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育児・介護休業法 2016年3月29日参厚労委 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 育児・介護休業法では、権利行使を理由とする不利益禁止、家族的責任を有する労働者に対する配置への配慮を求めております。
 本来なら、家族的責任を理由とする差別や不利益を事実行為を含めて禁止する方向に進むべきであり、直接、間接を問わず、婚姻又は家族的責任に基づく差別待遇の防止を規定すべきではないでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 仕事と家庭の両立につきましては、現在は議員御指摘のような家庭的責任を有することを理由とする差別の禁止とか、あるいは不利益な事実行為に対する禁止によってではなくて、育児・介護休業法に定める制度を働く方に確実に利用できるようにすることによって仕事と家庭の両立の実現を図るというのが政府のこれまでのアプローチでございまして、御指摘のような議論があることは分かっているわけでございますし、また衆議院の方でも出ておりましたが、現時点ではそのような考え方が労政審における議論も含めて社会的なコンセンサスを得られているとはなかなか言い難いところがございまして、引き続き議論を行っていくことが必要だというふうに思っています。
 なお、育児・介護休業法においては、働く方が育児休業等の制度を確実に利用できるように、育児休業の取得等を理由とする不利益取扱いの禁止を規定するとともに、今回の法案において、上司、同僚等についても、育児休業の取得等を理由として嫌がらせなどを行うことについて事業主が防止措置を講ずる義務を課すこととしているところでございます。
○福島みずほ君 三月二十五日の参考人質疑において小酒部参考人から、仕事と家庭の両立支援を作るべきだという指摘がありました。これについていかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今のは、仕事と家庭の両立支援法の、法律ですね。
○福島みずほ君 はい。
○国務大臣(塩崎恭久君) 働く方が育児あるいは介護を行いながら安心して働き続けられる環境をつくるということは、整備をするためには、一つは、育児や介護を行う働く方々が必要に応じて育児休業とか介護休業、短時間勤務などの制度を利用できるようにするということがまず第一。二番目に、育児や介護を行う働く方が必要な保育サービスや介護サービスを利用できるようにすること、そしてさらに、長時間労働の是正などの働き方改革を進めること、こういったことが複合的に必要であるというふうに考えております。
 これらは現行法上、それぞれの法律あるいは施策によってその実現に向けて取り組んでいるところでございまして、これら全体を含めるような仕事と家庭の両立支援法として作り上げるということは、現時点では私どもとしては考えてはいないところでございます。
 しかしながら、仕事と家庭の両立のためにはこれらは全て重要な要素でもございますので、主として厚生労働省が中心となって担当するものでもあることから、総合的な取組をしっかりと展開していきたいというふうに思います。
○福島みずほ君 やはり、小酒部参考人、ほかの参考人からも、長時間労働の規制をやらなくちゃいけないというのがありました。これは本当にやらなくちゃいけない。
 労働基準法の改悪法はまさに逆行していると思いますが、いかがですか。
○副大臣(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。
 子育てや介護を行う方だけではなくて全ての働く方々にとって長時間労働を是正していくこと、これはとても重要だと、このように考えております。
 そして、今お話ございました現在提出させていただいております労働基準法の改正案では、全ての働く方々の働き過ぎを防止するようにということで、年五日の休暇指定の企業への義務付け、あと、中小企業における割増し賃金率の引上げを行うとともに、企業の自主的な取組を促すことにより、総労働時間の短縮や終業そして始業の時間のインターバル確保、これを推進していくこととさせていただいております。また、今回の法律では、介護のための所定時間外の免除制度の創設や、育児、介護を行う方々が長時間労働することなく仕事と育児と介護の両立ができるような制度の充実を図らせていただいております。
 さらに、この三月二十五日に開かれました一億総活躍国民会議で、総理の方からこの長時間労働の是正について具体的に指示がなされました。法施行の具体策を早急に取りまとめるとともに、ニッポン一億総活躍プランの中で三六協定の在り方も含めて長時間労働の抑制策を取りまとめていくようにというふうに指示が出ました。
○福島みずほ君 日本の雇用に必要なことは、最低賃金上げること、そして長時間労働の規制だと思います。労働基準法の改正法案、まあ改悪法案と私は思いますが、これはまさに労働時間規制が一切ない労働者を誕生させるもので、長時間労働の規制をするということと全く真逆の法だと思います。
 安倍政権は、口当たりのいい優しい言葉を使って頭をなぜるふりしながら蹴るみたいな、だからそれはやっぱり間違っていると。なぜるんだったらなぜ続けるのであって、一方で蹴り続けるという。だから、派遣法の改悪とこの労働基準法の改悪法は、やっぱり労働法制の規制緩和で、なぜるふりして近寄ってきて蹴るというのはちょっとやめてくれというか、今国会で何とか廃案にしたいというふうに思います。厚労省の人たち、そう本心では思っているんじゃないかと実は思っております。
 また、小酒部参考人などからも、マタハラ、セクハラ、パワハラの関係や、非常に深刻な実態が報告があって、なるほどというふうに思いました。一元化した相談体制などの整備、これは事業所にも事業主にも必要だし、厚生労働省においても必要ではないか。いかがでしょうか。
○副大臣(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。
 今、福島委員御指摘のように、例えばセクハラとマタハラの境目というのは結構はっきりしなくて、一つの言動が両方に当てはまってしまったりとか、働く人がやっぱり相談しやすい、どちらに当てはまるのか何だか分からないけれども、心理的そういう圧迫を受けたということで相談しやすい環境をつくっていくこと、これとても大切でありますので、ハラスメントに対応する窓口を一元化することが有効であると、このように私どもも考えております。
 ということで、今回の法律案では、マタハラ防止措置の内容につきましては、法整備成立後、労政審で議論を経て、指針で具体的な内容を定めようと思っておりますけれども、その中で、ハラスメントへの一元的な対応を含め、どういった相談体制が望ましいのか、この辺は審議会で御議論いただきたいと考えております。
 また、私ども行政の方の対応でございますけれども、本年四月から都道府県の労働局の組織の見直しを予定しておりまして、マタハラ、セクハラを含めたハラスメントについて、これは新組織である雇用環境・均等部にて一体的に相談体制を行おうと考えております。あと、企業への指導と紛争解決に係る援助について新組織で一元的に実施をするということで、なるべく集約してまとめて対応できるようにということで、ハラスメントの対策を総合的に進めていこうと、このように考えております。
○福島みずほ君 是非これは一元化の方向、事業主もそうだし、厚労省の体制としても是非よろしくお願いします。
 有期契約労働者は、育児休業の申出時点において契約満了が明らかでないなどの取得要件を満たす必要があるとされていますが、この申出時点というのはどの時点を指すのか、教えてください。
○政府参考人(香取照幸君) 育児休業法に基づきまして休業の申出をする時点ということですが、これは一歳に満たない子を養育する方が、育児休業をしようとする方ですね、その方が事業主に書面等により育児休業の申出をした時点ということになります。これは書面となっていますが、メールでも結構ですが、必要事項を記載して事業主に申し出た時点でございます。
 休業を取る場合には、希望をする日から休業するためには、原則その一か月前までに申出をするというのがルールになってございます。
○福島みずほ君 通常、いきなり育児休業の申出をすることは想定されず、まずは妊娠の報告を職場にするのが普通だと思います。そうだとすれば、妊娠の報告後、育児休業の申出がある前に事業主が次の契約更新はしないからとすることで、復帰後の雇用継続見込みがないとして、育児休業を認めないということも考えられます。
 このように、育児休業の申出以前であっても、妊娠を報告した後に次の契約更新をしないとすることは、妊娠を理由とした不利益取扱いの禁止の規定、均等法九条に違反して許されないということでよろしいですね。
○国務大臣(塩崎恭久君) 有期労働者がその契約の下で働く場合に、事業主が妊娠や育児休業の申出等を理由として雇い止めなどの不利益取扱いを行うことは、これは当然、男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法、いずれにも禁止をされていることであります。
 御指摘の、妊娠の報告の後に、育児休業申出前に有期の労働契約で働く方を雇い止めするということは、男女雇用機会均等法で禁止をする妊娠等を理由とする不利益取扱いに該当するというふうに考えるべきだと思います。
○福島みずほ君 論理的にはそうなるわけですが、妊娠報告した後、いや、君の妊娠が理由ではなくて後の契約更新は元々しないことになっていたというようなことで、実は更新が明らかでないとして育休を取ることができないということなどが起こりかねないというふうに思います。今の大臣の答弁で、妊娠を理由とした不利益取扱いの禁止の規定に違反して許されないということですので、これが実務上もこれで本当に通用するように是非指導等もよろしくお願いします。
 育児休業の取得に関して、無期契約労働者、いわゆる正社員には取得要件が定められているでしょうか。
○政府参考人(香取照幸君) 育児休業法第六条によりますと、無期契約の方の場合には、事業主は、労働者からの育児休業申出があったときは、当該育児休業申出を拒むことができないという規定がございます。ただし、これにはただし書がございまして、労使協定によって、当該事業主に引き続き雇用された期間が一年に満たない労働者、あるいは、育児休業をすることができないこととすることについて合理的な理由があると認められた労働者として厚生労働省令で定めるものにつきましては、労使協定で育児休業の対象から除外することができるというただし書がございます。
○福島みずほ君 今答弁してくださったとおり、正社員については原則取得要件はありません。正社員の場合は何らの取得要件が定められていないにもかかわらず、有期契約労働者については今回の改正で要件緩和後も一年以上の雇用実績、契約満了が明らかでないという要件が残ることになります。一年以上の雇用実績というのもあるわけです。
 派遣労働者を始め非正規雇用労働者は、育児休業がそもそも取れないといった誤解がある中、有期雇用労働者にのみ取得要件が残ることは引き続き誤ったメッセージを送ってしまうのではないでしょうか。
○副大臣(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。
 有期労働契約で働く方に円滑に育児休暇を取得していただくためには、その要件について周知を行うことがとても重要であると、このように考えております。
 このため、有期の労働契約で働く方についても一定の要件を満たせば育児休暇を取得できることや……(発言する者あり)休業、済みません、育児休業を取得できることや、その要件についてリーフレットの配付等による周知を行うとともに、事業主に対しましては有期の労働契約で働く方も対象とした育児休業制度を就業規則に定めるように指導等を強化する予定でございます。
 ということで、これは労使共にこの制度をしっかり理解していただくことが大切であります。今、育児休業制度を正社員の方は四三%利用していただいておりますが、パート、派遣では僅か四%ということで、この告知の方がまだまだ十分ではございません。ということで、この法案が成立した後、有期の労働契約で働く方に、育児休業の取得要件の趣旨について労政審において御議論いただき、指針でもお示しをしていきたいと思います。
 こういった取組によって有期の労働契約で働く方が円滑に育児休業を取得できるように、改正内容について事業主にも正確に伝わるように、両方に周知徹底に努めてまいりたいと、このように考えております。
○福島みずほ君 また、塩崎大臣は二十四日のこの委員会で、同一労働同一賃金を実現しようと言っている私どもがやっぱりそこにはよく配慮をして、今までとは全然違うよということをはっきり広報していかないといけない、周知徹底をしていかないといけない、事業主に対しても就業規則などで定めろというような、定めていただくように指導する、あるいはそういう指導を強化すると答弁をされました。
 まさに同一労働同一賃金の観点からは、育児休業などの取得について正規と非正規で要件の違いが法律上あることは問題があるのではないでしょうか。有期契約労働者についても正社員と同様、育児休業取得のための要件を撤廃すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 何度も申し上げますけれども、育児休業は育児を理由とする雇用の中断を防いでその雇用の継続を図ることを目的としているわけでありますから、有期の労働契約で働く方のうち、休業することによって雇用の継続が相当程度図られる方を制度の対象とすべきと考えておりまして、具体的には、まず申出時点で過去一年以上継続して雇用されること、子供の年齢が一歳六か月になるまでの間に更新されないことが明らかでない者を満たす方を育児休業取得の対象としたわけでありますが、有期の労働契約で働く方の育児休業取得要件を全て撤廃をしてしまいますと、あらかじめ復帰しないことが分かっていらっしゃる方々などについてまで休業をさせることを事業主に義務付けるという格好になりかねないわけでありまして、雇用継続という育児休業の趣旨に照らしてみると適当ではないのではないかというふうに思います。
 有期の労働契約で働く方の円滑な育児休業取得のためには、今般の育児休業の取得要件緩和などの改正内容について、事業主に対して正確に伝えるよう周知徹底が必要だと思っています。このため、改正法の施行に当たっては、都道府県労働局雇用均等室において事業主向けの説明会等を開催をするほか、働く方や事業主に向けた分かりやすいパンフレット等の作成、配付など積極的な周知を図って実効を上げていきたいというふうに思っております。
○福島みずほ君 パートや有期契約やそして派遣の人たちが、育児休業が本当に取れるように私は要件を撤廃すべきだと思いますし、今後もこれについては実態調査を含め、一緒に注視していきたいと思いますし、啓発が必要だと思います。
 先ほど同僚委員からシルバー人材センターにおける業務についての質問がありました。私は、これ質問通告しておりませんが、もしよろしければ是非答えてください。
 シルバー事業は福祉との接点にある生きがい就労と位置付けられ、最低賃金以下での就労や労災保険の未適用などが指摘をされています。今回の緩和によって、週二十時間を超える安価なシルバー派遣が拡大し、低賃金で劣悪な労働条件の雇用が拡大してしまうのではないかという危惧があります。
 労働法制が適用されない生きがい就労や請負と、労働法制が適用される派遣が同一センター内に混在する、つまり労働法制が適用されるのと適用されないのと両方混在するわけで、違法とか適法の境界が不明確になってしまうのではないか、このような危惧を私も持つんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 御懸念はもっともだと私も思いますが、今回は、派遣それから職業紹介に限って週四十時間までの就業を可能とするという改正を行うわけでございますので、あくまでも働く高齢者の方々にとってもその働く権利が守られ、そしてまた競合するような方々にとっても問題のないようにしていくということに配慮をしながらこれをやっていかなければいけないんじゃないかと、このように考えております。
○福島みずほ君 シルバー人材センターには、労働法制が適用されない分野、生きがい就労という部分と、今度はもう一つ、労働法制が適用される派遣が混在するわけですよね。ですから、シルバーセンター内でも何かごちゃごちゃというか、何が違法で何が合法で、そして、何か安くて当たり前みたいな形になると本当に困るので、その点はしっかりやってくださるよう要望し、質問を終わります。
 ありがとうございます。

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