)
今回の精神保健福祉法の改正法案の理由は、精神障害者の社会復帰の促進を図るた
め、都道府県が入院措置を講じた者に対する退院後の医療等の援助を強化するととも
に、精神障害者の支援を行う地域関係者の連携強化を図るほか、医療保護入院に必要
な手続、精神保健指定医の指定制度等について見直しを行う必要があるというもので
ございまして、今回のそれが理由でございます
福島みずほ君
今日はいろんな委員からも出ていますが、安倍総理の一月二十日の参議院本会議、
精神保健福祉法を改正し、措置入院患者に対して退院後も支援を継続する仕組みを設
けるなど、再発防止対策をしっかりと講じてまいります。まさに再発防止対策が前面
に出ているじゃないですか。
審議の中で、責任能力がこの被告人は、被疑者、被告人はあったということ、それ
から措置入院と犯罪の因果関係はないということ、それも明らかになりました。そし
て、この協議会、代表者会議と個別ケースの両方にというか、代表者会議には警察が
入っているが、個別ケースの場合も警察が入るということも明らかになりました。ま
さにこれ、再発防止じゃないですか。
しかも、措置入院と犯罪の因果関係がないということが明らかになったにもかかわ
らず、何なんですか。孤立防止を防ぐというのであれば、なぜ措置入院だけフォーカ
ス当てるんですか。孤立防止を防ぐんだったら、通院の人も任意入院の人も措置入院
の人もちゃんとフォローアップしたらいいじゃないですか。全く矛盾していますよ。
どうですか。
政府参考人(堀江裕君)
精神保健福祉法に基づく入院には、措置入院のほか任意入院、医療保護入院という
入院形態がございまして、円滑な社会復帰の観点からは、御指摘のように、措置入院
以外の入院形態から退院した患者に対しても退院後の支援を実施することが望ましい
ということはおっしゃるとおりでございます。
一方で、地域保健行政の人的資源との関係から、全ての入院形態の方について自治
体に退院後支援計画の作成等を義務付けることまでは難しいと。
この点、措置入院に至るまでの病状になった方については、退院後も円滑に地域生
活に移行できるような環境を整える必要性が他の入院形態の患者よりも高いと考えら
れること、このほか、措置入院は都道府県知事等が行うものであり、退院後の支援に
ついても自治体が関わりを持つ必要性もより高いと考えられることから、本法案にお
いては、まず措置入院者について、自治体に対し、退院後支援計画の作成等を義務付
けたものでございます。
退院後支援計画は、患者本人の意向をしっかりと踏まえた上で作成されるべきもの
でございまして、社会復帰の促進に向けました支援が適切に実施されるよう自治体に
対して趣旨を徹底してまいりたいと考えてございます。
福島みずほ君
本人の同意も取らなくて、何で支援なんですか。これはもうこの委員会でも言って
きています。本人の同意がなくて、何の支援なんですか。しかも、措置入院者だけな
ぜ支援計画作るんですか。なぜ警察が入り込むような、個別ケースでも、そして代表
者会議に入れるんですか。
やっぱり再発防止でしょう。だから、一番初めの質問に戻るわけですが、再発防止
のために作るんですよ。しかし、これは何かやっぱり人聞きが悪いというか、評判が
悪いとなって変えたけれども、そんなの駄目じゃないですか。だって、そういうふう
に作ってあるんですもの、この法案が。措置入院だけなぜするのかという質問に答え
ていないですよ。だったら、もう少しワンストップサービスを充実させる、いろんな
精神障害者、精神保健の必要としている人たちに対してやるんだったら、それは違い
ますよ。
新旧法律案の概要なんですが、いろいろまたこれの変更出て、必要に応じて障害者
福祉サービス事業者、本人、家族等とこうなっているんですが、必要に応じてがその
調整会議から取れました。ということは、本人、家族は必ず調整会議に必須で参加す
るんですか
副大臣(橋本岳君)
必要に応じてを削除した理由ということでお尋ねをいただいておりますけれども、
厚生労働省においては、法案の作成時から退院後支援計画を協議す……(発言する者
あり)失礼しました
福島みずほ君
いや、なぜ取ったかではないんです。取ったということは、本人と家族は必ず出席
するということかという質問です
副大臣(橋本岳君)
失礼をいたしました。
法案の作成時から、退院後支援計画を協議する個別ケース検討会議には本人と御家
族も参加すべきだというふうに考えております。ただし、本人か御家族が参加を拒否
した場合や、本人の病状から参加が困難な場合には例外的に参加しないことがあり得
るというふうに考えているところでございます
福島みずほ君
だったら、必要に応じてを取る必要なかったんじゃないですか
副大臣(橋本岳君)
ただ、一方で原則として本人、家族は御参加をいただきたいというふうに考えてい
るということでございまして、そこに対してその本人、家族の御意見も聞かないのか
といった御議論がたしかあったと思っております。そうした誤解を招かないように、
ここのところは削除をさせていただいたということでございます。
福島みずほ君
おかしいですよ。だって、本人と家族は参加しなくてもいいというか、例外的に参
加しないんだったら、元々の必要に応じてでよかったんじゃないですか。
実は、元々のポンチ絵の方が正直だったんですよ。だけど、文句言われたからまず
いと思って消したというので、答弁とあれが変わらないじゃないですか。別に必須
じゃないということなんですよ。
かくかくさように、これだけ迷走を続け、幾ら再発防止を削除したとしても、実際
は再発防止に資するとして、今も答弁ありました、再発防止、捨ててないんでしょ
う。捨ててないんだったら何で取るのか。そして、再発防止に資するという、再発防
止のためにこの法案を作ったというわけですから、というか骨格はそうなっているわ
けで、この法案そのものをやっぱりこれは認めるわけにはいかないと思います。これ
だけ迷走を続けて、国会で厚労省の説明、よく分かりましたといって審議をやること
はできないですよ。これ、取り下げるべきだということをまた改めて申し上げます。
それで、長谷川利夫杏林大学教授の調査、配付資料一によりますと、身体拘束は、
二〇〇三年の五千百九人から二〇一三年の一万二百二十九人へ、十年で二倍以上に
なっております。
また、隔離も、一九九九年の七千十五人を底に増加傾向が続き、最新データである
二〇〇四年は身体拘束と隔離の両方が一万人を超えるという事態になっております。
なぜこのように増加しているんでしょうか。
政府参考人(堀江裕君)
精神科病院におきます隔離あるいは身体拘束につきましては、精神保健福祉法上、
精神保健指定医の診察により患者の医療と保護のため必要性が認められた場合に限
り、必要最小限の範囲内で行うことができると法三十七条に基づく告示で定めている
ところでございまして、厚生労働省が行っております調査では、精神科病院で隔離、
身体的拘束を受けた患者は増加傾向にあり、平成二十六年には各々一万人を超えてい
るというのは御指摘のとおりでございます。
その要因につきましては、比較的症状が激しい急性期の患者が増加していることな
どが考えられますけれども、現時点では明確ではございません。
厚生労働省といたしましても、早期に隔離や身体的拘束の増加要因を分析すること
が重要と考えてございまして、厚生労働科学研究といたしまして、本年六月に、隔離
や身体的拘束に関する全国調査を実施できますよう調査設計を今行っているところで
ございます。
福島みずほ君
調査に当たっては、精神病院関係者だけでなく、当事者、弁護士など人権擁護的観
点から知見を出せる人も入れるべきだと考えますが、いかがですか
政府参考人(堀江裕君)
研究班のメンバーでございますけれども、国立精神・神経医療研究センターが中心
となって、研究協力者として、民間及び公的な精神科病院の医師や精神医療審査会の
実務に精通した方によって構成されてございまして、研究代表者からの報告によれ
ば、本年六月に
実施する実態調査には弁護士の方にも参画いただく計画であるというふうに聞いてご
ざいます。
また、当事者にも参画いただく方向で研究代表者との調整を図ってまいりたいと考
えてございます
福島みずほ君
当事者をしっかり中に入れるべきだというふうに思います。
隔離、身体拘束の継続実施日数はそれぞれ平均で何日間でしょうか
政府参考人(堀江裕君)
隔離、拘束の平均継続日数の現状についてでございますけれども、現時点で実施日
数等の詳細は把握しておりませんが、厚生労働省としても隔離、身体的拘束の実態を
把握することは重要と考えておりまして、先ほど申し上げました六月に実施する全国
調査において、隔離や身体的拘束の実施期間につきましても把握できるよう調査設計
を行ってまいりたいと考えてございます。
福島みずほ君
現状で把握していないということも問題ではないでしょうか。
長谷川教授の調査では、身体拘束九十六日、隔離四十六日と極めて長期であるとい
うふうになっております。なぜこのように長期なのか、人権侵害ではないかというふ
うに思います。是非、その隔離、身体拘束、今厚労省は平均何日か認識していないと
いうことで、かように長期になっていること、しかも極めて増加をしていること、そ
れについてしっかり改善、これは国際人権規約B規約からも非常に言われております
ので、きっちり、隔離、身体拘束を行う際の基準、それから長期にわたっていること
など、しっかり改善すべきだと思います。
同じく長谷川利夫教授が全国十一の精神科病院における隔離病者四百四十四人、身
体拘束患者二百四十五人を対象に調査をしたところ、その実施理由は不穏が一番多く
三百三十五人、次いで多動が二百三十八でした。しかし、不穏も多動も、患者本人に
してみれば自分を落ち着かせるための行為である場合も多く、また医療従事者側の恣
意的評価が働きやすいなど、専門家からの批判も根強いです。
ヨーロッパでは、医療従事者が患者に対して大丈夫ですよなどと声を掛けながら抱
き締めたり手を握ったりするなど対応し、隔離や身体拘束をできるだけ行わない工夫
をしています。厚労省はこのような取組を取り入れるべきではないでしょうか。
また、やむを得ず隔離、身体拘束を行う場合においても、実施についての厳格な
ルールを設け、精神医療現場に周知徹底をすべきではないですか。
政府参考人(堀江裕君)
隔離、身体的拘束につきましては、先ほども申し上げましたように、患者の医療と
保護のための必要性が認められ、他に適当な代替手段、方法がない場合に限り、必要
最小限の範囲内で行うことができるものでございます。
御指摘のような不穏や多動が認められる患者についても、隔離や身体的拘束の対象
となる場合が想定されます。具体的には、不穏や多動によりまして他の患者に対する
暴力行為や著しい迷惑行為、器物破損行為が認められ、他の方法ではこれを防ぎ切れ
ない場合、一般の精神病室では医療又は保護を図ることが著しく困難な場合等には隔
離の対象であり、また自傷行為が著しく切迫している場合、多動又は不穏が顕著であ
る場合などには身体的拘束の対象であると考えられております。このため、不穏や多
動が認められる患者に対する隔離や身体的拘束が直ちに不適切というものではないこ
とは先ほどから申し上げているところでございます。
そこで、ルール化についてもお尋ねがございまして、隔離、身体的拘束の基準につ
きましては、精神保健福祉法三十七条一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準
において、その基本理念といたしまして、患者の個人としての尊厳を尊重し、その人
権に配慮しつつ、適切な精神医療の確保及び社会復帰の促進に資するものでなければ
ならないことを明示してございます。また、隔離、身体的拘束それぞれに基本的な考
え方、対象となる患者に関する事項を定め、その取扱いを規定して精神保健医の判断
のみにより開始できることとしてございます。
引き続き、こうした取扱いを指定医の申請時、更新時の研修等を通じて徹底し、医
療中の患者の人権に配慮した適切な精神医療が確保できるように対応してまいりたい
と考えてございます。
福島みずほ君
どういうふうに拘束するかという写真を見てやっぱり驚きました。日本の刑務所は
革手錠を廃止したんですね。やっぱりすごく拘束することになるし、良くない。日本
の刑務所は革手錠を廃止したんです。この拘束、身体拘束が平均して九十六日、やっ
ぱり長いですよ。是非これらの改善をするべきだということを強く申し上げます。
そもそも隔離、身体拘束が増え続ける理由として精神科救急の問題があるのではな
いでしょうか。
精神科救急医療体制を有する病院数は二〇〇八年から二〇一四年までの六年間で九
百十五病院からの千六十七病院へ百五十二病院、率にして一六・六%増えています。
一方、同じ六年間で精神科病院数は千七十九病院から千六十七病院へ十二病院減っ
ています。配付資料二です。
また、診療報酬の点数も二〇〇四年から二〇一六年までの十二年間で、精神科救急
入院料三十日以内が二千八百点から三千五百五十七点へ、精神科急性期治療病棟入院
料三十日以内が千六百四十点から千九百八十四へと上がっております。一方、同じ十
二年間で、救急ではない入院、精神療法の診療報酬は三百六十点のままです。配付資
料三です。
このような精神科救急病院の増加と診療報酬アップを受けて、請求金額も急増をし
ております。
二〇〇四年から二〇一四年までの十年間で、精神科救急の入院医療に係る主な項目
の一か月分の請求金額は二十七億円から九十六億円へと三・五倍以上に膨らんでいま
す。配付資料四です。一方、同じ十年間で、救急以外の精神科入院は三十八億から五
十五億へ一・四倍であり、全ての科の入院では七千二百三十億円から一兆九百六億円
へ一・五倍にとどまっています。配付資料五です。
つまり、精神科救急の入院医療が十年間で三・五倍以上に膨らんでいると、精神科
救急は来院即隔離ないしは身体拘束という対応も多くなるため、こうした精神科救急
の重視策が隔離、身体拘束増加の原因の一つになっているんじゃないでしょうか。
政府参考人(堀江裕君)
隔離、身体的拘束の件数が増加している背景につきましては、先ほども申し上げま
したが、本年六月の厚生労働科学研究におきます全国調査を行うこととしてございま
す。
それから、御指摘のとおり、精神科救急機関の夜間、休日の受診件数、入院件数、
増加してございますが、隔離や身体的拘束と精神科救急との関係については明らかで
はないわけでございまして、六月の全国調査において分析が行われる予定でございま
して、その調査結果を踏まえまして、必要な対策を検討してまいりたいというふうに
考えてございます。
福島みずほ君
でも、この診療報酬や点数から導かれるものもあると思います。是非しっかり検討
していただきたいと思います。
重度かつ慢性に関する診断基準、これは資料と新聞を付けておりますが、厚労省
は、第五期障害者福祉計画、二〇一八年から二〇二〇年度において重度かつ慢性に該
当しない長期入院精神障害者の地域移行を目指すという方針を出しています。
また、これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会、あり方検討会による
と、一年以上の長期入院精神障害者、約十九万人、認知症を除くの六割以上、約十一
万人が重度かつ慢性に該当するとされています。
障害者の地域移行は世界のスタンダードです。
であるにもかかわらず、十一万人もの人々が地域移行から排除されるのは問題では
ないでしょうか。
政府参考人(堀江裕君)
精神病棟に入院後、適切な入院医療を継続して受けたにもかかわらず一年を超えて
引き続き在院した患者のうち、精神症状、行動障害、生活症状、身体合併症などの基
準から重度かつ慢性の基準に満たすとされる方についての御質問でございますけれど
も、当該基準
を満たすことを理由に地域移行へ向けた取組の対象から外れるようなことがあっては
ならないと、それから当該症状を有する障害者にはより手厚い入院医療を提供するこ
とで、できる限り地域移行^に結び付けていくことが方向性として確認されているも
のでございます。
また、第五期障害福祉計画では、平成三十二年度末の長期入院精神障害者の地域生
活への移行に伴う地域の精神保健医療福祉体制の基盤整備量を明記することといたし
てございます。この第五期というのは平成三十年度からのものでございます。
基盤整備量を算出するに当たりましては、御指摘の重度かつ慢性の基準に該当する
患者以外の地域移行だけでなく、治療抵抗性統合失調症治療薬の普及等によって御指
摘の重度かつ慢性の基準に該当する患者の地域移行が進むことも想定しているもので
ございます。
福島みずほ君
ただ、十一万人が重度かつ慢性というのはどうでしょうか。この基準作成は厚労省
の補助研究事業研究班が作成しておりますが、この研究班やあり方検討会に精神科病
院の業界団体である日本精神科病院協会幹部がメンバーとして入っております。十一
万人が地域移行をするのか、それとも引き続き入院したままなのかは極めて重要な経
営問題でもあります。利益相反ではないでしょうか。
政府参考人(堀江裕君)
御指摘の重度かつ慢性の基準は、精神症状、行動障害、生活障害、身体合併症につ
いて重症度を評価するものであることから、精神医学の専門的な知見を有する医師等
が中心となって作成したものと認識してございます。
また、これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会では、当該基準を満た
すことを理由に地域移行へ向けた取組の対象から外れることはあってはならないこ
と、当該症状を有する精神障害者にはより手厚い入院医療を提供することでできる限
り地域移行に結び付けていくことが方向性として確認されてございます。
このため、精神科病院の医師等が作成しているということで利益相反にはならない
というふうに考えてございます。
福島みずほ君
ただ、この十一万人がまさに重度かつ慢性というこの診断基準はおかしいと思いま
す。
資料として、配付資料八、九に付けております重度かつ慢性を診断する際の基準と
なっているBPRS、簡易精神症状評価尺度は、その第一項目、精神症状の評価基準
として十八項目における点数、なしの一点から最重度の七点までの七段階評価の合計
を四十五点以上としています。十八項目の総得点が四十五点以上ということは、一科
目平均二・五点以上で重度かつ慢性とみなされるという意味になります。
しかし、BPRSの点数表においては、二点はごく軽度であり、三点は軽度となっ
ています。四点が中等度、五点がやや重度、六点が重度なんですね。ということは、
二・五点平均点で取っていると、でも三点が軽度で二・五点はごく軽度なんですよ
ね。ですから、各項目における評価基準と総点数の評価基準とが著しく乖離してい
て、評価尺度として適用するのは不適切ではないでしょうか。
政府参考人(堀江裕君)
精神疾患の重症度を評価する重度かつ慢性の基準を構成するBPRS、簡易精神症
状評価尺度の評価基準につきましても、研究班に参加している有識者の合意形成に基
づき作成されてございます。
研究代表者によりますと、BPRSの評価基準につきましては、総得点四十五点以
上は治療抵抗性の精神症状を評価する際の目安として学術的にも用いられている、い
ずれかの項目で六点以上となれば重度な症状を有していると言えるといった考え方の
下、有識者の合意形成に基づき設定したとのことであり、一定の合理性があるものと
考えてございます。
いずれにいたしましても、これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会報
告書においては、御指摘の重度かつ慢性の基準によってより配慮された名称並びによ
り適切な基準となるよう、学会など様々な場において引き続きの検討が必要であると
されてございまして、今後これを踏まえて適切に対応してまいりたいと考えてござい
ます。
福島みずほ君
でも、重度かつ慢性が十一万人、六割以上がそうだとなると、地域移行の歯止めに
なっちゃうじゃないですか。イタリアとかは御存
じ、入院をしないようにするとか、大臣はいろんなことに明るい方ですから、もっと
精神障害者の問題を地域へというのはよく御存じだと思います。その意味で、これの
重度かつ慢性の評価基準はおかしいと思います。
それで、ちょっとまた元に戻って、調整会議と代表者会議で、調整会議は本人と家
族は原則として出ると、出れない場合はまあいいということで、必要に応じてを取っ
たという先ほど副大臣から説明がありました。じゃ、本人が、警察入れないでくれ、
私のフォローアップのこの会議に警察入れないでくれ、絶対に警察に情報渡してくれ
ないようにと言ったら、それは可能なんですか。
副大臣(橋本岳君)
個別のケース会議のことだというふうに理解をして申し上げますけれども、このと
きに警察は、まずは防犯をする人としての警察は入らないということ、ただし、支援
の関係者として入り得るという、何ていうんですか、例外的に入り得るということで
今まで答弁を申し上げております。
これは、まず本人、御家族の御意向を伺い、そして、その上で、関係者の方々、ほ
かの支援の関係者の方々の合意が得られた場合に限り警察が入るというふうに考えて
いるところでございまして、まず大前提として、原則的には警察は個別のケース会議
には入らないのだということでございますし、仮に入った場合でも、防犯のために入
るのではなくて、御本人の支援のために、要するに関係者の方々も含めて必要だと考
えたときに入り得るということでございます。
福島みずほ君
警察は何の支援なんですか。警察は防犯なんじゃないですか。警察って、別に社会
保健福祉士とかそういう者ではないわけで、精神保健福祉士じゃないわけだから、防
犯でしょう。
警察、何のために入るの。支援ということは分からないですよ。そして、今のだ
と、本人の意向を聞き、関係者の同意がなければ、本人が嫌だと言ったら入らないん
ですか、本人の同意は不可欠なんですか。
副大臣(橋本岳君)
まず、警察は防犯だけではないのかというようなお問いがございましたけれども、
こちらについては、先ほど申し上げましたように、援助の関係者として警察が参加を
するということで申し上げております。例えば、それは自傷他害のおそれ、あっ、ご
めんなさい、自傷のおそれが認められる者や、繰り返し応急の救護を要する状態が認
められている者等についてということを想定をしておりまして、例えば、繰り返し応
急の救護を要する場合……(発言する者あり)
はい。というようなことを想定をしております。
そして、これも繰り返しになりますが、警察が入るという場合は、まさに患者の支
援を目的に、保健所設置自治体が本人、家族から意見を聞いた上で、警察以外の援助
の関係者で警察の参加についての合意が得られた場合に例外的に警察が参加すること
があり得るということでございまして、本人の御意見はしっかり伺った上で、警察以
外の関係者の合意が得られた場合に、保健所設置自治体が警察の援助が必要だという
ことで入り得るということでございます
福島みずほ君
もう時間ですが、今の答弁では分からないんですよ。本人がノーと言えば入れない
という答弁でもないじゃないですか。いろんな人の関係者の意見、本人の意向を聞き
ながらみんなの同意を聞くというんであれば、本人が嫌だと言ったときには入れない
のかというのはよく分からないですよ。そして、やっぱりこれ……
委員長(羽生田俊君)
お時間でございますので
福島みずほ君
はい。
厚生労働省は再発防止を捨てないんでしょう。
再発防止に資するというのを言うんであれば、この概要説明からこれを切るのは間
違いだと思っています。
法案と説明が合致しない、この法案は取り下げるべきだということを改めて申し上
げ、質問を終わります